Rustとは、メモリ安全性[1]や並列処理の安全性に注目して開発されたプログラミング言語である。
速度、安全性、並行性が特徴のプログラミング言語である。C++と遜色ない実行速度を誇り、GCがないにも関わらず手動のメモリ管理は不要で、しかもメモリ安全である。また、並列処理に起因するバグをコンパイル時に検出することができる。
開発はオープンなコミュニティによって行われているが、Mozillaから支援を受けている。Firefoxがバージョン48以降で徐々にコンポーネント単位でRustに移行している[2]他、Mozillaの次世代ブラウザエンジンであるServoの開発にも用いられている。Mozillaの外ではDropboxやnpmがWebサービスのバックエンドに用いており、ドワンゴも分散型ファイルシステムの開発にRustを用いているという。
構文はCライクであるが、型を後置したりする。また"fn" "Vec"のようにキーワードや識別子の省略を多用するのが気持ち悪い特徴的。関数型言語の影響を受けて代数形やパターンマッチング、タプル、高階関数、型クラス(トレイト)などをサポートしたマルチパラダイム言語である。
コンパイラが親切なのもRustの特徴である。分かりやすいメッセージで、問題のあるコード部分に下線を引いて注釈を入れ、時には正しいコードを示してくれたりもする。また、言語仕様や標準ライブラリは処理系のメジャーバージョンが変わるまで後方互換を保つ。処理系をアップデートしても昔のコードが壊れることは滅多にないのだ。
一部では、Rustは入門者にとって厳しい言語であるということで有名である。自動メモリ管理のための機構である「所有権(Ownership)」の概念を把握できていないと、頻繁にコンパイルエラーに遭遇し、しかもその意味がわからないのである。ある程度習得できていればひと目見て解決できる問題であったりする場合が多く、所有権を理解しないまま何時間も試行錯誤するようなことは時間の無駄となる可能性がある。行き詰まったらRustコミュニティで質問したりして、エラーの原因を理解することを勧める。また、ドキュメントやサンプルも眺めておこう。
Rustについて言われることとして、標準ライブラリの機能が少ないというものがある。なんと正規表現や乱数すら無く、公式によって開発されている外部ライブラリを取得する必要がある。パッケージマニフェスト(Cargo.toml)に一行追加するだけではあるが……。
これは開発初期ゆえ少ないのではなく、意図的に削られたものである。先述した後方互換を保証するというポリシーにより、標準ライブラリのAPIの修正・削除には大きな制限がある。正規表現や乱数のライブラリも元々は標準ライブラリに含まれていたが、APIの改善の余地を残すため安定版リリース時にあえて外部に分離されたのである。
外部ライブラリはcrates.ioにホストされている。目的のライブラリが見つけられない場合はAwesome Rustのような有志によって作られた索引が役に立つ。
2006年頃からMozilla社員であるGraydon Hoare氏の趣味として開発が始まった。その後2009年にMozillaによる支援が開始され、現在まで続いている。2010年にコンパイラの記述言語がOCamlからRustに移行し、セルフホスト(コンパイラがコンパイルする言語自身で書かれていること)を達成した。
月日は流れ、2015年に初の安定版であるRust1.0がリリースされた。以降は6週間毎に安定版のマイナーバージョンが上がる列車方式のリリースが行われている。
2016年および2017年には、技術者向け質問コミュニティサイトStack Overflowのユーザ投票において「最も愛されている言語」に選ばれた。[3]
Rust(プログラミング言語)に関するニコニコ動画の動画を紹介してください。
Rust(プログラミング言語)に関するニコニコミュニティを紹介してください。
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最終更新:2025/12/09(火) 12:00
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