霧島(艦これ)とは (キリシマとは) [単語記事]

「マイク音量大丈夫？チェック、1、2。よし。はじめまして、私、霧島です。」

霧島(きりしま)とは、大日本帝国海軍金剛型高速戦艦4番艦「霧島」をモデルとした艦娘。
CV：東山奈央
黒髪ショートの眼鏡っ子。

霧島艦隊、出撃します！

モデルとなったのは金剛型戦艦4番艦・純国産戦艦の「霧島」である。
艦名は宮崎県と鹿児島県の県境に存在する霧島山からとられた。
英国のヴィッカース社で建造された「金剛」の設計図を基に、同型3番艦「榛名」に一日遅れ、三菱合資会社三菱造船所で起工。
同型、かつ民間造船所、工期も近い「榛名」とは競い合うように建造された。

その後、二度の改装を経て速力約30ノットの高速戦艦として生まれ変わる。
艦齢が高いことも逆に幸いして、姉妹艦の比叡と共に第3戦隊第2小隊を編成、機動部隊の随伴護衛艦として太平洋戦争開戦時から活躍した。

第三次ソロモン海戦にて米戦艦「サウスダコタ」「ワシントン」と砲撃戦を行い、「サウスダコタ」を射撃不能・戦線離脱に追い込むも、「ワシントン」にレーダー射撃を受け艦橋大破・大炎上を起こし、舵取り室も破壊されたために人力で操舵を行いながら戦線を離脱。消火に成功したものの機関科員のほとんどを失うなど被害は甚大。
岩淵三次艦長により、総員退艦・キングストン弁解放が命じられ、サボ島の11マイルほど西方にて沈んだ。
1993年の海底調査により、水深900ｍの深さに転覆している「霧島」の艦体が発見されている。

なお、この海戦は太平洋戦争で唯一戦艦同士の砲撃戦が行われた海戦であり、「霧島」は、戦艦の攻撃で沈んだ最後の日本戦艦となる。

余談ではあるが、現在海上自衛隊が保有しているイージスシステム搭載護衛艦「こんごう」型の2番艦「きりしま」は同じ造船所（三菱重工業長崎造船所）で建造され、名前を受け継いでいる。

艦これの概要よ！さて、どう出てくるかしら？

金剛型四姉妹はアンテナを模したカチューシャ、神官服と巫女服を合わせたような上衣にフリル付のミニスカートという服装であり、スカートの色がそれぞれ異なるが、霧島のスカートの色は黒にも見えるダークグレー。
黒髪・ショート・眼鏡という三種の属性をもち、しっかり者の性格、立ち絵も眼鏡をくいっと直す仕草をしていることから、受ける印象はいわゆる「委員長」のそれ。「武闘派」な史実から一転、頭脳派キャラになったのは海自イージス艦「きりしま」に名前が受け継がれたからか。鳥海もメガネキャラだしね。
また、バストは実際豊満である。

年長組でありながらもはじける長女金剛、お姉さまLoveの次女比叡に対し、三女榛名とともにブレーキ役として苦労している様子が公式web漫画で描かれている。ばあああああああにんぐぅ！らああああああああぶ！

九一式徹甲弾が装備できないなど攻撃力は若干低めな「金剛型」ではあるが、それはあくまで「戦艦としては」であり、十分な火力を持ちながらも出撃コストは比較的安め、速力は高速、回避は高めとどんな艦隊に入れても活躍してくれるだろう。

あと霧島のことをメガネとか言ったやつは一緒に工廠裏な。

二次創作では

公式web漫画と本人の自称によると上記の通り頭脳派でお姉さん系キャラなのだが、史実の「霧島」は敵戦艦の至近距離にまで接近しカチコミ、ン十発命中させて戦闘不能に追いやるという武闘派であったという記憶が掘り起こされてしまった。世にも珍しい戦艦vs戦艦の殴り合いをリアルでやらかしたのは霧島だけ！

そんな事情から、頭脳派なのは表向きの顔であり、その実凶暴な獣が中に隠れている･･･などと言うイメージが想像され、「眼鏡を壊されるとブチ切れる」「殴り込みシーンを見られて誤解＋謎の畏敬の念を持たれる」などと言ったキャラ設定が作られている。

挙句の果てに特攻の拓の1コマから「マイクチェックの時間だコラァ！（オラァ！）」というコラが作られたりする始末で、一部では「霧島ネキ」「インテリヤ○ザ」という通称で通ってしまっている。
二次創作世界では理想と現実の違いに日々苦労しているようだ。

※純粋にお姉さんな霧島さんに甘えたい提督諸氏には受け入れられない事もあるネタなのでTPOを弁えるように！

余談だが、宇宙戦艦ヤマトの沖田十三艦長の有名なセリフ「バカめ、と言ってやれ」がパロディとして採用されてしまっていた場合、霧島のヤクザイメージはより強固なものとなってしまっていただろう･･･。
高雄さんの記事が詳しいが、このセリフを発した時に沖田が乗っていた艦がなんと「金剛型宇宙戦艦キリシマ」だったのだ。

殴りあい補足

米軍側資料によれば42発あるいは27発の命中弾中、霧島の命中弾数は米艦船局調査では一式徹甲弾が1発。
「さすがにそれはおかしい」と研究家が再調査を行ったところ、三式弾2発、通常弾2発、徹甲弾2発の計6発であった。残りは愛宕と高雄の20.3サンチ砲弾によるものだった。

一方的なタコ殴りの割りにはちょっと物足りない結果であるが、これは撃ち始めの多くが三式弾であったことが関係しているのではないか、との指摘がある。
普通の砲撃では装甲を貫通した上で炸裂するよう信管に遅動がかかっているため、外れた砲弾は水柱を上げ、通常はそれを観測しながら砲撃諸元を修正する。ところが三式弾を対艦用に撃つと瞬発信管のため水面に落ちた途端に炸裂、三式弾の特性も合わせて盛大な爆炎が発生する。夜間ともあってこれを命中弾と誤認してしまったため、適切な修正が行われなかったのではないか、とのことである。
次々と命中の爆炎が上がったとする霧島生存者の証言、また上空で観測しだいたい命中と報じた霧島の飛行長の証言などとも符合する話である。
霧島さんがメガネをかけるようになったのは、この時の誤認を嘆いてのことなのかもしれない。

いずれにせよ致命傷を与えるには至らず、また接近するワシントンにも気づかなかったことなど、中破時の計算ハズレを嘆くのはこれらが元ネタかもしれない。
加えて連合艦隊参謀長が米戦艦の存在を示唆し、昭和天皇も自ら日露戦争における戦艦「初瀬」「八島」沈没の惨事の前例を挙げて用心を勧告したにもかかわらず、油断、慢心の解けない司令長官と作戦参謀に押し切られ、これらの存在を無視する形で、徹甲弾を即応装填せずに出撃する羽目になった「不憫キャラ」なのかもしれない。