オリジナルキャラクターとは、
この記事では1.について解説する。
概要
厳密に言うなら、「既存のキャラクターや実在の人物とは別の人物として作られたキャラクター」のこと。歴史物以外の一次創作では、ほぼ全員が該当してしまうので、あまり用いられない。通常は二次創作以降における原作に登場しない「その媒体オリジナルのキャラクター」という意味で使用される。
「オリキャラ」「オリ」と略して呼ぶが、特に後者は二次創作にある程度造詣が深い集団内でしか通用しない。
類型
漫画化・アニメ化・ドラマ化・映画化・小説化など、メディアミックス展開の中でそれぞれの作者・スタッフの何らかの意図で登場する。
この他、ファンによる二次創作(所謂「ファン創作」)でオリジナルキャラクターが登場することもある。
三国志演義の貂蝉や周倉など、現実の出来事を参考にした作品に出てくる架空の人物もオリジナルキャラクターである。
実在の人物がモデルとなっていても、名前や環境なども含めて全くの別人として描かれていれば、原則としてオリジナルキャラクターと判断される。
メディアミックスにおけるオリジナルキャラクター
いくつか具体例を挙げれば、
- らき☆すたの白石みのる(アニメのみの登場人物)
- 光栄の歴史ゲーの新規武将(実在、既存作品の人物の再現は除く)
- コンパチヒーローシリーズ・スーパーロボット大戦シリーズにおけるバンプレストオリジナルキャラクター
- アイドルマスターのプロデューサー(アニメのみの登場人物)
これらが挙がる。総じて実在の出来事で曖昧な点を補完したり、お騒がせ者(トリックスター)にするために付け加える事が多い。但し、メアリー・スー(mary sue)的な描写は一次作品のファンの気分を損ねたり、実在の人物の名誉も傷つけてしまう事があるので注意すべきである(後述)。
3についてはそれらのゲームが多くの特撮やアニメの世界を「くっ付ける」ため、オリジナルキャラクターはそれらのつじつま合わせや緩衝剤に使われる。しかし、このようなアニメやゲーム自体が少ないため、こういう扱いのキャラクターは多くない。
4についてはゲームをアニメ化した場合に設定が曖昧な主人公(=プレイヤー自身)をどう登場させるかの解決策である。ゲームのジャンルに関わらず、主人公に具体的な設定がされていない場合はアニメ化する際に設定を付け加える必要がある。挙げたアイドルマスターについてはゲームではプロデューサーの容姿が設定されておらず、アニメ化するにあたって新規にデザインが起こされている。他にも『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の高咲侑のようにデザインだけでなく、名前も新規に設定されたキャラクターが存在する。なお、容姿がゲームで設定されている場合はアニメ化される際に基となるため、名前が後から付けられたとしてもオリキャラと言われることは少ない。
二次創作におけるオリジナルキャラクター
ファンの作成する二次創作においても、オリジナルキャラが登場することは多い。
分類としては、
- あるシリーズやジャンルの世界観に乗っ取ってまったく新しいキャラクターで作り上げたもの。
- ある作品の中に独自のキャラクターを混ぜるタイプ
- あるキャラクターのアレンジが一人歩きするタイプ。
- ある作品の出番の少ないキャラクターが一人歩きするタイプ。
の4種類が上げられる。
1、オリジナルシリーズ
オリジナルロボット(オリジナルガンダム)、オリジナル戦隊シリーズ、オリジナルライダー、オリジナルプリキュアなど、広い世界観を持つ単一作品ないし、シリーズとして成り立っている作品の世界観を基にして、独自のキャラクターや世界観、ストーリーを展開する系統ののもを指す。
この系統は2の混ぜ込み系からの派生であったり、原典とのコラボレーションで混ぜ込まれることもある。
2、混ぜ込み系
ある単一作品の世界観の中に、オリジナルキャラクターを混ぜてストーリーを組む系統のもの。
もっとも多いオリジナルキャラクターの系統であると言える。
ニコニコ動画的には、幻想入りの主人公(他作品とのクロスオーバーでない場合)がオリジナルキャラクターの一例。
3、元キャラから一人歩きタイプ
漫画・イラスト系で、原作キャラを微妙にアレンジしたタイプのオリジナルキャラクターのこと。
例として「はちゅねミク」「ちゅるやさん」など。「ゆっくり」も分類としては(たぶん)これに該当する。このタイプのキャラは二次創作で広く知られると、そのまま公式に取り入れられてしまうこともある。派生キャラという扱いをされる場合もある。
4、原作から一人歩きタイプ
原作における出番や設定が極端に少ないキャラクターが、二次創作(スピンオフ)で様々な二次設定を与えられキャラクターが一人歩きを始める場合がある(『Kanon』の北川潤や斉藤、東方Projectの小悪魔や大妖精など)。
二次創作オリジナルキャラの問題点
SS(二次創作)において、「最強のオリジナルキャラクターが無双する」作品が非常にありがちなパターンとして存在する。バトルものならオリジナルキャラクターが原作の最強クラスのキャラクターを指先ひとつでダウンし、ギャルゲー系などではオリジナルキャラクターが片っ端からヒロインを 落としてハーレムを作る、あるいはオリジナルシリーズで作られたキャラクターが元シリーズのキャラを蹂躙する。そういう作品が星の数ほど溢れかえっている。
元々二次創作というのはファンの自己満足が出発点であるのだから、こういったメアリー・スー的な願望充足タイプの作品が日々生み出されるのはある種当然のことであり、またこのような作風が好まれる界隈も確かに存在する。だが、そうでない場所ではこのタイプの作風はまず間違いなく原作を蔑ろにするもの として、他のファンからはフルボッコにされるので、扱いには充分な注意が必要である。
また、一部のキャラクターが好き放題に改変され、実質的にオリジナルキャラクターと化してしまう「最強化」と呼ばれるパターンも存在する。特に『Kanon』の全盛期には、主人公の相沢祐一が異能力持ちだとか黒衣だとか銀髪オッドアイだとか「原作無視ってレベルじゃねーぞ!」 な改変を加えられ、他作品とクロスオーバーしてヒロインを寝取り他キャラを蹂躙するようなSSが多く生み出され、それらはまとめて「U-1」と呼ばれた。 同様のパターンに「スパシン」(スーパーシンジの略。『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジ)、「KYOUYA」(『とらいあんぐるハート3』の高町恭 也)など多数。
無論のこと、二次創作におけるオリジナルキャラが一概に悪というわけではなく、オリジナルキャラクターの存在=駄作ではない。原作キャラクターを蹂躙したり、作者の主張を原作キャラクターに押しつけるようなキャラクターが嫌われるだけである。SSでも、魅力的であり、かつ物語に必要不可欠なキャラクターであれば(そして作品が面白ければ)、オリジナルキャラクターでも人気が出ることは多い(もちろん、それが難しいのだが)。
関連用語
- 幻想入り
- スーパーロボット大戦
- MUGEN
- SS(二次創作)
- Arcadia
- アニメオリジナルキャラクター
- 東方projectの二次創作キャラクター
- ニコニコ大百科の掲示板生まれのキャラクター一覧
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