灼熱の卓球娘とは、朝野やぐらによる卓球漫画作品である。
概要
前進となった読み切り『卓球☆だいありー』の好評受け、変更・修正を重ねて改題した後、『ジャンプSQ.19』(隔月刊)にて2014年1月号から連載。2015年3月号まで掲載された後、雑誌休刊にともない、Web漫画サイト『となりのヤングジャンプ』に移籍しての連載が開始された。毎月第1金曜日更新。単行本5巻が2016年12月2日に発売。
『となりのヤングジャンプ』の連載ページでは、序盤の数話+最新話を無料公開中。
2016年10月より、キネマシトラス制作によるテレビアニメが放送。
2016年11月20日に、秋葉原にある卓球ラウンジ「Akiba卓球スタイル」とのコラボで『灼熱の卓球娘杯』が開催された。
ストーリー
王者が陥落し、波乱の時代を迎えた中学女子卓球界。
雀が原中学にやってきた転校生・旋風こよりが、新たな風を巻き起こす・・・!?
少女たちの熱き卓球物語、開幕!!
(作品連載ページ・あらすじ より)
作品特徴
美少女×本格卓球部活漫画である。
萌え系の可愛らしい絵柄でありながら、汗と涙が飛び散る迫力の競技描写が展開し、タイトルに違わない王道スポ根がたのしめる。主な登場人物たちは女子中学生であり、切磋琢磨する中での友情から歪な執着まで、女の子同士の関係性に強く焦点が当てられている(舞台は共学校で“女子”卓球部と明言されないが、男子部員は登場しない。他校も同様)。
本作の卓球描写は、使用される技術・戦術から用品の性能まで、基本的には実在するものに即するかたちで描かれている(その点はスポーツ漫画として珍しくはない)。オーバーな表現やイメージ演出も織り交ぜられているが、派手に描かれる場合は現実での技の特性を強調したもので、劇中で超能力的に扱われることもない。卓球やスポーツ本来の魅力を活かす作風といえる。
もちろん部活ものらしく、初心者にわかりやすいよう基礎から解説が入れられているため、卓球を知らなくてもついていけるので心配ない。
なお、現実の夏の「全中」(インターミドル)では、男女それぞれで団体戦(6人登録/S1→S2→D→S4→S5/3本先取で勝利)と、個人シングルスの二種目ずつが行われるが、本作では団体戦のみが描かれている。過去の成績など一部言及はあっても個人戦の描写はない。これは、連載が隔月で始まったもので現在も月1回というペースであることや、ページ数の制約なども影響して限定されたと思われる。
備考
作者の朝野やぐらは学生時代に卓球部だった経験者である。
アニメ放送中にみられた「単行本が手に入りにくい」との声に関して、自身のブログで、もともとのシリーズ発行部数自体が非常に少なく、店舗に取り置いている量も僅かなため、と恐縮しつつ答えている。
連載継続の判断材料としては電子書籍版も有効らしいとのことなので、見つからない・注文できないという人は一考されたし。なお電子版のほうがいくらか安い。
登場人物
登場する学校名には鳥類の名前が使われている。
また、使用ラケットの設定はアニメ公式サイトで公開のものを記載(作者コメントから、原作の裏設定だった模様)。
市立雀が原中学校
都大会団体戦の最高成績はベスト8。総勢21名。顧問の描写はなく、少なくとも指導者はいない(合宿は教員に引率を頼んで組んでもらっている)。それもあってか、練習で毎回1ゲームマッチを行い、部内ランク付けを徹底している実力至上主義。
レギュラー部員/団体戦メンバー
- 旋風こより(つむじかぜ こより) CV:花守ゆみり
- 春から転入してきた2年生。とにかく卓球が大好きな女の子。ショートの赤髪を白いロングリボンでツーサイドアップにしている。結ばれたごく短い髪(昂るとよく動く)から、ハナビには「まげまげ」とあだ名で呼ばれる。誕生日は7月24日。使用ラケットは軽量・打球感重視のNittaku「フライアットカーボン」(FL)。
- 人見知りが激しく、極度の赤面癖。挙動不審となって怪しまれることもしばしば。さらに卓球以外は何をやってもどんくさく失敗ばかり。しかし、卓球のこととなると積極的になり、一度ラケットを握れば人が変わったかのようなアグレッシブさをみせる。試合で「ドキドキする」ことが第一で、対戦をたのしむだけの選手だったが、高みを目指して勝利を追求するあがりや部の仲間と出会って影響され、共に全国大会を目指すようになる。
- 前年の成績は県ベスト4であり実力は確かだが、それ以上に、どんな強敵との試合も笑顔いっぱいで臨み、相手を触発してしまう不思議なプレーヤー。相手の戦法をみて柔軟に対応を切り替えるオールラウンドなスタイルが持ち味で、後半になるほどスマッシュの威力を増していく追い上げ型。
- ほねをくわえたコスプレ犬「わん子」シリーズのキャラグッズがお気に入りで集めている(髪飾りからペンケースまで多数)。練習着はわん子シャツに黒のスパッツ。ほくとからは「桃ぱんつ」と呼ばれる。
- 上矢あがり(かみや あがり) CV:田中美海
- 雀が原のエース。2年生でこよりとハナビのクラスメイト。上昇志向とプライドを高くもち、勝ち気かつ負けん気が強い。またそれを口先だけにしない真面目な努力家。腰まである紫髪のツインテールで、角状にした黒リボンと「↑」矢印の髪飾りを付けている。誕生日は7月24日で、偶然(?)あがりと一緒。使用ラケットは隙がない性能のNittaku「ルデアック」(FL)。
- 卓球に注ぐ情熱と実力は本物だが、注目と称賛を浴びる状況に驕り、突然現れたこよりにエースの座を奪われかける。こよりとの試合のなかで、純粋に卓球を好きな気持ちや本来の楽しさを思い出し、彼女をライバルと認めてからは切磋琢磨しながら大きく成長していく。普段はどんくさいこよりの面倒をよく見ていることもあり、すっかり懐かれている。それを感謝されたり周りにからかわれたりする度に、赤くなってそっぽを向いてしまうツンデレ。だがそれがいい。
- 前年度成績は都ベスト8。ループドライブという、返球が浮き上がるスピンをかけ、そこからの正確なバックハンドスマッシュを得意戦術とし、都の「ドライブ四天王」の一角“北のドライブマン”の異名を持つ。上級者との試合になると決定力不足が課題だが、こよりと出会ってからの練習のなかで次第に改善されていく。
- なお、ムネムネ先輩のせいであまり注目されないが、2年生の中では胸が一番大きい。練習着のスタイルは学校指定の体操服とブルマ。ほくとからは「白ぱんつ」と呼ばれる。また、妹がいる模様(セリフだけで未登場)。
- 天下ハナビ(てんか はなび) CV:高野麻里佳
- こよりとあがりのクラスメイトで、ボーイッシュな2年生。いつも笑顔「(>ヮ<)」でハイテンション。八重歯がチャームポイント。黄色の髪をツインアップにしており、広がった毛先がトゲトゲで「チクチクする」「刺さる」らしい。誕生日は8月8日。使用ラケットは扱いやすいButterfly「サイプレス JP Ⅲ」。チームで唯一のペンホルダー(日本式)。
- ほくととの関係は小学校からの幼馴染であり親友で、卓球を始めたきっかけでもある。ほくとの実家でよく店番を手伝っており、もはや「あれ」や「それ」で通じる間柄。裏表なく明朗闊達な性格で、素直でないあがりをからかったり、ほくとを照れさせたりしている。基本的に人懐っこく、よく頭から突撃してじゃれついている。こよりやほくとの髪の毛をいじって遊ぶのが好き。
- 典型的な先手必勝の前陣速攻型をとる。自分のミスも増えるがそのスピードは部内トップで、総合的な実力も高い部類。しかし長期戦に持ち込まれると厳しく課題が多い。
- 練習着は白のタンクトップに黄色のショートパンツ。ほくとからは唯一呼び捨てで「ハナビ」と呼ばれており、彼女からもらった大切なお守りをいつも首から下げている。また、こよりには「ハナちゃん」と呼ばせている。サボテンが好きらしい。……チクチクだから?
- 出雲ほくと(いつも ほくと) CV:桑原由気
- クールな2年生で、ハナビの幼馴染。常にマフラーや襟など何かで口元が隠れ、「ほくほく」と湯気が出ている。水色の髪は下サイドでお団子にまとめてカバーをつけている(しばしばハナビにモフモフさわられる)。誕生日は3月13日。使用ラケットは操作性に優れるDONIC「ブルー フィーリング」(FL)。
- 表情をあまり変えず喋るが、マイペースに冗談を発するお茶目な性格。いわゆるクーデレ系ながら、卓球にかける気持ちや親友への想いでは熱さをみせる。実家が卓球用品専門店で小学生の頃から手伝っており、いまや客に最適な商品を瞬時に提供できるスーパー店員。そのためか時折、商魂が騒ぎ守銭奴と化す。また、相手のラケットとラバーを見ただけで、性格やプレースタイルはおろか何故か身に着けた下着までわかる特殊能力の持ち主。癖で大抵の相手はパンツの種類で呼んでしまう。みんないつも同じ種類のパンツしかはかないの?
- 部内で随一の技巧派で、速攻寄りの前陣攻守型。多彩なサーブの打ち分けによって主導権を奪い、3球目攻撃へ正確に繫ぐプレーを組み立てるのが得意。一方で、長いラリーに持ち込まれる展開は、高い分析力との両立で消耗するため苦手としている。
- 練習着のスタイルは学校ジャージ(上)とブルマ。ウサギが好きで、前髪のアレンジはウサギ耳をイメージしているほか、ニンジンの髪留めを愛用。ちなみに原作では、わずかだけ口が見える名場面があるので見逃さないように。
- ムネムネ/大宗夢音(おおむね むね) CV:今村彩夏
- おっとりやさしい3年生の先輩で副部長。髪型はウェーブのかかったピンクのセミショート。“やわらか(パワフル)おっぱい”と評される超中学生級の巨乳で、登場コマの大半で「ぱいーん」と擬音がつく。誕生日は12月24日。使用ラケットはバランス型のButterfly「インナーフォース レイヤー ALC」(FL)。また、レギュラーでは唯一の左利き(※クロスドミナンス)。
基本的に「ムネムネ(先輩)」とのあだ名で呼ばれ(後に本名が判明)、ランキングや対戦表でも(さらにアニメ版のクレジットも)そのように表記される上、本人が気に入っているのか自らそう名乗る。キルカにはよく胸を枕にされており、恥ずかしいと抵抗しつつもなかば諦めている。後輩からも含め、なにかにつけてはセクハラされるいじられるキャラだが、ちゃんと慕われている良き先輩。
- ドライブ主戦型で、温和な性格に反してスマッシュの力押しで攻め立てる超攻撃的なスタイル。強打は一級だが他の技術で劣り勝機をつくる力に乏しいため、シングルスではレギュラー内で下位にとどまる。その強打が真価を発揮するのはキルカとペアを組むダブルスで、互いをカバーしながらキルカが崩し、ムネムネが打ち込む形で圧倒的決定力となる(ペアで利き腕が違うのも、邪魔になりにくい場所に移動しやすいため、ダブルスで有利に作用)。
練習着は黒インナーの上にピンクのTシャツ、下は黒のショートパンツ。試合時も含め白ニーソックスを好む模様(原作初期は着用していない)。なお、いつもつけているカチューシャは元々キルカのもので、ペアを組むと決めた時に自分のヘアバンドと交換しあったたもの。ほくとからは「紐パン先輩」(!?)と呼ばれている。ちなみに体が重いのが悩みだが、大食いである。
- 後手キルカ(うしろで きるか) CV:東城日沙子
- 雀が原中卓球部を率いる部長。「タイクツ」が口癖で、飄々とした性格の3年生。ロングの黒髪ポニーテール。右膝の怪我の療養のため休部していたが、こよりの入部後に復帰。のんびりゆるゆるな風に見えて卓球にかける思いは熱く、ちゃんと後輩の指導もしている頼りになる先輩。誕生日は4月1日。使用ラケットは守備用のDONIC「デフプレイセンゾー」(FL)。
- いつも服が着崩れて片方の肩を出しているのは“撫で肩”のせいらしく、決してだらしないとかではない…多分。また、目が細く普段は糸目だが、開眼する場面は割と多い。可愛い子を眺めるのが好きらしく、練習上の負荷と称し罰ゲーム的にコスプレ衣装や獣耳を身につけさせては蕩けた顔をしている。さらに衣装作りが趣味らしい。自分で作った服を部員に着せているのか?
- プレーはカット主戦型で、返球が持ち上がらずネットに引っかかりやすいスピンをかけたボールにより、相手のミスを誘ってのポイントが基本。後陣に立ち驚異のフットワークからどんな相手ボールでも次々拾う、鉄壁の守備が最大の強み。テクニックで卓越している一方で、決定打を欠きシングルスでは伸び悩む。反面、互いを絶妙にカバーし合うムネムネとのダブルスにおいては、作中屈指の強ペアとしての実力を見せる。ふたりで高め合いながら築き上げてきた絆は固い。もう夫婦。
- 練習着は黒Tシャツと白のハーフパンツ。試合時は右膝にサポーター装着。日常的にムネムネのリアルおっぱい枕を愛用している。ほくとからは単に「部長」と呼ばれている。はいてない……?
その他の部員
レギュラー以外の15名の部員。全員が一年生のようで、大半が初級者と思われる。主に解説の聞き手&盛り上げ要員。
アニメ版に際してオリジナルキャラクターとして登場。名前の設定が元々あったり、原作でたびたび登場している者もいるが、誰がどのキャラか言及がなかった(モブからネームドへの昇格)。話数ごとの登場カットとセリフをEDクレジットと照合すれば、ある程度までは特定できる。なお、表記した部内ランキング順位は、全員分が確認できるアニメ第5話時点の表記から、キルカ復帰の分ひとつ繰り下げたもの。
- 田口たんぽぽ - CV:大坪由佳
明るめ茶髪のポニーテール。原作から一年生のなかでもかなり頻繁に登場する。卓球初級者のようで解説に関わる出番も多く、いろいろな意味で最も目立っている。さつきとセットが基本で、アニメEDではコンビのカットまである。ランキングでは12位。
- 佐々木さつき - CV:奥野香耶
髪はカーキ系色のショートボブで、片サイドで短く括っているのが特徴。たんぽぽと並んで原作でも目立っておりセリフも多く、ふたりでいるシーンがほとんど。ランキングは14位。
- 吉川よもぎ - CV:高木美佑
緑髪のショートでちょっとツリ目。セリフ量ではたんぽぽ・さつきコンビに次ぐと思われる。ランキング10位。もず山中との練習試合では、S1(ハナビVS蠍田)の主審をしている。
- 鈴木すみれ - CV:加藤敦子
比較的長身でマニッシュ。薄茶色のショートカット。よもぎと並ぶことが比較的多め。ランキングは真ん中の11位。もず山との練習試合ではS4(あがりVS石榴)の主審。
- 湯川ゆり - CV:立花理香
ランキング13位。薄桃色のセミショートで前髪は右分け。もず山中との練習試合では、S2(ほくとVS由良木)の副審、Dの主審、S5(こよりVSくるり)でも副審を担当し、地味に活躍している。
なお、ここまでの5人が(実力でなく出番的に)準レギュラー的ポジションの模様。
- 角田つばさ - CV:巽悠衣子
ランキング9位。原作1巻のランキング表やアニメのEDクレジットでは「つばき」になっているが、アニメ内の表示では「つばさ」。どちらが正しいかは不明。アニメ初回でこよりが最初に試合をしたグレー系の髪で短い二つおさげの部員と思われる(最下位から順に試合していない場合)。
- 結城ゆず - CV:巽悠衣子
ランキングは20位。青緑のショートヘア。ややたれ目で前髪は真ん中分け。EDの集合カットでは一年生ズのセンターにいる。
- 森野もみじ - CV:巽悠衣子
ランキング18位。薄茶色のベリーショート。
- 木之下きく - CV:千本木彩花
ランキング17位。茶髪セミロングをひとつに束ねている。
- 桜田さくら
ムネムネに次ぐランキング7位で、一年生ではトップ……のはずだが描写がなく特定不能。
- 檜山柊
さくらに次いでランキング8位。原作では「檜山」となっていた。さくら同様、アニメでは特定できず。
- 安藤あやめ(15位)
- 鳴海なつめ(16位)
- 神田かりん(19位)
- 矢田やつで(21位)
区立もず山中学校
平凡な実力の卓球部であったが、とある理由でほとんどの部員が去って廃部寸前となってしまう。前年、立て直されたと同時に急激に躍進し、全国大会初出場を果たしている。雀が原中にとっては、新チームとなってから初となる練習試合の相手校。
- 二重丸くるり(ふたまる くるり) CV:井澤詩織
- 3年生の副部長。幼少から名門クラブで鍛えられ、もず山中を全国大会に導いた立役者。あがりと同じ都の「ドライブ四天王」の一角。髪は薄緑で、ふたつのお団子と先の巻いた長い前髪が特徴的。語尾に「デス」をつけて喋り、首を傾げたまま話す癖がある。石榴が関わらない限り無表情だが、「敵」と目した相手には時々豹変して凄む。使用ラケットは、ドライブが安定するVICTAS「ダイナウッド」(ST)。
- ある経緯から石榴に心酔しており、彼女に最高の笑顔をもたらすという夢のため、異様な気迫をみなぎらせる。石榴へ捧げる勝利や贈り物をひそかに“友達料”と称するなど、表現や行動は極端でヤンデレの域。ただし、それらすべては自己満足だとしている。日常的にドジを連発する石榴の世話を甲斐甲斐しく焼いているが、面と向かって感謝されると嬉しさで沸騰必至。厳しい練習を課すために、後輩からは恐れられつつも尊敬されている。
- “東のドライブマン”の異名をとる理由は、球威を捨てて回転力を特化させた、激烈なカーブドライブを使いこなす戦法にある。半端な打法では軌道が曲げられ返球できない超強回転は、変化球の域を超えた一撃必殺の技。
- なお、ほくとの実家である店の常連客。私服はゴスロリである。
- 座敷童石榴(ざしきわらし ざくろ) CV:古木のぞみ
- 3年生で部長。天使。何事にもポジティブに向き合い、常に仲間を鼓舞するチームの支え。その飴(石榴)と鞭(くるり)で部をまとめているらしい。お団子にひっつめた髪とリボン、アホ毛が特徴。無自覚な超ドジっ子で、いつもくるりに世話を焼かれている。その姿もあってもず山レギュラー陣の中でも幼く見えるが、かつてくるりの課した猛練習をただひとり、根性のみでこなし続けた並々ならぬメンタルの持ち主。使用ラケットは多彩な攻撃に向くNittaku「アコースティックカーボン」。
憧れた選手であり親友のくるりから溺愛されていることが嬉しい一方、彼女自身のことをもっと考えてほしいと思っている。すぐ後輩を無表情で威圧するくるりを𠮟るものの、悪気がないと知るがゆえに甘くなりがち。
- どんなボールでも返球してラリーを繫ぎ、正確なコントロールで弱点を突いていく堅実なプレーヤー。総合的にレベルが高く、あがりとも互角のフルセット試合を演じる。アニメ版で描かれたその内容においても、確かな技術と揺るがぬ精神力をみせ、決定打を封じつつ驚異の粘り強さを発揮した。
- 蠍田幸子(さそりだ さちこ) CV:立花理香
- お調子者の2年生で、もず山のムードメーカー。「自称・次期部長」らしいが、他の2年生にはぞんざいにあしらわれている。とはいえ変人揃いのもず山ではまともな部類で、実際その器である感も……? 赤い髪を編んでサソリの尾のようなおさげにしている。使用ラケットは変化と守備向きのNittaku「ティルナ」。
- カットマンであり、アニメでは深いロビングを混ぜつつ前後に翻弄する戦法でハナビの速攻を封じるなど、テクニックのある選手として描かれた。なお試合後に勝ち口上めいたセリフを得意げに放つなど、ちょっと厨二っぽくもある。さすがリアル中二。また、試合後にはハナビと仲良くなっており「サソリン」「ハナちゃん」と呼び合っている。
- 由良木ゆら(ゆらぎ ゆら) CV:青山吉能
- 涼しげな微笑みを絶やさない2年生。なぜかいつも身体をゆらゆら揺らしている。「無理じゃないかな?」が口癖。髪は薄桃色のロングで、赤リボンでハーフアップにしている。使用ラケットは軽量かつ攻撃的な、STIGA「インフィニティVPS」。
- アニメ版で描写された試合を見たキルカによる評は、「変則的にみえて動きに無駄がない」というもの。分析力に優れ相手の癖から打球を予測するのが得意なようで、ほくとの組んだ攻撃を読んで先を行くために大接戦となった。そこはかとないSっ気を発揮していた一方で、自分の消耗をやせ我慢してみせたりと意外な一面もみせている。ほくとによれば「クマさん」パンツらしい。かわいい。
- 鐘梨まゆう(かねなし まゆう) CV:竹尾歩美
- 公子とダブルスでペアを組む2年生。茶色で短めのツインテール。ペアで身長差がかなりあるが、リーチの長さを生かした返球力を武器としつつ、しっかり連携が取れたプレーが可能。使用ラケットは安定性重視のVICTAS「ファイヤーフォール SC」。
- 気取った喋り方を好み、しばしば左目だけ瞑っていみせたり、眼鏡はないのに鼻根を抑えてみたりしている。公子の愛らしいお願いに絆されてよく食べ物を奢ってあげているようである。なお目を開くと実はオッドアイ……と見せかけてただカラコンをつけているだけ、という描写がアニメ版で登場した。「美学です」(危ないので試合前にはちゃんと外した)
- 羽無公子(はむ きみこ) CV:大坪由佳
- 鐘梨のダブルスペアで2年生。非常に小柄。黒髪を短くふたつ結びにしており、常に「ハムハム」とハムスターのように何かを食べ続けている。使用ラケットは攻守にバランスのよいTSP「ストラディバリウス」。
- 鐘梨によく餌付けされている一方で、おねだり上手な様子。小柄な体格らしく小回りがきき、機動力を活かしたプレーをみせる。直接対戦したムネムネのおっぱいに興味津々の様子。
燕女学園
私立校でいわゆる「お嬢様学校」だが、卓球部は地区予選の優勝候補常連である強豪。有力選手の勧誘も積極的に行っている。雀が原にとっては、同じ地区予選で当たるため、立ちはだかる最初の壁。
- 月ノ輪紅真深(つきのわ くまみ)
- 2年生。少し前までは雀が原の部員で、こよりの転入と入れ違いで燕女に引き抜かれた。髪は紅色、ふたつお団子にして後ろはひとつに束ねている。腹話術が特技で、熊の髪飾りに「クマの助さん」というキャラを立て、しばしばふたりとして喋る。あがりを「あーちゃん」と呼び、ハナビからは「くまみん」、ほくとからは「フリルぱんつ」と呼ばれる。以前はあがりと仲が良かったようだが、いまはやや複雑な関係の模様。
- 雀が原に在籍していた頃はカットマンで、横回転を多用するプレーヤーだったようだが……?
- 神楽坂孤姫(かぐらざか こひめ)
- 部長をつとめる3年生。セミロングの金髪。非凡なカリスマと実力を兼ね備えている。卓球に力を注ぐ理事長の娘であり、優雅で誰に対しても丁寧口調で話すお嬢様。紅真深を引き抜いた当人。なにやら秘密を抱え、紅真深だけがそれを知っている模様。また、こよりに近い共通点をもっている。
- 魁ねむり(さきがけ ねむり)
- 団体戦メンバー唯一の1年生。癖っ毛の黒髪ツインアップ。基本は眠たげでめんどくさがり。イロリを「ロリ先輩」と呼び、おちょくっては反撃を受けるまでが日常。でも本人には言わないが、イロリの実力は認めている。
- 前陣速攻型でフットワークに優れ、スピードで攻めながらも冷静に乱打戦を制するゲームメイク能力が持ち味。
- 色埴イロリ(いろはに いろり)
- かなりの小柄だが3年生。ジャージや制服の裾をいつも余らせており「ろりん」と擬音を発している。髪はリボンで結んだサイドテール。語尾が「ですの」。ねむりからは先輩扱いされずイジられる度に反撃しているが、吹雪によれば仲が良いらしい。
- ラリー技術に優れ、状況に応じた戦法をとることが得意。厳しいコースを狙って揺さぶりつつ、「エストック」と自分で名付けた鋭いミドル攻撃を好んで武器としている。ほくとによると「水玉ぱんつ」。
- 宝条焰(ほうじょう ほむら)
- 3年生。吹雪のダブルスペア。赤茶髪をアップにしてシニヨンをつくっている。吹雪とのダブルスは強豪・燕女にあっても「ここ10年で最強」と評される。チームの中でも強打に優れ、ペアの決定力を担う。
- 藤宮吹雪(ふじのみや ふぶき)
- 3年生。焰のダブルスペア。銀髪のような色素の薄いショートヘアを編み込みカチューシャにしている。台上プレーの技に優れ、特に徹底した繫ぐラリーに長けている。
凰堂学園
作品冒頭に登場。「全国中学選抜卓球大会」で9連覇し、一強時代をつくりあげている王者。……だったが、10連覇が懸かった予選リーグで隼学園に完敗し、緒戦敗退となってしてしまう。
- (凰堂学園女子) - CV:せきしほ
名前は不明。チームのキャプテンを務める選手で、ピンク髪のお団子ツインアップ。隼学園の選手に圧倒され、自信喪失。呆然とするなか敗北の事実を突きつけられて号泣してしまう。
隼学園
作品冒頭に登場。まったくの無名校だったが、初出場の全中選抜・予選リーグで凰堂学園を破る快挙を成し遂げ、その勢いのまま全国制覇を達成。中学女子卓球界を震撼させた。
- (隼学園女子) - CV:白城なお
名前は不明。黒髪のロングで、表情は描かれていない。王者・凰堂の選手相手にストレート勝ちし、驚異の強さを示した。のみならず、敗者を煽るように慇懃無礼な仕打ちを見せている。
アニメ
2016年10月より、テレビ東京、BSジャパン、AT-Xにて、テレビアニメが放送。
放送開始時点で原作単行本が4巻までしか出ていなかったこともあり、原作者の監修のもとで序盤のストーリーを膨らませた構成となっている。連載の都合上かなり省略された部分、具体的には、結果のみだった数々の試合の内容が描かれているほか、日常的なシーンを含めて補足的に大幅追加された内容になっている。
真剣勝負のテンションを表現する作画・演出では卓球描写へのこだわりが見られ、かねてより定評あるMONACAの劇伴BGMや主題歌のクオリティもあって、原作ものアニメとして丁寧に作り込まれた作品となっている。また、OP・EDパートでも飽きさせず見どころとするための手法も特筆できる。
スタッフ
- 原作 - 朝野やぐら
- 監督 - 入江泰浩
- 副監督 - かおり
- シリーズ構成 - 倉田英之
- キャラクターデザイン - 杉村絢子
- 色彩設計 - 松山愛子
- 美術監督 - 佐藤勝
- 音楽 - MONACA
- 音楽制作 - DIVEⅡentertainment
- 音響監督 - 郷文裕貴
- 音響制作 - スタジオマウス
- 編集 - 須藤瞳
- 撮影監督 - 木村俊也
- 撮影 - T2スタジオ
- アニメーション制作 - キネマシトラス
主題歌
- オープニングテーマ「灼熱スイッチ」

- 作詞:只野菜摘 / 作曲・編曲:田中秀和(MONACA)
- 歌:雀が原中学卓球部(花守ゆみり、田中美海、高野麻里佳、桑原由気、今村彩夏、東城日沙子)
- エンディングテーマ「僕らのフロンティア」
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- 作詞:只野菜摘 / 作曲・編曲:広川恵一(MONACA) / 歌:Wake Up,Girls!
放送局
| 放送局 |
放送開始日 |
放送時間 |
備考 |
| テレビ東京 |
2016年10月3日 |
月曜 25:35 |
|
| BSジャパン |
2016年10月8日 |
土曜 24:00 |
|
| AT-X |
2016年10月4日 |
火曜 23:00 |
|
| 2016年10月6日 |
木曜 15:00 |
リピート放送 |
| 2016年10月9日 |
日曜 19:00 |
| 2016年10月10日 |
月曜 07:00 |
| 配信サイト |
配信開始日 |
配信時間 |
備考 |
| ニコニコチャンネル |
2016年10月7日 |
金曜 12:00 |
|
| ニコニコ生放送 |
金曜 22:30 |
タイムシフトあり |
ニコニコ動画では第一球および最新話(一週間限定)が無料公開。
niconico以外では、dTV、ドコモアニメストア、ゲオチャンネル、U-NEXT、アニメ放題、ひかりTV、GYAO!、楽天SHOWTIME、J:COMオンデマンド、au ビデオパス、バンダイチャンネル、ビデオマーケット、HAPPY!動画、Google Play、Amazonビデオ、TSUTAYA.com、DMM.com、PlayStationStore、ふらっと動画、LINE LIVEにて配信。
各話リスト
| 話数 |
サブタイトル |
脚本 |
絵コンテ |
演出 |
作画監督 |
動画 |
| 第一球 |
…ドキドキするっ! |
倉田英之 |
入江泰浩 |
阿保孝雄 |
りお、佐々木貴宏、佐藤友子
藤優子、杉村絢子 |
|
| 第二球 |
譲れない場所 |
森賢 |
池津寿恵、二宮奈那子、松尾亜希子
ぎふとアニメーション、森賢、多田靖子 |
|
| 第三球 |
好きっ!! |
孫承希 |
樋口香里、佐藤友子 |
|
| 第四球 |
タイクツな卓球 |
かおり |
阿保孝雄 |
澤田讓治、藤優子
宮脇さくや、杉村絢子 |
|
| 第五球 |
あなたとドキドキしたいから |
博史池畠 |
池津寿恵、森かや乃、南野七瀬 |
|
| 第六球 |
ともだち |
かおり |
樋口香里、佐藤友子、 川妻智美
森かや乃、 錦見楽、二宮奈那子
ぎふとアニメーション、多田靖子、 齋田博之 |
|
| 第七球 |
全国校の実力 |
小柳啓伍 |
入江泰浩 |
森賢 |
藤優子、宮脇さくや
ぎふとアニメーション
多田靖子、諏訪真弘
杉村絢子、森賢 |
|
| 第八球 |
ダブルス |
倉田英之 |
工藤利春 |
樋口香里、佐藤友子、池津寿恵
森かや乃、諏訪真弘
杉村絢子、齋田博之 |
|
| 第九球 |
私には届かない |
小柳啓伍 |
博史池畠 |
藤優子、南野七瀬
佐藤友子、ぎふとアニメーション
多田靖子、石川健朝
松尾亜紀子、工藤利春
杉村絢子、齋田博之 |
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外部リンク
関連項目
- 週刊ヤングジャンプ(となりのヤングジャンプ)
- 卓球
- 漫画作品一覧
- アニメ作品一覧
- 深夜アニメ番組の一覧
- 2016年秋アニメ
- ニコニコ動画で配信中のアニメ作品一覧
- 酢(詳細はOP曲「灼熱スイッチ」の記事へ)