暗殺教室とは (アンサツキョウシツとは) [単語記事]

僕らは、殺し屋。

　タ　ー　ゲ　ッ　ト　　　　　　　　　　　　　　　　　　
暗殺対象は、先生。

『暗殺教室』とは、『週刊少年ジャンプ』で2012年31号から連載されている学園触手漫画である。
　作者は、以前同誌で連載されていた『魔人探偵脳噛ネウロ』の松井優征。

概要

　『魔人探偵脳噛ネウロ』の作者である松井優征の三年ぶりの連載作品。私立椚(くぬぎ)ヶ丘中学校・3年E組の担任になったタコ型の謎生物「殺せんせー」と、3年E組の生徒達が織りなす、暗殺と教育をテーマとした奇妙な物語。

　前連載作品のネウロとは「圧倒的戦闘能力と奇妙な目的を持った人外」「その人外を取り囲む人間たちの成長物語」という点が共通している。奇抜な設定から、バクマン。の亜城木夢叶や平丸一也が書いていた作品内作品、「邪道な王道」の理念に似ていると言われることも。

現在ニコニコ静画で第1話を無料配信している。
→ 暗殺教室【試し読み】

あらすじ

　とある中学校のあるクラス・・・椚ヶ丘中学校3年E組で朝礼が行われた。先生が何故かタコに似た宇宙人っぽい生物であることと、生徒たちが何故か全員シールドグラスをかけていること以外は、よくある授業風景であるかのように見えた。

　だが次の瞬間、「起立！」の号令で生徒たちが先生へ銃口を向け、
「礼（れーい！）」と共に、先生に向けて一斉に機銃掃射！！！

　　　　　　　　 ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
　　　　　　 (.＿＿_,,,... -ｧァﾌ|　　　　　　　　　　　あ…ありのまま今　起こった事を話すぜ！　　
　　　　　 |i i|　　 }!　}} /／|
　　　　　　 |l､{　　j}　/,,ｨ//｜　
　　　　　　　 i|:!ヾ､_ﾉ／ u {:}//ﾍ　　　　　　　　　　「宇宙人が先生をやる漫画を読んでいると思ったら
　　　　　　　 |ﾘ u' }　 ,ﾉ　_,!V,ﾊ |　　　　　　　　　　生徒達が先生に向かって一斉射撃した。」
　　　　／´fト､_{ﾙ{,ィ'ｅﾗ　, ﾀ人　　　　　　　　な…　何をいっているのか　わからねーと思うが
　　　　 /' 　ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽﾄiゝ　　　　　　　　おれも何があったのかわからなかった
　　　　,ﾞ　／ )ヽ iLﾚ　u' |　| ヾｌﾄﾊ〉
　　　 |／_／　ﾊ !ニ⊇　'／:} 　V:::::ヽ　　　　　　　　頭がどうにかなりそうだった…
　　　 /／二二二7'T'' ／u'　__ /:::::::/｀ヽ
　　　/'´r　-―一ｧ‐ﾞＴ´　'"´ ／::::／-‐ 　＼　　　　スナイパー物だとか学園物だとか
　　 / // 　广¨´ 　/'　　／:::::／´￣｀ヽ ⌒ヽ　　　　そんなチャチなもんじゃあ　断じてねえ
　　ﾉ ' /　ノ:::::`ー-､___／:::::／/ 　　　ヽ　　}
_／｀丶　/::::::::::::::::::::::::::￣`ー-{:::...　　　　　　　もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

　しかし、先生はなんと銃弾の雨を一つ残らず避け続け、挙句の果てには何食わぬ顔で出席まで取り始めた…
「すいませんが銃声の中なのでもっと大きな声で(返事してくださーい)」

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　　　　　　 (.＿＿_,,,... -ｧァﾌ|　　　　　　　　　　　あ…ありのまま今　起こった事を話すぜ！　　
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　　　　　　　 i|:!ヾ､_ﾉ／ u {:}//ﾍ　　　　　　　　　　「発砲されて危ないと思ったら一つ残らず回避された上に
　　　　　　　 |ﾘ u' }　 ,ﾉ　_,!V,ﾊ |　　　　　　　　　　銃弾の飛び交う中で普通に出席まで取り始めた。」
　　　　／´fト､_{ﾙ{,ィ'ｅﾗ　, ﾀ人　　　　　　　　　な…　何をいっているのか　わからねーと思うが
　　　　 /' 　ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽﾄiゝ　　　　　　　　おれも何があったのかわからなかった
　　　　,ﾞ　／ )ヽ iLﾚ　u' |　| ヾｌﾄﾊ〉
　　　 |／_／　ﾊ !ニ⊇　'／:} 　V:::::ヽ　　　　　　　　頭が(ry

　何故、生徒たちがこのような行動をとったのか、その理由は3学年・新学期の初めにまで遡る。突如として世間を騒がせた「三日月事件」　　　月が何者かの手により七割方爆散蒸発させられ、三日月型に削り取られてしまったという怪現象　　　の直後。3年E組の生徒たちの前に、先生…ではなく、何故かこのタコ型生物と同伴で政府関係者数名が現れた。タコ型生物の自称と、防衛省特捜部・烏間の証言によると、このふざけたタコっぽい奴こそが月を爆(や)った張本人であり、更に来年の3月（＝3年E組卒業）頃にはこの地球をも爆破するとか抜かし始めたのだ！

まず5、6ヶ所ツッコませろ！！

クラス全員　そう思った

（第1話より）

　先生を名乗るこのタコ型生物は、最高速度マッハ20で動くために人類の攻撃は全く当たらず、それどころか自身を攻撃してくる人間やステルス機に対して、攻撃を回避しながら逆にピカピカに磨いてお手入れしてしまうという、舐めプレイを平然とこなす恐るべき戦闘力の持ち主だった。コイツに本気であと1年逃げ回られたら、人類は成すすべ無く滅びの時を迎える事になる…だが、それでは面白くないと、何と先生の方からハンデ契約を持ちかけてきたのだ。

　「私立椚ヶ丘中学校3年E組の担任をやらせて頂けるなら、逃げ回らずに教師としてこの場に留まりましょう。
　また、3年E組の生徒に対しても危害を加えないことを約束しましょう。」

　タコの意図と思惑が全く読めないものの、他にこの生物を捕捉する当ても手段も持たない各国首脳はやむなく契約を受理。役人である烏間は、家族知人を含む部外者への絶対秘匿を条件に、E組生徒達にこの怪物の暗殺を依頼した。その成功報酬は・・・100億円！

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　かくして、この怪物と言うべき先生を担任として受け持つことになった3年E組の皆は、地球爆破の阻止と100億円の報酬を賭け、卒業までの1年というタイムリミットで先生を暗殺する使命を帯びたのであった・・・・

私立椚が丘中学校・校風

　理事長・浅野學峯の経営手腕により近年めざましく頭角を現し、世間では超・名門の私立進学校として名が知れている。…A組～D組までは。

　この学校、全試験項目の1つでも足切りに引っかかると「E組」へ強制クラス替えが実施される。最下位のE組は通称「エンドのE組」。まあ習熟度別クラス分け程度ならどこにでもありそうなものだが、この学校では理事長の主導で、ごく最近になってから教員・生徒全員に対し学校ぐるみでのスクールカースト制度が徹底されている。例を挙げると、

A～D組までは同じ学舎だが、E組だけは通学まで数十km離れた山中に隔離されたボロの旧校舎
旧校舎はトイレ激汚、グラウンド荒れ放題。その他学食や体育館や図書館などと気の利いたものは存在せず
学業をおろしかにした結果成績が落ちたのだからという理由で部活動は一切禁止。というかそもそも設備が無い
E組行きの生徒を1人でも出すと、教員の方も内申が下がり指導力を問われるため必死
一方で、E組行きが決定した生徒をゴミクズ扱いして罵倒しようとも当然のことと見なされ、特に誰も咎めない
同級生徒間でもE組の存在は蔑視されており、進学校の落ちこぼれとして嘲笑する。教師もそれを咎めない

という具合である。また、成績だけでなく素行不良者の島流し先にもなっており、要するにE組は進学校から追放された末に辿り着く学校制度の暗部/掃き溜めであり、その存在自体が徹底的に差別されている。が、理事長に言わせれば、この差別もまた「大人社会の予習」であり、働きアリの法則で怠惰になってしまう『80:20』の怠け組20を『95:5』の比率にまで圧縮することが出来る「合理的な教育システム」なのだという。　

　一応「定期テストで5教科合計が学年50位以上に入る」かつ、「元担任の承認を得る」ことで元のクラスに復帰出来るという救済措置は用意されているが、劣悪極まりない学習環境と、被差別による心労、救済の手すら掴めないという負い目から勝ち上がって学年上位に返り咲くことは非常に難しく、大多数が非人道的なエグい差別をも徐々に受け入れるようになってしまうのだという。

　「末端の者を切り離して激しく差別することで、『自分はああなりたくない』と適度な緊張感を持たせ、私立校にありがちな『入学さえすればステータス』といった安堵を抱かせず、一方で見下す対象というストレスの捌け口を設け、優越感を持たせつつ効率的に学力を伸ばす、合理的なやり方」と烏間は冷静に分析しているが、一方で「切り離されたE組（エンド）達はたまったものではないだろうな」と、担当するE組生徒たちを案じている。

　通常なら気が触れるか病むか即退学しそうな内容だが、殺せんせーが意外にも教師としては至って人格者であったため、落第と差別で傷付いた思春期のE組生徒たちにとっては思いのほか心の拠り所となっている。クラス内目標が『先生の暗殺』とぶっちぎりで狂気に満ちていること以外は、危ういバランスながらも非常に心温まる良い学級である。

登場人物

殺せんせー(ころせんせー): 主人公。私立椚ヶ丘中学校3年E組の担任となったタコ型謎生物。殺せないから「殺せんせー」。
詳細は該当記事を参照。

潮田渚（しおたなぎさ）: 椚ヶ丘中学校3年E組の生徒。かわいい。今でも「やっぱ胸あるよねあの絵」とか言われる。だが男だ。
桂木弥子にあたる狂言回しのポジションと言えるが、生徒視点で一歩引いたところから殺せんせーとクラスメートを見守ることが多い。　いつか暗殺の手がかりになるかもしれないと考え、殺せんせーを淡々と観察しては「弱点メモ」を綴っており、E組クラスメイトは暗殺に挑戦する前に彼の情報を頼りにすることが多い。
茅野カエデ（かやのかえで）: 椚ヶ丘中学校3年E組の生徒。渚とはE組転籍前から旧知の仲の良い女の子。猫耳に見える独特の髪型が特徴。「殺せんせー」というニックネームを思いつき、先生に付けたのは彼女。ちょっと自分のバストサイズにコンプレックスがあるお年頃の、脱巨乳派。
赤羽業(あかばねかるま): DQNネーム。暴力沙汰を起こして停学になり、3年E組へ島流しされてきた生徒。今もなお粗暴な点はあるが、それは彼なりの正義感の表れでもある。頭の回転は非常に早く、成績も至って優秀で、ただその能力を「何かと人とぶつかるために使ってしまう」問題児。初めて殺せんせーにダメージを与えるなど、暗殺と学業の両面においてE組の誰よりも抜きん出た才能を持つ。
烏間惟臣(からすまただおみ): 殺せんせーの一件を担当する防衛省特務部の人間で、教師サイドの視点から奇妙な学園生活を見守る、もう一人の狂言回し。生徒たちのサポートとして、3年E組に体育（という名目で先生を暗殺するための基礎体術と武器心得）を教える。ネウロに出てきた警察官僚たちと同じく優秀なキャリア人間。ルックスもイケメン。しかし、彼の手を以てしても殺せんせーには全く歯が立たない模様である。
イリーナ・イェラビッチ(いりーな　いぇらびっち): 全世界で計11名の要人暗殺実績を持つ、スタイル抜群なマジモンの女暗殺者。10ヶ国語を使い分け、巧みな話術と色仕掛けで標的と必ず親密になり、全く怪しませずに至近距離から暗殺する手口を常套とする。政府から本気の刺客として、英語教師の名目で差し向けられるも、殺せんせーには軽くあしらわれて手入れされ、カルマ君からは「ビッチねえさん」と不名誉な仇名を定着させられるなど散々な目に。授業放棄で生徒から本気で反感を買ったり、紆余屈折ありながらも最終的には烏間にたしなめられ、生徒達に謝罪して「殺せんせーの暗殺と、3年E組担当・実用英語の教師」を両立させることを決意する。生徒に認められてからも「ビッチ先生」呼ばわりという、お色気・兼・お笑い吾代ポジションを爆走中である。
浅野學峯(あさの　がくほう): 私立椚ヶ丘中学校・理事長。着任はここ十年内のごく最近のことらしいが、その短期間で経営手腕を遺憾なく発揮し、学園を全国有数の進学校へと作り変えた立役者であり、この学園の真の意味での支配者である。; 「冷徹なまでの合理主義者」で、育ちの良い、人当たりの良さそうな優男の容姿とは裏腹に、人徳・倫理・教養要素を徹底的に排した、極めて合理的、かつ非人道的なE組制度を策定した張本人。差別対象の5%が上位95%に楯突くことを決して許さず、理想比達成のためならばどんな非道な手段も厭わない。今もなお己の理想とするE組制度を維持すべく、殺せんせーとE組生徒の前に立ちはだかる。; また、政府、E組以外で唯一、殺せんせーの出自に関する何かを知っている人物でもある。