愛称は槍騎兵を意味する「ランサー」である。運用者からは非公式に「ボーン」(B-oneと打撃力の要としての”背骨”の意味をかけている)と呼ばれることもある。
1970年、米空軍はB-1(後にB-1Bが提案され、それと区別するためにB-1Aに改称された)の試験用の機体をロックウェル・インターナショナル社に発注した。高高度高速侵攻能力(高度50000フィートでマッハ2.0)及び低空侵攻能力の両方を併せ持つ戦略核爆撃機になるはずだったが、1977年、就任したばかりのカーター大統領によって配備計画は中止になった。ただ生産された試験機での研究は続けられた。
1981年に共和党のレーガンが大統領に就任すると、米空軍は次期多目的爆撃機としてB-1を推奨、大統領は合計100機のB-1Bを生産することを決定した。B-1BはB-1Aに比べ低空侵攻能力に比重が置かれ、高高度の巡航速度がマッハ1.25に切り下げられた他、自重、最大離陸重量が増加した。
B-1Bは1985年から核兵器を搭載してのアラート任務についた。核兵器はB61 Mod.1、B61 Mod.7、B83の3種の核爆弾やAGM-69A SRAM(核弾頭を搭載したミサイル)を装備した。AGM-86B ALCMという核弾頭装備の空中発射巡航ミサイルも運用できたが実際に搭載されることはなかった。
ソ連崩壊後の1991年にB-1Bは戦略核攻撃任務から外れ、その後は通常兵器を使用する爆撃機として改修された。初の実戦参加は1998年の「砂漠の狐」作戦で、それ以降も様々な作戦に参加している。
B-1Bは2011年に結ばれた「新戦略兵器削減条約(New Start)」以降は、核兵器運用能力は除去されている。[1]
長大な航続距離と莫大な搭載量に加え高高度での超音速飛行や低空侵攻能力、さらに分散配備により中規模の滑走路でも運用できるように離陸距離の短縮という要求仕様に対応するため、可変後退翼を採用している。後退角の変更は手動で行われるが、前部と尾部の燃料タンク間で燃料を移送し、重心位置を補正するシステムが装備されている。
またECM、ドップラー・レーダー、地形追随レーダー、赤外線監視装置など多彩な電子機器を搭載しており、幅広い任務をこなすことができる。
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最終更新:2024/04/24(水) 02:00
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