『異能バトルは日常系のなかで』とは、望公太のライトノベルである。
2012年よりGA文庫(ソフトバンク クリエイティブ)から刊行され、2014年7月現在、既刊8巻。
イラストは『はたらく魔王さま!』などの挿絵も担当している029が担当している。
2014年秋よりTVアニメ放送予定。制作は『キルラキル』などを担当したTRIGGER。
月刊コンプエースにて、黒瀬浩介によるコミカライズが2013年9月号より連載中。既刊2巻。
主人公・安藤寿来は異能の力にあこがれる厨二病。傍から見るとイタい言動をしている、普通の高校二年生だった。
しかしある日、彼を含む泉光高校文芸部の五人は、とてつもない異能の力に目覚めてしまう。そこから壮大なる学園異能バトルに足を踏み入れ――なかった。
異能に覚醒したはいいものの、待てど暮らせど不思議な出来事は起きず。 世界を滅ぼす秘密機関も、異能戦争も、魔王も勇者も現れない。日常は平和そのもの。だから彼らは―異能を無駄遣いすることに決めた。
神スキルと戯れる、何気ない日常。だがそれだけじゃ終わらない。
新・異能バトル&ラブコメ、開幕!!
CVはドラマCD/TVアニメ。ネタバレ部分は白字で表記。
安藤寿来(CV:宮野真守 / 岡本信彦)
本作主人公。泉光高校二年一組。血液型O型(自称『王型』)。
典型的な邪気眼系厨二病を体現したような嗜好で、闇・混沌などのワードや旧字体の格好良い漢字などを好み、自ら『ギルティア・シン・呪雷』という真名()を名乗る。
とはいえ自身が厨二病であることには自覚的で、設定でふるまっている状態とそうでない状態のスイッチを切り替えることも可能。時には能力を持て余す文芸部メンバーを諭したり、励ましたりすることも。
実は厨二の華とも言うべき中学生時代に、厨二病を一度卒業している。高校進学までに何故再び発症するに至ったのか、『知り合い』の相模は何か知っているようだが……?
手にした異能は、湯たんぽ程度の熱さの黒炎を出す『黒焔(ダークアンドダーク)』。他の部員と比べて明らかに異能のスペックが低いため、よく弄られる。
ある衝撃的な事件をきっかけに、能力が『新たなる領域(ネクストステージ)』へと覚醒。『黒焰――終止符を打つ者(オブ・ジ・エンド)』を使用可能になる。詳細は不明だが、かなりのリスクを伴う真面目な能力であるらしく、文芸部メンバーからは使用を止められている。
ちなみに当然ながら、文芸部メンバーと美玲の能力名は全部彼一人が考案した。
神崎灯代(CV:今井麻美 / 山崎はるか)
泉光高校二年三組。血液型B型。
元中二病で現在でも若干(?)厨二気味な少女。サブカル知識も豊富で、安藤の話についてこれる数少ない人物。
高校デビューに伴い現在は隠しているが、中学時代はかなりのオタクであった。
本人は黒歴史として封印したがっているが、命名センスなどを見る限りどう見ても治ってません。
手にした異能は、時を止めたり遅延させることができる『永遠(クローズドクロック)』。
能力発動の際にどこぞのキングよろしく指パッチンをしようとしていたらしいが、どうしてもできないのでやめた。
櫛川鳩子(CV:金元寿子 / 早見沙織)
泉光高校二年三組。血液型O型。
安藤の幼馴染の少女。おっとり系で基本的に物事を否定しないが、お笑い好きでお笑いにだけはうるさい。
安藤曰く『ザ・脱いだらすごい』。
安藤のことを『ジュー君』と呼び親しくしているが、昔から彼の厨二な会話が理解できず、もどかしく思っている。
手にした異能は、世界の五属性を意のままに操る『五帝(オーバーエレメント)』。
高梨彩弓(CV:原由実 / 種田梨沙)
泉光高校三年二組。血液型A型。
文芸部部長。大人びた真面目な性格。空手と柔道は黒帯レベル、灯代の十倍速を目で追う、市民プールで飛び交う水滴を一滴残らず躱し切るなど、運動神経・戦闘力は文化部随一。本当に人間か?
彼女自身はオタクというほどでもないがサブカルにも理解があり、安藤の話にも対応できるようである。腐女子。
手にした異能は、触れたものを彼女の思うあるべき姿に戻す『始原(ルートオブオリジン)』。
とある事件から安藤同様、能力を『新たなる領域(ネクストステージ)』へと覚醒させ、『始原――哲理を鎖す円環(ウロボロスサークル)』を会得する。
概念に対しても能力を使用可能になり、いつもの文芸部から一人『欠けた』鳩子を連れ戻すことに成功した。
姫木千冬(CV:釘宮理恵 / 山下七海)
横衣小学校四年一組。血液型AB型。
文芸部顧問の里見先生の姪で、放課後はいつも文芸部に入り浸っている。文芸部員ではないが、当時文芸部にいたため偶然にも異能を手に入れた。
周りを困惑させる独特のセンスを持つ。また生活能力が破綻気味で、円の案内がなければ自分の小学校でも道に迷ってしまうらしい。お気に入りはリスのぬいぐるみのリッスン。
手にした異能は、万物を創造する『創世(ワールドクリエイト)』。創造したものは任意に消すことも可能。本人に知識のないものでも創造できる。
工藤美玲(CV:- / 福原香織)
泉光高校三年二組。血液型AB型。
泉光高校の生徒会長。活動らしい活動を見せない文芸部の監査に訪れた……と見せかけて、自分と同じく異能に目覚めた文芸部メンバーを監視しに来ていた。
そのごたごたの際、盛大な勘違いにより安藤に惚れ込んでしまい、後日彼と付き合おうと再度文芸部に突撃。どでかい黒歴史を残すこととなった。
手にした異能は、一度見た異能を完全に奪い取る『強欲(グレイトフルラバー)』。嘘か誠か、キセキの世代の技だけは奪えないらしい。
文芸部メンバーとは別の経緯で異能に目覚めている。
九鬼円(CV:- / 加藤英美理)
横衣小学校四年一組。血液型A型。
決して安藤が考えた真名などではなく、これが本名。
小学校では千冬の保護者のような立場で、何かと献身的に千冬に尽くしているがあまり報われていない。
千冬の異能のことを隠すためにとった安藤の苦肉の策により、彼のことは真性の変態ロリコン野郎だと認識している。泣ける。
相模静夢(CV:- / 細谷佳正)
泉光高校二年一組。血液型O型。
安藤の中学のころからの『知り合い』。
中学時代は互いに親友を自認していたが、ある出来事をきっかけに『知り合い』になる。
重度のエロゲオタで、自分に振られた全ての話題をエロゲの話に持っていく。
無駄に顔が整っているため異性に無駄にモテるが、彼女の前でもその振る舞いを一切直そうとしないため、関係が長続きした試しはない。
『読者』を自称し、物事に対し常に傍観・飽きたら別の作品を読むというスタンスで接する。
異能『他人の不幸は罪の味(イノセントオンルッカー)』を手にする予定。
高梨舞矢
尾長第一中学校二年四組。血液型A型。
高梨彩弓の妹であるが、姉とは対照的にまさに今時のJCという性格。彼氏持ち。
最強キャラである彩弓に対してのジョーカー的存在。
里見詩春
泉光高校英語教師で、文芸部の顧問。
やる気がなく、体中からめんどくさいオーラを発する残念美人。
常に『寝る子は育つ』『レム』などの文字が書かれた仮眠用アイマスクを着用している。
桐生一(CV:関智一 / 寺島拓篤)
灯代の異母兄で、文芸部OB。原作5巻およびその元ネタの、『日常系は異能バトルのために』の主人公。
『霧龍・ヘルドカイザ・ルシ・ファースト』を名乗る筋金入りの現役厨二病で、安藤とは互いに一目置きあっている。灯代が中二病であるだった元凶。
現在は家出しており、実家と連絡は取っていないが、主たる収入はなく、生活費は親の仕送りに頼っている。
素のスペックは恐ろしく高く、学生時代は全国模試ではいつも1位か2位、中学時代は陸上で全国行きを経験している。灯代曰く「工藤新一とか夜神月とか、そういうレベル」。
実は安藤達の物語の裏で本当の異能バトルを行っているもう一人の主人公。
『黒き十二枚の翼(フォールンブラック)』という異能者集団を組織し、形式上のリーダーを務めるが、その性格故かあまりに勝手がすぎるため、事実上のまとめ役はNo.2の一十三が勤めている。
手にした異能は、重力を操る『堕天使の鉄槌は愚者へと振り下ろされる(ルシファーズストライク)』。
斎藤一十三
文芸部OB。幼少期に病気で右目の視力を失っており、厨二病の代表格『眼帯』に憧れる人間やお洒落で着けている人間を嫌っている。
中学時代、文芸部室で眼帯で遊んでいた桐生と遭遇し、前述の経緯から怒りのあまり渾身のジャンピングニーを喰らわせてしまうが……
手にした異能は『鍵のかかった魔眼(エターナルウインク)』。視界蹂躙の異能。
簡単な幻覚、軽い記憶の改竄といった多彩な効果を持つ『邪眼』を他人に植え付けるという、一風変わった能力。
奈津愛希
桜川女子学院生徒。品行方正な見た目とは裏腹に中身はギャルっぽい。
手にした異能は『首切りげんまん(ヘッドハンティング)』。異能解析の異能。
相手の持つ、自身の異能に関する記憶を読むことができる。その性質故に能力の内容だけでなくそれを応用して繰り出せる技、その異能の名前なども特定できるが、今のところ桐生意外にオサレな名前を付けていた者はいない。
戸木柊吾
元暴走族。当時の慣習からか、年上の一十三にはきちんと敬語で話す。
ワイルドな風貌ながら几帳面な性格。何故か刃こぼれしたジャックナイフを携帯している。
手にした異能は『神合わせが悪い刃並び(ジグザグジグソー)』。刺殺未遂の異能。
詳細は不明だが、周りくどい能力らしい。本人の腕っ節が強いため、異能に頼らずとも十分に戦えている。
芥川柳
『ザ・こまっしゃくれた子供』。常にヘッドフォンをつけていて、携帯ゲームかiPadを手放さない。
小生意気で小賢しく、ほとんど他人と話さない割に口を開けば他人の神経を逆撫でするような発言ばかりする。
手にした異能は『鬼の居ぬ間に鬼ごっこ(デッドスペース)』。隙間産業の異能。
継ぎ目や割れ目など、『線』の間に空間を生み出したり、閉じたりすることができる。
要は限定的スティッキィ・フィンガーズ。
遊佐野ファンタジア
またしてもこれが本名。こちらは本人に同情するタイプである。
ピンク色の白衣にナースキャップというぶっ飛んだいでたちから察する通り、どこか常識とズレた天然キャラ。
手にした異能は『太陽神を犯す女神(セックスエクリプス)』。人格破綻の異能。
詳細は不明だが、彼女はこの能力により、グロテスカという別人格を自身の中に宿している。
田中運命子
これまた本名……ではなく桐生の命名。本名は無く、『システム』とだけ呼ばれていた。
ある事情で作られた人工生命体。
その異能は『絶え間なく改定される十戒(ホワイトルールブック)』。因果隷属の異能。
簡単に言えば後だしジャンケンであり、「絶体絶命のピンチなので眠っていた力が覚醒します」「実は拘束具を着けていたので今から外して本気出します」「自分でも知らなかったのですがどうやら私は○○の血を引いているようです」といった、バトル漫画ではお約束の御都合主義展開を『無限』に繰り返すことができるという、皮肉の効いたチート能力。
檜枝岐
『黒き十二枚の翼』では最も新入り。
玲美を異能に目覚めさせた張本人。
手にした異能は『誰も座らない玉座(ロストレガリア)』。王座陥落の異能。
詳細は不明だが、唯一運命子を殺せる能力らしい。大富豪で言うところのスペードの3であるとのこと。
『異能バトル』をメインテーマに据え、尚且つそれをギャグテイストにメタっていくというのがこの作品の主題であり、それ故に有名なバトル漫画などのパロディネタも非常に多い。主人公の安藤のように……とまではいかずとも、異能バトルに憧れて育った世代にぴったりハマったネタが随所に散りばめられ、それがこの作品の掲げる『新・異能バトル&ラブコメ』のコメディの部分に一役買っているわけであるが……それはあくまで原作の話。
悲しいことにアニメ版では、そのパロディネタのほとんどはカットされてしまっているのだ。
だったらどこぞのクトゥルフラヴコメとかはどうしてOKだったんだとも思うが、何か大人の事情があるのだろう。
(筆者の推測だが、おそらくはパロディ元のキャラや技の名称が直接必要なネタを用いる際、サトーココノカドーなどのように申し訳程度の改変も伏字も無く、ストレートに名前を使っていることが原因ではないかと考えられる)
| 原作 | 望公太(GA文庫/SBクリエイティブ刊) |
|---|---|
| 原作イラスト | 029 |
| 総監督、シリーズ構成 | 大塚雅彦 |
| 監督 | 高橋正典 |
| キャラクターデザイン | 山口智 |
| 美術監督 | 加藤靖忠(ステロタイプスマーチル) |
| 色彩設計 | 高木雅人 |
| 撮影監督 | 矢辺洋章(サンジゲン) |
| 編集 | 長谷川舞(eDiTz) |
| 音楽 | Elements Garden |
| 音楽制作 | DIVE II entertainment |
| 音響監督 | 渡辺淳 |
| アニメーションプロデューサー | 稲垣亮祐 |
| アニメーションスタジオ | TRIGGER |
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最終更新:2025/12/08(月) 08:00
最終更新:2025/12/08(月) 08:00
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