理想の聖女? 残念、偽聖女でした! 単語

リソウノセイジョザンネンニセセイジョデシタ

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『理想の聖女? 残念、偽聖女でした!』とは、壁首領大公(かべどんだいこう;旧名はわからないマン)によるライトノベルである。書籍化決定前の旧題名は、『偽聖女クソオブザイヤー』。

概要

書籍版の1巻の正式タイトルは『理想の聖女? 残念、偽聖女でした! ~クソオブザイヤーと呼ばれた悪役に転生したんだが~

Web版の連載サイトは小説投稿サイト「カクヨム」と「ハーメルン」の2サイト並行であったが、KADOKAWAの新書レーベル『カドカワBOOKS』より書籍化された。書籍版のイラストはゆのひとが担当。

主人公のエルリーゼ(と不動)のモノローグには、日本のここ10年以内のネット掲示板発祥のスラングが多いのも特徴であり、スラングを気にする人は注意が必要である。

あらすじ

 Webライターの成人男性の不動新人は、ギャルゲーである「永遠の散花」をプレイしてあまりのヒロインエテルナの境遇と悲劇に号泣していた。エテルナ救済ルートを望みつつ疲れから寝床に付いたところ、気づくと見知らぬお城にいることに気づく。小さい女の子(5歳ごろ)の姿であり、原作ゲームの悪役で偽聖女で殺害エンドが待っている「エルリーゼ」であることに気づきショックを受けてしまう。

 当初は夢と思っていたものの現実を受け止め、新人は自身や他人にとっての理想の聖女として演じるという「聖女ロール」を実行して、本来の聖女であるエテルナにいずれ返そうというように決意する……。

登場人物

エルリーゼ
 本作の主人公であり聖女と崇められている。実は同じ村に住んでいた同い年のエテルナと取り違えられた偽聖女。原作ゲームでは傍若無人な振る舞いと不摂生な生活により醜悪な身なりとなっており悪役で恨みを買っていたが、偽聖女と判明した際にすぐ断罪される。なお聖女ではないものの桁違いの才能と魔力量を誇っており原作ゲームでもゴリ押ししていたようである。
 なぜかエルリーゼに転生していること不動新人の記憶を宿していることに5歳ごろに気づき、周囲への態度を改め、自身の理想の聖女の姿を演じるという聖女ロールを実行し、エテルナの死亡フラグを防ぎつつ聖女をエテルナに渡すことを決意する。文武両道であるが、いつもは魔力循環で魔力を高め、定期的に外出しては地方や他国へ魔物の討伐に向かっていることもある。魔法は治療も攻撃魔法もお手の物で火水雷光魔法などほぼ全属性仕えるが、闇魔法だけは使えず、ベルネルから吸収した闇属性の力を使っている。なおベルネルを救出した代償として寿命が短くなってしまった。外面は理想の聖女を演じているため信奉者が多い。その内面はスラングを交えたりと真っ黒である。
 なおエルリーゼの名目上の両親は娘が聖女になったことへの補償金で豪遊しているらしい。
不動新人(ふどう にいと)
 エルリーゼの中の人。ニートではなくWebライターを職業としていた。悲劇のヒロインであったエテルナに入れ込んでいた。現実世界にも現れた自分の半身ともいっていいエルリーゼをからかうが、元の世界に戻るエルリーゼにアドバイスする。実は余命を宣告されており長くないらしい。
レイラ・スコット
 エルリーゼの世話を担う筆頭近衛騎士の女性。20歳。学園を卒業し、年1回行われる近衛騎士同士の戦いで前任のフォックスに勝ち筆頭近衛騎士に就任した。代々近衛騎士を排出してきたスコット家侯爵家令嬢でもある。あまり融通が効かない堅物ではあるので、エルリーゼは内心でスットコ呼ばわりしていることもある。エルリーゼに仕えることに決まり対面した際に理想の仕える人物だと入れ込んでいる。
 原作ゲームではエルリーゼに仕えていたが、イヤイヤ仕えておりベルネルたちにエルリーゼの警備情報など機密を教えている。。
ベルネル
 原作の主人公。実は魔女の魔力を宿すことになったため貴族の生まれだったが、放逐されてしまう。魔女の力を宿していたため災厄に遭遇するが、本作では14歳ごろのエルリーゼに救われる。エルリーゼに救われたことによりエルリーゼを慕い、原作ゲームのように周囲と交流することもなく鍛えまくる状態に陥ってしまう。
エテルナ
 原作のメインヒロイン。ベルネルとは幼馴染の関係。本来の聖女であるが、エテルナとエルリーゼの親の仲がよく、結果的に聖女であることをエルリーゼと取り違えられたため普通の少女として育った。ただし小さな頃から傷を負ったことがないなど体験として不可思議だとは思っていたようである。
 原作ではメインヒロインながらハッピーエンドでも亡くなってしまうことが多く、不動たちプレイヤーが救えるルートを何度も探したらしい。
マリー・ジェット
 原作のヒロインの一人。ベルネルを凌駕する実力の持ち主。エテルナが亡くなった後にベルネルと行動をともにすることがある。闘技大会ではアイナを破り、決勝でベルネルと対峙する。ベルネルがそれほど鍛えてなければ勝つが、本作では交流もさほどせず訓練ばかり明らか
アルフレア
 魔女を初めて倒した初代聖女と言われている伝説的な人物。学園名としてもつけられている。緑色が好みの色と伝わっているようで、制服にその色が反映されている。
サプリ・メント
 学園講師。原作ゲームでは、理想を拗らせており悪役の中ボス的存在だった。25歳。エルリーゼの足跡を保存しようとする以上の常識を逸したストーカー行為みたいな行動をしている。これは魔女の災害により荒廃した人心により実家の貴族家メント家もまるごと殺されたが、サプリは生き残った。その後魔女を聖女が倒しつかの間の平和が訪れると人々の悪魔のような姿が平和になると人心を取り戻したことから、強烈な聖女信仰が残ったためである。
ディアス・ディアス
 学園長。先代聖女アレクシアの筆頭近衛騎士だった。姓名とも同じ。剣を使うが雷系の魔法も優れており、言葉による精神攻撃を受けたレイラを圧倒した。エルリーゼが話した内容に驚愕するも、ある願いを託す。
アレクシア
 先代聖女。魔女と相討ちして亡くなったと言われている。が、日が立つほどに実は魔女と化していており生きているが、エルリーゼのあまりの強力さに恐れをなして引きこもっている。原作ゲームでは魔女の悪意をある程度抑え込んでヒロインとなるルートも存在したが、エルリーゼが活躍するようになって変化したゲームではルートが消滅しているという。
フォックス子爵
 幼少期からエルリーゼに筆頭近衛騎士として仕えて世話をしていた。定例で行われる近衛騎士同士の選抜戦においてレイラに負けたため規定通り筆頭近衛騎士を退任し次席となり筆頭をレイラに委ねる。地方に広くない領地といくつかの村を治めている。一人娘のアイナがいる。原作ゲームではエルリーゼの横暴により、お家取り潰しなど酷い目にあっている。
アイナ・フォックス
 フォックス子爵の長女で父であるフォックス子爵に憧れ日々武道の研鑽に励んでいた。父であるフォックス子爵が破れ筆頭近衛騎士を退任したことに忸怩だる思いを抱えていた。学園に入学してからは自身の研鑽によるプライドの高さが周囲に嫌われてしまっており孤立していた。闘技大会でマリーに負けプライドがズタズタにされ周囲の声もアイナに対して悪口一色となってしまう。その状態である人物に甘言を漬け込まれてしまう。
ジョン
 地方にいた元兵士だったが、エルリーゼによって救われたことにより、訓練し学園に入校する。なおエルリーゼからは最初は名前を覚えられていない。
フィオナ
 エルリーゼによって救われた少女。後に学園に入校する。ジョンやエテルナ、マリー、ベルネルと行動を共にする事が多い。
ファラ
 学園講師。ワーカーホリック気味で学園外に外出することもあまり無かったが、魔女の影響により操られてしまう。エルリーゼの対処により魔女の影響を取り除かれ気絶したが、官憲に連行される。
アイズ国王
 エルリーゼが所在する国の王。世界の中でも大国であり聖女の家である聖女の城も所在しているほか、聖女を守る騎士を育てるアルフレア魔法騎士育成機関もこの国にある。
 大局のためには小を犠牲するという哲学を持っている。聖女と魔女の闇の事情と仕組みを一部を知っており、エルリーゼに説明するが受け入れられなかったためある行動を取る。過去の魔女のせいで跡継ぎが何人も亡くなっており、今の跡継ぎはボンクラしか残っていない。
預言者
 聖女を指名する謎の存在。アイズ国王がコンタクトを取ることができる。
伊集院悠人(いじゅいん はると)
 美少女ゲーム『永遠の散花』の制作会社に所属するプロジェクトリーダー。不動の本来のゲームルートについての言葉を送信したことで興味を持ち取材を受ける。そしてこちらの世界に来ているエルリーゼと対面している。謎を解くために夜元とコンタクトを取ることになったが、ある時期まで住所を思い出せなかった。
夜元玉亀(やもと たまき)
 『永遠の散花』のシナリオライター。ゲーム制作会社の人間とはメールとのやり取りで会ったことはなかったが、不動の接触により3者で対面することになる。容姿は普通の20代の女性でネット小説投稿サイト上でのハンドルネームは「フィオーリの亀」。小説投稿サイトに投稿し賞レースに応募したところゲーム化することになったたため小説の続きは打ち切り、ゲームにシナリオを提供した。本来はエルリーゼ一本のシナリオだったが、ゲーム会社のディレクションによりヒロインが変更されてしまい、夜元の抗議もあり紆余曲折を経てエルリーゼシナリオがシークレットという形となった。
 実はフィオーリで死んだ預言者のプロフェータが転生し人間となった姿であり、ゲームのシナリオはその体験に基づいているという。ただし不動たちが体験した醜悪な悪役エルリーゼのルートのことは夜元は体験していない。

用語集

永遠の散花~Fiore caduto eterna~
 原作ゲーム。読み方は「くおんのさんか」と読むが、本来の正しい読み方ふりがなとは違い当て字・当て読みとなっている。。作中設定ではネット同人小説だったものの賞レースに乗りゲーム化したものとなっているらしい。攻略可能ヒロインは30人以上おりメインヒロインはエテルナであった。エルリーゼは本来悪役で攻略対象ではなかった。
Aルート
本来の原作ゲームのルートであり不動が憑依したエルリーゼが介入しなかったルートのこと。
アルフレア魔法騎士育成機関
 通称魔法学園。聖女を守るための騎士を育成する機関であり、近衛騎士になるための登竜門。アルフレアとは初代聖女の名前である。アルフレアが赤色が嫌いだったことから、制服が緑色となっている。
魔女
 どこからともなく現れて人類や森林自然などあらゆるものを破壊し、動物を人の害をなす魔物に代える能力もある。その魔物は知性を宿させることも可能。
聖女
 魔女が現れた際に世界のどこかで産まれた女の子が世界の意思により聖女と選定される。一般人が使えない闇属性を含めた全ての属性魔法を使うことが出来るほか、怪我を負うことがないとされる。聖女の攻撃により魔女を倒すことができるものの、聖女が成長しきる間と魔女の活動にタイムラグがあるため、聖女が適齢期になるまで平和の時間は訪れないことになる。なお聖女が魔女に破れることもあり、その場合は次の聖女が育つまでの十数年間、暗黒期が続くことになる。

書籍版・Web版対照

なお、書籍版では加筆改稿されており当てはまらない場合もある。

書籍版
巻数
Web版話数
(書籍版書き下ろしの場合
は別記)
備考
1巻 第1話~第30話
書き下ろし
豊穣の聖女
~エルリーゼ十歳~
-
不明 第30話~第88話(最終話)
不明 後日談(全12話)
・サプリ死す全2話
・エンディング後の観測者達
・偽聖女、日本へ行く(全9話)
不明 カクヨム特典メルマガ配信SS(全4話)
2021年7~8月配信
内容は後日談・別世界線。
書籍版店舗特典ショートストーリー
巻数 店舗別 サブタイトル 備考
1巻 TSUTAYA 小さな努力
ゲーマーズ 無双の恩恵
メロンブックス 騎士の幸せ
ブックウォーカー(電子書籍) 偽聖女とある日の学園

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ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。

関連リンク

関連項目

  • KADOKAWA
  • カドカワBOOKS
  • ネット小説
  • 聖女
  • 勘違い
  • TSF
  • TS
  • 憑依

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