成田三樹夫 単語


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成田三樹夫とは、個性的な脇役で有名な日本の俳優である。1990年4月9日没、享年55歳。

概要

1935年1月31日、山形県酒田市生まれ。
山形県立酒田東高校を卒業後東京大学に入学するが中退。郷里へ帰って入学した山形大学も中退。
その後役者を志し、1959年劇団俳優座に入所。
1964年、大映の「殺られる前に殺れ」で映画デビュー。
端正なマスクに鋭い眼光が悪役にぴったりで、「座頭市」シリーズの敵役や、
「仁義なき戦い」などの東映ヤクザ映画で確固たる地位を築く。
時代劇にも数多く出演し、「新・平家物語」や「徳川家康」などのNHK大河ドラマにも起用される。
中でも強烈な印象を残したのが「柳生一族の陰謀」の、実は剣の達人というお公家様である。
声色まで変えて妖しい公家の雰囲気を出し、一旦剣を抜き放てば恐ろしく強い、という役であった。
悪役にとどまらず、コミカルな演技で当時の若者たちに受けたのが松田優作主演のテレビドラマ
「探偵物語」のどこか憎めない刑事役で、優作に向かって『工藤ちゃあ~ん』と言うセリフが
有名である。

彼はある週刊誌のインタビューで『カネを欲しがったり、名声や権力が欲しいなら、役者やるな』
と言い放ったそうで、誇りを持って脇役を演じていたと思われる。
後輩の渡瀬恒彦に慕われ先輩の菅原文太とは気が合い、
病床では医者に『役者やめたら文学で生きるんだ』と話していたそうである。
1990年に惜しくも癌で亡くなった成田の葬儀で弔辞を読んだのは菅原文太であった。
知性も感じさせるニヒルな悪役を演じると天下一品であった成田三樹夫が、
55歳という若さで亡くなったのは、誠に残念である。

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