ストリップコマンダーとは、高橋邦子の制作した痛いRPGゲームであり、作中に登場するゲーム名でもある。
いまどき概要なんて読まねーだろ!
高橋邦子ニコニコ投稿作品記念すべき40作品目にあたる作品。ツールはこの時期多用されたRPGツクールVX。
これまでの作品とは趣向が大きく異なり、Microsoft WindowsXPの画面内で行われる人間とコンピューターとのめちゃ規模の小さい戦争を描いたもの。詳細は不明ながらもパソコンの持ち主の住所は川越と思われる。
投稿された2010年8月24日当時は、既に後継OSとしてWindows Vistaのほか、1年前にはさらなるアッパーバージョンのWindows7もリリースされていたが、依然としてXPも多く使われている過渡期的な時期で、後述のHDDの値段もほぼ当時の相場そのままである。但し、SSDはまだ珍しい時期であったため、高橋がそれなりに自作パソコンの知識を持ち合わせていた可能性は高い。
但し、ゲームのようにパソコンが起動した状態でドライブの接続や取り外しを行うことは、データ消失やドライブ故障の原因となる恐れがあるため、現実には厳禁である(通常は電源を落として行うように説明書にも記載されている)。
高橋作品には珍しいラブロマンス的なストーリーでもあるが、そこはやはり高橋邦子ワールド。当然ながら血と殺戮の蔓延るバイオレンスな世界観が満載となっている。
そもそも高橋邦子にまともな愛の話なんか期待してはいけない。ここは川越である。
なお、ストーリーが繰り広げられるのは、あくまでもパソコンの世界なので、シューティングステージとしてお馴染みのいつもの『決戦のバトルフィールド』はフィールドならぬ『決戦のバトルフォルダー』が用いられている。(一応、前者も登場する。)
ストーリーとしては、とあるパソコン上で愛し合っていた32GB SSDの(C:)ドライブとフロッピーディスクドライブの(A:)ドライブが、相思相愛を分かち合った後に、レガシーデバイスとして(A:)ドライブが持ち主によって除去され、2TBの(D:)ドライブ(19,055円)に換装されてしまったことでパソコン内戦争が勃発、無事勝利を収めた(C:)ドライブは恋人の(A:)ドライブを取り戻すために持ち主のビッチマンと取引し、難解RPG『ストリップコマンダー』をクリアすることを約束し、ゲーム内部に入り込んだ(C:)ドライブは世界観を無視してゲーム世界の王に戦いを挑み、これをも解決して見せるが、ビッチマンによって改造された(A:)ドライブはほぼウイルスと化してしまい・・・というもの。
ちなみに、RPGというよりは弾幕系シューティングとしての色合いが濃いゲームであり、兄のプレイヤーとしての技量の高さが伺える映像となっている。(実際にはあまり動かない方が敵弾を喰らわない設計になっているらしいことが動画から確認できる)
機械と人間とのバトルやコンピューターの反乱をテーマとして描いた作品は数あれど、RPGでこういった題材を選出するゲームは現在においても極めて珍しく、高橋邦子の発想力の豊かさ、アイデアや着眼点の独創性、シューティングパートとロールプレイングパートがそれぞれ存在するゲーム性や技術力の高さ、脚本が破天荒な展開でありながらそれでいてきちんとラストに向けての伏線回収が行われる点などが高く評価されている一作である。
1ヵ月後の次回作『えろえろクイーン おっぱいの章』も、人間を主役としない異色作となっており、この時期の高橋邦子が実験的な作風にトライしていたであろうことが伺えるものとなっている。
登場人物
- (C:)ドライブ
- このゲームの主人公の32GBFlashSSD。容量は少量ながら、当時としては最新鋭の機器である。FDDの(A:)ドライブに思いを寄せていたものの、時代の流れと共に陳腐化したフロッピーとの禁断の愛は実ることなく、自身より容量の勝る新型HDDや難関RPGの王、そして人類との戦いに巻き込まれてゆくことに・・・
- (A:)ドライブ
- ヒロイン。既に2010年時点ではレガシーデバイスと化していたフロッピーディスクドライブの生き残りだったが、いまどき使い道など無いという非情の理由で取り外されてしまった悲劇のヒロインでもある。
なお、(C:)ドライブがSSDであったことを考えると、(A:)ドライブは結構な熟女の可能性があり、かなりの年の差恋愛だったことが推測できるがそのあたりは特に触れられていない。
最終的にビッチマンに改造され、コンピューターウイルスと化してしまったことで(C:)ドライブをも喰らう存在になり、自我を制御できなくなる前に自身を破壊することを嘆願するが・・・ - ビッチマン
- このゲームにおける諸悪の根源にして(C:)ドライブ最大の敵。メッセージウインドゥに表示される顔グラフィックは白い歯と真っ赤な口紅を塗った唇だけで、素顔は不明。(A:)ドライブを再接続する条件として『ストリップコマンダー』のクリアを(C:)ドライブに命ずるが、ゲームを自力でクリアしないで何が面白いのだろうか?
なお、英語におけるBitchとは雌犬のほか『嫌な女』を示すスラングというのは周知の事実だが、このキャラクターの名前は女性を示すビッチ“ウーマン”ではなく男性を示すビッチ“マン”となっている。実はオカマのキャラクターだったのかどうかは定かではない。 - (D:)ドライブ
- 当時発売されていたものとしては最も容量の大きかった7200rpmの2TBを誇る最新鋭ハードディスクドライブ。お値段は19,055円(税込み)。彼がFDDの代わりに接続されてしまったことがこの不毛かつくだらない争いの発端となる。
- 王様
- 『ストリップコマンダー』の世界を統治する王。やってきた勇者に褒美に死をやろう!とは言わなかったものの、王としての不甲斐なさを(C:)ドライブに指摘されたことで奮起し、(C:)ドライブとの一騎打ちを行うことに。ラストでは意外な再登場を果たし、ビッチマンとの死闘に終止符を打つヒントを授ける。
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