A-4スカイホークとは、アメリカ・ダクラス社製の艦上攻撃機である。アメリカ海軍では既に全機退役している。
天才設計者、エド・ハイネマン渾身の機体。傑作攻撃機の部類に入ると言ってもいい。
当時空母艦載機は大型化の道を歩む一方、アメリカ海軍の空母は大戦時に建造されたエセックス級、ミッドウェイ級が中心で、運用機数の減少に頭を痛めていた。これを解決する大型空母としてようやくフォレスタル級の建造がスタートしたばかりだった。
アメリカ海軍はこれを受けて小型攻撃機の開発をダグラス社に発注する。傑作レシプロ攻撃機A-1スカイレーダーをやっつけ仕事もとい、ジェバンニばりに一晩で基礎設計を作り上げるや、9ヶ月で実機を初飛行!をなしとげたエド・ハイネマンは、この要求をうけて軽量・小型の機体、A-4スカイホークを作り出した。設計時ビス1本から重量を計算していったという逸話もあるとかないとか。
何しろ出来上がってみれば海軍の要求から全然違うシロモノが出来上がっていたのだからなんというか…。
要求仕様にはターボプロップエンジン×2と書かれていたが単発のジェットエンジンを搭載。さらには要求重量14tとしていたらその半分、6.7tという小型軽量の攻撃機が作られていたのだ。
それでいて作られた機体の武器弾薬搭載量は要求搭載量1tの倍、2tという、なんというか予想の遥かに上の機体が出来上がっていたのだ。
これを可能にしたのはハイネマンのシンプルな設計思想だった。
出来るかぎり機体をシンプル・軽量・小型化することによって空母のエレベーターに機体が収まるサイズとなる、これにより機体の重量を増やすわ構造を難しくさせる翼折り畳み機能をオミットすることが可能になった。
ついでにこの主翼折り畳み機能が必要なくなることにより主翼下に武装を設置することができる。A-1ゆずりの内部爆弾倉を持たない思想を受け継ぐこともあいまって積載量が増えることになった。
さらにはシンプルな機体構造は高い整備性をもたらし、整備能力の高くない諸外国の空軍・海軍での運用を可能にした。
それに加えて小型・軽量であるから運動性も高い。対潜空母ではAIM-9サイドワインダー空対空ミサイルを携行して艦隊防空任務を行ったほど。
こうして作られたA-4スカイホークは、軽量・小型・高機動という能力を生かしてアメリカ海軍のワークホースとして長らく運用され、1970年代にアクロ・チームの「ブルーエンジェルズ」の機体として選ばれたり、海軍戦闘機兵器学校(トップガン)のアグレッサー(仮想敵)役を務めるなどの大役を果たし、海軍、海兵隊では1998年まで使われるという長寿の機体となる。なにしろ生産年数25年。総生産数およそ2900機なのだ。
また、アメリカ海軍の中古機としてアルゼンチン海軍へ売却され、フォークランド紛争に参加。その他にも湾岸戦争でクウェート空軍のA-4KUが実戦に参加するなどの実績を残す一方、クウェート空軍で使用したA-4KUがAF-1シーキングとしてブラジル海軍空母「サン・パウロ」搭載機として現在も(!)運用中である。
この国でA-4スカイホークの知名度が上がったのはやはり連載を通してモブキャラの多くがA-4に乗っていた「エリア88」のおかげだといえるだろう。
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最終更新:2024/04/24(水) 01:00
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