秋田八幡平クマ牧場事件 単語


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アキタハチマンタイクマボクジョウジケン

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秋田八幡平クマ牧場事件とは、2012年4月20日に起きた獣害事件である。

秋田八幡平クマ牧場・羆襲撃事件と表記する場合もある。

概要

秋田県鹿角市にかつて存在した「秋田八幡平クマ牧場」において起こった事件。
事件の起こった牧場では、 ヒグマ、ツキノワグマ、ゴディアックヒグマらが合計35頭程度飼育されていた。そのうち6頭が脱走し、人間を襲い食らったという事件である。

上記のように襲撃事件という表記もあるが、この場合は主に人間の管理不足が原因となっている。
このため、これまで起った有名な野生下における羆襲撃事件とは、趣が異なることを理解されたし。

事件の流れ

当時、八幡平クマ牧場は春の営業再開に向けて準備を整えようとしているところだった。

そんな2012年4月20日の朝8時頃、女性従業員A(75歳)の悲鳴が響き渡り、「クマが逃げた!」という叫び声が聞こえてきた。
慌てて男性従業員Bが駆けつけると、逃げ出したクマに襲われている女性従業員Aの姿があった。当時もう一人の女性従業員C(69歳)がいたのでBは呼びかけたが、返事はなかった。この時点でBは最悪の事態を想定した。

その後、ヒグマが6頭脱走していることが発覚し、ただちに射殺命令がくだされることになり、Bは地元にいるツキノワグマ猟師に事態を説明してすぐに来てもらうことにした。

猟師は国道からクマ牧場を見渡せる位置にやってくると、誰のかわからない倒れた人間の姿があった。もう一方ではクマが1人の人間を巡って餌を取り合うようにして人体を引っ張り合っていたという。

やがて事件のあらましを理解した警察は、地元の猟友会を呼び寄せ、正午過ぎにクマ達の射殺命令を下した。命懸けの攻防の末、脱走したクマ6頭は全員射殺された。最後の1頭を射殺した時にはもう午後4時になっていたという。
時間がかかったのは、最後の2頭のうち1頭が撃たれたことで不利を察し、餌場内に隠れたからである。その後ショベルカーでプレハブを引き剥がして籠城していた2頭を射殺(厳密には先に撃たれていた1頭は既に力尽きていた)して、この騒動は終わった。 

死んでいたのはやはり最初にクマの脱走を伝えたAと、もう1人牧場で作業をしていたCだった。

事件の原因

元々この牧場は、管理不行き届きが問題視されていたところだった。

ヒグマが脱走したのは、運動場(4m程度の塀に囲まれた)の角に溜まった雪が塀をよじ登れる高さまで積もっていたからである。これは除雪した際に角へと退けた雪を圧雪を処理していなかったせいだろうと思われる。少なくとも自然にこんな偏った積もり方はしないことは間違いない。

クマ達が人を襲った理由は女性従業員が慌てて逃げ出したという、ヒグマ遭遇の際にやってはいけないタブーを犯したこともそうだが、彼等の空腹がピークに達していたことも関連していることは明白である。
実際射殺されたクマの胃の内容物には人の身体の一部がちらほら入っていたという。女性従業員の遺体を取り合う姿は、いかにこのクマ達がひもじい思いをしていたかを示すエピソードでもあった。

ちなみにCは顔が判別出来ないほどに食べられていたという。

その他の話

元々この牧場は赤字続きのため同年の秋に閉鎖する予定であった。事件によって同年6月と早めに閉鎖することが決まった。
しかもこの牧場、元の経営者は相当鬼畜で、雇っていた人員は最小限かつ低賃金、あげく牧場の閉鎖後はクマに餌を与えることをやめて、共食いによる「自然淘汰(経営者談)」を考えていたという。

このクマ牧場以外でも、かねてからこういったずさんな管理が問題視されているクマ牧場がよく見られており、この事件は起こるべくして起こったと言わざるを得ない。

それらに共通して言えることは、クマ達への餌の量が素人目に見ても十分であるとは言えず、クマ達は本当にこれがクマなのかと不思議に思えるほどガリガリに痩せていた。ただしこれは病気の個体であるという説もあり、当時の調査によるとそれ以外のクマは至って普通だったという報告を出していたようだ。
だが、それを疑うべき実態が多かったことも事実であり、当時は来場者から貰えるパン1枚すらも物凄い勢いで奪い合う有様で、しかもそのパンはカビていた

繁殖も無計画で、時には共食いすらあったというがこれは定かではない。

その後もクマの処分はまったく決まらず、その間にさらに2頭のクマが死に絶えた。このまま経営者の思惑どおりに自然淘汰()されそうだったが、北秋田市の阿仁熊牧場が受け入れの姿勢を示した。阿仁熊牧場も熊の飼いすぎを指摘されて飼育頭数を減らしていた最中ではあったが、行政からの支援を受けて(もともと阿仁熊牧場は日本で唯一自治体が設置した熊牧場であった)ヒグマの飼育施設を拡充してこれに対処。2012年中にツキノワグマを、2013年末からはヒグマ20頭の移送が始まり、2014年1月に全てのヒグマの移送が完了した。

ちなみに、掃除担当の従業員と経営者が業務上過失致死罪に問われ略式起訴され、それぞれに罰金50万円の略式命令が下っている。秋田地裁によると、処分が罰金にとどまったのは遺族が厳罰を求めなかったため、としている。

この事件、悪いのは従業員ですか?経営者ですか?それともクマ達ですか?

余談

本件がフジテレビ系「FNNスーパーニュース」を通じて全国に報じられた際、
現場でリポートしていた秋田テレビのアナウンサーが坂良だったが、全くの偶然である。

関連動画

関連項目

  • ヒグマ
  • ツキノワグマ
  • 動物虐待
  • 三毛別羆事件
  • 福岡大ワンゲル部・羆襲撃事件
  • もっと知られるべき
  • 事件・事故の一覧

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