比叡(艦これ)とは (ヒエイとは) [単語記事]

「気合！入れて！行きます！！」

比叡(ひえい)とは、『艦隊これくしょん～艦これ～』に登場する艦娘である。CV.東山奈央。

概要！書かせて！いただきます！！

金剛型戦艦2番艦『比叡』がモチーフで金剛四姉妹の次女。姉の金剛ラブなシスコン艦娘。金剛が提督ラブのため、提督(プレイヤー)は恋敵になるが、おっちょこちょいな性格と行動で陰湿な感じにはなっておらず、むしろ上官としては信頼している節が所々で見られる。

容姿は金剛と同じ色の栗色の髪をショートカットにしたルックスで妹の榛名・霧島より姉の金剛似である。
これは榛名と霧島がそれぞれ民間造船所でほぼ国産部品で建造されたのに対して、比叡は金剛と戦隊を組むために早期の就役を目指していた事情から主砲を始めとするかなりの割合の備品を金剛の建造元であるヴィッカース社から輸入した経緯に由来するためと思われる。

兵装部分に関しては姉の金剛とは異なるデザインがされており、左右に大きく張り出したバックパックで4基の砲塔を保持するのではなく、比較的小型のバックパックからX字状に伸びるアームで4基の砲塔を支える形態になっている。クロスボーンガンダムのスラスター部分が砲塔になっていると考えれば分かりやすいか。
ちなみに榛名は金剛と同型、霧島は比叡と同型の砲塔を備えており、運営が意図したものかは定かではないが、ロングヘアの奇数組とショートヘアの偶数組で兵装が別デザインに分かれていたりする。「お姉さま譲りの装備」（金剛によると「提督にもらった大切な装備」）なのに金剛と仕組みが違うというのはどういうことなのだろうか。

小破時に「ひぇ～～！」とダジャレを発したり、夜戦時の「見捨てないで～」と冒頭の台詞からは空回りしてる印象が強いが、夜戦時の台詞は史実の比叡の最期が誤認による雷撃処分と沈没が確認出来なかった事だったためで、金剛ラブなのも彼女の深層心理に影響していると考えられる。

建造・ドロップともに入手可能。戦艦としてのレアリティはほぼ中間で他の姉妹と同じだが、序盤のドロップ場所が微妙に少なく、四姉妹で彼女だけ揃わないというケースがやや発生しやすい（もちろん個人差はある）。四姉妹を揃えることで第4艦隊の開放という大きな特典があるので、ゲームの途中目標と化すことが比較的多い。
ちなみに金剛型姉妹の中では一番小柄で、胸も控えめに見えるが、中破すると他の姉妹同様十分大きい事が判明する。

さぁーて比叡、改造準備するよー！

「できたー！自慢のレシピ、比叡カレーだよ！さあ、食べて！」

2013年11月20日のアップデートで姉・金剛と同じく改二が実装、改造レベルも同じ75。ステータスはほぼ金剛に準じるが、装甲と耐久がそれぞれ1だけ上回り逆に対空が少ない。髪飾りも金剛改二と同型になり背中の艤装もこれまでのX字型から金剛改二とほぼ同型の船体型になっている。これで堂々と「お姉様譲りの大切な装備」と宣言できるよ！
改二実行時に搭載している装備（21号電探と三式弾）については、姉が戦没時の最終状態をイメージしているのに対して比叡のそれは実現されなかった改装計画（航空戦艦化した扶桑姉妹と同様）に着想を得ていると思われる。
金剛改二が絵のタッチはともかく、容姿は以前とそれほど変わりがないのに対して、比叡は元々のショートカットだった髪型をさらに短く、ベリーショートにしている。あと、以前はニーソックスの下にタイツをはいていたが、改二では脱ぐことで、新たに絶対領域を装備している。FSS! FSS!

余談ではあるが、ファミ通コミッククリアにて連載されている公式四コマ第11話では「芸術の秋」ということで金剛の似顔絵に挑戦してみたものの………「どうしてこうなった…」
さらに改二で追加された時報ボイスの18時～23時にて、提督にお手製の比叡カレーを作るも逃げられる事態に！
メシマズ？ポイズンクッキング？御召艦を務めたこともあるのに………「どうしてこうなった…!!」

私の史実、見てくれましたか？

1911年（明治44年）11月4日、横須賀海軍工廠で起工。
1912年（大正元年）11月21日の進水時は4か月前に即位したばかりの大正天皇が臨席しており、天皇により『軍艦・比叡』が命名される。これは軍艦としては初であり、その後の御召艦への抜擢も含めて四姉妹の中でも皇室との関係がクローズアップされている。竣工は1914年（大正3年）8月4日。佐世保鎮守府に所属する事になる。
なお、比叡は金剛とペアを組む必要から早期の竣工が求められており、このため主砲を始めとして装備の多くを英国ヴィッカース社から輸入して日本で組み上げるという、いわゆるノックダウン生産の手法がとられた。金剛が帰国子女なら、比叡は日英ハーフと言える。比叡が金剛をやたらと慕うのはここから発想されたものではないかと思われる。

1921年のワシントン軍縮条約により比叡は練習戦艦に改装され^[1]、以来1936年の大改装まで横須賀鎮守府預かりになり常備艦隊から所属が外れてしまうが、その分スケジュールに余裕が出来たため、観艦式や皇族の行幸の際の御召艦としてたびたび選抜される名誉に恵まれ(1933年・1935年・1936年・1940年の計5回。ちなみに霧島・榛名は各1回ずつ選抜されている)「長門」「陸奥」と並んで国民の人気が高い艦になった^[2]。

1936年、ロンドン軍縮条約明けを待って大改修を受ける。この際、新型戦艦(大和型)の新装備のテストとして他の姉妹の鐘楼型艦橋ではなく、塔型（この形式はこの後建造・改修される日本の戦艦の特徴となり、アメリカでは「パゴタ（仏塔）・マスト」と呼ばれた）の艦橋と最新式の方位盤を搭載したほか、艦内の重要な装備を新調している。そのため遠目でも違いがはっきり解り、再び国民の人気が高まったと記録されている。

太平洋戦争開戦後は金剛型4隻による第三戦隊を組み、霧島と第1小隊を構成する。真珠湾攻撃・セイロン島攻略・ミッドウェー作戦と主要な作戦に姉妹でほぼ参加しており、最期のソロモン海戦まで行動を共にしている。

1942年11月、ガダルカナル島への艦砲射撃の任務に就いていた比叡は深夜の激しいスコールの中で米艦隊と遭遇、3隻の巡洋艦を相手していたが探照灯を点灯していたため格好の的になってしまい艦上は火災発生、舵も故障してしまう。その後の空襲で損傷甚大とされた比叡の艦内は混乱しており、通信機も故障したため伝令兵による受け渡しをしていたがこの時に機関室浸水が「機械室全滅」と誤報になってしまい、艦首脳陣は自沈を決意。味方駆逐艦による雷撃処分もされた(その際の実行艦の一隻が「雪風」である)

この作戦の決行に関しては妹の記述に詳細を譲るが、連合艦隊司令部の油断慢心で失われてしまった側面が大きい。加えて現場責任者の比叡艦長、比叡の属する第11戦隊司令官に全責任を負わせ予備役編入とするなど、ミッドウェー海戦の生き残りを敗北隠蔽のため隔離監禁したのと同じ轍を踏んでいる。
現場に全責任を押し付ける人事に関して、山本五十六連合艦隊司令長官はいたく激怒したものの、現場からの索敵情報と参謀長の言葉を無視し、対策を講じなかったあたりは「おまえが言うな」状態である。

ちなみに比叡の遺品としては、広瀬武夫中佐（日露戦争で戦死した帝国海軍「軍神」の象徴の一人）を祀った広瀬神社にマストが保存展示されており、他の多くの戦没者とともに弔われている。

その名前ははるな型護衛艦2番艦DDH-142「ひえい」に継承され、1974年11月から2011年3月まで37年に渡って（2013年現在、海上自衛隊の護衛艦としては最長。その航行距離は地球44周にも相当する）日本の海の守りを全うし、今度は無事に退役。退役後は呉に係留されていたが、折しも『艦これ』が人気を博していた2013年12月に解体処分され、ついに母国で長い旅を終えることが出来た。