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風疹(ふうしん)とは、風疹ウイルスによる感染症である。三日はしか(三日ばしか)とも。
風疹(Rubella)は、風疹ウイルスに感染して起こる感染症。2~3週ほどの潜伏期間を経て、発熱、発疹、リンパ節腫脹、関節炎などを呈する。予後は良好だが、まれに血小板減少性紫斑病や急性脳炎などを合併し、入院が必要になる場合がある。とくに、妊娠初期の女性が罹患すると、胎児に重大な障害を与えうる。
先天性風疹症候群(CRS:Congenital rubella syndrome)は、胎児が風疹ウイルスに暴露することで引き起こされる症候群。風疹ウイルスに免疫のない母親が、妊娠初期に風疹に罹ることに起因する。出生児の三大症候は、心疾患、白内障、難聴。ほかに網膜症、肝脾腫、精神発達遅滞、血小板減少、小眼球症などがある。
風疹ワクチンの接種を受けていない人、あるいは経年によって抗体価が低下した人を中心として、数年おきに大規模流行している。近年では2012年ごろ、2018年ごろに全国的な流行がみられる。また、風疹の流行と先天性風疹症候群の発生は相関している。
三大症候は発熱、発疹、リンパ節腫脹だが、これらの症状は必ず表れるものではなく、臨床症状のみで診断することは困難。集団内における流行、風疹IgM抗体の検出、ウイルスの同定、ウイルス遺伝子の検出、抗体陽転、抗体価上昇などが診断に有用。ウイルス遺伝子の検出は早期診断に有用だが、実施できる医療機関が限られており、一般的ではない。
対症療法のみ。発熱や関節炎に対し、解熱鎮痛薬を投与する。血小板減少性紫斑病を合併した患者には、副腎皮質ステロイドや免疫グロブリンの投与を行う場合もある。風疹ウイルス感染そのものに対する特異的な治療法は確立されていないため、ワクチン接種による予防が肝要となる。
風疹ワクチンの接種が有効。麻疹ワクチンを混合した麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)は日本でも承認されている。海外では、さらに流行性耳下腺炎(おたふく風邪)ワクチンを混合した新三種混合ワクチン(MMRワクチン)の接種も実施されている。ただし、生ワクチンなので、免疫機能が著しく低下している場合、接種は避ける。先天性風疹症候群の防止のため、妊娠中の女性への接種は禁忌。また、接種後は妊娠を避ける必要がある。風疹が流行すると、ワクチンの供給が追い付かなくなることがあるため、早めに接種すること。
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最終更新:2025/12/10(水) 03:00
最終更新:2025/12/10(水) 02:00
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