FALLOUTシリーズとは (フォールアウトシリーズとは) [単語記事]

War, War never changes.
(人は過ちを繰り返す……)

概要

FALLOUTシリーズとは、1997年にInterplay社から発売されたゲーム「FALLOUT」を初めとする、コンピュータRPGシリーズである。

舞台は一貫して核戦争後の廃墟と化したアメリカが舞台となっており、当時はハイファンタジーな世界を舞台とするRPGが多かったため、荒廃した世界を舞台としたこのゲームは、異質なRPGとしてコアなRPGファンに高く評価されていた。

しかしInterplayは、資金繰りが悪化していたため2004年に一時閉鎖となり、保有しているIP（知的財産）が他社へと売却された。その際に売却されたFalloutシリーズの権利をベセスダ・ソフトワークスが取得して2008年に「Fallout3」を発売、以降はベセスダの看板ゲームとして売られている。

なお、Falloutに関する一部の権利については、売却したInterplay側と取得したベセスダ側とのあいだで法廷闘争があったが、2012年に和解が成立し、Falloutシリーズの諸権利は全てゼニマックスおよび子会社のベセスダに帰属することが確認された。^[1]

シリーズ一覧

この項目では現在までに出ているFALLOUTシリーズを列挙してあります（一部出ていない作品も含まれています）。

一般的には、Fallout3以降のベセスダによるものが新シリーズ、それ以前のInterplay時代のものが旧シリーズとして扱われています。

タイトル	発売日	対応ハード	内容
Fallout (Fallout1)	1997年 9月30日	Windows	記念すべき第1作目。当時はハイファンタジーな世界が舞台のRPGが多かったため、異質なRPGとしてコアなRPGファンが評価していた。南カリフォルニア近辺を舞台としている。詳しくは該当記事を参照。
Fallout2	1999年 1月29日	Windows	第2作目、前作のラストから80年後の世界が舞台。カリフォルニア中部～オレゴン州あたりが舞台。
Fallout Tactics: Brotherhood of Steel	2001年 3月15日	Windows	FALLOUTシリーズのスピンアウト作品。この作品だけ半RTSとなっており、またFALLOUTシリーズ全体としては初となるマルチプレイモードが公式に搭載されている。中西部～テキサス州が舞台となっている。
Fallout: Brotherhood of Steel	2004年 1月14日	Xbox PlayStation2	FALLOUTシリーズのスピンアウト作品。この作品はアクションRPGとなっており、Interplay時代では唯一となる家庭用ゲーム機のFALLOUTシリーズ。この作品がInterplay時代の最後のFALLOUTシリーズの作品となった。
Fallout Online	中止		一度閉鎖したInterplayが復活して発表したオンラインゲーム。すでにFalloutブランドを取得していたベセスダ・ソフトワークスとの間で訴訟になったが、2012年にベセスダ・ソフトワークス側と和解、開発は中止となった。
FALLOUT3	2008年 10月29日	Windows Xbox 360 PlayStation3	InterPlayから版権を買い取ったBethesda Softworksが開発した作品。メジャーナンバーの作品としては約10年ぶりとなる。また、今作はアメリカ東海岸のワシントンD.C.が舞台になっている。該当記事を参照。
Fallout: New Vegas	2010年 10月19日	Windows Xbox 360 PlayStation3	今作の開発は、Interplayの時代にFALLOUT、FALLOUT2などを開発したBlack Isle Studiosの元スタッフが多く在籍しているObsidian Entertainment。ラスベガスを舞台としている。詳しくは該当記事を参照。
Fallout4	2015年 11月10日	Windows Xbox One PlayStation4	New Vegasから数えて約5年ぶりとなる新作（ベセスダ開発の基準で数えると7年ぶり）。ボストンを舞台としている。該当記事を参照。

世界観

Falloutシリーズの舞台はすべて核戦争後のアメリカ合衆国となっているが、作品ごとに舞台となる地域が異なり、核戦争の影響が濃い地域や影響が薄い地域など様々なロケーションが存在する。

また、ロボットや自動車の動力に核エンジンが普及していたり、パワードスーツ（パワーアーマー）や放射能を除去する個人用の薬が開発されたりと、テクノロジーや世界の行く先が我々がいる世界とは違う、いわゆるパラレルワールドの未来世界となっている。

大まかな世界観の参考については「Fallout 4×MSSPで3時間生放送！＠闘会議2016」を参照 (09:45あたり～)

歴史

年号	事象	作品
1945年	第二次世界大戦が終了。アメリカが中央政府と13の連邦から構成される合衆国になる。
2044年	ヌカ・コーラが発明される。
2050年	石油の枯渇でエネルギー危機に。
2052年	原油価格の高騰により欧州連邦と中東との間に資源戦争が勃発。
2053年	核によるテロ攻撃でイスラエル壊滅
2054年	核シェルター「Vault」が建設され始める。
2060年	欧州連邦と中東の資源戦争が終了。
2066年	アラスカで油田見つかる。中国とアメリカで資源戦争が勃発。
2076年	アメリカがカナダを併合。
2077年	ロジャー・マクソン大佐の率いる部隊が合衆国陸軍からの脱退を宣言。「Brotherhood of Steel」が設立される。
2077年	核戦争（Great War）が勃発。2時間ほどで世界の主要都市が壊滅。地球の大部分が放射能汚染により不毛の地となる。ボストンの夫婦がVault111に避難する。	Fallout4
2161年	Vault13で故障した装置を直すため住人の一人がウェイストランドに出る。	Fallout1
2186年	新カリフォルニア共和国（通称NCR）が成立。
2220年	軍事組織エンクレイヴがアメリカの実権を握る。
2242年	エンクレイヴ壊滅。	Fallout2
2258年	浄化プロジェクトの研究員がVault101に入居。	Fallout3
2274年	NCRが電力の供給源となるフーバー・ダムを占拠
2277年	浄化プロジェクトの研究員がVault101を脱出。その子供も後を追って脱出。	Fallout3
2281年	モハビ・ウェイストランドにて運び屋の一人が撃たれるが生還する。	Fallout: New Vegas
2287年	Vault111に避難していた夫婦の片方が長い眠りから目覚める。	Fallout4

組織・勢力

■ヴォルトテック (Vault-tec): 戦前、アメリカのあちこちに核戦争用の避難シェルター「Vault」を建設した企業。謎や秘密が多い。
■新カリフォルニア共和国 (New California Republic): モハビ・ウェイストランドに入植している新興勢力。スカベンジャーとVault出身者の子孫によって構成されている。
■エンクレイヴ (Enclave): エデン大統領を中心とした、アメリカ国家の再建を目指す組織。
■ブラザーフッド・オブ・スティール（Brotherhood of Steel）: 2077年、核戦争の直前にロジャー・マクソンによって設立されたとされる軍事組織。
■レイダー（Raiders）: 様々な武器で武装した人間。いわゆるモヒカンならず者。こちらを参照。　→　レイダー（Fallout）

生物・クリーチャー

■ラッドローチ（Rad Roach）: 放射能によって変異した巨大ゴキブリ。名前のとおり、攻撃を受けると放射能（RAD）に汚染される。
■モールラット（Mole Rat）: 放射能で変異したネズミ。穴を掘って奇襲をしかけてくる。
■バラモン（Brahmin）: 放射能で変異したウシ。頭が二つある。とてもおとなしく、食料としても荷物運搬用としても有用なため、ウェイストランドの人間には重宝されている。
■マイアラーク（Mirelurk）: 放射能で変異した巨大なカニ。半魚人ぽいのやエビ・ザリガニっぽいのもいる。マイアラークとは正確には「沼地（Mire）に潜む者（Lurk）」を意味しており、変異した水生生物すべてを総称したものである。; なおこれまでは「ミレルーク」と呼ばれてきたが、Fallout4からは「マイアラーク」になった。
■デスクロー（DeathClaw）: Falloutシリーズを代表する生物。二足歩行も可能な体に悪魔のような巻き角を持つ生物で、非常に高い生命力、攻撃力、防御力を誇る。プレイヤーからは恐怖の対象となっており、一部からは「様」「先生」「先輩」など尊称つきで呼ばれることもある。
■グール（Ghouls） / フェラルグール（Feral Ghouls）: 放射能で変異し外見がゾンビのようになった人間。理性が存在しており意思疎通もできるが、人間たちからは化け物、クリーチャー扱いされている。; 似たようなものとしてフェラルグール（Feral Ghouls）もいるが、こちらは理性がないため、群れを成して素早い動きで襲い掛かってくる。さらにはダメージを受けると同時に放射線（RAD）が溜まり、最大体力が一時的に減少してしまう。
■スーパーミュータント（Super Mutants）: 緑色の肌を持つ人型のクリーチャー。人間を大きく上回る巨体と怪力を持ち、放射能に対する高い耐性を持っている。; 人語は話せるものの、横暴かつ欲望に忠実な性格。そして非常に好戦的。ライフルやハンマーなど多彩な武器を扱える。
■人造人間（Synth）: 自立して動くことのできる人型ロボット。インスティチュートと呼ばれる組織により作られたとされる。人工の骨格がむき出しのものもいれば、本物の人間と区別がつかないほど精巧なものもいる。