自浄作用とは (ジジョウサヨウとは) [単語記事]

原義

自浄作用の原義は「川・海・大気などに入った汚濁物質が、沈殿・吸着や微生物による分解などの自然的方法で浄化されること」である。特に河川の浄化に関して使われることが多い。

ネットでの用法

ネット上では概ね「ある特定の団体・コミュニティなどに属する人々が悪事を行ったり他者に迷惑を描けないようにすること」という意味で使われているが、これも正確とは言い難い。

よく使われる状況としては例えばある特定の物に対する愛好者がその対象に関して何らかの問題を起こした際があげられる。これらの事件が発生したとき、2ch等をはじめとする掲示板などではこれらのファン全体が批難の対象になり得る。当然ながら殆どのファンは善良な人間であり、これらの批判は必ずしも正当性があるわけではないのだが、批判に対して何らかの反論を行う(例：すべての○○ファンが悪い訳ではない・事件を起こしたのは○○のファンじゃない)ことが多い。これらの自己を正当化する反論に対して「○○ファン(○○厨)は自浄作用が無い」と反論の反論が来ることが多い。以上の一件がネット上での用法の一例である。

なにこの一例、わかりにくすぎる

確かに先程の例は抽象的でわかりにくい。無論、具体例を挙げるのはそう難しくは無い。しかし、下手に具体例を挙げればその具体例の対象を批判・擁護していると言われかねないため、敢えてこのような書き方をしたことをお詫び申し上げます。。

「特定の団体・コミュニティなど」ってつまりどういうことよ

ここでいう「特定の団体・コミュニティなど」とは会社や特殊法人、同職種等の社会的要因や、特定の人物・作品のファン、または右翼・左翼等をはじめとする各種主義思想を持つ人々、あるいは人種や性別・国籍等による分類を指すのだが、これらを広くカバーする単語が初版編集者の語彙に無かったがためにこのようなややこしい表現となってしまった。これらに該当する適切な単語があればもう少しわかりやすい文章になったのだが……。

結局、どうすれば自浄作用って働くのさ

わからない。

基本的に自浄作用という言葉は外野が何か批判したいときに使用する言葉であり、具体的に何を以て自浄作用があるのかは不明。たぶん批判している本人も知らないと思われる。

とはいえ、ファンという言葉自体「狂信者」を意味するfanatistに由来する言葉である。何かに興味を持ってそれに興じた結果、つい周囲に注意が利かなくなることは少なくないし、人間の利己心を完全にゼロにすることは出来ない。第一、如何なる団体にも所属せず、一切の趣味も持たない、何事にも興味を持たない人生が果たして良いと言えるだろうか。

敢えて言うとすれば「問題になる行為を起こさない」「他者に迷惑をかけない」、要するにマナーを守るのは基本事項。加えて自分と同じ要素を含む人がこれらの行為をしようとしていれば速やかに止めるようにすれば合格と言えるが、それでも誰かが問題を起こすとも限らない。