真島ヒロとは、日本の漫画家である。主な活動場所は週刊少年マガジン。
代表作は『RAVE』、『MONSTER SOUL』『モンスターハンター オラージュ』、『FAIRY TAIL』など。剣と魔法のファンタジー的世界観で描くことが多い。スターシステムを採用し、人気キャラを自身の別の漫画に登場させることもある。主人公の名前は共通して季節関連の単語になっている。
筆が速いことで知られ、週刊誌と月刊誌の同時連載や、一度に3話掲載など、冨樫に爪の垢を煎じて飲ませたいくらいの速筆ぶりである。その速筆ぶりはデビュー前から発揮されており、新人賞応募作『MAGICIAN』の結果待ちの暇つぶしに『BAD BOYS SONG』を仕上げてしまい、その間にこちらが先に雑誌に載ってしまったというエピソードがある(よって、デビュー作が2つという珍しい作家となった)。
また、作品は比較的『謎解き』を重要視しており、話の主軸としてバトルは存在するものの、戦いそのものは展開重視として、簡略化ないし描写そのものをカットということも珍しくない(FTではアニメ版スタッフに構想を託し、映像化することによって若干補完されている)。
これは、作者が映画から話作りを学んだ為(未だに年間数百本は観るらしい)で、『映画は場面を如何に残し、如何に場面捨てるかで決まる芸術作品である』という考えからである。
よって、バトルマンガとしては「ワンパンチや気合で勝利する展開が多い」という批判も存在する。一方で、作品世界の根幹に触れた核心的な要素を、各章の中に必ず一つは入れるため、近年の長期週刊連載作品のストーリー作家としては非常にスピーディーな展開であると評価する声もある。
週刊少年ジャンプで『ONE PIECE』を連載中の尾田栄一郎とは躍動感のある絵柄に加え、速筆ぶりや単行本でのファンへのレスポンス、しまいにゃ顔や声も、など似ている部分も多い。実は同一人物なのでは?などと某掲示板でネタにされることもある。見分け方は尾田は「どーん」で真島は「ぐもっ」。
実際のところは両氏とも尊敬する漫画家として鳥山明の名前を挙げており、絵柄が似ているのも共通して鳥山絵の影響を受けているからであると思われる。
なお、大真面目に絵柄を分析すると、真島が比較的瞳の作画をしっかりと描き込むDr.スランプタイプの描き方であるのに対し、尾田の場合は男性キャラのほぼ全ての眼を「大小の点(・)及び丸(○)」で表現する(ポリシーでもある)というDRAGON BALLでよく見られた手法を用いている。特に真島の場合、ヴィランとなるキャラの眼に特徴がある(ルシアやキング、初期のジェラールなどを見ればハッキリとわかる)。
偶然ではあるが、実は両者ともカラーイラストに使う画材は「コピック」という名作マーカーを愛用している。但し、尾田は比較的アナログな手描きをカラーイラストにするのに対して、真島は現在手塗り感の出せるデジタルソフトで着色を行っている。(RAVE時代はペインターとコピックを兼用していたもののRAVE9巻時点ではまだ描写力が弱くNG画がそのまま採用されたりもしたためコピック画がやや多め、FT1-13巻はペインター6、14巻-19巻はペインターX、FT20巻以降はPhotoshop→Windows SAIがメインソフト。Twitterではコピック画も発表)
・1980年ごろ - 山から毎日祖父がハイカーが捨てていった少年ジャンプを拾ってくる。これにより、山中という環境的に漫画が少ない地域ながら奇跡的に漫画に出会い、キン肉マンやドラゴンボールの模写をするようになる。
・1982年ごろ - 父親と一緒に絵を描きにハイキングに行ったところ、空を青く塗らないことを不思議に思ったヒロ少年はその理由を尋ねると「絵はどんな色を塗ってもいい。空には好きな色を塗りなさい。」と教えられる。これが、現在に至るまでの真島漫画の根底となる(その後、父は若くして他界してしまった)。
・1992年ごろ - グレる。バイクを盗まれたり、尾崎豊に感化されて窓ガラスを割ったりという結構スリルのある日常を送る。この頃に友達に頼まれて描いたエロイラストが教師に見つかり、しかも母親にバラされるという黒歴史を経験。
・1993~1994年 - バンド『Night Meeting』結成。真島のパートはギター&ボーカル。一時プロを目指すも、地元のコンテストで最下位となったことでその道はあっさりあきらめる。
・1995年ごろ - 高校を停学になる。そこで、将来について考え直し、漫画家を志すことを決意。
・1996年 - 上京。あまりの人の多さに「東京では毎日びんずる祭りやっとるのか!?」との印象を受ける。この頃、漫画の専門学校に通うが、自分の意図していた授業内容とは異なる(どちらかというとアニメやらのオタク向けだった)ことや、文字通りの変人(明らかなヲタ、風呂に入ってないetc)などに疑問を感じ、すぐに退学。しかし、すぐに漫画を描くことなく、ここから1年ほど東京生活を満喫。しかし、当時付き合っていた彼女にフラレ、バイトもクビになったことでようやく気付く。『漫画描こう』。
・1997年~1998年 - 講談社に習作『X・Y・Z』(未発表)を持ち込む。この時に現在まで担当編集者となる松木氏に見いだされ、修正点を細かく指示されるが、つい不良時代の癖で「ポリシーっすから!!」とガンを飛ばしてしまう。しかし、生まれて初めて自分の作品に客観的な評価を下されたことでやる気が増し、次作『MAGICIAN』を完成させる。
・1998年 - 『BAD BOYS SONG』がマガジンフレッシュに掲載。直後に『MAGICIAN』が新人賞を獲得し、誌面デビューを果たす。
・1999年 - 初の連載作品『RAVE』がスタート。当初は「マガジンらしくない」と不評で人気が無かったが、緻密に練られたストーリーや魅力的なキャラが徐々に支持を集め、2年後アニメ化。この間も1年に1~2作程度の読みきりも平行して発表(うち2つ『MAGIC PARTY』と『FAIRY TALE』が後の『FAIRY TAIL』の原型となる)。
・2002年 - 『RAVE』のスピンオフ作品『プルーの犬日記』を月刊コミックボンボンで連載開始。
・2005年8月 - 『RAVE』完結。連載開始から6年半、月刊誌との連載を平行させつつ無休載で描ききるという快挙を成し遂げた。
・2006年1~7月 - 約1年実質的な一時休筆期間。プル犬は連載継続。休筆期間中に「ボンボンに新たな看板作品を」との依頼で『MONSTER SOUL』を集中連載。この話は当初この連載で完結していたが、好評だったため後に続編が作られた。
・2006年8月 - 週刊少年マガジンで新作『FAIRY TAIL』を連載開始。当初は主人公ナツ・ドラグニルが親の火竜イグニールを捜す話として、短期で終了する予定であったが、広がりのある世界観や濃いキャラ、そしてウェンディ・マーベルを筆頭としたかわいらしい女子キャラにより『RAVE』以上の人気を獲得。
・2008年4月 - 新雑誌月刊少年ライバルの目玉としてCAPCOMとのコラボレーション作品『モンスターハンター オラージュ』を1年連載。この頃にはアシスタント2名がいずれも漫画家デビューを果たし、うち吉河美希は連載デビュー作がドラマ化される売れっ子作家となった。
・2009年10月 - 『FAIRY TAIL』が講談社漫画賞を受賞。『RAVE』2巻でファンに約束した講談社漫画賞の獲得を現実のものとした(『RAVE』は数回ノミネートされたが、いずれも落選)。さらにFTのアニメ化が発表され、マガジン原作アニメとしては現在も続くロングラン作品となっている
・2010年4月 - 久々の読みきり作品『西風と太陽』を月刊少年ライバル創刊2周年記念号に寄稿。
・2012年5月27日 - Twitterを開始。当初のアカウント名は「mashima0012」で、最初のつぶやきは「ツイッター始めました。 よろしくね。」だった。以後、連載の傍ら新作イラスト(らくがき)を続々発表。
・2012年8月 - 初の映画作品『FAIRY TAIL -鳳凰の巫女-』が公開。
・2012年11月21日 - バルセロナでのサイン会の模様が日本テレビ「笑ってコラえて!」で放送。数分だが、初めて全国ネットのゴールデン番組に出演した。
・2012年12月24日 - Twitterにて書き下ろし番外編「FAIRY TAIL Christmas Episode」を書き下ろし。サンタクロースのマカロフは必見。
・2012年12月29日 - 新しくデジタル作画ソフトにWindows SAIを導入。買ったばかりのこのソフトを使ってファンのリクエストで「ルーシィを描いて」と頼まれ、僅か30分でサイン入りで色まで塗ったなかなかの完成度のイラストを発表。ネット上でちょっとした話題に。
・2013年4月1日 - エイプリルフール企画でTwitterに「FAIRY TAIL -猫魔闘舞編-」を書き下ろし。大先輩・森川ジョージに「気合入りすぎ」と突っ込まれた上、「続きが気になるから完結させろ!」との厳命で、当日23:58に完結というギリギリの企画。もちろん、こんな話、ウソです。
・2013年12月25日 - クリスマスエピソード第二弾をTwitterにて発表。内容はグレイがサンタに扮してプレゼントを配るが、いつもの格好だったために・・・ というもの。
・2014年3月30日 - FAIRY TAILのアニメ版が新シリーズとして再開するのに合わせて『竜王祭2014』というファンイベントを開催。真島本人のほか、ナツ役の柿原徹也、ハッピー役の釘宮理恵、エルザ役の大原さやかに加え、当日『ヒマだった』という理由でサプライズで呼び出されたラクサス役の小西克幸がゲストとして登場。ニューシリーズの第1話目をスクリーン上映したり、トークショーで製作秘話を語るといった内容だった。なお、出待のファンにサインをしたという情報もある。
・2014年4月1日 - エイプリルフール企画第二弾「FAIRY TAIL -イチヤロス編-」が書き下ろされる。主人公は一夜さんだったが、1ページだけで未完。
・2014年9月17日 - 『西風と太陽』以来となる完全新作読みきり『星咬の皐月』が週マガに掲載。真島作品初の和風ファンタジーで、ウェンディ調の少女が主人公。ラスト付近ではちょっとしたサービスシーンもあった。
・2015年5月16日 - アニメ新章「冥府の門編」スタートに合わせ、第二回竜王祭が開催。この場において、「妖精たちの罰ゲーム」のOVA化と2016年内を目処としたFAIRY TAIL劇場版第2作の製作が発表された。
・2016年1月15日 - この日に発売されたFAIRY TAIL第53巻を以て文庫や再版を除くKC単行本の累計冊数が丁度100冊となる。但し、真島はこの事を忘れており、気付いたのはファンからの祝福メッセージを受け取ってからであった。
・2016年7月27日 - この日に発売された週刊少年マガジン2016年35号を以て、FAIRY TAILの連載が10周年を迎える。その2ヵ月後の9月7日発売の41号で同作品は通算500話を達成。メモリアルにメモリアルが重なる形となり、一時期これを記念してオフィシャル側からTwitter上で「#FAIRYTAIL500話到達」のハッシュタグ使用が推奨されていた。
・2016年9月17日~9月25日 - 真島ヒロ初の原画展となる『FAIRY TAIL原画展』が東京スカイツリータウン内の東京ソラマチ® 5F スペース 634内で開催。初日には真島本人も来場し、壁に新作イラストを生執筆、会場を沸かせた。なお、同じ時期に髙島屋で「こち亀展」が行われていたが、こち亀の方はシリーズ完結だったため、主要コミック系サイトの話題は残念ながら多くがそちらに取られてしまっていた。
但し、この催しは“原画展”を銘打ったものの、全展示を撮影可能とするため、第一話とTwitter上に公開した落書きのスケッチブックを除いては全て“複製原画”の展示であったほか、一部のマナーの悪いファンによる「グッズの高値売買やトレード、オークション転売」などがあったため、コラボカフェ内に売買禁止を制式に咎める注意書きが表示されるなど、今後のマガジン原画イベントに対しての課題も浮き彫りとなった。(丁度、こち亀の原画展が同じ時期だったため比較対象となっていたが、ジャンプ系の原画展は基本撮影禁止だが、全展示オリジナルの“生原稿”が当たり前で、グッズ販売も相当数準備するほか、注文の多そうな商品は受注扱いのため同様の問題は起こりにくい)
・2016年11月17日 - Twitter上にて公開していた落書きを『真島ヒロ ラクガキBOOK』と称したミニ画集として発売。同画集は前述の原画展にて先行販売されていた。なお、10周年記念本としては、画集の第2巻の発売も予定されている。
彼の単行本には一種のルールがあり、マガジンの作家としては珍しく、本カバーの折り返し部分に読者に宛てたその巻の見所などのメッセージを添え、必ず巻末に「あとがき」と称した執筆当時の状況や製作秘話、裏設定などを盛り込んだ解説を入れてその巻のしめくくりとする。テレビでかつて多く見られた淀川長治や水野晴郎の映画解説のようなもの、とでも言えばわかりやすいだろうか?(実際にはだいぶくだけた雰囲気で描かれているのでそこまで深入りはしていないが・・・)
雑誌を読んだ読者にも楽しんでもらえるよう、「単行本だけでしか見られない作品」も巻末に収録することが恒例となっており、RAVEでは1巻から最終35巻まで「RAVE0077 レビンのお留守番」という1ページの作品を連載し、FAIRY TAILでは10巻までスピンオフ作品「ハッピーのちょっとお仕事」が掲載されていた。この他、33巻ではフリードの男色疑惑が発覚する短編が掲載されている。FTは5巻から「特別依頼 FTの謎を解明せよ!」というルーシィとミラジェーンによるコーナーが好評だったため、後にこちらをメインとすることで穴埋めしているが、このコーナー、最初の頃こそまだ真面目に答えていたものの、次第にミラの暴走によりいろいろな意味で変質しつつある。エルザが乱入した回では、1ページ使って『どっちがメインヒロインか?』についてルーシィとの大激論が繰り広げられたほか、真島本人が登場した回では全ページ使ってカラーイラストの描き方を講義していた。
また、RAVE及びFAIRY TAILの6巻からは読者から送られてきたイラストを掲載する読者投稿型のコーナーがスタートしている。このコーナーは、現在読者投稿コーナーの存在しないマガジンにとって数少ないイラストレーター、ハガキ職人活躍の場でもある。RAVE時代にはKINGという制度があり、その巻のKINGに選ばれた読者にはサイン色紙が贈られていた(FTでは廃止)。
が、このコーナーにはRAVE時代から脈々と受け継がれる伝統として『ボツコーナー』というカオスなコーナーがあり、寧ろ殆どの読者はココを目当てでこのコーナーを読んでいるといっても過言ではない。 KING制度が廃止されたFTでもこのボツネタのコーナーだけは何故か生き残り、今に至るまで才能の無駄遣いとしか思えない天才たちによる数多くの奇作、怪作、爆笑ネタが生み出されている。
RAVE時代にこのコーナーが始まった頃は、単に下手糞なイラストや「誰?」というようなキャラを載せていたぐらいだったのだが、中期ごろから作中の台詞を改変したものや、過度な暴力ギャグ、どうみても不気味な絵といった奇妙な絵が掲載されるようになり、読者もそれに味をしめてか、『KINGよりもボツ狙いの投稿者の方が増加する』という異様な状況となっていた。中には本の折込部分に一度だけ登場した「タマ・ゴンザブロウ」という超マイナーキャラを送ったことでここに掲載され、作者に「不意を突かれた」と言わしめた強者も。
あまりにこのボツ狙いの読者が多いため、FAIRY TAIL 29巻は「仕方なく」ボツコーナー特集として、掲載されている絵が全部ボツネタというボツ狙い読者歓喜の大サービスが行われた。
また、ボツコーナーのネタが原作に逆輸入されたことがあり、「戦闘モードハッピー」は後にギャグとしてリーダスが書いた未来予想図に使われている。
ごくごく稀だが、ボツネタが被るということがあり、「マッチョマンプルー」と「リアルタッチのクルックス」はまるで関係のないはずの地方読者から同じようなイラストが3人続けて送られてきたため、「お友達とかじゃないの?」「兄弟じゃないよね?」というコメントが添えられていた。
また、このボツコーナーはアニメスタッフにも適用され、アニメFTの特集本『FAIRY TAIL A』ではハッピーをお題にした出張アートコーナーが掲載されていたが、しっかりと『ボツコーナー』は健在だった(ちなみに、ボツを喰らったスタッフの絵は「仮面ライダーBlack RXに変身したハッピー」というやはりカオスなネタだった)。
現在の仕事場は比較的広いらしく、大型テレビはもちろんのこと、西本英雄から貰ったプレイステーション3をはじめ
ありとあらゆるゲーム機が置かれている。
また、かなりの映画好きで、映画ソフト専用の部屋を作ってしまっているほど(通称・ミニTSUTAYA)。
アシスタントとしてプロデビューした作家に吉河美希と三國シンがいる。吉河は先述の通り、作品がドラマ化されるなど売れっ子作家となり、現在もマガジンで連載を持っている。少年誌では珍しく成功した女性作家の一人である。彼女らとは現在でもアシスタントを交えた合同パーティを開くなど仲がいい(オンゲーでもよく協力するらしい)。ちなみに、両者には元・ヤンキーという共通点がある。
初代アシスタントから脈々と受け継がれている仕事上の罰ゲームに「B級C級の迷作、珍作、怪作映画を無作為に買ってきて、最後まで観る」というものがあるらしい。大抵は字幕も無いような古い映画だったり、どうしようもない駄作が多いので、苦痛には違いないのだが、稀に「サンダーパンツ」のような割と面白い良作も混じっているため、油断できないらしい。
最近でもスタッフの上田唯が2013年19号で「あひるの空」の代原で掲載されたりと、新たな才能を羽ばたかせるその職場の雰囲気は変わっていない(後にその作品は連載化された)。
近年では元アシスタントで『フィールドの花子さん』の作者である千田純生(RAVE単行本で画力を酷評されていた)も漫画界髄一のサッカーマニアとして活躍している。
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最終更新:2024/04/19(金) 23:00
最終更新:2024/04/19(金) 23:00
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