管理教育 単語


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カンリキョウイク

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管理教育とは、学校或いは教員が児童・生徒の在り方を一方的に決定し、これに従わせる方式の教育方法・方針である。主に命令下による集団行動の徹底に重きを置く。現在はよほど酷いものは消滅したようだが、今も管理教育の名残は随所に見られる。(部活問題・身だしなみ指導・持ち物検査・強歩大会・体罰など)

概要

管理教育の大きな特徴として児童・生徒が学校の意思決定に関与できないか、出来たとしても非常に限定的なものとなる。小学校の場合、児童の判断力が乏しく大人の助けなしに自律的に何らかの行動指針を決定したり、行事の計画を立てたりということは難しいが、中学校以上になると生徒会などが存在し、生徒による自治がある程度認められている。しかし管理教育実施校では学校上層部や教員の決めた方針に生徒は従うしかない。

後述する管理教育の内容は、一般の職場・役所では昔であっても人権侵害になりかねないとされるものが多いが、これらの行為が学校教育の現場で大きな問題にならなかった。これは『教育とはそういうものだから』と考える人が多い事、小中学校や全日制高校では教師より年齢の高い生徒が居ない事などが理由としてあげられている。

管理教育の内容

これらの中には裁判で争われたり、後に生徒が死亡する事故となったりして撤回されたものも含まれている。

  • 遅刻の理由は例え不可抗力であっても一切認めない
  • 登校時の校門指導と指定時刻での校門閉鎖
  • 生徒の意見を全く聴かない一方的な校則策定
    • 男子生徒の丸刈り強要・女子生徒の髪型の厳密な適用
    • 制服・制帽の着用徹底。学校によっては休日の私的な外出時にも制服を着ることを定めていることも
  • 体罰の行使
  • 朝礼、業間体育への参加強制
  • 大声をだすことを強要し、声が小さいとやり直しさせる学校教練を思わせる統制された体育の授業
  • 運動会・体育祭における行進・組体操・ダンス・マスゲーム等の長期間に及ぶ反復練習、体罰や言葉の暴力も伴う厳しい指導を通して形成される統一された動き
  • 運動会におけるナチス式敬礼・ガチョウ足行進の強制
  • 強歩大会・合唱コンクールへの強制参加
  • 運動部部活動への加入強制
  • 授業開始前・放課後の学習会への参加強制
  • 持ち物検査と私物没収
  • 学区外外出時の事前届出制
  • 異常なほど細かい行動規則
  • 給食の完食強制。完食できない場合の給食指導係や教諭によるいじめ・拷問
  • 高校以上において運転免許取得に厳しい罰則を設ける
  • 定期テストの順位を廊下へ貼り出し
  • 休日の行動を制限するため、土日も部活動を実施。大量の宿題を出す
  • 三ない運動の徹底

地域別管理教育の動向

代表的なものを記載。これら以外にもあれば掲示板でのコメントをお願いします。

岩手県

部活動への加入強制。部活問題の記事でも触れられているが、県内の中学校の99%において部活動への加入が義務付けられているというデータがある。

過去平成3年~4年頃まで、特に花巻市の中学校を中心に男子生徒へ丸刈りを強制していた。これだけにとどまらず、放課後及び休日でさえ私服の着用を禁止する学校もあった。私服着用禁止の理由は『街中で一目で○○中学校の生徒だということが判別でき、管理の手間が省ける』という聞いて呆れるものだった。更に丸刈りが伸びてしまったり(意図的に”伸ばして”ではない)、私服を着用していたりという現場を教師に発見されると激しい体罰を加えられたという。

なお、丸刈り強制・私服着用禁止は2017年現在既に廃止されているので念のため。

宮城県

県内の高等学校において旧制中学の伝統を汲む一部の進学校は、自由な校風と高い大学進学実績・就職実績を両立していることから管理教育的傾向は薄く、多くの権限を生徒の自治に委ねていた。

しかし一部の共学ではない進学校では過去に管理教育が行われていた。しかし管理教育実施が生徒集めに悪影響すると判断されて今は廃止されている。しかし実施中は私服が許可されているのに中学校時代の制服の着用を矯正されたり、大会シーズンには昼食時間の全てを応援練習に充てがわれる事もあった。

中学校においては過去に一部の学校において男子生徒に対する丸刈りが強制されていた。

千葉県

昭和55年3月21日実施の第91回国会・参議院予算委員会での質疑にも挙げられている。(リンク先山中郁子の質問より千葉県と愛知県の管理教育について触れられている)

1980年台から1990年代前半において、熾烈な管理教育を実施していることで有名であった。特に東葛地域北部校則が厳しく、とりわけ野田市・流山市・我孫子市では男子生徒への丸刈り強制校則が存在した。丸刈り強制以外に一例を挙げると

  • 三角食べの強制
  • 背番号若しくは学級番号と姓を入れたゼッケン付ジャージを着用し、小学校では2時間目と3時間目の間に軍隊的な「業間体育」を全児童に強制
  • 修学旅行中、駅のホームという衆人環境の中で「集合の歌」と称して生徒全員に輪唱を強制
  • 体罰の横行
  • 校則違反をした生徒を密告する文化の醸成
  • 学校指定ジャージ・体操服の着用強制。冬であっても半袖・短パンの着用強制

ちなみに松戸市在住の子供を持つ保護者の間では「松戸の中学に子供を通わせたくない」という考えが広まっていたという。

愛知県

こちらも昭和55年3月21日実施の第91回国会・参議院予算委員会での質疑に挙げられている。

筆者の出身の愛知県でもかつては熾烈な管理教育が行われていた。

  • 小学校
    • 登校時には家の近い児童同士で班(通学団)を組み、集団登校を実施。その中で多くは上級生が班長となり、ぞろぞろと並んで通学路を行く。ただし下校時は学年によって授業の終了時間が異なることを勘案してか、班を組むことはあまりない。少なくとも筆者の出身小学校では下校時は時間の一緒になる児童だけで下校していた。
    • 児童の通学範囲を学区・校区として定め、学区外へは子供達だけでの外出を禁止或いは許可制とする規則がある。自転車で行ってよいエリアも校区内で学年ごとに制限が存在する。
  • 中学校
    • 公立中学でかつて男子生徒への丸刈り強制校則が存在した。特に岡崎市、新城市、宝飯郡の一部の公立中学では丸刈り強制が問題となった。
    • 他市町村への外出に学校の許可が必要
    • 高校への進学も学校の管理が及び、そこそこの成績の生徒の進学先が限られる
  • 高校
    • 1968年創立の愛知県立東郷高校において「マル東訓練」という軍事教練紛いの集団行動訓練が行われていた。マル東訓練の名称は時間割にマル囲みで東と書かれていたことに由来する。この訓練への参加は強制であり、1982年には訓練強制を苦に生徒が自殺している。
      ちなみに東郷高校は創立当初、校舎の建設が間に合わず県立明和高校の使用していない校舎を利用して開校。週末には校舎の建設作業に生徒を「体育の授業」として参加させていた。
    • 東郷高校の他、県立天白高校、県立豊明高校でも厳しい管理教育が行われており、合わせて3Tと呼ばれていた。
    • 一方、名古屋市立の高校は愛知県への対抗意識が根強いためか比較的自由な校風の学校が多いのが特色である。

なお厳しい管理教育は1990年代半ば頃から崩壊していったが、今も名残が見られる。

兵庫県

中学校ではかつて男子生徒の丸刈り校則が存在した。特に神戸市・姫路市・県北部・洲本市を除く淡路島の中学で問題化した。丸刈り強制が不登校の原因となっているという指摘もあり、平成7年に全廃された。

校門指導・校門閉鎖も行っていたが、1990年には神戸高塚高校校門圧死事件が発生している。

九州地方

九州地方、特に福岡県の高校では全体的に朝課外と呼ばれる学習会が行われている。これは表向き授業ではないのだが、実際は全員参加が原則らしい。

関連動画

関連資料

関連項目

  • 学校
  • 部活問題
  • 体罰
  • ブラック企業
  • 戸塚ヨットスクール

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