『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』とは、手島史詞によるライトノベル作品である。イラスト担当はCOMTA。
概要
HJ文庫より刊行されている作品。魔術師ザガンと奴隷エルフのネフェリアの恋愛を描いたファンタジーラブコメである。コミックファイアにて、板垣ハコによるコミカライズも連載されている。
公式及びファンからの略称は「魔奴愛」。
あらすじ
悪の魔術師ザガンは、今日も今日とて魔術の研究をしながら領内の賊をぶちのめしていた。そんなある日、悪友の誘いで闇オークションに参加した彼は、そこで商品として出品されていた奴隷エルフの少女に一目惚れしてしまう。財産をはたいて奴隷を購入し、二人きりの生活が始まったものの、不器用で口下手なザガンはどう接すればいいのか分からない。
好きな女の子と会話するのって、どうすればいいんだ・・・―――!
登場人物
ザガンとその関係者
- ザガン(CV:内田雄馬)
主人公。黒髪と銀色の瞳、そして何より悪人面が特徴の魔術師の青年。元は浮浪児で、悲惨な生活を送っていた。ある時魔術師に捕まり生贄にされそうになったが、咄嗟に相手を殺して魔術師になった過去を持つ。育った環境故にややコミュ障気味で口下手のため、普通に喋ればいい所を悪人めいた言い回しになってしまい、他人に誤解されやすいのが玉に瑕。本人もそれは自覚しており、喋った後に後悔する事もしばしば。敵対者の命を奪う事にはためらいがなく、お世辞にも善人とは言い難いが、人を殺して快感を得るような卑劣漢ではない。
悪友バルバロスの誘いで参加した闇オークションで奴隷エルフのネフィに一目惚れし、財産をはたいて購入。以降は彼女のために行動するようになる。上記の性格と童貞故にネフィへの対応に苦心しているが、ネフィ達との関わりを通じて少しずつ他者愛を学んでいく。魔術師としては紛れもなく天才で、魔王マルコシアスの死後、空白となった魔王の座に迎えられた。しかしそれで満足することなく、魔術の研究・開発・改良に余念がない努力家でもある。相手の魔術を「喰らい」自らの魔術に変換してしまうのが最大の特徴で、「魔術師殺し」の通り名を持つ。
魔王ビフロンスとの抗争を経た後は、ゴメリを始めとした多数の魔術師に慕われるようになり、配下として自らの居城に住まわせている。
- ネフェリア(CV:雨宮天)
ヒロイン。愛称はネフィ。死亡した魔王マルコシアスの遺産として闇オークションに出品されていた白髪のエルフの少女。華奢な体つきだが、胸は大きい。当初は生きる希望を失っており感情も乏しかったが、ザガンの不器用な優しさに触れ、少しずつ彼に惹かれていく。元奴隷のため、逃走防止用の首輪を付けられていたが、ザガンによって外された後も「二人の初めての繋がりだから」と望んで首輪を付けている。婚約指輪としてはあまりにも物騒すぎる
純粋で心優しく、ザガンと違って社交的なため、キュアノエイデスの街の住人からも人気がある。ザガンとネフィの不器用ながらも微笑ましい様子は街の名物と化しているほど。荒れ果てていたザガンの城を人が住める環境に整え、料理もできるなど女子力も高い。ザガンから直々に魔術の手ほどきを受けている他、願うだけで万物に干渉し様々な奇跡を起こす「魔法」を行使する事ができる。
しかし同族からはその力と白髪故に「呪い子」と忌み嫌われ虐げられてきたという、ザガンに負けず劣らずヘビーな過去の持ち主。
- バルバロス(CV:古川慎)
ザガンの悪友。ワカメのような髪型と目の下に隈があるいかにも不健康そうな青年。お調子者な性格で、しょっちゅうザガンにちょっかいを出している。人間としては紛れもないクズだがどこか憎めない所がある。ザガン同様優秀な魔術師で、魔王候補の一人として名を連ねており、空間転移や召喚系の魔術が得意。彼がザガンを闇オークションに誘わなければネフィとの出会いもなかったので、そういう意味では恋のキューピッドとも言える。魔術師としての通り名は「煉獄」。
かつて生贄にされかけたザガンが殺した魔術師はバルバロスの師匠であり、いずれは師匠を殺して知識や財産を奪う予定だった。それをザガンに掠め取られた形になるため、内心ではザガンを憎んでいる。ザガンがネフィに好意を抱いていることに気づき、彼女とそこに居合わせたシャスティルを誘拐。しかし、ネフィの口からザガンが魔王に選ばれた事を告げられ、魔王になるという目的が果たせなくなった事に激しく動揺する。怒ったバルバロスはネフィを殺害しようとするが、駆け付けたザガンの逆鱗に触れ完膚なきまでに叩きのめされた。その後は今まで通りザガンの悪友として振舞っているが、ぞんざいな扱いを受ける事が増えた。ザガンからの依頼でシャスティルの護衛をしているが、その際の定位置はよりによってシャスティルの影の中(=スカートの真下)である。本人曰くシャスティルは好みのタイプではないとの事だが、無意識の内に彼女に好意を抱いていく。
- マニュエラ
キュアノエイデスの街で服屋の店員をしている翼人族の女性。明るく社交的で誰とでも友達になれるタイプ。ネフィにとっては初めての友人であり、ザガンからも信頼されている。しかし無類の可愛いもの好きであり、隙あらばネフィにとんでもない格好をさせようとするので、その点については警戒されている。
- ウォルフォレ(CV:長縄まりあ)
甲冑の上にローブを纏い、素顔を竜のような兜で隠した魔術師で、魔王候補の一人。ザガンを倒して魔王の座と力を奪うため戦いを挑むが、ネフィとの食事を邪魔されて怒ったザガンにワンパンされた。魔術師としての通り名は「亡霊」。
その正体は竜で、賢竜オロバスの娘。父親は既に他界している。竜としてはまだまだ幼く精神的にも子供だが、それでもザガン達よりは長く生きている。普段は人の姿をとっており、その際は見た目10歳程度の、緑の髪に2本の角を生やした幼女となる。ザガンに挑んだ罰としてネフィの手伝いをさせられているうちに、自分に寄り添ってくれる二人に心を開いてゆき、後に二人の養女として迎えられた。愛称は「フォル」で、ザガン達からは専らそっちの名で呼ばれている。
父オロバスが聖騎士に殺されたと思っているため、聖騎士を激しく敵視していたが、それは誤解であり、聖騎士達と共に魔族と戦い、死闘の末に相討ちとなったのが真相であった。誤解が解けた後は聖騎士を敵視する事もなくなった。
- ゴメリ
魔王候補に名を連ねていた魔術師の一人。肉体年齢を操作する術に長け、幼女から妖艶な美女、果ては老婆まで様々な姿を持つ。希少種族の血を引いており、見た物を塵に変えてしまう「バロールの魔眼」の持ち主。「愛で力」なる物を提唱し、可愛いものを愛でる事に心血を注ぎ暴走する困ったお婆ちゃん。マニュエラとは互いを「同志」と呼び合う間柄。混ぜるな危険
魔王ビフロンスの夜会では、彼の産み出した「泥の魔神」に対抗するため、キメリエスや他の魔術師共々ザガンと共闘。勝利後は生き残った魔術師共々ザガンの傘下に入った。魔術師としての通り名は「妖婦」。
- キメリエス
魔王候補に名を連ねていた黒獅子の獣人。愛称はキメリ。キ メ リ は 通 さ な い
獰猛そうな見た目に反して温和な性格で、暴走するゴメリのストッパー役になることが多い。作中のキャラの中でも随一の身体能力の持ち主。ゴメリとは昔馴染みであり、ビフロンスの夜会では彼女を背に乗せて戦っていた。魔術師としての通り名は「黒刃」。
教会所属者
- シャスティル・リルクヴィスト(CV:Lynn)
教会に仕える聖騎士の一人で、13歳という若さで聖剣に選ばれ、聖騎士長の地位まで上り詰めた少女。聖剣所持者では唯一の女性。その実力は伊達ではなく、ザガンもまともに戦えば苦戦は免れない。魔術師討伐の際、不意を突かれて返り討ちに遭った所をザガンに助けられた事があり、自らの職務とザガンへの想いの狭間で葛藤している。凛々しさを身に纏い、騎士に相応しい正義感と、聖職者に相応しい優しさを胸に秘めた聖騎士の鑑というべき存在。所持する聖剣は「アズラエル」。
しかし職務外では不器用、泣き虫、子供っぽいなど作中随一のポンコツで、ザガンやネフィどころか、フォルにすら呆れられる始末である。魔術師を悪とし、その討伐を行うのが教会だが、シャスティルはその在り方に疑問を抱いており、それが原因である人物に暗殺されかける。しかしザガン達のおかげで一命を取り留め、魔王殿の戦いでは共闘。全ての魔術師を悪とするのではなく、時には手を取り合う「共生派」として教会の在り方を変えていく事を誓った。
- ラーファエル・ヒュランデル
聖剣所持者の一人で、これまでに499人もの魔術師を屠ってきた壮年の男性。その経歴から魔術師はおろか教会関係者からも恐れられている。強面と屈強な体、そして何よりザガン以上に口下手なのが相まって誤解されやすいが、実際は温厚で誠実な人物である。その口下手っぷりが致命的なレベルなのだが。勿論本人にその自覚はない。意外にも家事が得意で、作者によれば料理の腕はネフィを凌いで作中トップとの事。所持する聖剣は「メタトロン」。
フォルから親の敵として狙われていたが、フォルの項にある通りオロバスの死は魔族との戦いが原因である。その戦いで共闘し、致命傷を負ったラーファエルは、そう遠くない未来に魔族が再び現れる事を危惧し、その時に備えるべくやむなく斃れたオロバスの血を啜り生き延びた。その様子をフォルが目撃し、誤解が生じたというのが真相である。
シャスティルが教会に異を唱え聖剣を剥奪された際は、彼女に聖剣が戻るよう働きかけ、魔王殿の戦いでは身を挺してフォルを庇い左腕を失った。その後はシャスティル暗殺未遂事件の犯人を粛正し、聖騎士長を辞職。フォルにも許され、彼女の願いもあってザガンの城で執事として働くことになった(表向きには死亡扱い)。
魔王
用語
- 魔術師
魔術を行使する者。魔術のために罪のない人を生贄や触媒にする者もいるため、世間一般では悪人という認識であり、教会からは討伐対象にされている。
- 魔王
「魔」術師の「王」で魔王。全部で13人いるが、物語開始時点ではその内の一人マルコシアスが死去したことで空席ができている。後にザガンがそこに迎えられることとなった。
- 教会
一般的な教会のイメージに加え、魔術師を「悪」とし、その討伐を行う組織。一般人を魔術師から守る盾ではあるのだが、その代償として高い寄付金を要求するため不満を持たれているのも事実である。
関連静画
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原作

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コミカライズ
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関連リンク
関連項目
- ライトノベル
- ラブコメ
- ここに式場を建てよう
- 魔王