獅子王(刀剣乱舞)とは (シシオウとは) [単語記事]

獅子王(刀剣乱舞)とは、ブラウザゲーム「刀剣乱舞-online-」に登場するキャラクターである。

イラストレーター：しばの番茶　/　CV：逢坂良太

概要だな、いくぞぉっ！　じっちゃんの名にかけて！

平安時代末期の大和刀工作の太刀。
老齢でも使えるようにと細く軽く作ってある。
それでいて拵は老将軍の誇りを損なわぬよう立派に作られ、
勇ましくも心優しいおじいちゃん子となった。
（刀剣乱舞図録より）

刀種は太刀。

金髪碧眼で細身の青年。
戦装束は黒と金を基調とした洋装で、肩には黒く豊かな毛皮の化物「鵺」が乗っている。真剣必殺のグラフィックなどで大きく口を開いた姿が確認されており、意識のある存在であることが解る。
内番衣装は派手な雷光模様がついたフードつきのスウェットで、右足だけ裾を捲り上げている。
癖のある長い金髪を一部編み込んでサイドでまとめており、線の細さも相まってギャルに見えるという意見もあるが、れっきとした男子である。

本体が小ぶりであるという設定を反映してか、太刀の中では幼めの姿をしている。
二次創作では陸奥守吉行(刀剣乱舞)、同田貫正国(刀剣乱舞)、大倶利伽羅(刀剣乱舞)、御手杵(刀剣乱舞）らと合わせて男子高校生扱いされることもしばしば。
だが本人は平安生まれの立派なじいさんである。

見た目通り、元気で明るい性格。前の主である「じっちゃん」こと源頼政の事を慕っている。
「じっちゃんの名にかけて！」という台詞に内心ツッコミを入れた審神者は多いだろう。
本丸では「外れると辛い？……ししとうじゃねえし！」と、審神者のボケに対してまっすぐツッコミを入れたり、放置していると「がおー」と吠えてみるなど、可愛い発言が非常に多い。
畑当番では「んなことより、ひと狩りいこうぜー」と某狩猟ゲーのような事を言い、錬結では「合体！強化！」や、会心の一撃を放つと「これで終わりだ！必殺剣っ！」と某ヒーローのような台詞を口にするなど、全体的に若い。

一方で演練になると「閲兵だ！実力見せろ！」と鋭く檄を飛ばし、近侍に据えている時にも「獅子も頭の使いがらーなんて言われねえようにな。頼むぜ」（獅子舞は獅子頭の担当者次第で良し悪しが決まる→指導者の働きが大事）と伝えるなど、中身はしっかりしている。

太刀の中では統率・機動がトップクラス。
反面打撃などは低めだが、統率は難易度が上がるにつれ重要になるステータスである為、ゲーム終盤でも問題なく運用できる。

史実ぅ？　んなことより、ひと狩りいこうぜー

平安時代末期の大和刀工の作とされる太刀。
本体は無銘だが、号（刀剣に与えられた特別な名前）として「獅子王」の名が与えられている。

その謂れは、「平家物語」によると以下の通り。

近衛天皇の御世、内裏に夜な夜な怪しげな黒雲が沸き立ち、不気味な鳴き声が響くという怪事が起こった。これに脅えた帝が病に倒れ、加持祈祷や薬も効果を見せなかった。
帝の警護役として、源氏の一門から武勇の誉れも高かった源頼政が選ばれる。すると深夜、艮（北東）から俄かに黒雲が沸き立ち、「頭が猿、胴は狸、手足が虎、尾が蛇」という怪物「鵺」が出現する。
頼政が山鳥の尾で作った尖り矢を放つと、矢は見事鵺に命中した。落ちて来た鵺に郎党の猪早太（いのはやた）が駆け寄り、太刀で仕留めると、帝の病はたちまち癒え、以後怪異も起こらなかった。その後、鵺の祟りを恐れた人々は、その死体を船に乗せて川に流した。

この功績により、源頼政に下賜された太刀こそが獅子王であるという。

後に源頼政は平家を打破しようとした以仁王に従い挙兵するも敗北、自害する。
その後は頼政の子孫である播磨赤松家に伝わっていたが、末裔である赤松広秀が関ヶ原の戦いで西軍に味方し、鳥取城下を焼き払った罪で徳川家康から切腹を命じられる。この際、獅子王も徳川家に没収された。
その後は幕臣・土岐頼次に下賜されて代々伝わり、明治に入ってから東久世通禧を経由して明治天皇に献上。御物として所蔵されていた。
太平洋戦争後に幾つかの刀剣と共に国立博物館に移管され、現在は重要文化財指定を受けて東京国立博物館所蔵となっている。