灼熱の卓球娘とは、朝野やぐらによる卓球漫画作品である。
概要
『ジャンプSQ.19』にて2014年1月号から2015年3月号まで掲載された後、Web漫画『となりのヤングジャンプ』にて移籍連載されている。毎月第1金曜日更新。単行本5巻が2016年12月2日に発売。
王者が陥落し、波乱の時代を迎えた中学女子卓球界。雀が原中学にやってきた転校生・旋風こよりが、新たな風を巻き起こす…!?
2016年10月よりキネマシトラスの制作にてアニメが放送。
2016年11月20日に、秋葉原にある卓球ラウンジ「Akiba卓球スタイル」とのコラボで『灼熱の卓球娘杯』が開催された。
作品特徴
本作はタイトルのとおり、少女たちによる熱い卓球スポ根漫画である。登場するキャラが使う卓球技術は基本的に全て実在するもので、派手な描写もあくまで漫画的演出の範囲に留まっている。
主人公達が通う中学校は共学で、卓球部にも“女子”卓球部とは書かれていないが男子部員の姿は見られず、他の学校も同様である。また女子同士の友情が強調されており、やや百合的に見える部分もある。
大会などの描写は、団体戦(シングルス2戦、ダブルス1戦、シングルス2戦の順で行い、3本先取で勝利)がメインで個人戦についてはその成績なども言及されていないが、月1の掲載ペースでは描ききれないためと思われる。
登場人物
市立雀が原中学校
- 旋風こより(つむじかぜ こより) CV:花守ゆみり
- 転校生の2年生。ピンクのショートヘアだが、高い場所で2カ所短く結んでおり、興奮すると「まげまげ」と跳ねる習性がある。
- 卓球が大好きで、県ベスト4になったことがある。人見知りが激しい性格で、卓球以外は何をやらせてもどんくさく、失敗ばかりする。だが卓球のことになると人が変わったかのように積極的になり、強プレイヤーとなる。相手にあわせてプレイスタイルを変え、強いスマッシュで後から追い上げる。とにかく卓球が好きで、勝敗にこだわらずゲームを楽しむタイプだったが、あがりに影響されて「ドキドキする」試合をしたいと全国大会を共に目指すようになる。
- ハナビからは「まげまげ」、ほくとからは「桃ぱんつ」と呼ばれている。練習時はコスプレ犬のわん子シリーズ(本人お気に入り)のシャツにスパッツ。髪飾りもわん子のおやつ? の骨。ラケットのケースもわん子。なんでそんな需要が低そうなグッズまであるんだ。
- 上矢あがり(かみや あがり) CV:田中美海
- 部員の2年生でこよりのクラスメイト。紫髪のツインテール。上矢印の髪飾りを付けている。
- 都ベスト8の実力者で雀が原卓球部のエース。ループドライブという、まともに相手が返球しようとすると浮き上がってしまうスピンをボールにかけ、それをチャンスボールとしてスマッシュし得点するのが得意戦術で「ドライブ四天王の一角」「北のドライブマン」などの異名を持つ。
- 負けん気が非常に強くいつも上を目指し、全国大会を狙っている。部のエースだったところ、突然やってきた“新エース”のこよりに注目を奪われた形となり、エースの座と注目をこよりから奪い返そうとする。だがこよりとの勝負で、“純粋に卓球を楽しむこと”を思い出し、こよりをライバルとして認め、切磋琢磨しあうようになる。
- 一方で、普段はどんくさいこよりの面倒をよく見ており、こよりも子犬のようになついている。だが感謝されると「べべ別に優しくないから!」「これくらい当然でしょ!」などと赤くなってそっぽを向く典型的なツンデレ。だがそれがいい。
- 3年生に超巨乳キャラがいるためあまり注目されないが、2年生の中では胸が一番大きい。いや2年の他のキャラが貧乳なのか年相応なのか。
- ほくとからは「白ぱんつ」と呼ばれている。練習時は学校指定の体操服とブルマ。
- 天下ハナビ(てんか はなび) CV:高野麻里佳
- 部員の2年生でこより、あがりのクラスメイト。
- 明るい性格で、ほくととは幼なじみであり特に仲がいい。あがりやほくとの髪の毛でよく遊んでいる。自分自身の髪は黄色で跳ねており、「チクチクする」「刺さる」と言われるほど。ヤマアラシかウニか?
- 卓球台の近く(前陣)に出てとにかく速く打ち返し、速度で相手を切り崩す速攻型。その分自分のミスも多くなってしまうが、スピードは部内トップクラス。ついでに言うこともいつも素早く直球で、ツンデレのあがりをからかったり、ほくとに真正面から友情を示して照れられたりしている。またアニメ5話では、あがりがほのめかした「部長の本当の強さ」という言葉に対し、その場で「ダブルスが強いんだよ!」と答えを言って、伏線を叩きつぶした。
- ほくとからは付き合いが長いせいか、単に「ハナビ」と呼び捨てにされている。こよりには「ハナちゃん」と呼ばせている。
- 練習時はランニングシャツに短パン。ほくとからもらったお守りをいつも身につけている。
- 出雲ほくと(いつも ほくと) CV:桑原由気
- 部員の2年生。2つ跳ねた髪がウサギ風に見える水色のショートカットで、髪留めもニンジンの形。襟などで常に口元が隠れ、ほくほく湯気が出ている。原作をよく見ると、とにかくいつも必ず何かで口が隠れており、作者の根性すら感じられる。だが、わずかだけ口が見える場面もあり、そこが彼女最大の名シーンと言えよう。
- いつも落ち着いているが、特に親友のハナビのこととなると結構熱くなることもあるものの、普段はそっけない態度を見せるクーデレ系。実家は卓球用品専門店で、小学生の時から手伝いで働いており、相手のラケットのラバーを見ただけで下着までわかる特殊能力の持ち主で、ハナビとキルカ以外の相手はパンツの種類で呼んでいる。いつも同じ種類のパンツしかはかないの?
- サーブのテクニックが特に高く、色々なスピンをボールにかけて相手をうまく誘導しつつポイントするのが得意だが、長いラリーは苦手。
- 練習時は上は学校のジャージ、下はブルマ。
- 大宗夢音(おおむね むね) CV:今村彩夏
- 3年生で副部長。ピンクのショートカット。超中学生級の巨乳で、漫画では常に「ぱいーん」と擬音がついている。その巨乳の上、本名がこれなことからいつも「ムネムネ(先輩)」と呼ばれており、部員のランキング表やアニメのスタッフロールですら「ムネムネ」と表記され、本人も諦めているのか、こよりなどにも自分のことを「ムネムネ先輩だよ」と名乗っている。後輩からもなにかにつけ、その巨乳をネタにされている。本人曰く「おっぱい怖くないよ!」でもまんじゅうもおっぱいも怖いよね。
- 温和でおっとりしているが、スマッシュがとにかく強く、力尽くで攻める超攻撃型プレイヤー。しかしその他の技術は稚拙なため、シングルスでの実力は部内レギュラー陣の中では低い。だがダブルスでキルカのサポートを得ると、文字通り大乳……じゃなくて大砲と化す。なお左利きで、これも右利きのキルカとダブルスを組むのに有利な点(卓球のダブルスでは常にペアが交互に打ち返さなければならないため、利き腕が異なると互いの邪魔にならない場所に移動しやすい)。いつもつけているカチューシャは、キルカとダブルスを組むことを決めた時に自分のヘアバンドと交換してキルカからもらったもので、回想シーンでヘアバンドをしていても決して作画ミスなどではない。
- 練習時はピンクのシャツに短パン、また練習時も試合のユニフォーム時も白ニーソックスを着用。ほくとからは「紐パン先輩」と呼ばれている。中学生なのに、上も下もとにかくけしからん。
- 後手キルカ(うしろで きるか) CV:東城日沙子
- 3年生で部長。黒髪ポニーテール。足の怪我で休部していたが、こよりの入部後に復帰する。
- 「タイクツ」が口癖でひょうひょうとした性格であり、いつもシャツや制服から肩が片方出て着崩れているが、これは“撫で肩”のせいと原作オマケで描かれていて、だらしないとか痴女とかではない、多分。ブラの肩紐も見えないためノーブラ疑惑もある。糸目だが目を開く場面はけっこうあり、開眼したからといって何かが発動する訳ではない。
- カットという、ボールにバックスピンをかける打法が得意で、相手が普通に返球しようとするとボールが持ち上がらなくてネットにひっかかりやすい。こうして相手のミスを誘いポイントするのが基本戦術だが、自分自身の攻撃力そのものは低い。だが卓より離れ気味(後陣)に立ち、軽快なフットワークで相手ボールを次々拾う防御力の高さが最大の強みであり、攻撃と防御をカバーし合うムネムネとのダブルスはほとんど最強の描写。全国を目指してムネムネと懸命に練習したこのダブルスコンビは「あれ」「それ」でも何のことか通じることがあるほどであり、もう夫婦。
- 練習時は黒シャツとショートパンツ。またユニフォームを着た時は右膝にサポーターをしている。ムネムネのリアルおっぱい枕を愛用。ほくとには「部長」と呼ばれているためどんなパンツかは不明。残念。
区立もず山中学校
- 二重丸くるり(ふたまる くるり) CV:井澤詩織
- 3年生で副部長。くるくると巻いた緑髪をしている。私服はゴスロリ。
- 石榴に異常なほどの愛情を捧げており、石榴の為に卓球をすると言い、石榴の喜ぶ顔を考えるだけで興奮し、石榴が後輩に向かって話す時は後輩に無言でプレッシャーを与え、石榴に感謝されるだけでイってしまうなど、完全にヤンデレの域。首をよく傾けており、さらに語尾が「デス」だが、多分魔女教とか怠惰とかとは関係ない。
- あがりと同じく「ドライブ四天王」の一角で、前回の大会にてもず山中を全国大会に導いたとされる人物。
- 座敷童石榴(ざしきわらし ざくろ) CV:古木のぞみ
- 3年生で部長。だがアホ毛にリボン、口調や雰囲気などのせいで、もず山レギュラー陣の中でも幼く見える。くるり曰く、朝から家の階段を全段尻で降りてきたり、靴を左右間違えて出かけようとしたりするなど、かなりのドジっ子。そもそもくるりはどうやってその情報を知った……? そしてなぜ石榴はそれを疑問に思わない……?
- それでも部員を元気づけたり励ましたりと頑張っている。
- 蠍田幸子(さそりだ さちこ) CV:立花理香
- 2年生で自称次期部長だが、他の2年生にはぞんざいにあしらわれている。しかし実際、もず山2年生の中では一番まともかもしれない。赤い髪のおさげでサソリをイメージしているっぽい。
- ロビングという、ボールを高く打ち上げ、バウンドする時に回転の影響で跳ね方が変わる打法などにより相手を翻弄する。「狩人からは逃げられない!」などという、事前に考え練習していたに違いない長い決め台詞を使うなど、かなり厨二っぽい。まあ実際中学二年生だからしょうがないのか?
- 由良木ゆら(ゆらぎ ゆら) CV:青山吉能
- 2年生。長髪のピンク髪で、なぜかいつも身体をゆらゆらさせていて、試合でも変則的な動きをする「無理じゃないかな」が口癖。ほくとによると、クマさんパンツらしい。
- 鐘梨まゆう(かねなし まゆう) CV:竹尾歩美
- 2年生。茶色で短めのツインテール。羽無のダブルスのペア。リーチの長さを武器とし、羽無とは身長差がかなりあるが、しっかり連携が取れたプレイが可能。
- 普段は左目を閉じていることが多く、開いたらオッドアイ……のように見せかけてただカラーコンタクトをつけているだけという描写がアニメにある(試合時は外す、危ないからね)。もちろん予知能力みたいなものとか変な特殊能力は当然無いが、本人曰く「美学」としており、かなり厨二っぽい。まあ(以下略
- 羽無公子(はむ きみこ) CV:大坪由佳
- 2年生。黒髪ショートを2つに結んでいる。鐘梨のダブルスのペア。ハムスターのように常に何かを食べており、鐘梨によく餌付けされている。やはりハムスターのように小回りがきき、動き回る。
鳳堂学園
9年連続、全国大会優勝の王者。ありえないことに10連覇を賭けた予選リーグにて敗退。
隼学園
無名校。緒戦で凰堂学園を破り、全国制覇を達成。
アニメ
2016年10月から、テレビ東京、BSジャパン、AT-Xにて放送。
アニメ開始時は原作単行本が4巻までしか出ていなかったが、原作者の監修のもと、原作ではかなり省略されて描写されていた、もず山中との練習試合を中心に、かなり話が膨らまされている。
実際に卓球で勝負する場面の作画や特徴的で耳に残るBGMを含め、丁寧に作り込まれた作品として評価を得ている。
オープニングの「灼熱スイッチ」は、曲の評価だけではなく空耳歌詞も定着した(詳細は灼熱スイッチの項目を参照)。また『三者三葉』の「クローバー♣かくめーしょん」などでも用いられた「オープニングの中に、本編ダイジェストが入れられる」という演出が使われたり(起源は『蒼き流星SPTレイズナー』のオープニングとされる)、5話ではオープニング曲とエンディング曲を入れ替え、さらにエンディングで「灼熱スイッチ」をロングバージョンで聞かせつつ、それまでの話のダイジェストを写すという「いい最終回だった」的演出まで使われたため、「本当の最終回はどうするんだ」と、既に疑問や期待が膨らんでいる。
スタッフ
- 原作 - 朝野やぐら
- 監督 - 入江泰浩
- 副監督 - かおり
- シリーズ構成 - 倉田英之
- キャラクターデザイン - 杉村絢子
- 色彩設計 - 松山愛子
- 美術監督 - 佐藤勝
- 音楽 - MONACA
- 音楽制作 - DIVEⅡentertainment
- 音響監督 - 郷文裕貴
- 音響制作 - スタジオマウス
- 編集 - 須藤瞳
- 撮影監督 - 木村俊也
- 撮影 - T2スタジオ
- アニメーション制作 - キネマシトラス
主題歌
- オープニングテーマ「灼熱スイッチ」

- 作詞:只野菜摘 / 作曲・編曲:田中秀和(MONACA)
- 歌:雀が原中学卓球部(花守ゆみり、田中美海、高野麻里佳、桑原由気、今村彩夏、東城日沙子)
- エンディングテーマ「僕らのフロンティア」
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- 作詞:只野菜摘 / 作曲・編曲:広川恵一(MONACA) / 歌:Wake Up,Girls!
放送局
| 放送局 |
放送開始日 |
放送時間 |
備考 |
| テレビ東京 |
2016年10月3日 |
月曜 25:35 |
|
| BSジャパン |
2016年10月8日 |
土曜 24:00 |
|
| AT-X |
2016年10月4日 |
火曜 23:00 |
|
| 2016年10月6日 |
木曜 15:00 |
リピート放送 |
| 2016年10月9日 |
日曜 19:00 |
| 2016年10月10日 |
月曜 07:00 |
| 配信サイト |
配信開始日 |
配信時間 |
備考 |
| ニコニコチャンネル |
2016年10月7日 |
金曜 12:00 |
|
| ニコニコ生放送 |
金曜 22:30 |
タイムシフトあり |
ニコニコ以外では、dTV、ドコモアニメストア、ゲオチャンネル、U-NEXT、アニメ放題、ひかりTV、GYAO!、楽天SHOWTIME、J:COMオンデマンド、au ビデオパス、バンダイチャンネル、ビデオマーケット、HAPPY!動画、Google Play、Amazonビデオ、TSUTAYA.com、DMM.com、PlayStationStore、ふらっと動画、LINE LIVEにて配信。
各話リスト
| 話数 |
サブタイトル |
脚本 |
絵コンテ |
演出 |
作画監督 |
動画 |
| 第一球 |
…ドキドキするっ! |
倉田英之 |
入江泰浩 |
阿保孝雄 |
りお、佐々木貴宏、佐藤友子
藤優子、杉村絢子 |
|
| 第二球 |
譲れない場所 |
森賢 |
池津寿恵、二宮奈那子、松尾亜希子
ぎふとアニメーション、森賢、多田靖子 |
|
| 第三球 |
好きっ!! |
孫承希 |
樋口香里、佐藤友子 |
|
| 第四球 |
タイクツな卓球 |
かおり |
阿保孝雄 |
澤田讓治、藤優子
宮脇さくや、杉村絢子 |
|
| 第五球 |
あなたとドキドキしたいから |
博史池畠 |
池津寿恵、森かや乃、南野七瀬 |
|
| 第六球 |
ともだち |
かおり |
樋口香里、佐藤友子、 川妻智美
森かや乃、 錦見楽、二宮奈那子
ぎふとアニメーション、多田靖子、 齋田博之 |
|
| 第七球 |
全国校の実力 |
小柳啓伍 |
入江泰浩 |
森賢 |
藤優子、宮脇さくや
ぎふとアニメーション
多田靖子、諏訪真弘
杉村絢子、森賢 |
|
| 第八球 |
ダブルス |
倉田英之 |
工藤利春 |
樋口香里、佐藤友子、池津寿恵
森かや乃、諏訪真弘
杉村絢子、齋田博之 |
|
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外部リンク
関連項目
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