東京駅(開業)100周年記念suica暴動事件とは、
2014年12月20日土曜日に発生した、東京駅開業100周年という本当に記念すべき記念日なのに、JR東日本がこれを祝うために発売した「東京駅開業100周年記念suica」の発売時にJR東日本側の不手際と、一部購入者の劣悪なマナーによって起きてしまった、せっかくの記念日が台無しになってしまった暴動事件である。
暴動のことについてはここでは一切触れていないので、暴動だけを知りたい方はここを飛ばして次に行ってください。
東京駅はレンガ作りの外見から一見明治時代からある駅のように見えるが、本当は"100周年"の通り大正時代に作られた駅である。
皆さんご存知の通り、日本最初の鉄道は、1872年に新橋と横浜の間に建設された。本当なら今の東京駅付近まで作っておきたかったんだろうけれでも、この鉄道、用地買収にはかなり苦労したようで品川付近ではなんと海の上に築堤を築いて何とか新橋まで通していたそうで、市街地を突き抜けて新橋より北へ行くのは不可能であった。
その後、日本鉄道(現在の高崎線・東北本線など)が上野と熊谷の間に路線を開業。当初、東京大阪間は今の東海道ルートではなく、国防上の理由や内陸の発展促進などを期待した中仙道ルートを想定していて、日本鉄道はソレを見越してこの区間を建設した。さらに鉄道建設は進んでいき、北へは日本鉄道が上野を起点に高崎・青森へ、東の千葉方面へは総武鉄道(現在の総武本線)が両国橋駅(現在の両国駅)を起点に、西へは甲武鉄道(現在の中央本線)が飯田町駅(現在の飯田橋付近)を起点に立川へ、南へも、政府は大阪へのルートを当初の中仙道ルートを難工事と早期完成を理由にあっさり諦めて東海道ルートへ変更、横浜から神戸まで線路は伸び……と、どんどん鉄道を伸ばしていく。長文を読むのが面倒な人のために、その当時のターミナル駅を大雑把にまとめておくと、こうなる。
当然のことだが、ターミナル駅は各路線で場所がバラバラで、各ターミナル間を移動するのには馬車などを使っていたそうでまあ不便なこと不便なこと。というわけで、
「こいつら1つにまとめちゃわね?」「その中でも特に重要な新橋と上野をくっつけちゃえばいいんじゃね?」と、計画されたのが「中央停車場」計画である。この計画により、建設されたのが1914年12月20日日曜日に開業した「東京駅」である。駅舎の設計は辰野金吾が担当。豪華がレンガ作りの日本の首都の玄関口として大変立派な、現在でも東京のシンボルとなっている丸の内駅舎が建設された。開業2日前に行われた開業式典では、第一次世界大戦の青島の戦いで活躍した神尾光臣中将が凱旋帰国として、列車で完成ホヤホヤの当駅に乗り入れるという盛大な式典が執り行われたそうだ。
開業後は、文字通り日本の首都の玄関口として発展し、2人の総理大臣が当駅で襲われたり、大空襲にあっても戦後に駅舎を3階建てから2階建てにする苦肉の策で復旧したりという悲しい出来事があっても営業を続け、東京オリンピックが行われた1964年には、夢の超特急、東海道新幹線の発着駅となり、更に時代が下ると北の超特急である東北新幹線なども乗り入れ、最近ではJR東日本が2007年から5年の時間と500億円を掛けて開業当時の丸の内駅舎の姿を再現する「復原工事」を行い、更には八重洲側にもグランルーフが完成するなど、現在日本でも有数の駅利用者乗降客数を誇る皆さんおなじみの大ターミナル駅へと成長したわけである。
そして、開業100周年記念日である、2014年12月20日を迎えたわけだが……
以上のような先人たちが苦労してきた歴史を踏まえ、JR東日本は東京駅が100周年を迎えることを記念し、「東京駅開業100周年記念suica」限定15,000枚を100周年記念当日の12月20日に丸の内南口で販売することを決定したのである。
とはいえ、東京駅はターミナル駅として建設されたので、当たり前だがアクセスにとても優れており、何か大きいイベントを行うと大勢の人々が集まってしまい大変なことになってしまう場合がある。
そして、今回の限定suica販売も上の2例に漏れずやはり多くの鉄道ファンが集まり、前日から購入のために集まる「徹夜組」が多くおり、JR東日本側は徹夜行為を禁止していたにも関わらず、当日は朝から少なくとも9,000人以上[3]の人出で大混雑なってしまい、
当初は午前8時から発売予定だったものを、大幅に繰り上げて7時14分から発売を開始した。[3]
下の動画は、当日の人出を撮影したものである。丸の内南口から線路を挟んだ反対側の八重洲側まで行列が出来ているのが見られる。
勿論JR側も駅員を通常より増やして対応していたが、しかしそれでも、1万人近い人が集まってしまった以上何をしてもこの混雑は解消されず、時間が経つに連れてどんどん混雑は増すばかり。勿論駅なので、記念suica目当てではない一般のお客さんも大勢おり、混雑はますます混迷を極めていく。これ以上混雑すると通常の駅の業務を続けられなくなってしまう。そして、午前9時40分、JR東日本は記念suicaの販売を中止することを決断した。[3]
当日、買えるのは1人3枚までとなっており、販売中止時点までで8,090枚[3]が売れたそうである。
1人1枚づつ買っていたとしたら、販売時点での人数から考えておそらく訪れた大多数の人は買える枚数である。
しかしながら限定品というものは、限定だからこそ価値が高いものであり、1枚2,000円という値段の安さが相まって、恐らく購入した人の大多数が複数枚購入したのだろう。実際、後々記述するが大手オークションサイトなどで記念suicaを転売している例が多数見受けられた。ということは、大多数の人々が手に入れることができず販売が終了されてしまったことになる。当然列の後ろにいた人々(始発組)は突然の販売終了に怒る。しかし、当日は大混雑の中。情報も錯綜し、混乱も拡大。
怒りは一気に爆発し、暴動化。購入できなかった一部の購入者が駅員に詰め寄る事態となってしまった。
以下、その暴動を捉えた映像である。(関連動画も参照)
暴動は、打ち切りによって購入できなかった購入者が一部の駅員に詰め寄るところからはじまり、
販売を終了したブースには人が多数押し寄せ、中には東京駅の模型・展示品を破壊しだす一部の過激な購入者も現れた。
さらには駅長室にも一部の購入者が抗議をしに集まり始める事態となった。
JR側も中止した理由を購入者側に説明するものの、暴動は収まらず、2時間以上続いたようである。
この騒動がすぐに収まらず長く続いたことによって、各テレビ局のお昼のニュースでは丸の内南口での暴動が映し出される事態になってしまった。
今回の暴動事件は、JR側と購入者側、双方に不備・問題点があったため発生してしまったと言える。
以下にその双方の問題点を上げる。
JR側の不備としては、
- 徹夜行為の厳しい取り締まりをしなかったこと
- 事前予測の甘さ
- 整理券の未配布
の3点が挙げられる。
特に、1番の徹夜行為の厳しい取り締まりをしなかったことに関しては、これが今回の騒動の大きな原因と言える。
当日実際当時現場にいた人の証言によると[4]、徹夜行為は本来は禁止しているのにも関わらず徹夜組は取り締まりどころか地下に案内しているのに対し、普通に並んだ始発組は完全に放置している。
"これでは、本来禁止していたはずの徹夜行為を完全に容認している。"
その後、取り締まられるべきだったはずの徹夜組がある程度購入し終わった所で、販売打ち切り。これでは、ルールを守ったはずの始発組が購入できず、ルールを破った徹夜組が購入できた、
というもはや論ずるに値しない"理不尽な逆転"が起きてしまったのも無理は無い。
当然、ルールを守った始発組がこの理不尽に激怒。これが暴動事件に発展してしまった。JR側がもし徹夜行為を厳しく取り締まっていたならば、今回の暴動事件は起きなかった可能性が高い。
その他、2番や3番の事前予測の甘さや整理券を配布しておけば今回のような混乱を防げたとも考えることができ、JR側も大きな責任があると言える。
購入者側の問題点としては、
- 禁止されていた徹夜行為を行った購入者が多数いた事
- そもそも暴動を起こした事
- その暴動に乗じて一部の過激な人々が、東京駅の模型や展示物を破壊した事
の3点が大きい。
1番については前述の証言からも当日は数百人程度いたとされ、JR側の不備でも挙げた通り、そもそも徹夜行為をしなければこの問題は起こらなかった。
2番についてもここは大人の対応をして、後日の再販を期待して駅員の指示に従えばよかったものを、怒りに身を任せて暴動を起こし、混乱を拡大してしまったことについては前述の理不尽性があったとしてもやはり購入者側にもある程度の非があったといえる。
3番については、2番の行為をエスカレートさせて一部の購入者側が展示物を破壊したことに関してだが、
理不尽性に抗議するのと、物品を破壊するのは話が別である。
上の動画にも、購入者側が東京駅の模型等を破壊しているのが見受けられる。
つまり、この暴動事件は、
- JR側が、徹夜行為の取り締まりを一切行わず、容認してしまったこと
- が、徹夜組と始発組の確執・理不尽性を引き起こした暴動発生の大きな原因となり
- 購入者側が、販売中止に必要以上に激しく反応して、中には展示品を破壊した一部の人々もいたこと
- が、混乱を拡大し、さらにその暴動を激化させてしまった。
今回の事件は、JR側・購入者側双方どちらかが一方的に悪いとは言えず、
JR側には不手際、購入者側には過激な反応が見られ、
双方が相まって今回の暴動事件を拡大させてしまい、どちらにも大きな非があったと言える。
やはり、というべきなのだろうか。暴動終了後、オークションサイトではその記念suicaを手に入れた転売ヤーが大量出品。中には本来の価格の50倍に当たる10万円以上の値段がついたものもあったそうだ。[5]
さらにその中には99億9999万9999円というトンデモ金額のものまであったそうだが[6]……
このような状況の中、JR東日本は暴動発生から2日後の22日に、2015年1月下旬から2週間程度申込期間を設けて、インターネットまたは郵送にて1人3枚まで希望者全員にsuicaを2,000円で販売することを発表した。[7]
転売厨m9(^Д^)プギャー そもそもはじめからこうしておけばこの暴動事件は起きなかったのに………
さらに翌23日は、東京ヤクルトスワローズの通称つば九郎こと畜生ペンギンに、
「げんてい すいかは うってません!!」
とネタにされてしまった。スワローズの前のオーナー会社すら弄ってしまうとは、やはり畜生である。[8]
今年はキセキの世代2014が大きく世間に注目された年になってしまったが、この事件の暴動を起こした側もこのキセキの世代2014入りしてしまったのは本当に悲しいばかりである。
当日は、当時の政府が威信をかけて作り上げた東京駅の100周年記念日であり、その記念日を台無しにする今回のような事件が起きてしまったことは、絶対に忘れてはならない。
個別記事へのリンクは各サイトともお断りしているようなので、
お手数をお掛けしますが記事は自分でお探しくださいm(_ _)m
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最終更新:2025/12/07(日) 22:00
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