新・光神話 パルテナの鏡とは、2012年3月22日に発売されたニンテンドー3DS専用ソフトである。
概要
E3 2010で発表されたソフト。開発は、かの桜井政博氏率いるプロジェクトソラ。 ジャンルはアクションシューティング。ゲーム内容は「罪と罰」シリーズを彷彿とさせる作りとなっている。
初心者でも入りやすいように作られたシステム、「大乱闘スマッシュブラザーズX」でも見られた特徴的なフォントなど、桜井政博氏のテイストが全面に押し出されたゲームデザインが特徴。
また、「スターフォックス」シリーズや「罪と罰」シリーズなど、これまで任天堂が作ってきたSTG(FPSとTPSを含む)の集大成的な面も見られる。
パッケージには『新・光神話 パルテナの鏡』専用ARカードと、ニンテンドー3DS専用スタンドが同梱されている。
ストーリー
かつて悪逆の限りを尽くしていた冥界女王メデューサが、25年の時を経て復活した。
“冥府軍”を率いて地上界、天界へと侵攻を開始するメデューサ。
これに対して立ち上がるのは、かつてメデューサの対の女神だったパルテナと、
その使いであるパルテナ親衛隊長ピット。
飛べない天使が女神の奇跡を翼に受け、冥府軍を浄化するために天界から飛び立つ。
(公式サイトより引用)
この文章を見る限りでは非常に王道展開でシンプルなストーリーに感じられるが、実際にやってみるとメタ発言まみれの天界ジョークだらけになっており、笑える部分が非常に多い。かと思えば女神パルテナが戦争に心を痛めるなど、コメディ部分からは想像もつかないようなシリアスなシーンも多く、シリアスとコメディの落差が大きいストーリー展開となっている。
登場人物
ピットとパルテナのデザインは「スマブラX」がベースとなっている。「初代パルテナ」から25年たったという設定だが、神様や天使は年を取らない設定なのでピットやパルテナは歳を取っていない。もっとも、不老であるが神々同士が闘えば不死不滅というわけにはいかないらしい。パルテナ等の女神は年齢を気にしている様子である。
今作における神様は非常に感情豊かであり、性格的には人間と大差ない。また、何でもかんでも願いを叶えられる存在ではない。この点は今作の主要な元ネタであるギリシャ神話に沿っていると言える。
天界
- ピット(CV:高山みなみ)
- 本作の主人公。パルテナ軍親衛隊隊長を務める戦う天使。人間に換算すれば13歳ぐらいの少年。明るく元気だが、年相応に自信過剰だったりやんちゃだったりもする。桜井氏曰く「自分探しとかしない」らしい。
女神パルテナの加護があることに加え、かつては弓オンリーだった装備も「神器」という形で選択肢が大幅に増えており、本人曰く「昔の僕とは違う」らしい。が、相変わらず自力で空を飛べないなど、とてもそうは見えない。顔以外。
- パルテナ(CV:久川綾)
- 天界を統べる女神でピットの上司。
初代では攫われヒロインだったが、今作ではピットのサポートを行う。美貌の持ち主で、ピットをはじめとする天使たちからの尊敬を一手に受けるほどの慈愛の持ち主でもあるが、妙なところで腹黒かつ毒舌。桜井氏曰く「意外と冷徹で短気な一面がある」。大乱闘なんとかブラザーズでの神々しい振る舞いはどこへやら、茶目っ気や俗っぽさも色濃くなっており、特に下画面で繰り広げられるピットとの掛け合いは完全に漫才。大乱闘なんとかブラザーズではカービィが持ちキャラだとかそうでないとか。
一部では同じ任天堂製のゲームである「斬撃のレギンレイヴ」に登場する女神、イズン様の臭いがすると言われる。
- イカロス
- 天界の下級兵士たちの総称で、ピットの部下に当たる。 様々な種類がいる。一部マッチョな物もいるが、昔と同じようにピットと比べるとどれもこれも物凄く貧弱であり、ピット及びパルテナからは戦力として全く当てにされていない。但し、パルテナの加護がある限りヤラレチャッても低コストで復活できる他、ピットと違い彼らは普通に飛べるので17章ではピットの支援で大活躍することに。なお彼らをかたどったアイテムや神器としても登場するが、これらはもちろん本人ではなくイカロスを模した人形である。
冥界
- メデューサ(CV:進藤尚美)
- 冥界の女王であり、25年前に倒したはずの宿敵。蠢く蛇の頭髪が特徴的。元々はパルテナと対をなす闇の女神であったが、人間たちにあまりにもひどい仕打ちをしていたのを見かねたパルテナと衝突。その際に有名な『美しい頭髪を蛇の化け物に』を筆頭とする、「よっぽど恨むほどの事」をされる。25年前はパルテナを攫って手中に収めるという、あわや間一髪の所まで追い詰めたが、最終的にはピットによって倒されてしまった。
25年の時を経て、冥府軍を従えて突如復活し、天界と人間界に襲い掛かる。
前作から見た目が一番変わったキャラクター。前作では岩に埋め込まれた一つ目の怪物だったが、今作では蛇髪の巨大な女神で、ギリシャ神話に伝わる典型的なメデューサの姿で登場した。最終形態では首が分離してさながら「ゴーゴンヘッド」のような本性を表し、25年前の一つ目怪物姿を彷彿とさせる形相で襲いかかってくる。
(ただし、この一つ目の怪物の形態はメデューサ本来の姿ではないようで、海外の「初代」ではメデューサを倒すと本物のメデューサが出てくる。)
- 冥府軍
- メデューサが率いる軍隊。その多くが魔物の姿をしていて、人のように手を持ち二足歩行をする物は非常に少ない。前作に登場した敵も多数続投している。(ナスビ使いや死神など)
- 魔獣ツインベロス
- 前作に登場した、二つ首の犬型モンスター。前作でも1面:冥府界のボスだったが、今作では更に全身が燃え滾っており、火炎放射や尻尾での薙ぎ払い攻撃、巨体から繰り出す突進攻撃は威圧感満点。1面早々モンハン並のデカさのボスという時点で、初見ではかなり怖いかもしれないが、それでも悲しいかな所詮は1面ボス。冥府軍幹部ボスの中では唯一喋れず、ピットからは犬っころ扱いでやたらと馬鹿にされた挙句、ボスバトルモード(≒格闘王への道)でもコイツがノーダメ安定で倒せないと論外などと基準にされてしまう程、ウィスピーウッズ的なポジション。
- 三つ首竜ヒュードラー(CV:高塚正也)
- 前作で人間界のボスとして登場した、蛇型モンスター。今作ではなぜか三つ首竜に進化しており、しかも羽もないのに空を飛ぶようになっている。また、首だけになっても生存する生命力を持つ。
三つ首は向かって左からそれぞれ「やけに優しい穏健派、父親面した正統派、ヒャッハーな過激派」といった別個の人格を持っており、しかも流暢に人語を操ってすさまじいテンポで漫才を繰り広げる。三つ首状態の空中戦から、首だけになった状態との地上戦など、様々な戦いの中でそれぞれの首を撃破していくことになるが、この順序によってデモ内でのセリフも変わってくる。全部見てみよう。
- 邪神パンドーラ(CV:鈴木麻里子)
- けだるげな女性の声で話す、人魂型の女神。これでも一応女神。前作では天空界のボスとして登場。
災厄を操る存在で、奇妙な魔法を多く繰り出す。冥府軍の魔物を量産する「真実の魔境」を所有し、目の回るようなトラップが満載されたダンジョンを構成してピットを迎え撃つ。
- ピットに倒されたが、終盤で巻き戻しの泉により復活、さらに肉体も再生させて妖艶な美女、女戦士パンドーラに
なった。その姿と性格の変化は周りを驚愕させた。
- 魔神タナトス(CV:伊藤栄次)
- 死を司る魔神。一般ザコ敵で魂収集役の「死神(Reaper)」ではなく、そのまた上司の「死の神(Death)」。変身を得意とし、前作のメデューサ戦では「メデューサの蛇髪のうちの1本」に化け、ヒュードラーの色違い的な姿でメデューサの前を跳ね回っていた。今作では、本来の姿であるランプの魔人のようなデブ親父の姿で登場。巨人の足・骨壺・刀剣槍の束・コウモリ・マトリョシカなど変身のレパートリーは生物非生物モチーフ問わず多彩だが、全ての変身を一度で拝もうとすると、それなりにホンキ度を上げて高難易度で挑まないと達成できない。
暑苦しいテンションの持ち主。語尾にいちいち「デス」=「Death」とつける。
パルテナ曰く、冥府界においてはむしろメデューサよりも格上の存在であるはずだが、自身は「冥府の世界に格差社会は似合わない、格が上下どうであろうが、面白ければ別に何でもいい」としてこの指摘を一蹴している。
- 冥府神ハデス(CV:大塚芳忠)
- 存在自体がネタバレなので詳細は「ハデス(光神話パルテナの鏡)」の記事を参照。
自然軍
- ナチュレ(CV:大本眞基子)
- 破壊王自然王という肩書きを持つ神。少女の容姿をしているが、口調は年寄り臭い、いわゆるロリババアあるいはのじゃロリ。自然の摂理に反する人間たちを滅ぼし、あるべき自然の姿を取り戻すという名目で、たった1発で都市を腐海に沈め大地へと還元する強烈な植物核兵器「初期化爆弾」を連続投下して人間界を攻撃。冥府軍とはまた違った第三勢力「自然軍」を率いており、地上文明の初期化一掃を阻止しようとするピット・パルテナ軍の前に立ちはだかる。だが、人間憎しとはいえど地上侵略のため無益な殺戮や自然破壊をも厭わない冥府軍とも対立関係にあり、利害の一致次第では一時的にピット側に協力することもある。そのため、ピット達にツンデレと指摘された。否定せずにツンデレのお約束の台詞で言い返すあたり、自覚はあるのかもしれない。
- ロッカ
- すばやさがぐーんとあがった!
- 『剛力のロッカ』と呼ばれる自然軍幹部。自然軍三幹部の中では唯一非人間ベースの岩石に覆われた姿をしている。文字通り岩石の身体をフル活用したパワフルな攻撃が得意で、防御力も弱点部分を除いて総じて高く、こちらの攻撃が通りにくい。理由は不明だが、一切喋らない。(ナチュレ曰く『口がないから』)
- アロン(CV:徳山靖彦)
- 『静寂のアロン』という肩書きを持つ自然軍幹部。人工の月として造られた、兵器満載の星型要塞『月の神殿』に住んでいる。外見はモノクルを付けた老紳士で、温厚で礼儀正しい(ピット曰く『爺や口調』)が、おドール説明文によると「残忍性も秘めている」とのこと。月の象徴らしく光と暗闇を操り、闇に姿を隠しながら攻撃してくる。
- エレカ(CV:小松由佳)
- 『電光のエレカ』の異名を持つ、自然軍最強幹部。クールビューティと称されている。タナトスを圧倒するほどのマジヤバでちゃけパねぇ実力の持ち主。異名通りに素早く動き回りながら電撃系の速攻を繰り出してくる。電撃系のピット曰く「セクシーダイナマイト」で、実際そのような格好をしているが、結構お年を重ねているらしく、パルテナとの会話では静かで不穏な、水面下での『オンナの争い』が繰り広げられる。
その他
- ブラックピット(CV:高山みなみ)
- 文字通りの黒いピット。自由に生きることを信条とし、パルテナに忠誠を誓って配下に就くのを良しとせず、オリジナルのピットのことを「似過ぎで気持ち悪い」と敵視している。だが、冥府軍にも所属していない。人の心の中を映して、その邪心から魔物を生み出す冥府軍の魔道具「真実の魔鏡」にピットの姿を映したことで誕生した。魔鏡によって誕生した者の意思はすべて冥府軍の支配下に置かれるはずだが、彼の場合、何故か冥府軍への忠誠をまったく欠いた状態で誕生した。(パルテナは『コピーが完了する前の中途半端な状態でピットによって鏡が壊されたためではないか?』と推測している。)
- ピットと違い、自分の翼で空を飛ぶことが出来る。セリフがやたらと中二病カッコいい(ピット曰く『キザ』)。
パルテナからは「ブラピ」という、あまりにもあんまりなあだ名を付けられてしまった。ピットも「(メタ的な意味で)いいのかな?」と一瞬慌てていたが、結局すぐに開き直ってブラピ呼ばわりすることに・・・
本人はやはりこのあだ名で呼ばれるのはちょっとイヤがっているようだ。
- マグナ(CV:乃村健次)
- 生身で冥府軍に立ち向かえるほどの強さを誇る傭兵。やさぐれてないガッツ。パルテナ曰く、その強さは人間の中でも最強クラス。冥府軍の幹部である魔王ガイナスと何か因縁がある模様。天使であるピットと出会った際は全く驚きもせず、「俺も死が近いのかねえ」と呟いた。ショタコンではない。実は今作で名前のある普通の人間の人物は彼のみである。一部のステージでは彼を操作する事が出来るが、ピットと違い攻撃手段が打撃のみで、照準マーカーも表示されず、装備した神器のスキル補正恩恵も受けられず、奇跡も使えない状態なので注意。
- 星賊
- 星賊船という船で銀河の海を渡り、売買もしくは船の燃料にするために「星座を狩る」一族。たまたまパルテナが三種の神器の隠し場所にしていた星座を神器もろとも狩ってしまったことで、取り戻そうとするパルテナ軍・同じく横から奪い取ってしまおうという冥府軍に同時襲撃され、三つ巴の神器争奪戦に加わることになる。だが1章のみの登場であり、出番は比較的少ない。謎の言語を持ち、冥府軍や自然軍とは違い一切話が通じない。
- 浮遊大陸群オーラム
- 突如ピット達が住んでいる星を襲撃してきた、機械生命の集合体から成る侵略者集団。『何故神話をモチーフにしたゲームにSF的な展開があるんだ』と突っ込んではいけない。メカメカしい外見で「デス・スター」等を彷彿とさせるが知的生命が操縦しているわけではなく、パルテナ曰く「まるでハチの巣のような、恐ろしく統率の取れた意志なき集団」。大乱闘なんとかブラザーズのザコ軍団を彷彿とさせる、ポリゴン剥き出しのカクカクした外見と、緑と黒に光るモザイクパターンが特徴的な「オーラム軍」を率いて侵略してくる。「パルテナ軍」「冥府軍」「自然軍」のいずれとも利害が一致しない第四勢力であり、三つ巴で対立していた三陣営が、この時ばかりはまさかの一時休戦を余儀なくされるほど強大な力を持つ。
- オーラム軍自身も独自の兵を持つが、弱らせて捕獲&無力化した捕虜の能力を解析してコピー兵として量産できる能力があり、一部冥府軍や自然軍の魔物をオーラム流に模倣した魔物も登場する。とある「おドール」の解説文に載っているが、「もしもオーラム軍がピットのコピーに成功していたら、戦況は激変していただろう」との事である。
- ラーズ(CV:稲田徹)
- ナチュレ曰く『自称太陽の使い』。しかし自在に空を飛んだり炎を操ったりするので、そこそこ力のある神だと思われる。炎に包まれた隆々しい姿をしており、熱血で変にテンションが高い。オーラムについて妙に詳しい。オーラムについて妙に詳しい。大事なことなので2回言いました。
最初はオーラム軍と戦うピットの味方をしていたが、実はオーラムの力を乗っ取り我が物にすることが目的。オーラムの外敵排除システムを無力化する泥臭い作業はピットにやらせつつも、ピットがいざオーラムの頭脳部分「オーラムブレイン」を撃破したその瞬間、手柄を掠め盗るようなタイミングでオーラムブレインに特攻をかけて、融合を果たす。目論見通りにオーラムそのものと一体化した彼は、お役御免とばかりにピットを裏切って攻撃を仕掛けてきた。ある意味メデューサやハデスより悪どい存在。しかし、最終的には支配したはずのオーラムに逆に精神を乗っ取られてしまった挙句、倒された後は自身の炎の力が暴発噴射、丁度それが推進ロケットとなって、制御の効かぬまま宇宙の彼方へと飛んでいってしまった。自業自得とはいえ、哀れな末路を辿ったキャラ。
この他にも海の神様ポセイドンやら不死鳥フェニックスやら神器の製作者やら、大量に登場する。
システム
「罪と罰」シリーズのように射撃機能を持った打撃武器を用いての3Dアクションシューティング。
氏がこれまで作ってきたゲーム同様に初心者への間口が広いシステムになっているのが特徴で、前作の名残は基本的な部分しかない。
操作方法は3DSの機構を存分に生かした物で、タッチペンを使って狙いを操作する。他に使うのはスライドパッドとLボタンのみである。これほどの簡単操作であるにもかかわらず、非常に多彩なアクションを楽しむことが出来る。
なお左利きにも対応しており、拡張スライドパッドあるいはABXYボタンでの視点変更、Rボタンでの攻撃にも対応している。また、移動に使用しているのとは反対側のキー・パッドを使うことで、キーのみでプレイすることも可能である。
パルテナのアクションは上で述べたように非常に多彩で、さらに通常のシューティングである空中戦と箱庭型のアクションシューティングである地上戦の二つのパートに分かれているが、 基本的な操作は3つの単語で表せる。
動く 狙う 撃つ
パルテナの操作はこの3つの操作で成り立っている。公式サイトでは「移動 狙い 攻撃」と表現されている。
これらの操作は、
スライドパッドで移動
タッチペンで狙う
Lボタンで撃つ
という形でまとまっている。
FPSをPCで遊ぶ際に、マウスでターゲッティングするのと同じ感じで視点を操作すると考えるとわかりやすい。
これらの操作を、「敵の攻撃直前にパッドを素早く入力」→回避、「敵の近くでLボタン」→近接攻撃といった感じで多彩なアクションに対応させている。
また、大乱闘なんとかブラザーズと同様、「はじき入力」=「スライドパッドを素早くずらす操作」が重要となっている。 特に重要なのは、地上戦でのはじき入力で、はじき入力した方向にダッシュするようになっている。このダッシュと同時に攻撃することによって、ダッシュの方向によって、一つの武器でも違う種類の攻撃を繰り出せる。
これは、大乱闘なんとかブラザーズでの通常攻撃が、スティック入力の方向と組み合わせることで多彩なバリエーションを出せたのと似ている。
余談だが、このキーで移動と射撃を操作し、タッチパネルで視点を操作するという操作体系は、本作が初ではなく、
ニンテンドーDSの頃から存在し、一般的には「メトロイドプライムハンターズ」が元祖だと言われている。
空中戦
空中戦は通常のシューティングのような形で、パルテナ様に移動を操作してもらいながら、敵を倒しつつ現地に向かう。現地に向かった際には着地して下記の地上戦を始める。
-
動く
-
狙う
- タッチペンで照準を操作する。的に照準を重ねてLボタンで攻撃するのがパルテナの基本である。また、この照準を見ることで今の自分が敵に行える攻撃を確認することができる。射撃の際に照準が完全に重なっていなくても、ある程度は弾が誘導し、敵に攻撃を与えることが出来る。
-
撃つ
- Lボタンで射撃をする。射撃攻撃にはLボタンを押しっぱなしにして行う「連射」としばらく打たない事で使用可能になる「溜め射撃」がある。さらに敵に近づくと武器(作中では神器と呼称される)で斬りつける「打撃」に変化。Lボタンを連打することで連続打撃することが出来る。射撃が効かない敵も存在するので、打撃と射撃の使い分けは重要である。使用可能な攻撃は上記のように照準を見ることで確認できる。また、全ての敵を一掃出来る「スペシャルアタック」が存在する。連続で二回まで使用可能で、一度使うと一定時間使用できない。
なお、ピットには羽根が生えているが自力では空を飛ぶことができない。そこで飛翔の奇跡を女神パルテナにかけてもらって5分間限定で空を飛んでいる。そのため、翼は5分を超えて飛ぼうとすると過負荷で焼け落ちてしまう。
地上戦
現地に向かった際には着地して地上戦を始める。この際には通常のアクションゲームに似た形になり、自由にフィールドを移動できる。カメラ操作も可能。さらに基本アクションに空中戦ではなかった、
走る
が加わる。奥にいるボスを倒せばクリア。敵から攻撃を受けると体力が減り、0になると無論「ヤラレチャッタ」となる。
悪魔の釜
新・パルテナにおける、難易度を制御するシステム。桜井氏曰く「難易度設定に対する解の一つ」。
ステージ開始時に出現する「悪魔の釜」の中に、敵を倒すことで手に入る「ハート」(お金に相当)を注ぐことで、難易度(本作ではホンキ度と呼称)を上げたり下げたりすることが出来る。
ホンキ度を上げると、敵を倒すことで手に入るハートが増え、報酬として手に入る神器の「価値」(いわゆるレアリティ)が上昇する。
また、難易度を上げなければ入れない隠し部屋に入れるようになる。
ただし、道中で「ヤラレチャッタ」になる(体力が0になる)と賭けたハートが釜からこぼれ落ちてしまい、コンテニューする際のホンキ度が強制的に1段階下げられてしまう。同時に、得られるハートの量と神器の価値が下がってしまう。
ホンキ度は2.0が基準で0.0から9.0までの間で設定でき、クリア経歴から自分に適したホンキ度も知ることが出来る。桜井氏曰く「2.0はサクサク進める難易度」で、9.0は「理想的に仕上げた神器を持って、計画的に奇跡を使ってやっとクリアに手が届くレベル」とのこと。
0.0にすると、どこぞの配管工が星を取得したときよろしく無敵になることが出来る。というか、敵が攻撃しなくなる。
ちなみに、ハートを賭けた時にセーブされているのかゲームオーバーになった時に電源を切っても賭けたハートは戻ってこない仕様になっている。ギブアップなら途中で手に入ったハートやアイテムが数は減ってしまうものの半分くらいは手に入るので、ヤラレチャッてコンテニューしたくない時でもおとなしくギブアップしておこう。
その他
- 操作設定
- 左効きの人のための操作方法があることは上で述べたとおりだが、他にも操作設定を細かく決めることが出来る。これでスライドパッドで移動、ABXYボタンでカメラ操作、Rボタンで射撃という操作も可能。
拡張スライドパッドにも対応しているが、左右別々に設定することができない。要するに左スライドパッドで移動、右スライドパッドで照準操作という操作設定ができない。
- 宝物庫
- 桜井ゲーでお馴染みになりつつあるクリアチェッカー。条件を満たすとパネルが開き、アイテムやハート、サウンドテストで聞ける楽曲をゲット出来る。条件はノーミスクリアや特定の時間内クリアといったオーソドックスなものからボスを特定状況下で撃破や特定の難易度で撃破といったものまで多岐に渡り、今作ではクリアチェッカーが数枚存在する。
アイテム
本作では従来のアクションシューティングでは考えられないほど、様々なアイテムが登場する。
神器
ピットが用いる武器の総称。神器によって射撃の飛距離、軌道、誘導性が異なり、さらにピットの移動スピードにも影響を与える。神器は装備したキャラクターの個性そのものと言えるほど、強い影響力を持つ。
武器の種類である程度の傾向は決まっているものの、中には変わり種もあるので色々試してみよう。
種類はアクションシューティングとしては非常に多く、カテゴリだけでも9種類もある。「射爪オレパンチ」「豪腕おわん」などのネタ神器も目立つ。
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撃剣
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射爪
- 爪の形状をした神器。素早い動きと打撃が可能になるが射撃の飛距離は総じて短い、接近戦向け神器種。全神器中唯一、打撃コンボが5回まで繰り出せ、相手に的を絞らせないほど早く動きまわって翻弄してからの急襲が可能となる。逆を言えば、1発1発の威力は低めなのである程度まとめて当てられないと決定打にならない。また、射程の短さの割に弾はあまり誘導追尾してくれない傾向にある。
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破掌
- 手から腕にかけて纏う、グローブ状の神器。軽さゆえにダッシュは軽快な初速で走り出せて、射撃の敵追尾・誘導性も非常に高いが、反面一発あたりの威力は低く飛距離も短い。同じ近距離向け神器種でも、射爪は鋭い見た目通り打撃の威力が高めのものが多いが、破掌はやや打撃が使いにくい代わりに、誘導力が強く、よく曲がって追尾する連射と射撃がメイン。得意とする射程内で付かず離れず、手数で勝負する。
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衛星
- 衛星の形をした神器。常時2連続で弾を飛ばす。装備する際には両肩の周りに浮かぶ。射撃の飛距離は長く、遠距離になるほど威力が高まるという特徴を持つ(この特徴は狙杖、神弓、巨塔も有している)。また、浮いており重みがないためか、立ち連射しながら移動しても移動スピードがほとんど落ちないという特徴がある。が、反面走らせると意外にスタミナが無くバテやすいので注意。ダッシュとステップの後隙も大きめなので、着地際を狙い打たれて返り討ちされないように。
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狙杖
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神弓
- 大乱闘なんとかブラザーズでピットが装備していた神器。その名の通り、弓の形状をしている。連射は弾数が少なく、射撃にしても弾のサイズは小さく狙杖ほどの威力は期待できないが、飛距離、誘導性、弾速において優れる。射撃の威力を補えば、誘導性有りの分だけ狙杖より当てやすくなる。こちらも、走り回りや接近戦にはあまり向かない神器種。
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爆筒
- ロケットランチャーの形をした神器。普通に連射した場合は中途半端な飛距離の中距離武器だが、溜めてから射撃すると着弾地点で爆発して複数の相手を巻き込むいう特徴がある。弾の軌道も放物線になる他、ある程度地面壁面をバウンドするので、混雑した近距離での乱戦や狭い屋内戦で打ち込むと効果大。弱点は神器自体の鈍重さゆえに足回りがどうしようもなく遅く、やはり接近されると弱いこと。
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巨塔
- 棍棒、もしくはドラゴンころしのような大剣の形をした神器で、非常に大きい。見た目通り打撃攻撃力は高く、弾は巨大で地形を貫通する。さらに振り回すだけで一部の敵弾をを跳ね返すことが出来、対戦ではほぼ全ての他神器の弾を相殺できる。ただし、弾は連射不可能で一度溜まってからの射撃しか出来ず、ダッシュ射撃や打撃は威力こそ大だが発動までの振り回す前動作がスキだらけに。そして見た目通り走ると遅い。遠近とも威力大だが手数は多く繰り出せない、一撃重視の神器。
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豪腕
- 接近戦に特化した、殴るための拳神器。打撃力は非常に高く、また打撃有効となるリーチ判定が他の神器より広いため、間合いに捉えれば一方的に相手を殴打できる。また巨大な見た目に反して意外にも健脚で、射爪ほどではないが軽快に走り回って相手を追い詰められる。打撃だけに目が行きがちだが、射撃も飛距離が短いだけで、強くしつこく誘導追尾し、相手への打撃トドメを決めやすく補助するような足止め状態異常、転ばせを発動させるものが多い。ただし、遠すぎる相手にはいくら走って詰めても文字通り手も足も出ないことも。
さらに全く同じ名前の神器でも、性能が異なる場合がある。攻撃力が違うだけでなく、特殊なスキルもついている場合がある。上記の悪魔の釜で難易度を上げ、釜の中のハートを保ちながらプレイすると価値の高い神器を入手しやすくなる。他にも神器同士を融合してより良い神器を生み出したり、下記のハートを使った購入をするなど、神器を手に入れる方法は様々である。ただしマルチプレイでは価値が高すぎると不利(後述)になってしまうため、やみくもに融合してもダメな仕組みになっている。シングルプレイなら価値が高くても問題はない。
このように今作品の神器はRPG的な収集、やり込み要素が非常に強いものとなっており、後述のマルチプレイと合わせて多くの廃人やりこみプレイヤーを生み出すと予想される。
ちなみに大乱闘なんとかブラザーズで装備していた「パルテナの神弓」と「初代」に出てきた「三種の神器」も登場する。「三種の神器」は一部のステージでのみ使用が可能。
奇跡
このゲームはタッチペンとスライドパッドとLボタンだけを使うと約束したな、あれは嘘だ。というわけでないが、パルテナ様からの加護により、十字キーで「奇跡」を呼ばれる物を使用できる。タッチペンを使っての使用も可能。ピットをサポートする回数制限・使い切りの特殊能力で神器同様に多くの種類がある。シングルプレイの地上戦とマルチプレイの対戦時に使用が可能。
使うためには6x6=36マスの箱の中に、奇跡パネルを詰める必要がある。「ロックマンエグゼ」シリーズのナビカスのような物と言えばわかりやすいかもしれない。あるいは「大乱闘なんとかブラザーズ」亜空の使者のシールカスタマイズ。マルチプレイ時には予め神器と奇跡をセットにして最大16組まで保存することも可能。シングルプレイの時は奇跡のセットを4つまで保存できる。奇跡には以下の7種類のカテゴリがある。
また、同じ種類の奇跡でも、レベルの違いがある。レベルが高いほど使用出来る回数が多いが、その分奇跡ピース1つあたりの形状が大きく複雑になり、他の奇跡を身につけることが難しくなる。
その他
- 道中に落ちているアイテム
- ステージの間には地上戦空中戦問わず様々なアイテムが出てくる。触れるだけで効果を発揮するアイテムと、触れると自動的に装備されて、Lボタンで使用するアイテムの二種類がある。装備されるアイテムが使用できるかは照準が黄色くなったかかどうかで判断可能。
- マルチプレイ時に出てくるアイテム
- 下記のマルチプレイの時でも様々なアイテムが出てくる。通常のプレイでも出てくる物の他に、三つのパーツを集めることで必殺の一撃を放つことが出来る「ジェネシス」などマルチプレイ専用のものもある。
- ハート
- 所謂お金に当たる存在で、神器の購入や悪魔の釜による難易度の上下などに使用する。敵を倒したり神器をハートに変えることなどで入手することが出来る。社長が訊くによれば高性能の神器は10万ぐらいするらしい。
- 神器の種
- 神器を生み出すことが出来る種。入手した神器から生み出すことが出来る。この場合、神器はなくならない。すりつぶしてハートに変えることも可能。すれちがい通信といつの間に通信でも手に入れることができる。いつの間にか通信はオプションでONにしないといけないので、その点は注意。
- おドール
- 俗に言う立体フィギュアであり、登場キャラクター・アイテム・神器・戦闘ステージの解説も兼ねた、いわゆる図鑑収集要素。ミニゲーム『おドールでポン』をするか、ARカードを読みこませることで手に入れることができる。
『おドールでポン』はタマゴと呼ばれるものを弾き飛ばすゲームで、タマゴはゲームを進めるか、ゲームコインを
用いることで手に入れられる。
- 乗り物
- 本作の一部のステージでは次の乗り物に乗ることが出来る。これらはパルテナが用意したり誰も乗れないのに敵軍が準備していたものを拝借するなどして使う。
マルチプレイ
本作では非常にマルチプレイが充実している。いわゆる対戦で、専用のステージで争う。ローカル通信によるプレイやWiFi通信によるオンラインに対応している。オンラインは任天堂ということか無料。ルールはチームごとに戦う「天使の降臨」と個人で戦う「バトルロイヤル」の二種類がある。6人まで対戦可能で人が足りない場合はCPUが加わる。
どちらにも共通しているのは「価値の高い=強い神器を装備した状態で負けると自身に大ダメージが来る」ということである。そのため、身の丈に合わない神器を装備した状態で挑むとしっぺ返しを食らう可能性がある。
対戦が終わった後、成績に応じてハートをもらえる。さらに場合によっては神器と奇跡をもらうことが出来る。
神器が手に入るかは運次第だが、戦いをサボったプレイヤーには手に入らない。
また、マルチプレイモードは一人でも遊ぶことが出来る。ぼっちでも安心
部屋の設定人数に参加者が足りない場合CPUが参加することになっているが、これは参加者が一人のときでも適用され自分以外全員がCPUでも遊ぶことが出来、スマブラのようにCPUの強さ、チームのハンデ、プレイヤーとCP個人のハンデやチーム力のMAX量、 時間制限等も変えることが出来る。
余談だが、社長が訊くで岩田社長は「対戦モードの映像を見て、「『スマブラ』を3Dにしたらこうなるのか」というふうにも感じました。」という感想を述べている。
演出
独特の演出を採用している。
- 音楽
- 今作は桜庭統、古代祐三、高田雅史、岩垂徳行、光田康典の各氏がゲーム音楽を担当している。ほとんどの楽曲がフルオーケストラで、特に空中戦の音楽は、展開がきちんと決まっているため、細かい演出にもしっかりと合った物になっている。もちろん桜井ゲームお馴染みのサウンドテストもある。
余談だが最近の任天堂は「スーパーマリオギャラクシー」や「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」など、オーケストラを積極的に採用している。
- ムービーと音声
- 今作ではムービーを少なめにしており、代わりにプレイ中に音声による会話が入る。字幕はADVのような形で絵と一緒に下画面に表示される。
この音声と字幕によってムービーを省きつつ、物語性やゲームのテンポを高める手法は「スターフォックスシリーズ」で定番の手法である。
商品展開
本作ではいくつかの商品展開がされる予定。
- ねぷた
- 2011年のねぷた祭りにピットとパルテナのねぷたが登場した。
- ARおドール
- カードゲームの一種で、3DSのカメラに写すと拡張現実によってキャラクターが出てくる。二つのカードを3DSに写すことでカード同士の対戦が可能。
ARカードは主に雑誌の付録とチョコスナックのおまけで手に入れる事ができる。
- アニメーション
- 3DSのフリーソフト、ニンテンドービデオによってパルテナの鏡の短編アニメが配信される予定。
配信される数は3本でどれも製作会社が異なる。テレビアニメや劇場版アニメを行うかは不明。
PRODUCTION I.Gの作品は木馬を乗っ取ったタナトスとピット君との戦いを描く。
STUDIO4℃の作品は過去の話をメデューサを中心に描く。
シャフトの作品はパルテナ様がナニカをやらかしてしまったらしいというコメディ。早速パルテナ様がシャフト角度を…
開発秘話など
昨今のゲームではよくあることだが、発表から発売日の決定まで長い期間があったソフトである。
まず、E3 2010の発表で「3DSのローンチではないか?」と予想されていたが、そんなことはなかった。
次にニンテンドー3DS体験会でねぷたの出展の発表がされたため、「夏ごろに発売されるのではないか?」と予想されていたが、そんなこともなかった。
9月13日の任天堂カンファレンスにて岩田聡社長が「2011年内には発売出来ない。」と謝罪、12月27日のニンテンドーダイレクトにてようやく発売日が決定した。
ちなみに桜井政博氏は「初代パルテナ」の発売日である2011年12月19日までの発売日を目標としているとTwitterで語っていたが達成出来なかった。他にも「開発の忙しさでねぷたを見に行けない」「開発の追い込みが長い間続いている。」とTwitterやファミ通のコラムで開発の遅れ、苦労について語っていた。(デバッグしている時には自分の仕事がないけど、他の社員は働いて頑張っているので会社に自ら進んで出勤しているとも。)
余談だが、パルテナの次に桜井政博氏がかかわるソフトはWiiUと3DSのマルチとして出す予定の大乱闘スマッシュブラザーズシリーズの最新作であると決定している。今回のような発表から発売までの遅れが起きないことを祈る。
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