30 MINUTES MISSIONSとは、バンダイスピリッツから展開されている量産機(量産型ロボット)プラモデルである。略称は30MM。
所謂ロボットプラモデルのひとつ。サイズは1/144。フレームアームズやダンボール戦機のように「ロボットとカスタマイズパーツを組み合わせて自分だけのロボットを作ろう!」というコンセプトのプラモデルである。
特筆すべきは
をコンセプトに据えていることであり、長年プラモデルを提供してきたバンダイの高い技術によってこれらがバランスよく両立されている。
これまで様々なロボット作品を彩ってきた量産機。主役のようなヒロイックな機体より、地味でも堅実な量産機にロマンを感じるファンも多く、商品化の機会も多い。
さて、そんな量産機商品の楽しみ方には、大きく二つのタイプがある。
1については、単に複数買えばよいだけの話で、商品によってはセットで販売されていたりもする。
2もロボットプラモデルの王道ともいえる楽しみ方。そのまま組み立てるのではなく、工夫やアレンジを施して自分だけの作品を作ること。これはモデラー誰しもが抱く夢であり、模型誌の作例やコンテストなどで頻繁に見られる題材である。
とはいえ、これらの楽しみ方には大きな壁がある。
1の壁は、当たり前だが複数分のお金がかかることと単純に複数作るのが面倒ということである。人によっては両腕作るのでさえ面倒だと感じるのに、2体3体作るのは億劫。買ったはいいが1体作るだけ満足して残りは積んでしまう...なんてことも。
2は個人のセンスと技術の問題。なかなかカッコいい改造ができない、頭に浮かんでもいざ形すると微妙...ということはよくある。画一的なはずの量産機に個性を求めるという、一見矛盾したことをモデラーは指向する。
つまり、「たくさん作りたいけどお金と時間がかかるし面倒」、「量産機だけどユーザーのオリジナリティも欲しい」というニーズが存在する。
30 MINUTES MISSIONSはこれらのニーズに着目し、量産機を気軽に遊びつくせるような商品として企画されている。
簡潔に言えば「ゴーグル顔の角ばったロボット」や「モノアイの無骨なロボット」のようないかにもどこかでみた量産型チックなデザインをしている。さらに複数のカラーバリエーションをラインナップするなど量産型のお手本といえる展開をしている。好きな色を買うのもよし、複数カラーを混ぜるのもよし。色プラとモールドにより、スミ入れだけでも十分かっこよくなる。また、合わせ目もモールド化され目立ちにくい。
デザイナーはガンダムシリーズを始めとしたロボットデザインで有名な海老川兼武。デザインがシンプルなこともあり、可動範囲も広い。
ランナーのパーツ配置に工夫が施されており、上から頭、胸、腕、腰、脚の順に一か所にまとまっている。これによりいちいちパーツを探すという手間が削減された(ダンボール戦機やHGACリーオーなどで培われた技術)。腕や足は左右で同じパーツを用いているため、片方作ればもう片方はよりスムーズに作ることができる。肘や膝は後ハメできる(HGACリーオーと同様の構造)。
前述したとおり、複数のカラーバリエーションをうまく混ぜるだけで簡単なカスタムができる。また、オプションアーマー(装甲)やオプションウェポン(武器)なども展開されており、これらを組み合わせることで近接機/狙撃機/指揮官機などを作ることができる。関節パーツは共通であり、異なる機体のミキシングも可能。また、各所にハードポイント(3mm穴)が設けられており、そこに装甲や武器を接続することもできる。3mm穴/軸はメーカーを問わず多くのプラモデルの基準と言えるサイズなので、シリーズの枠を越えた改造も容易である。
なお、ガンプラHG1/144と構造が近く、顔やバックパックなどの親和性が高い。他キット改造のパーツにするのもアリ。
日本を代表するホビーメーカー、バンダイ製ということもあり、1382円という非常に低価格。オプションアーマーは324円、オプションウェポンは540円と気軽に買える値段でコレクションもしやすい。
発売日には複数買いするユーザーが多かったようで、数日で店頭から姿を消した。新規IPのため入荷を絞った店もあるようで、本体よりもオプションのほうが入手難易度が高くなってしまった。
現時点では公開されていないが、背景となるストーリーは作ってあるらしく、折を見て公開するという(ストーリーがあったほうが愛着がわくという狙い)。
ガンプラで有名なバンダイだが、独自のプラモデルIPを作ろうと考えていた(余談だが、玩具/ホビー業界で原作のないオリジナルIPの展開は難しい。バンダイですら、新シリーズを展開しては消えていったということも少なくない)。
そんな折、組みやすい新構造「Fine Build」を採用した「HGACリーオー」の反響が予想以上に大きいことに驚く。SNSには完成からものの数時間で塗装をするユーザーも現れ、「組み立ての時間が短くなれば、その分遊ぶ時間が増える」ということに気が付いた。さらに、量産機のような主張しすぎないデザインであれば改造という楽しみ方や愛着を持ってもらえると考え、「組み立てとカスタマイズが簡単な量産機」というコンセプトのIPとして企画される(偶然にも、バンダイはここ数年ガンダムBFなどと並行してガンプラ改造を推奨し、ハイモックやGM/GMなどの「改造しやすいキット」や武器セット、カスタマイズパーツを展開しており、公式によるプラモデルカスタマイズの下地はできていた)。
デザインには海老川兼武氏を起用。海老川氏は「立体化したときの可動を重視したデザイン」に秀でていたため、自然と可動域の広いデザイン/構造のキットとして固まっていく。作りやすさ重視のため、「Fine Build」と同様の構造が採用された。
ユーザーの好みに合わせ、角ばったデザインと丸いデザインの2タイプを採用。塗装できなくても色を組み合わせられるようにカラーバリエーションは豊富に、上記2タイプの組み合わせができるように共通の関節が採用された。サイズは「コレクションのしやすさ」や「カスタマイズしたときにゴチャゴチャしすぎないこと」を考慮し、1/144が採用された。商品名の30 MINUTES MISSIONSには「30分で作ってみよう/30分楽しんでもらえる」という意味合いが込められている。
イベントでは実際にユーザーに手に取っていただき、確かな手ごたえを感じることができたという。
現時点では2種類の機体を中心展開されており、今後もカラーバリエーションやオプションパーツが展開予定。
ゴーグルフェイスの角ばったデザインの機体。所謂ジム系統。ホワイト、イエロー、ブルー、レッド、ダークグレーが展開。サポートメカやマシンガン、ナックルガードが付属。
モノアイの無骨なデザインの機体。所謂ザク系統。グリーン、ダークグレー、レッド、ブルー、イエローが展開。
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最終更新:2024/03/28(木) 21:00
最終更新:2024/03/28(木) 21:00
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