IllustStudioとはComicStudioで有名なセルシス社のペイントツールである。通称は「イラスタ」。
株式会社セルシスによって2009年4月24日にダウンロード版が販売開始された。翌月の29日にはパッケージ版も販売開始。ダウンロード版は2010年5月11日で販売終了、現在はパッケージ版のみの販売となっている。(pixivプレミアム会員向けに月1000pixivポイントで使用できるIllustStudio for pixivというバージョンもある)
ComicStudioを基に開発された。ペンタブレットを利用してのイラスト製作に特化しており、主線製作のためのベクターレイヤや手ぶれ補正機能、塗り分けのための多彩な選択機能、カスタマイズ可能な質感の異なる複数のブラシなど、イラスト製作に役立つ機能が実装されている。
また、描画機能のみではなく、画像を加工するためのフィルタやCMYK変換機能など、画像編集ソフトの一部の機能も搭載されており、ComicStudioから受け継いだ特殊定規(遠近感のある絵を描くためのパース定規など)や3Dモデルを使用した下描き機能なども合わせると、低価格帯のペイントツールや画像編集ソフトの中ではかなりの多機能である。
ComicStudio同様、現在のところメーカーサポートが充実しており、公式サイトのIllustStudio.net(関連リンク参照)では非常に詳細な機能解説やイラスト講座が公開されている。ユーザーからの要望やエラー報告を反映したマイナーアップデートも頻繁に行われ、一ヶ月~数ヶ月に一回程度の頻度でアップデータが公開されている。
セルシスの運営するサイトCLIP(関連リンク参照)ではIllustStudioに使用できるトーンやパターン、ブラシや3Dモデルなどが公開されている。
多機能ゆえに使いたい機能が探しづらいところや、平均的なスペックのマシンで使用すると動作が時折重いところなどが、競合ペイントツールと比較された際の欠点として指摘されている。
2012年5月31日、セルシス社より新ペイントソフト「CLIP STUDIO PAINT PRO」が発売された。IllustStudioユーザーは優待によりCLIP STUDIO PAINT PROを無償で使用できる(申し込みは2013年10月31日まで)。
CLIP STUDIO PAINTはIllustStudio(および、同社の漫画制作ソフトComicStudio)の後継ソフトという位置づけだが、CLIP STUDIO PAINTの販売と並行して、IllustStudioの販売も2015年中頃まで継続し、複数回のアップデートも予定されている。ユーザーサポートは販売終了後も継続する。(今後のスケジュール)
ペン入れや原画の作成に特化したレイヤーを作成。鉛筆ツールやエアブラシツール等は使用出来なくなるが、ペンツールで描いた線一つ一つに「中心で軸となる線」である「ベクター中心線」が設置される。これにより線つまみツール等でベクター中心線を動かしたりすることで、気になる線を容易に曲げたり線の端を動かしたり等の修正が出来る。
また消しゴムツールにもこのレイヤーでしか使えない機能が備わる。ベクター中心線の交点までを消去する「交点消去」や線そのものを消去する「線消去」のような消去法が使用できるようになり、はみ出した部分の修正やいらないと判断した線の消去が非常に簡単になる。
ベクターレイヤーのアンチエイリアスをONにすることでベクターレイヤーに描かれた線を滑らかで綺麗な線にすることも可能で、出力ファイル形式はJPEGやBMP、PNGはもちろんのことphotoshop(PSD形式)も対応しているので着色を他のソフトでするための原画専用ソフトとしても高い性能を誇る。
ペン入れやアニメ塗りしたい時に欠かせない機能。タブレットやマウスでの線入れや着色の時の手ブレに対して補正を掛けてくれる。この機能を使えば例え液晶タブレットがなくとも、紙に直接描くのと同じくらいのビシッとした線を描くことが出来るのはもちろんのこと、アナログではペン入れが苦手な人でも綺麗な線を引くことが可能。とは言うもののやはり絵と手元を同時に見ることの出来るアナログでのペン入れと違い、手元(タブレット)とイラスト(モニタ)を一緒に見ないペン入れには変わりないためアナログでのペン入れ感覚とは若干ズレがあるのは事実である。そのあたりのズレを埋める努力は個人で補正の度合いを調整して行うしかない。補正の度合いは一定値に固定ではなく、各々で自由に調整可能。
IllustStudioではIllustStudio使用中にしか表示されない様々な擬似定規を設置することが出来る。その中のパース定規はパースを取るための定規で、デフォルトで一点透視、二点透視、三点透視の定規を設置することが出来る。アナログで紙面の外に消失点を設定した場合、パースを取るためのスペースの確保が非常に面倒であるが、この機能ならイラストの描画範囲外の部分に楽に消失点を置くことが可能である。消失点や消失点から伸びる補助線は後から自由に移動したり追加したり削除したり出来る。また[スナップ先を設定/パース]をONにすることでペンツール等で引いた線をパースの補助線の向きと線を引いた向きから判断して、自動でパース定規に合わせた直線に補正することもしてくれる。要するに手動でパースに合わせた直線をポンポン引けるようになるのである。
ある一点を中心に選択した点の数で均等に分割された定規を作成。この定規を「スナップ」をONして使うと中心点を基準に点の数に応じて対称な線を引くことが出来る。例えば五点対象定規であるなら、中心点を基準に引いた線と全く同じ線が五点対象で引かれるのである。この定規とベクターレイヤー、手ブレ補正、直線ツール、曲線ツール等を利用すれば雪の結晶や手裏剣、レースの模様等を簡単に描くことが出来る。
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最終更新:2024/04/25(木) 13:00
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