機関銃(machine gun)とは、銃器の分類の一つである。機銃とも。
- 広義の機関銃
- 通俗的にはフルオートマチック(引き金を引き続けるだけで弾が連射される)射撃が可能な銃の総称である。
短機関銃、突撃銃などが「機関銃」と呼ばれることがある。当該記事を参照。
- 狭義の機関銃(本稿にておもに記述)
- 大柄で、重く、大容量の弾倉やベルトリングによる給弾機構を持ち、フルオート射撃による小隊や分隊への制圧射撃による支援を行う事を前提とした銃のことである。小銃用弾薬、もしくはより大きい機関銃専用の弾薬を使用する。
連射して使うことを大前提にしているため、高熱、高負荷に耐える肉厚な機関部や銃身を持ち、過熱した銃身を交換する機能、または大掛かりな冷却機構を備えているのが一般的。
用途・設計・開発側の想定により細かく分類される。
また、使用する弾薬の口径が一定以上のものは「機関砲」と呼ばれる(基準は時代・組織によって異なる。現代においては20mm以上の口径の物がそう呼ばれる場合が多い)。
動作機構による分類
- 外部動力式
- 電気モーター、油圧などを用い外部から供給された動力によって弾薬の装填・薬きょうの排出を行う。
初期の手回し式ガトリング銃、現代のガトリング機銃やチェーンガンなど。
- 内部動力式
- 弾薬が発火したときの反動や燃焼ガスを利用して弾薬の装填・薬きょうの排出を行う。
外部動力を必要としないため、広く用いられる。
用途による分類
- 重機関銃(Heavy MG)
- 拠点(機銃座、機銃陣地)に三脚等により固定、または車両・艦艇・航空機に据え付けて射撃することを前提とした機関銃。19世紀後半か頃から出現し、高い威力と連射力で立った数人で死体の山を築けるため戦場の様子を一変させることとなる。(→塹壕戦)
- 初期の機関銃は自重が重く必然的にそうした使い方が主軸であり、このように分類されるのももっと軽量な機関銃が登場してからとなる。
現代では小銃弾を使用する機関銃は汎用機関銃や軽機関銃に取って代わられているため、重機関銃と呼ばれるものでは12.7ミリクラスまたはより大きい弾薬を使用するのが主流である。
- 代表的な重機関銃:ブローニングM2、DShk、KPV、九二式重機関銃など。
- 軽機関銃(Light MG)
- 歩兵が一人、および射撃補助を行う給弾手とのコンビで携行し、手持ちや二脚立てでの射撃を行うことを主眼とした機関銃。第一次世界大戦後、機動戦の重視に伴って開発された。
- 現代においては重機関銃に分類される機関銃では歩兵部隊をを支援するにはオーバースペックであるため、歩兵戦や車両の備え付け銃器での運用はこちらが主流である。
代表的な軽機関銃:ZB26、ブレン、九六式軽機、M60、ミニミ軽機関銃など。
- 汎用機関銃(General purpose MG)
- 三脚架に据え付ければ重機関銃、二脚を使えば軽機関銃、と多用途に使える機関銃。ドイツのMG34がその祖とされる。
ベルト給弾式で通常は弾薬手と二人一組で運用するが、ジョン・ランボー氏が実演して見せたように一人での運用も不可能ではない(ランボー2で使用されたのはフォアグリップを追加し単独運用を考慮したM60E3のようだ)。ただし間違っても敵陣に一人で突っ込んで撃ちまくる物ではない。
汎用の名の通り歩兵部隊のほか各種車両、航空機・ヘリコプターなど軍隊のあらゆる部門で使用される。
- 代表的な汎用機関銃:MG34、MG42、MG3、FN MAG、PKMなど。
- 分隊支援火器(Squad Automatic Weapon)
- 軽機関銃の中でも軽量小型な物で、通常の小隊や分隊の後方に陣取り支援する為だけの物ではなく、最前線で進撃する分隊の中にあっても有効に使用することができるように設計された物。
- 軽機関銃や汎用機関銃よりも小型軽量である為に耐久力や射撃安定性は低くなってしまうがその分取り回しに優れ、戦局に応じて素早い対応の求められる最前線においても足手まといにならず、制圧射撃による支援も十分に行えるという銃である。また、その弾倉や機関部部品に他の分隊員の持つ突撃銃との互換性を持たせることで分隊の一員としてしっかりと機能するようにされていたり、突撃銃の部品を一部耐久性の高い物にすることで分隊支援火器として運用できるようにされた物が多い。
通常SAWと略され、運用する兵士を「ソーガナー」と呼んだりもする。ただしニコ百では「SAW」は映画「SAW」の記事になっているので注意。
- 代表的な分隊支援火器:MG36、L86、RPK、BARなど。またミニミ軽機関銃もこちらの用途として用いられる場合がある。
- 言うこときかんじゅう(NAI HOU GA Machine gun)
- かつてとある武装組織が開発・保有していたとされる伝説の武器。詳細については断片的な情報が伝え聞かれるのみである。一説には運用側から「開発したやつは満州にカエレ!」なるコメントがでたとか。
その機密保持レベルは高く、国外持ち出しの際には議会で反対されるまでの騒ぎになった。
実はただの偽情報(ディスインフォメーション)で、普通の機関銃に過ぎないという説もある。
関連商品
関連動画
関連項目