東京創元社とは、日本の文芸出版社。主にミステリー、SF小説を刊行している。
元々は京都に本社を構える創元社の東京支社。1948年に独立し、54年から東京創元社となった。61年に一度倒産したが復活。現在は翻訳ミステリー、翻訳SFの老舗として知られている。講談社と並ぶ本格ミステリの砦であり、早川書房と並ぶ海外ミステリ・海外SFの砦。かつてはゲームブックの出版社としても知られていた。
現在、発行している雑誌は隔月刊の推理小説誌『ミステリーズ!』のみで、ほぼ文芸書、それもジャンル小説(ミステリー、SF、ファンタジー)の出版専門に近い出版社である。小説以外では、「碁楽選書」という叢書で囲碁の本を継続的に刊行している。
国産ミステリーの新作を扱うようになったのは1988年から。折原一、北村薫、有栖川有栖、山口雅也などを立て続けに送り出し、また本格ミステリの長編新人賞・鮎川哲也賞や短編賞の創元推理短編賞を主催して今邑彩、芦辺拓、加納朋子、貫井徳郎、北森鴻、飛鳥部勝則、大倉崇裕、加藤実秋などをデビューさせ、新本格ムーブメントに多大な貢献を果たした。ちなみに宮部みゆきの初単行本(『パーフェクト・ブルー』)もここ。近年は鮎川哲也賞から似鳥鶏、七河迦南、相沢沙呼、青崎有吾、市川憂人、今村昌弘など、『ミステリーズ!』が主催する短編ミステリの新人賞・ミステリーズ!新人賞からは梓崎優、深緑野分などを送り出している。
SFも長年翻訳物のみを扱ってきたが、2007年に『銀河英雄伝説』の新装版を刊行することになったのをきっかけに日本人作家の作品も取り扱うようになった。現在、新人賞として創元SF短編賞を主催し、宮内悠介や酉島伝法などを輩出している。
また埋もれた作家・作品や若手作家の発掘に非常に熱心であり、自前の新人賞出身作家に限らず、叢書「ミステリ・フロンティア」などで他社の新人作家にも積極的に発表の機会を与えている。ライトノベルから米澤穂信や桜庭一樹を拾ってきたほか、SFやホラー、少女小説や児童文学出身の作家まで、ジャンルの垣根に囚われず作家を発掘してくることにかけては定評がある。他社で絶版となった古い作品の復刊にも熱心。
翻訳物が中心の出版社ということもあってか基本的に商売っ気は薄く、たくさん刷ってがんがん売ろうという姿勢を見せることは少ない。2012年には『ビブリア古書堂の事件手帖』などの影響で日常の謎ミステリブームが起こる中で、日常の謎ミステリの既刊を山ほど抱えているにも関わらず全く売りだそうとしないなど、良くも悪くもマイペースな出版社である。そのせいか、文庫本の値段が他社と比べて明らかに高い(大抵は800円から900円、そう厚くなくても1000円を超えることも多い)ことはよく読者から文句を言われている。
↓創元SF文庫「聖者の行進」に収録のアイザック・アシモフの中篇小説「バイセンテニアル・マン」を元ネタにした動画。東京創元社の公式Facebookページにて、「こんな動画があることをお教えいただきました。 感動的です!」というコメントとともに紹介された。
↓創元SF文庫「歌う船」(作:アン・マキャフリー)を元ネタにした動画。
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最終更新:2024/04/20(土) 01:00
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