銀の弾丸 単語


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ギンノダンガン

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銀の弾丸(英:Silver Bullet)とは、存在しない物である。

概要

社会や国家、また個人において解決困難な問題というのはどうしても発生してしまうものである。

そのような時、「ああ、こうできたら楽なのになあ」と夢想して現実逃避を図ってしまうのは誰しも一度は経験があることと思われるが、そんなものは存在しない、又は存在しても実現性がないことは読者諸賢ならばおわかりだろう。

そういう、こうできたら楽なのになあという夢想の一つの比喩として、銀の弾丸という言葉が存在する。これは、元々欧州において狼男や魔女といった化け物を退治できると信じられていたアイテムで、これを撃ち込めばたちどころに始末できるという願いをこめてつくられた比喩である。

なぜこんな誤解が生じたかといえば、銀には強い抗菌作用がある他、相続の粉の異名を持つ毒物・硫化ヒ素に対して黒く変色する性質を持っており、未知の存在(≒死をもたらす何か)に対抗する手段として経験則的にありがたがられた為である。

『銀の弾などない』論文

ソフトウェア開発において多く使われる比喩でもあり、初の画期的なOSとして知られるIBMシステム360(OS/360)を作り上げた最高責任者として知られるフレデリック・ブルックスがその経験を下地にして、1986年に著した論文『銀の弾などない― ソフトウェアエンジニアリングの本質と偶有的事項』(原題:No Silver Bullet - essence and accidents of software engineering)で用いられたことで広く知れ渡ることになった。

彼は、平たく言えば従来の分業やプレハブ工法のようなノリで、ソフトウェアの開発も大人数でやればその分短縮できるという人月神話に対してそんなことは起こらないし、それを実現させるような「銀の弾」は現段階では存在しないと看破している。

そこから、ソフトウェア開発においては抱えてる問題を一挙に解決できるような「銀の弾丸」は存在しないという意味合いで用いられることがある。

実際の銀の弾丸

銀は言うまでもなく貴金属に属し、金に比べて安価とはいっても数が正義の兵器・武器においてはそうやたら使えるものではない。それなりの剛性はあるので弾丸にできないことはないが、コストを犠牲にして作ったところで銃弾に盛んに使われている鉛より比重が軽いために殺傷力を得られるわけでもない。

比重の軽さを利用して初速の早い弾として使うにしても銀よりも使い勝手が良い金属は鋼鉄や真鍮をはじめ豊富に存在するので、武器として銀の弾丸を敢えて使う合理性はあまりないといっていいだろう。

だが概要に書いた通り魔女や狼男を撃退する魔除けとして一部では今も信じられているため、お守り代わりに持っている人は存在する。

関連項目

  • 慣用句
  • ソフトウェア
  • OS
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