簡体字とは、中国およびシンガポールにおいて現在正字として採用している、従来よりも簡略化した漢字。簡化字とも呼ばれる。
1956年、中国の文字改革委員会が「漢字簡化法案」として公布した。その後1964年に「簡化字総表」を公布し、この中では以下の3種類の表を提示している。
現在の中国では、看板や印刷物等において全てこの簡体字を使用しており、簡略化する前の漢字は「繁体字」と呼ばれる。日本では戦後に当用漢字や常用漢字において一部の字体の簡略化が中国に先駆けて行われており、この字体は「新字体」と呼ばれており、それ以前の簡略化する前の漢字は「旧字体」と呼ばれている。
新字体と簡体字では、「学(學)」「国(國)」「会(會)」「点 (點)」等、簡体字と字形が一致する物も一部存在する、しかし一般的に言えば簡略の具合は「繁体字>新字体>簡体字」の順で「樂>楽>乐」の順番である。ただし例外もあり「櫻」の新字体は「桜」だが、簡体字では「樱」と繁体字に近い簡体字も存在する。
1977年にさらなる漢字の簡略化を進めるため「第二次漢字簡化法案草案」が発表されたが、読みにくい等の批判が多く、間もなく廃止となった。
香港および台湾では簡体字を採用しておらず、現在でも繁体字を正字として使用している。なお台湾では繁体字とは呼ばず正式名称としては「正体字」と呼んでいる。
東南アジアでは、中国系が圧倒的多いシンガポールでは1969年に『簡体字表』を発表し、この表により、シンガポールは中国大陸とは異なる独自の簡略化(参考として、「亞」の簡体字として中国大陸では「亚」を採用したが、当時のシンガポールは日本と同じ「亜」に近い字を採用した)を進めたが、1976年に発表された『簡化字総表』でシンガポールの簡体字は中国大陸のものと基本的に一致するになった。
また、同じく中国系が多いマレーシアでは1981年に『簡化漢字総表』を発表し、中国大陸と同じ簡体字が実施され、現在のマレーシアの中国系の学校など教育の場では簡体字を多く採用しているが、あくまでも正式採用ではないので、街中の看板や案内等では簡体字か繁体字がごっちゃになっている事も多い。
以下、括弧内は繁体字の字形を表す。
| 讠 (訁) | 钅 (釒) | 饣 (飠) | 纟 (糹) | 𠃓 (昜) | 𠬤 (睪) | 门 (門) | 为 (為) | 专 (專) | 韦 (韋) | 贝 (貝) |
| 长 (長) | 马 (馬) | 东 (東) | 发 (發・髮) | 亚 (亞) | 买 (買) | 齿 (齒) | 鸟 (鳥) | 佥 (僉) | 师 (師) | 爱 (愛) |
| 万 (萬) | 个 (個) | 从 (從) | 尔 (爾) | 云 (雲) | 无 (無) | 网 (網) | 岁 (歲) | 阳 (陽) | 阴 (陰) |
| 乡 (鄉) | 亲 (親) | 离 (離) | 务 (務) | 复 (復・複) | 业 (業) | 电 (電) | 儿 (兒) | 广 (廣) | 产 (產) | 卢 (盧) |
| 气 (氣) | 飞 (飛) | 妇 (婦) | 击 (擊) | 丰 (豐) | 术 (術) | 灭 (滅) | 夺 (奪) | 齐 (齊) | 乔 (喬) | 涩 (澀) |
| 补 (補) | 怀 (懷) | 沟 (溝) | 块 (塊) | 优 (優) | 拥 (擁) | 华 (華) | 丑 (醜) | 干 (乾・幹) | 谷 (穀) | 郁 (鬱) |
| 区 (區) | 冈 (岡) | 风 (風) | 凤 (鳳) | 邓 (鄧) | 汉 (漢) | 观 (觀) | 鸡 (鷄) | 轰 (轟) | 报 (報) | 执 (執) |
| 尘 (塵) | 丛 (叢) | 众 (衆) | 队 (隊) | 护 (護) | 忧 (憂) | 惊 (驚) |
新字体も簡体字も同じ繁体字(旧字体)からの略字だが、同じ漢字でも元の繁体字(旧字体)が異なる場合がある、 以下はそれの例を挙げる
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最終更新:2025/12/07(日) 12:00
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