皐月(艦これ)とは (サツキとは) [単語記事]

ボクとやりあう気なの？かわいいね！

皐月（さつき）とは、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん～艦これ～」に登場する、大日本帝国海軍の睦月型駆逐艦五番艦「皐月」をモデルにした艦娘である。イラスト：やどかり CV:日高里菜。

ボクの概要、始めるよ！

睦月型の五女。姉の睦月・如月・弥生・卯月とは絵師・デザインが異なり、皐月以降の睦月型は黒いセーラー服・白のネクタイ・三日月型の飾りという服装で統一されている。姉妹艦で絵師が違うのは、竣工時の番号での名前が「卯月」までは奇数番号で、皐月以降は偶数を含む連番となっていることに由来すると思われる。元気いっぱいのボクっ娘金髪ロリという大変ストレートなキャラ付けで根強い人気があり、戦闘時の「ボクとやりあう気なの？かわいいね！」という台詞に「お前の方がかわいいよ！」と思わず返してしまう提督が後を絶たない。かわいい。

ちなみに、史実の就役年順でいうと艦これに登場する駆逐艦の中では最年長である。姉妹艦の睦月・如月より就役が早く、更には艦これの駆逐艦で唯一年下の軽巡洋艦がいる。……はずだったのだが、阿賀野型姉妹の実装によってこれは当てはまらなくなった（特に酒匂より年下の駆逐艦は2014年6月時点では実装されていない）。

艦これにおいて珍しい金髪（皐月・愛宕・舞風・伊8の四隻のみ）であるが、日本海海戦で鹵獲されたロシアの駆逐艦ベドーヴイが戦利駆逐艦として日本で「皐月」と命名され、その名前を引き継いでいることに由来するという説もある。だがそれを言ったら妹の文月も同様なので、デザイン上の描き分けの都合で特に理由は無いのかもしれない。

性能的には他の睦月型駆逐艦と同様、ステータスは低いが燃費は良い。本人が図鑑で言っている通り、何度も損傷しながらも長く生き延びた武勲艦なのだが、残念ながら特に「運」のステータスが高い等といった補正は無い。基本は遠征要員だが、足りないステータスを溢れ出る愛で補って主力として使い続けるのもまた、艦これのひとつの楽しみ方である。

うん、小説版はいつものボクとは違うよ！

築地俊彦によるノベライズ『陽炎、抜錨します！』（ファミ通文庫）では、主人公の陽炎が嚮導艦を任された第十四駆逐隊のメンバーとして、睦月型からは長月と共にメインキャラに抜擢された。小説版の皐月は一言で言えば筋肉バカである。どういうわけか、お前は長良か鬼怒かというような筋トレマニアという設定になり（ゲーム中にそれらしき要素は特に無い）なぜか霰LOVEになった長月同様ファンを少々戸惑わせた。

なお、なぜ筋トレマニアなのかということは作中できちんと説明される。皐月、長月共に「性能の劣る睦月型であること」をキャラ付けに組み込み、第十四駆逐隊の関係や自身の成長につながる一つの要素として活かされているので、設定を聞いて敬遠してしまった人も取りあえず読んでみることを薦める。

いよいよ、ボクの史実だね！

1923年（大正12年）度計画艦。1924年12月1日、藤永田造船所で起工。1925年11月15日に前述の通り睦月型駆逐艦ではもっとも早く竣工し、「第二十七号駆逐艦」という名前で一等駆逐艦に類別、佐世保鎮守府に配属され、1928年8月1日「皐月」に改名される。太平洋戦争ではフィリピン攻略戦、ジャワ島攻略戦、バタビア沖海戦などに参加。バタビア沖海戦では「文月」「水無月」「長月」らとともに第五水雷戦隊第二十二駆逐隊に所属した。その後はジャワ海方面で船団護衛任務に従事する。

1943年1月31日からのガダルカナル島撤収作戦に参加、以降はラバウル方面で輸送任務にあたる。同年7月5日のクラ湾夜戦、7月9日のコロンバンガラ島沖海戦には輸送隊として参加。クラ湾夜戦では座礁してしまった妹の「長月」を引き下ろししようとしたが成功せず、「長月」は放棄されることになってしまった。

1943年7月17日、ショートランド島で敵機の攻撃を受け損傷し、呉工廠で修理。

1944年1月4日、第二十二駆逐隊の文月・皐月の二隻はカビエンにて輸送部隊の護衛に殉じていた。その任務中に敵機動部隊発見の電報を受け、輸送部隊を退避させた後ラバウルへと向かうが、文月皐月の二隻は敵機に発見され、大群による爆撃や雷撃に曝される。二隻は死にもの狂いの対空射撃と回避運動によりこれを凌ぎ、文月に重大な被害は無かったが、皐月は艦長以下艦橋にいたほぼ全員が重傷を負った。この戦闘中、皐月艦長の飯野少佐は左足を破砕されながらも指揮を取り、出血多量により戦死。その後皐月は横須賀工廠にて修理される。
なお、この奮闘が賞され飯野少佐には草鹿中将より「武功抜群」と書かれた白鞘の日本刀が授与されている。

1944年7月4日、更に父島で至近弾を受け横須賀で修理……と、1年の間に3度も損傷して修理する羽目になる。3度目の修理から復帰した後は内地-シンガポール間の船団護衛に従事。8月21日には睦月型で唯一、連合艦隊第三十一戦隊第三十駆逐隊に編入される。

1944年9月21日、マニラ湾にてハルゼー機動部隊の空襲に曝され、湾内に停泊していた二十隻ほどの輸送船は壊滅。残された艦艇の中では大型の皐月が狙われた。対空戦闘で敵機を撃墜するなどしたものの、左舷に至近弾を受け片舷航行となる。負傷者を陸上へ運ぶ最中に午後の第二次空襲が始まり、第一缶室に爆弾が直撃。速力が落ちたところを狙い撃ちにされ、更に2発の爆弾が命中し前のめりに沈没。生存者はあらかじめ用意していたイカダや友軍の大発動艇により救助され、その後全員が内地に帰還。駆逐艦皐月は同年11月10日除籍。