軍師ミノルのファイアーエムブレム封印の剣死傷者一覧 単語

グンシミノルノフウインノケンシショウシャイチラン

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・第一の戦死者 アレン

 ピアキャストで配信もされた第四章「同盟の崩壊」にて、回復をされないまま前線に取り残されラウス兵(ソシアルナイト)のてつのやりで串刺しにされて名誉の戦死。残り体力と同値の9ダメージであった。

「く くそっ
こんなところで…ロイ様……」

・第二の戦死者 ワード

 同じく第四章「同盟の崩壊」にて、ポールアクスを所持させ騎兵の相手に当たらせようと画策したミノル軍師。
しかし、ワードを待ち受けていたのは三すくみ的に不利である剣を持ったソシアルナイトであった。
二回剣で斬りつけられ瀕死のワードに遊牧民の心ない矢が射ち込まれ失意の中、戦場の露と消えた。
ポールアクスも敵に一度も当たることなく彼と共に消滅した。

「チ チクショウ!
オレとしたことが…… 」

・第三の戦死者 ボールス

 またしても、第四章「同盟の崩壊」にて、武器を所持することも許されぬまま軍師の命令通り橋の出口に一人立ちふさがったボールス。彼の自慢の装甲も度重なる攻撃の前に崩れ去り、ラウス雇われの遊牧民が彼の人生に終止符を打った。クッキングパパと呼ばれ戦闘らしい戦闘もさせて貰えずに、肉壁としての役目を終えた彼が残した最期の言葉は仕える主君の名前であった。

「ぐうっ、 り、リリーナさま……」

・第四の戦死者 ランス

 やはり、第四章「同盟の崩壊」にて、「村を護る男ランス」として村へと向かっていた途中、軍師の指示によりルトガーを誘い出す囮として使われた。ランスにとっての不幸は、ルトガーがミノルの想像以上に凶悪なまでの成長をとげていたということである。必殺はでなかったものの、二回攻撃を喰らい既に助からないであろう彼へソシアルナイトの容赦ない斬撃が襲いノーマルから通算二度目の戦死を遂げた。

「ロイ様……、ご武運を……」

・第五の戦死者 ウォルト

 誰かが死んだ気がするけどちょっと覚えていないから、たけのこの里を食わざるを得ない。


 四章「同盟の崩壊」にて、後方より唐突にやって来た敵増援に一瞬で討ち取られ死亡。
育てようと考えていたミノルの計画も全ておじゃんである。

結局ウォルトはヲルトのまま、汚名返上などできないのであった。

「もう……お役には……
ロイ様……すみません……」

「たけのこの里を
 食わざるを得ない…」

・第六の戦死者 エレン

 第五章「炎の紋章」での犠牲者。大量に湧いてくる山賊相手に苦戦を強いられつつもなんとか切り抜けた軍師ミノル(はぁと)、彼は最後の仕上げの一環として村人の助言通り門を開こうと決め、門の近くに配置されていたエレンに開門を指示した。そう、これが最凶の罠であり最大の失敗であった。
門を開けた瞬間伏兵が飛び出しエレンを包囲した。なんと村人は山賊と結託しており、ミノル達を陥れる為に門を開けばよいと虚偽の情報を提供していたのだ。道を塞ぐ山賊を切り捨て駆けつけるディークとルトガーの奮闘も虚しくエレンは山賊の魔の手に墜ちた。また仲間が死ぬのを指をくわえて見ていることしか出来なかった軍師ミノルは(任天堂への)怨嗟の声を響かせ、怒りとともに泣き叫ぶ。もう、エレンは二度と喋らない。今回こそ彼女がどのような人間か分かることができるかもしれない、と思っていたミノルに対してこれほど大きな仕打ちはないだろう。
ちなみに、エレンが窮地に立たされていた頃、マーカスは平原でひなたぼっこをしていた。

「ギネヴィアさま……
希望を…
すてないで…ください……」

・第七の戦死者 ディーク

 加入以来ルトガーと共にミノル軍の主力として前線に立っていたディーク。第六章「しかけられた罠」でも中央を突破し切り込み隊長の如き活躍を見せた。しかし、一度目の増援を退け玉座に迫った時、再び現れた増援がディーク達を包囲する。増援は一回だけでは無かったのである。ミノル軍ではルトガーに次ぐエースのディークも多勢に無勢、その強さが仇になりやっつけ負けしてしまった。ディークと彼の持つ装備を同時に失ったミノルはしばし放心状態になりテンションは下降しっぱなし、挙げ句の果てに「ディークなど最初から居なかった」、と思うことにより心の傷を癒さざるを得なくなる程だ。ここに来て最大級の損失、ミノル軍は崖っぷちに立たされることになった。

「悪い 最後まで
つきあえそうにねえ……」

・第八の戦死者 ロット

 またの名をドルカス。六章では増援を食い止めつつキャスに殺されかけたりと大活躍だった彼にも終わりは来た。鬼門と言われ続けていた第七章「オスティアの反乱」での第一犠牲者である。
ロットはミノルの計算違いにより生き延びた傭兵を相手取り、低確率の攻撃を当て、すんでの所でスーを救った。
しかし、その後すぐに背後から迫る傭兵に二連続で攻撃され、弱ったところをドラゴンナイトに討ち取られ、
スーを護った事が彼の最期の活躍となった。ワードに続きロットも死に、ドルカスを継ぐものは遂に潰えた。

「これまでか……」

・第九の戦死者 ゼロット

 第七章「オスティアの反乱」にてNPCとして登場したは良いが、一度も敵の攻撃を避けることもなく、集中砲火にさらされ動くこともできずに消え去った。マーカスの奮闘もロットの死もなにもかもが無駄となった瞬間である。
一方その頃、ノア殿は隊長が死んだというのに闘技場で女の子といちゃついている真っ最中だった。
尚、この時点でイリアルートで外伝に辿り着くことはできなくなり真エンディングは更に遠いものとなった。
余談だが、ロットの次にゼロットが死ぬというのはなにか名前的なジンクスを感じざるを得ない。

「どうやら……
ここまでのようだ……
わが故郷…エデッサに……
栄えあれ……」

・第十の戦死者 トレック

 「まあ こんなものか…… 」

・第十一の戦死者 スー

 次々に死者が増える第七章「オスティアの反乱」。遂にスーにまでその魔の手は伸びた。
マリナスやロットの犠牲の上に立ちなんとか生き延びていたスーだが、敵の物量はミノルの想像を遙かに上回っていた。結果として、ソシアルナイトのジャベリンがスーを貫き、またしても第七章で彼女は散ることになった。
これにより、サカルートの道は閉ざされ、真エンディングは不可能になった。

「風の音…草のにおい……
今は…もう……」

・第十二の戦死者 ドロシー

 闘技場で手負いになっていたところを、増援のソシアルナイトがぎんのやりでトドメを刺す。
もう闘技場で彼女を育てる事など夢のまた夢、しかし顔のパラメーターは既に上限に達していた模様。
第七章「オスティアの反乱」の純粋な戦闘では最後の戦死者。

「あれ…あたし……
ここで……終わっちゃうの?」

・第十三の戦死者 ノア

 第七章「オスティアの反乱」でボス撃破後の闘技場でレベル上げ中にまさかの戦死。
ノア殿の死よりもフィルが仲間にならなくなったことの方がミノルにとってはショックが大きかったようだ。

「まあ…いいか……
やるだけは……、やった……よな」

・第十四の戦死者 マーカス

 烈火からずっとフェレとミノルに仕えてきた番犬もハードモードの前では死なざるを得なかった。
調子よく敵を倒して進軍していたところ、敵の武器を確認しないミノルの癖がでて、ナイトキラーが彼を襲った。
体力は満タンだったが、特攻武器の前ではあまりに無力。一撃の下打ち倒されることとなった。
ミノル曰く、クラリーネにナイトキラー使われなくてよかった、とのこと。死亡章は第八章「再会」。

「くっ これまでか
ロイ様 おん身 大切に……」 

・第十五の戦死者 シャニー

 ついにこの時が来てしまった。ミノルの嫁であるシャニーを荼毘に付す時が来たのだ。
第八章「再開」での悲劇。ウェンディの為に弓兵を囲おうと欲を掻いた結果、配置ミスによりシャニーは死んだ。
あまりにもあっけなく、ただ一本の矢がミノルの全てを奪ったのだ。嫁のいないファイアーエムブレムに意味があるだろうか、いや無い。ミノルは即座にプレイを中断したのであった。
 それからのミノルの生活は実に荒れたものとなった。酒に逃げ、愚痴をもらし、嗚咽と共に涙を流す日々。
そんなミノルへ視聴者が送った動画があった。「シャニーがいるしあわせ」、文字通りミノルがシャニーを失った時のことを描いたMADである。ピアキャストでの配信中にリスナーが紹介したのをきっかけにミノルはその動画と出会った。動画を見て原初の記憶を思い出し吹っ切れたミノルは。再び軍の指揮をとろうと決意するのであった。

「俺は世界一立派な軍師になる!」
「じゃあ私は立派なペガサスナイトになる!」


「ミノル……、愛してる……」

 

・第十六の戦死者 オージェ

 第八章「再開」で、ディークが欠けた軍に参入した期待の新鋭と思われたオージェさん。しかし、酔っ払い、ミノルに絡まれ、味方が死んだのにすこやかな顔をしているという事実が判明し、壁となり傭兵を食い止めていたバースに代わり前線に出たところ、予想外の火力を持った弓兵に射殺された。この死は更なる悲劇を生みだすこととなった。

「おれは……
まだ 死ぬわけには……」

・第十七の戦死者 リリーナ

 オージェの死の副産物にして多大な損失。オージェという壁を失った穴を突破してきた弓兵の矢が一撃のもとに彼女の命を刈り取った。第八章「再開」にて、ロイとの再会を果たした直後の出来事である。

「ロイ……
どうか…負けないで……」

・第十八の戦死者 バース

 第9章「霧にけむる島」で軍師ミノルは前代未聞の提言をした。それはなんと、不慮の事故で死亡したノア殿と戦死したスーの意思をくみ取り、敵であるフィルとシンを殺さないで制圧をするというとんでもない作戦であった。
 生きていればいつかわかり合える時が来るかもしれないという微かな期待と、可憐な少女であるフィルを手に掛けたくないという思いもあったのだろう。しかし、その作戦を決行するにはミノル軍はあまりにも消耗しすぎていた。
通常の戦争では三割程度の損害を受ければ撤退すべしと言われている。それに対してミノル軍は既に一七人の戦死者を出しており。現在の部隊数は僅か十人。全戦力の63%近くを失っている。ただでさえ厳しい進軍になるであろう道に自ら新たな壁を作りだすが如き行為は当然の如く犠牲を孕むものとなった。
 その犠牲の一つが彼、バースだ。フィルを殺さずに武器を損耗させる為の壁として任命されたバース、確かに体力が満タンならフィルの必殺二回にシンの弓矢という最大ダメージも耐えきれるだけの自信はあった。その彼の命運を分けたのは戦闘アニメの有無だろう。戦闘アニメが出ないためバースの体力を意識に入れ忘れたミノルは彼の回復を怠った。いや、忘れていたのだ。結果、必殺二回に弓矢を浴びて彼はリリーナやヘクトルの元へ旅立つことになった。

「フン…ここまでか……
情けない…ことだ……」

・第十九の戦死者 ルゥ

 第9章「霧にけむる島」でミノルの侵した最大のミスがルゥの死だ。これがなければ、運に助けられたとはいえバース一人以外の損失を出さず、幾度となく窮地を切り抜け、軍師として申し分のない手腕と呼ばれたかもしれない。が、この損失はそれらを全て帳消しにするほどくだらないミスによって引き起こされた。
 海賊共の大軍を切り抜け、死地から逃れたルゥに対して告げられた命令は「単身での敵地への侵入」という実に残酷なものであった。既にボロボロになった魔法書を抱えルゥは一人で霧の中へと歩を進めた。途中民家で村娘と世間話をした後、予想外の数の敵に襲われ瀕死の重傷を負った彼を撤退させ、きずぐすりを使わせようとしたミノルは二つの失敗を犯した。一つは森より民家の方が地形効果が良いと勘違いしたこと、もう一つは訪問コマンドは持ち物コマンドより上にあることに気づかなかったことだ。きずぐすりを使うことも出来ず、最後に村娘のくだらない話を聞いてルゥの短い人生は終わりを告げた。母親であるニノに勝るとも劣らない成長をし、「頼りになルゥ」と呼ばれたエースの一人がまた居なくなり、ミノル軍は更に切迫した状況に追い込まれることとなった。

「ごめんねチャド……
……レ……イ」

・第二十の戦死者 ギース

 ドルカスsが消え斧使いが圧倒的に不足していたミノル軍に第10章「あらがう者たち」颯爽と現れたいい男。登場するのもはやかったが、退場するのはもっと早かった。ウェンディを動かすのに精一杯でギースが傷ついていることを忘れたミノルは彼の回復を怠り、ギースは闇魔法に飲み込まれて消えていった。斧をメイン武器で使う仲間が全て消え去った瞬間である。

「ここまでかよ
すまねえ……」

・第二十一の戦死者 ゴンザレス

 戦死者が増えることにより説得要員が減り、更に加入人数が減って、結果として軍が弱体化し新たな戦死者を生む。この負のスパイラルは着実に進行してきている。第十章「あらがう者たち」に登場し、リリーナの死により殺さざるを得なくなったゴンちゃんことゴンザレスもその一人だ。戦場に出てきたは良いもののブーストキャラとはいえ下級職、森の上に乗ったクラリーネ(森クラリ)を捉えることはあたわず、ファイアーで消し炭にされた。

「オ オレ……
いたい……ぐっ」

・第二十二の戦死者 チャド

 前述した悪循環もここに来てきわまってきた。ルゥについでチャドが倒れたことにより、レイの説得は不可能となってしまった。第十章「あらがう者たち」でルゥ同様、うっかりで戦死するはこびとなった。またもや、ウェンディにだけ目がいって海賊の行動範囲を確認しなかったのが裏目に出たのだ。海賊は悠々と河を渡り、僅か28の命中、つまり、15.96%と確率を上手いこと引き当てチャドに致命傷を与えることに成功した。説得要員と一応の戦力を同時に失い、ミノル軍は崖っぷちから半歩下がった位置にまで押しやられる形となった。

「ちくしょう!
こんなところで……
ルゥ……ごめんな」

第11章「西方の勇者」でクレイン、ルトガー、ウェンディ以外は全滅した気がするけど、
 別にそんなことはなかったぜ!

・第二十三の戦死者 エキドナ

 なぜか第十一章「西方の勇者」での敵軍の行動などを予見できるようになった軍師ミノルは、エキドナを護るためにルトガーを可能な限り早く彼女が立て籠もっている民家へと派遣した。ロイの奮闘や幸運に助けられなんとかエキドナが登場する前にルトガーはその場へ辿り着くことができた。しかし、安心するミノルを待っていたのは悲しい現実である。最初から敵の戦士に囲まれた状態では、エキドナとルトガーだけでは多勢に無勢、いくらルトガーが強くとも1ターンで殺しきれる数ではない。弓兵に狙撃され負傷したところを手斧の集中砲火を受け、西方の民衆を護る女勇者は儚くもその命を散らすこととなった。第十一章「西方の勇者(故)」とはよくいったものだ。

「島のみんな……
何があっても……
あきらめては……
いけないよ……」

・第二十四の戦死者 クレイン

 またの名を「一万ゴールド」、第十一章「西方の勇者」でエトルリアから派遣された敵の増援として登場した。
登場するや否や、実の妹であるクラリーネに弓を引くという血も涙もない行為をしておきながら、彼女から説得をうけるとあたかも気づいていなかったような白々しい態度を見せた後、こちらの味方となった。
 ミノル軍師の指示の元、彼の大きな役目の一つであるティトの説得を果たしたが、その際ティト隊の殆どは彼の弓で射殺されている。戦闘前にティト隊を気遣う発言をしておきながらこの所行である。汚いさすがリグレ侯爵家きたない。白々しくもティトを仲間にしたクレインであるが、仲間を殺された恨みだろうか、手負いのクレインは何故かティトの手で敵の攻撃範囲に置き去りにされてしまった。当然の如く飛来する手斧。運悪く直撃する白々しいスナイパー。どうやら、ミノル軍において弓兵はとことん死ぬ運命にあるらしい。弓兵を失ったこともさることながら、一万ゴールドの価値のある宝玉もそのまま消え去っていったことがミノル軍師にとっては辛い事であったようだ。

「こんなところで
倒れるわけには……
……クラリーネ」

・第二十五の戦死者 ララム

 第十一章「西方の勇者」の開始時から加入する踊り子。こちらのルートは初めてであるミノルにとって彼女の存在は新鮮なものであり、踊り子自体貴重なユニットなので失うわけにはいかないものであった。しかし、この章には圧倒的な物量を誇る増援がある。何故かその事を知っていたミノル軍師だが、たとえあらかじめ分かっていてもどうすることもできない抜き差しならない状況というものが戦場には存在する。度重なる仲間の死で戦力となる人間が殆ど失われたミノル軍では、増援の対処をしようとしても後手に回らざるを得なかったのだ。
 最初の増援は北からやって来た、食い止めようにもジリジリと攻めたてられ前線は押しやられていく。当然、総大将であるロイと非戦闘員であるララムは後退することになる。だが、ロイに抱えられ引き下がった先に待ち受けていたものは、パラディンを含む新たな増援であった。誰が騎馬相手に徒歩で逃げ切れるだろうか、一転して前線に追い込まれた彼女は背後からパラディンのぎんのやりで貫かれ、いとも簡単に死んでしまった。
 これで更にミノル軍の現状は悪化することになる。踊り子と彼女によって仲間に出来る有力な騎士すら失ったのだから。そして、この増援によって引き起こされる悲劇は彼女の死だけに止まらなかった。

「こんなところで……
ごめんなさい お義父さま……」

・第二十六の戦死者 サウル

 第十一章「西方の勇者」で軍師ミノルが最も手を焼いたのがこの数の暴力とよべるまでの増援である、ということは前述した内容からも明らかである。彼、サウルもまたその犠牲者である。ララム同様、後方が突然前線に変わったことによりソシアルナイトから集中攻撃を受け血の海に沈んだ。彼は死を目の前にしてもどこか達観した様子であったという。

「これも……運命ですか……
やれやれ……」

・第二十七の戦死者 アストール

 アストールは盗賊であるが、初期値の高さと成長のよさ、そして何より人手不足からミノル軍の主力として活躍していた。しかし、元来盗賊とは攻撃の的となりやすいもの、いくら回避が高かろうと物量の前では脆くも崩れ去る。
 第十一章「西方の勇者」で増援に周囲を完全に囲まれた彼はウェンディの壁として敵の攻撃をただひたすらに避けつづけた。きずぐすりも使い、最後の生命線として絶望的状況下でも足掻き続けたが、その奮闘も敵の目から見れば非常に脆弱なものであったようだ。最後の最後で壁越しから投擲されたてやりが彼に突き刺さり、軍の主力の一つは消え、ウェンディを護る壁も同時に崩れ落ちた。

「へっ……お楽しみは……、これからだってのによ……」
「とんだドMだぜ……」

・第二十八の戦死者 ソフィーヤ

 決意するということはなによりも重要なことである。決意を抜きにして人は先に進むことはできない。
軍師ミノルはもう誰も殺さないと決意した。パーシバルとガレット以外の戦死者はもう出ないとも言った。
しかし、その決意はいとも簡単に敗れ去ることとなった。それも考え得る限り最悪の形で……。
 ミノル軍を襲う絶望は第十四章「理想郷」より這い出てきた。最初にその舌で絡め取られたのはナバタの里の巫女ソフィーヤだった。アイテム回収を意識してか、砂嵐と砂漠により行軍が困難な中、軍師ミノルはあろう事か戦力を分散させてしまった。その結果、砂嵐に紛れた敵司祭のスリープを回復することができぬまま、多くの兵が砂漠の真ん中で眠りに落ちることとなった。ソフィーヤも例外ではない。孤立し睡眠状態に陥った彼女の前に山賊の増援が立ちはだかり、軍師ミノルは彼女の死を覚悟し諦めるより他なかった。
しかし、ミノルの予想と異なり山賊ではなく、。彼女の命はドラゴンナイトの凶槍によって奪われた。
どちらにせよ、ソフィーヤは加入と同時に軍から抜ける事になり、外伝も導きの指輪も同時に喪失する運びとなった。

「私の……未来に……
光は……ないのね……」

・第二十九の戦死者 セシリア

 低い能力でエトルリアの魔導軍将とは名ばかりと散々批難されてきたセシリアであるが、彼女には汚名挽回、名誉返上もとい、汚名返上のチャンスすら与えてもらえなかった。ミノル自身は彼女を慕っており、絶対強くすると誓っていたが、前にも言った通り、誓約や決意などというものは絶望を前にあまりの無力である。彼女は抗うことすら許されず、いとも容易くスリープで眠らされたところを、ウェンディが殺し切れなかったドラゴンマスターに狙われ、一撃で命を散らしてしまった。ソフィーヤと同じく加入と同時に死亡という悲劇。同じ魔導軍将のパントは初登場で無双をしていたが、彼女の場合正反対である。軍師ミノルの戦争史上最悪の戦いと称されるであろう第十四章「理想郷」の惨劇は未だ止まるところを知らない。更なる犠牲者がまた、一人……。

「エ エトルリアの……
未来に……光を……」

・第三十の戦死者 ティト

 スリープの魔の手は眠ってしまった仲間を助けようとした者にすら襲いかかる。ティトはその典型だ。
眠らされ傷ついたミレディを救出して戦線離脱しようとした、背後より魔導師が攻撃を仕掛ける。
ティトは魔法に強いペガサスナイトだ。仲間を抱えていても追撃すら耐えることが可能だ。
ただし、それは相手の魔法が通常の魔法である場合のみである。だが、今回は場合が違った。
翼をもぐ風エイルカリバー、通常の三倍の威力を持ったそれは宙を翔ける天馬の羽根は無惨に切り刻み、
ティトもまた同じように切り裂かれた。彼女が最後に想うのは既に逝った妹と、故郷に残した姉の事であった。

「姉さん……シャニー……
私 最後まで……頑張ったよね」

・第三十一の戦死者 ミレディ

 「ミレディを殺すな」、彼女が加入した時から多方面から口酸っぱく言われていたことである。
ミノルもそれを意識して、彼女を殺さないように最善を尽くしていたつもりであった。
ティトで彼女を救出したのも、その意識の顕れだろう。だが、時既に遅し。彼女の死は避けようがないものだった。
エイルカリバーで墜ちたティトと共にミレディも戦場に投げ出され孤立した。未だ眠ったままである。
もし起きていれば、地形は砂漠、追いすがる傭兵や魔導師を振り切ることも可能だっただろう。
しかし、現実は非情である。眠ったままのミレディは、そのまま傭兵の剣で永遠の眠りについた。
これにより、ツァイスも仲間になることはない。名実共にドラゴンナイトは全滅してしまったのだ。

「ギネヴィア様……
ご自分の……信じる……道を……
ゲイル……ごめんなさい……」

・第三十二の戦死者 キャス

 登場時からミノルにかわいいと言われ続け、三顧の礼で仲間になり、愛をもらっていたキャスも、
第十四章「理想郷」で、遂に死出の旅路を歩む羽目になった。
彼女を殺害したのは、ティトやミレディの死を決定づけたエイルカリバー使いの魔導師である。
砂漠に足をとられること無い軽装の魔導師は容易くキャスの元まで走り寄り、その首を刈り取らんと魔法を放つ。
司祭のライトニングの傷が癒えきっていなかったキャスはただの一撃で血煙と共に倒れて消えた。
チャド、アストール、キャス。全ての盗賊が鬼籍に入り、ミノル軍はどんどん追い込まれていく。

  「へへへ……
ドジっ…ちゃっ…た……」

・第三十三の戦死者 ルトガー

 第十四章「理想郷」が最悪の戦いとされる由縁がここにある。何せ彼の者が倒れたのだ。
天が墜ちてこようと敗北することは無いと考えられていた無敵のルトガーが、遂に敗れてしまったのだ。
 如何なる絶望的状況下であろうとミノル軍に勝利をもたらしてくれた鬼神ルトガーが、
クラリーネとの支援Aを持ち最強夫婦と称された名実共に軍のエースであるルトガーが、
加入以来、ボスを含み最も多く敵兵を屠ってきたミノル似で息子のルトガーが、
必殺の一撃を惜しげもなく連発し、一瞬の内で敵を全滅させる第二の剣聖ルトガーが、
逆に、敵勇者の必殺を喰らい、反撃も出来ないまま、あまりにも呆気なく死んでしまうなんて、
一体誰が予想できただろうか。一体誰が、彼無しでこの先進んでいけると考えるだろうか。
彼抜きで、ミノル軍は軍として成立するのだろうか。彼はこんな簡単に失われて良いのだろうか。
常に背水の陣を退いていたミノル軍は今度こそ完全な窮地に追いやられてしまった。
 彼を失うことは、即ち軍団を失う事と同義。ルトガーは文字通り一騎当千だった。
彼を亡くし、ミノル軍は遂に3人まで減った。もはや軍と呼ぶこともおこがましい規模だ。
一定人数保存の法則はルトガーのような無双キャラが死なないことから成立していたものである。
彼が死んだ瞬間、その法則も崩れ去った。勿論悪い方向で。もう一定人数すら残らないかもしれない。
これからしばらくミノル軍は、ウェンディとクラリーネのみを頼りに進むことになる。
彼女らも弱くはない、しかしルトガーと比べるとどうしても劣るところがある。
彼女たちはへんな主人公ロなんとかを護りきることができるのだろうか。
ミノルはこれから先に進むことができるのか。全てはミノルの手腕にかかっている。

「……ここまで、……か」

・第三十四の戦死者 パーシバル

  ララムが死んだ時からここに載るのが決定づけられていた可哀相な人。
第十五章「竜の娘」でエトルリア王家への忠誠心からリキア同盟軍ミノル小隊を後方から襲撃をしてきた。
ロイを討ち取ったり、経験値にすらならないまま討ち取られたりしたこともあったが、
最終的には早送りが終わったらマップ上から消え去っているという何とも虚しい去り方をした。
最期までエトルリアに仕え、騎士らしい潔い死に際を見せたパーシバルだが、
当のエルフィンは出撃もせずに後方で彼が死ぬのを眺めていたのかと思うと涙が出てくる。
 既に決まっていたことだが、これで名実共に騎馬ナイト系はミノルの手によって全滅した。
ランス、アレン、マーカス、ゼロット、トレック、ノア殿、そしてパーシバル。
無駄にソシアルが多いはずだったのに、その全てが失われた。更に半分以上は登場章で戦死している。
だが真に恐ろしいのは、こういった兵種の全滅がさして珍しくないという事だろう。
Pナイト、Dナイト、盗賊、傭兵、剣士、遊牧民、戦士、賊系までも同じく失われている。
うずたかく積まれた彼らの屍を踏みしめながらミノルは進む。新たな骸を積まずしてゼフィールに手は届くのだろうか、それともミノルもまた今まで散った者達と同じように倒れて腐り落ちるのだろうか、真実は未だ霧の中だ。

「わが人生に……、悔いはない……」
「……だろうな。イケメンだしな」

・第三十五の戦死者 ガレット

 第十五章「竜の娘」で唐突にやって来たスキンヘッドでコワモテの狂戦士。
リリーナが死んだときから(ry。褐色繋がりでイグレーヌでも説得できるかと思いきやそうではなかった。
良い人そうなところを見せておきながら、ておの(ずるい)を使ったり、わざわざクラリーネを攻撃して、
経験値にならないで死のうという策を立てる狡猾な一面もあったようだ。もっとも実際は彼も早送り中に死んで、
結局ウェンディの経験値になってしまっているので、その策も無駄だったのだが。
  ただですら茨の道になる寡兵での進軍にもかかわらず、仲間になる兵は逆に減るという悪循環は、
ミノル軍に更なる打撃を与えるかもしれないし、新たな難所を生むかもしれない。
だが、願わくばこの先同じく殺さざるを得ないツァイスの名前以外が此処に記されないことを祈る。
軍師ミノルの双肩には失われた者の想いと生き残った者の命が懸かっているのだ。

「ここで終わりか……
フン……くだらねえ……」

・第三十六の戦死者 ダグラス

 最後のエトルリア軍将。第十六章「王都奪還」にて多大な犠牲を払いながらも漸く王都に迫らんとするミノル軍に立ちふさがる。エトルリアに誓った忠誠の為、陛下の御身を護る為、義なき戦いであろうとも彼は闘わなければならなかった。城外へ颯爽と出陣し、ミノル軍を追い詰めたかと思ったが、クラリーネの魔法、そして成長を果たしたウェンディの一撃に不覚を取り、忠義の騎士は王都で倒れた。
 その結果として外伝という危険な章は回避できたが、仲間になるはずの将は失われてしまった。
当のエルフィンは安全圏からギネヴィアと一緒にのほほんとお茶でも飲みながら、彼の死を眺めていたわけなので、その白々しさはクレインの比ではないといえる。

「ぬうっ!
わ わしとしたことが……
不覚……」

・第三十七の戦死者 ツァイス

 ミレディが戦死した時点でドラゴンナイトは加入することがないと決まっていたが、彼の場合実に悲惨である。
第十六章「王都奪還」でいきなり仲間の兵から命を狙われたかと思うと、どこからともなく現れたゲイルと既にこの世にいない姉の話を長々とした後、突如壁を破ってきたジェネラルに必殺の斧を喰らわされ、僅か1の経験値に変化してお仕舞い、だなんて悲劇以外のなんでもない。
 ちなみに、彼の名前はツァイスだ。ヒースでもゲイルでもない。ガレットより印象が薄いと言われる辺り彼の薄幸っぷりが見て取れる。また第二十一章「封印の剣」で増援として登場し、ミノル軍を苦しめた。ただ、そのツァイスは風貌はゲイルに酷似していた為、ツァイスの亡霊なのかそれともゲイルなのかどうかは確認できなかった。

「姉さん……ゲイルさん……
おれは……」

・第三十八の戦死者 ヒュウ

 なけなしの一万ゴールドと引き替えに仲間になった魔導師。封印ハード開始前から彼を育てて使う算段でいたミノル軍師は第十七章「海の道」で彼を闘技場に通わせ経験値稼ぎをさせていた。コメントで寄せられたアドバイスに記されていた裏技(byミノル)を駆使しソルジャーやアーチャーをおいしく頂いていたが、流石はミノル軍師、
期待を裏切らない。よりによって一旦闘技場を切り上げようとした最後の締めくくりの一戦で失態を犯してくれた。
 敵はアーチャー、命中も決して高くなかったし、ヒュウの攻撃三発で死亡する相手だった。しかし、それが油断を生んだ、アーチャーは弱いと言う先入観と話しながらという状況が生み出す注意力不足、それらの要因が組み合わさりヒュウはあっさりと闘技場で死んでしまった。危険に気づいてBボタンを連打したときにはもう遅かった。ばかなやつめ、と罵る闘技場の親父の言葉がミノルの胸に深く突き刺さった。
 ただ死んだだけではなく、貴重なアイテムを持ったまま死んでしまったヒュウ。天使の衣をあらかじめ使っていればそもそもこんなことにならなかったのに。と、悔やんだしても後の祭りだ。加入しても片っ端から消えていくミノル軍のメンバーは一向に一定人数から増えることがない。出撃人数一杯で出撃することなど夢の又夢だ。

「おい……ちょっと待てよ……
オレが……じょうだんだろ……」

・第三十九の戦死者 ニイメ

「森の隠者」と呼ばれる闇魔導師。ヒュウやカナスは彼女の子孫であったがどちらも先に逝ってしまった。
方や、雪崩から村を護るため、方や闘技場での采配ミスでの事故死と死に様に大きな違いはあるが死んだことには変わりはない。 
 ニイメは加入時に「お前等の嫁」とミノルからお墨付きを貰い、神回避や杖要因、そしてある程度の戦力として役に立っていた。その彼女も幾度となくミノル軍を壊滅へと追いやった第二十章「イリア解放」で彼らの元へと旅立った。死因は長弓だが、弓が射られる状況を作ったのは他でもないミノルのミスが原因である。
運と策で敵の侵攻を食い止めたミノル軍師は気を緩めてしまい、壁となっていたウェンディに追撃を命じてしまった。それにより開いた穴をすり抜けて弓兵はスリープにかかっている手負いのニイメを襲った。結果は知っての通りだ。
 古木に代わる封印での俺達の嫁は死んだ。古木と違いニイメは一人しかいない。我々にも、ミノルにも失ったものは実に大きい。

 

「ホッホッホッ……なかなか……
楽しい……人生だったね……」

 ・第四十の戦死者 ヨーデル

 第二十一章「封印の剣」で加入。同章でミノルは慎重に進軍を進め。被害を出すことなく封印の神殿へと迫ったが、そこで予想外の出来事が起こった。ミノルの警戒していたツァイス ゲイルの増援と共に、ドラゴンナイトの一団がロイやヨーデル達後方支援組の近辺から湧いて出てきたのだ。ロイを護るため自ら矢面に立ったヨーデルはドラゴンナイトの攻撃を華麗に回避するものの、ドラゴンマスターのぎんのやりで突き刺された後、寿命を迎えた。

「こ…これまで……
ですかな……
ロイどの……『竜』のこと……
世界のこと……たのみましたぞ」

・第四十一の戦死者 ファ

 どうしてこのようなことになったのだろうか。彼女がミノル軍に加入した時を回帰してみよう。
 彼女がナバタの里を抜け出して、助け出されても従軍を望んだのは好奇心からだろう。ファは何も知らなかった、ミノル軍の惨状、そして死亡率の高さを。だからこそ、ミノルは加入時に彼女を止める素振りを見せていた。自殺志願者じゃないのだからこんな軍に入らないほうが良い、と。しかし、結果としてファは戦力に加えられたし、成長率やイグレーヌとの支援も相まって充分に活躍していた。そして、最終的にはミノル四天王と名付けられるまでになっていた。だが、その発言の直後、事態は一変した。第二十一章「封印の剣」、章も後半での出来事だ。
 ツァ……ゲイル達を退け勝利を確信したミノル。しかし、増援はまだ終わっていなかった。急遽ロイを避難させ、ファとイグレーヌで道を塞いだがそれがいけなかった。ドラゴンナイトの攻撃はまだ良かった、支援と高い技から繰り出される必殺の恩恵もあり、ドラゴンナイトはファの脅威たり得なかった。しかし、ドラゴンマスターはそう簡単にいかせてはくれなかった。ご存じの通り竜であるファは神竜石を使うことにより能力を大幅にアップさせる。勿論その対象に含まれないものもある、それが速さだ。ただでさえ速さの伸びが芳しくなかったファはドラゴンマスターの追撃を受けてしまった。いくら神竜といえどもまだ成長しきっていないその身体ではドラゴンマスターの攻撃を二度も耐える事はかなわない。竜の少女は力を失い倒れ、もう二度と起き上がることはなかった。
 こうして、彼女も遂にここに名を残すことになった。 この大戦における最後の戦死者である。

「くすん……
こわいよ……」

 以上四一名の散華をもってして軍師ミノルはこの戦乱を征した。輝かしい栄光の裏には彼らという尊い犠牲があったことを忘れてはいけない。

 闇に閉ざされた道を切り開く為に散った命があるのならば、戦い抜いてその道の先に辿り着いた者もまた存在する。逝った者の遺志を継ぎ、絶望の果てに勝利を掴んだ彼らを神将を継ぐ者としてここに記す。

~ 『英雄』の名をつぐ大器 リキア同盟軍総大将 ロイ ~

 物語の主人公にして、おそらく最も戦場で足をひっぱった存在。序盤のうちはよかったものの、章が進むにつれて、クラスチェンジの遅さのお陰で敵の強さに対抗できなくなり、専らお使いや荷物持ちをやらされていた。お陰でミノルからは「弱い」「使えない」「へんなしゅじんこう」「ゲームオーバー要員」とボロクソ言われることになった。マリナスと共に後方で夕飯の準備に勤しむ姿は彼の父親であるエリウッドを彷彿させる。戦闘で使えなくなり、後方支援に回され、使えないと揶揄されるミッキー声の赤髪というのがフェレの血統なのだろうか。
 しかし、そんなロイにも最後の最後で転機がやってきた。数多の犠牲の果てにクラスチェンジを果たし、ねんがんの封印の剣をてにいれたのだ。最強武器の担い手となったロイは次から次へと敵のトドメを掻っ攫い、最終的にはゼフィールと一騎打ちが可能なまでの水準へと成長を果たした。それでも、ミノルのロイに対する評価は「かっこいいけど、キモい」「封印の剣『が』強い」と相変わらずだったという。
 厳密にいうと、ロイはこの戦いを生き残ったわけではなく、死んだらゲームオーバーになる以上、クリア時に生存せざるを得なかっただけである。単純な敗北回数で言えば七敗とマリナスに次いで二番目に多い。臣下も全滅し、将来をフェレを統治し守るのが彼とエリウッドだけだと考えると民衆はぞっとしない思いだろう。

~ 軍師ミノルの『切り札』 リキア同盟軍の鉄壁兼輸送隊 マリナス ~

 決して死なないという仕様と敵に狙われやすい事を利用して、一章に一回のみあらゆる攻撃を肩代わりし仲間を護る虎の子の戦法「マリナスガード」でミノル軍を幾度となく窮地から救ってきた男。また、ヘクトルから続く、グーフィ声の継承者でもある。本来なら戦力がある程度充実してきた時点で戦場から姿を消すはずのマリナスだが、戦力の充実なんていう言葉と無縁のミノル軍では加入以来毎回出撃していた。たかがマリナスと侮る無かれ、戦場で輸送隊を自由に使えるということは戦略の幅を大きく広げる。前述した「マリナスガード」はもちろんのこと、後半になるにつれ生じた出撃人数の少なさから引き起こされる慢性的な物資不足を支える為の補給として大きな役割を果たし、彼無しでは武器や杖が無くなり詰むであろう章も少なくなかった。特に二十一章や二十二章は補給の重大さを顕著に表している。惜しむらくは烈火の剣と違い封印の剣ではマリナスに支援会話が存在しなかったことだろうか。
 マリナスもロイ同様、生き抜いたのではなく、死ねなかっただけである。ただ、死ぬと同時にゲームオーバーになるうえに、そうなって欲しい場面では生き延びるロイと自己犠牲で仲間を護りつつ、影で軍を支え続けたマリナスを比べるのは些か失礼というものだ。彼の敗北は有意義な敗北なのだから。

~ ミノル三運将の一人 元魔導軍将の娘 クラリーネ ~

 圧倒的な回避力と高い機動性で戦場を駆けめぐり、回復から攻撃両方をこなした万能選手。序盤から終盤まで、終始ミノル軍に貢献し続けた。西方三島で生死を分ける極限状況に追い込まれLV19でクラスチェンジをせざるを得なかったが、それでも優秀な親を持つが故だろうか現魔導軍将を軽々と追い抜く成長を果たし、支援Aを付けたルトガーと共に最強の一角を担っていた時期もあった。ルトガーが戦死して支援効果がなくなり、なおかつ敵が強くなるにつれて、絶対の回避では無くなり、敵の攻撃にあたることも増え始めた。あわや、という場面もあったが、ミノルは持ち前の運で彼女を最後まで生き残らせることに成功した。仲間が次から次へと死んでいくなか、最後まで回復役である彼女を残せたことは非常に大きく、ミノルも途中で彼女がリタイヤしていたのならクリアなど不可能だったと発言している。
 想い人や敬愛する兄を失っても健気に戦い続けるところが涙を誘う。そもそもミノル軍は家族や恋人、友人、臣下を皆殺しにされている者ばかりで構成されているので、彼女のような境遇の人物は少なくない、とういうより生き残った全員がそうだ。まだクラリーネには両親のパントとルイーズが健在であるので良い方なのだろう。ちなみに、ミノルの嫁である。

~ ミノル三運将の一人 オスティア唯一の生き残り ウェンディ ~

 ミノルの嫁。加入時はあまりにも貧弱だった彼女を成長させようとミノルは沢山の愛を彼女に注いだ。弓兵を囲いそれを突かせて経験値を稼ぎ、レベルを上げていく。ただですら辛い戦況の中行われるその作業は当然多くの犠牲を伴った。弓を囲う際に倒れた仲間やまたその死により犠牲となった者は実に多い、その第一の犠牲者がミノルが最も愛した女性、シャニーである。そういった多くの尊い命、敵と味方のエーギルを吸ってウェンディは亡きルトガー取って代わるまでに成長した。ウェンディはまさに、仲間の死をチップにして先に進むミノル軍を体現しているのではないか。最も多くの回数戦い最も多くの敵を屠った彼女は仲間の死を無駄にはしなかった。兄も仕えるべき君主も喪失し、それでもなお闘う意志を無くさなかった。そして最後の最後で今まで失った者達との約束を果たしたのだ。ゼフィールを倒したのはウェンディだけではない。彼女と彼女に託された多くの仲間達の遺志が為した事だ。皆の信念が必殺の槍と共に国王を貫いた。二代連続ミノルの封印の剣はウェンディのクリティカルで幕を閉じたのだ。
 ウェンディの公式イラストの鎧がドット絵と比べて貧相であることについて、ミノルはこれじゃソルジャーみたい、アーマーナイトってガンダムみたいなものだと思っていた、と発言していたが、なるほど確かにこのラストはZ、いやVガンダムだ。既にその時点でラストの展開まで見抜いていたとは流石乱数すら読む軍師。侮れない。

~ ミノル三運将の一人 ナバタの守り手 イグレーヌ ~

 人妻だが、アストールは既に死んでいたので未亡人。そして最終的にはミノルの嫁となったスナイパー。速効で弓を使える者が居なくなったミノル軍に加入した。夫と娘は遠いところに行っており、その心の穴を埋める為か、ファを実の娘のようにかわいがっていたが封印の神殿の前でそれすら奪われてしまった。同時に、支援効果も失ったが彼女の弓は最後まで冴え渡り、唯一手に入れた神将器の担い手としても活躍をした。その二十二章では幾度となく死線に晒されたが、そのどれも見事な回避で命を繋ぎ、ゆうしゃの弓、長弓、ミュルグレなどを使いこなしあらゆる局面で重要な役割を担いミノル軍を勝利へと導いた。今まで辛いことしかなかったのだから、独りナバタの里へ帰った彼女に幸せが訪れることを切に願う。

 以上五名が最後まで戦い抜いた将達である。僅か五人。非戦闘員であるマリナスを除けば四人だ。そんなドラゴンクエストの様な人数で軍師ミノルは帝国ベルンを陥落させた。水竜の姉弟にまつわる動乱、そして魔竜にまつわる今回とふたたび世界に平穏をもたらした名軍師ミノル。戦争が終わると突如姿を消した彼はマギ・ヴァル大陸へと降り立ったのだが、それはまた別のお話。

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