個人や国家の愚かさ、社会の罪悪、政治の欠陥などを指摘・嘲弄する表現のことで、
主に言葉(文章)のほか、絵画・劇・映像などで使われる。
「遠回しに批判すること」という部分は「皮肉」とも共通するが、
「皮肉」が意地悪く辛辣に批判することを意味するのに対して、
「風刺」は、嘲笑的な批判であることが多い。
日本の有名な風刺作品といえば、芥川龍之介の「河童」があげられる。
この作品は、ある精神病患者が河童の国に迷い込んだときの回想からはじまるが、
人間世界とかけ離れた河童たちの価値観を描写することで人間社会を風刺しているものである。
風刺する対象、そしてその表現方法によっては、ときに侮辱と受け取られて問題になることも。
そうした事例としては、2015年にフランスのパリで起きた「シャルリー・エブド襲撃事件」が記憶に新しい。
2015年1月7日にフランスの風刺新聞「シャルリー・エブド」がイスラム過激派を挑発する風刺画を掲載したところ、
武装した覆面姿の犯人が「シャルリー・エブド」本社を襲撃し、12人を殺害した事件である。
この事件を受けてフランスでは、犠牲者の追悼とともに表現の自由を訴える集会が行われたが、
一方で、「シャルリー・エブド」がたびたび掲載する過激な風刺画はヘイトだという批判の声もあり、
その線引きの難しさをあらためて露呈した事件だといえる。
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最終更新:2024/04/24(水) 22:00
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