『スターオーシャン Till the End of Time』とは、トライエースが開発し、エニックス(現 スクウェア・エニックス)が2003年2月27日発売したRPGである。
概要
スターオーシャンシリーズのメインタイトル第3作目。[1]
キャラクター原画デザインは佐藤淳、音楽はシリーズお馴染みの桜庭統が担当している。
2004年1月22日にディレクターズカット版がスクウェア・エニックスから発売され、後に廉価版であるアルティメットヒッツが販売された。
2017年3月31日にPS4のダウンロード専用タイトルとしてディレクターズカット版のゲーム内容をそのままHD化した「ULTIMATE HITS HD スターオーシャン3 ディレクターズカット」がスクウェア・エニックスより配信された。価格は税別2800円。
主題歌はMISIAの「飛び方を忘れた小さな鳥(STAR OCEAN version)」。ストーリー最序盤のワンシーンとエンディングで流れる。
シリーズ初のPS2タイトルではあったが、エニックスらしさのある堅実な作りのロールプレイングゲームとして評価されている。シンボルエンカウント式だが戦闘ではアクションバトルを採用し、空間を利用した3D格闘ゲームのようなテンポの良さが表現されている。コンプリート要素が多いのも特徴。ラスボスをLv1で倒せという無茶な要求もしてくる。またキャラクターの動きが非常に滑らかで、当時の他のRPGシリーズと比較してもその点では突き抜けている。
シリーズお馴染みの終盤で敵の強さが一気にインフレする要素も健在。ボスとして登場したキャラクターが直後に雑魚としてフィールドをうろついている事態が普通に起こる。恒例の隠しダンジョンや隠しボスももちろん搭載されており、本編をクリアするとエンディングのラストでセーブデータにクリアフラグが書き込まれ、挑戦できるようになる。隠しボスたちは油断すると鍛えきったパーティでも瞬殺されてしまうほどの強さを誇る。同じトライエース作品であるヴァルキリープロファイルシリーズからのゲストボスもいる。クリア後ということでパーティの会話にもメタネタが入っており、本編のリベンジとして本気を出して挑んできたボスを倒すと、「こんなに強かったら本編クリアできねーっつの」とクリフに突っ込まれている。
今作のアイテムクリエーションは前作までと異なり、「いつでも、どこでも」製作ができるわけではなく、惑星エリクールの各町に存在する工房でのみ製作活動を行うことができる。プレイヤー以外にもクリエイターがおり、パーティが旅をしている間も製作を進めている。今作では特許の概念があり、新しく製作したアイテムをギルドで特許申請することでエリクール内でアイテムを流通させることができる。ライバルが特許申請したアイテムも買うことができるが割高。クリエイターと直接会って指定のアイテムやお金を渡すことで契約することができ、プレイヤーと一緒に製作することも可能。中には特定のパーティメンバー、クリエイターの組み合わせでないと作れないアイテムも存在する。困ったことにこれがあるクリエイターとの契約に必要なアイテムだったりする。また、今作の調理ではなんとうまい棒を作ることが可能で、これはうまい棒製造元のやおきん社長も了承済みである。m( _ _ )m
舞台は前作「スターオーシャン2」から約400年後。歴史上の人物として、過去シリーズのキャラクターが用語集やプレイヤーの口から語られることもある。用語集には過去シリーズでは実用できなかった技術が今作で広く使われていたり、現象が解明され解説されているなど、シリーズファンならニヤリとする要素が多数盛り込まれており、一時冒険を忘れ用語集で考察を深めるのもまた一興。用語集はストーリー終盤になるとメタを含んだ説明も増えてくる。
(例)本作で一般的に使用されている転送装置は空間を繋いでいるわけではなく、装置内に入った人や物を転送元で消去し、転送先で同時に作成している。これを妨害する転送妨害装置は転送先で発動させることで作成を妨害するもので、転送を強行しようものなら消去されたまま作成されず、その存在自体が消えてしまうことになる。そのため転送装置には転送先に妨害装置が起動していないか検知する機能があり、妨害されていると転送自体が行われない仕組みになっている。ところが、終盤に登場するとある転送施設は本当に空間同士を接続している。
終盤のストーリー展開が過去シリーズを含む世界観全体に関わるような展開であり、その展開内容に対する評判は賛否両論となっている。
ただ内容を一言でいうならば、『運営の仕業』である。
中古で本作を購入する場合、通常版は回収騒動となった初期ディスクが混在しており、また修正ディスクでもある程度のバグがあるという問題がある。そのため多少値段が高くても不都合が修正され、新たなシステムが搭載されているディレクターズカット版の購入を推奨。
バグ
過去のトライエース作品からお馴染み?のバグは今作も健在する。開発者いわく、これでもバグ取り作業は相当に行っていたらしい。
その中でもPS2の初期の型番で起きるゲーム序盤のフリーズバグは、先に進めなくなるような凶悪なものであるためか、この作品の評価を下げる一因となっている。原因の一つはSCE提供のライブラリによるものであり、回収騒動となった。改造対策の多さもバグの要因となったとも言われている。
また、本来敵の体力を2倍+1,000にして各種ステータスを上昇させる装備品である「ド根性バーニィ」を装備すると、強制的にHPが9,999,999未満、MPが99,999未満になるといったバグも存在する。装備を外しても減少した体力は元に戻らず、またMPダメージ攻撃はHPダメージ攻撃の約1/10程度で与えることができるので、高難易度の強敵でも簡単に倒せるようなバランスブレイカーなバグであった。このバグを利用することで経験値を稼いだり、撃破系のバトルコレクションの入手が容易になるので、攻略サイトではテクニックとして書かれている。
以上のバグやその他のバグは、ディレクターズカット版では修正されている。
登場人物
メインキャラクター
仲間になるキャラクターは8人。そのうち4人は強制参加であり、残り4人のうち2人まではパーティーに参加させることができる。なお、ディレクターズカット版で新たに2人追加され、その2人は強制参加である。
- フェイト・ラインゴッド (CV:保志総一朗)
- 地球人。本作の主人公。
紋章遺伝学の宇宙的権威である父をもつ普通の大学生。むしろスポーツ寄りであり、高校時代はユニバーサルバスケというスポーツで優秀選手に選ばれたほど。
戦闘スタイルは趣味のファイトシミュレーターで鍛えた我流剣技による攻撃や、剣にエンチャントを付加して攻撃する前衛キャラであり、前作までの主人公とは異なった戦闘スタイルである。ディレクターズカット版では攻撃用の紋章術も一部習得する。 - ソフィア・エスティード (CV:榎本温子)
- 地球人。本作のヒロイン。
主人公に好意を抱いている幼馴染み。ただしあまりに付き合いがが長いために主人公からは妹のようにしか思われていない。物語中にアミーナという彼女に似た人物が登場する。
戦闘スタイルは紋章術を主体として攻撃する術師キャラ。通常版では彼女のみが術師であったため、攻撃・補助・回復といったすべての紋章術が使える。 - クリフ・フィッター (CV:東地宏樹)
- クラウストロ人。本作の東地宏樹枠。
反銀河連邦組織「クォーク」の一員で元リーダー。 クラウストロ人が住む星は重力が地球の2倍以上で空気も薄く、この過酷な環境で育ったため総じて身体能力が高い。それは最初のボスであるノートンとのやり取りでも見ることができる。 - 戦闘スタイルは身体能力が高いクラウストロ人の特徴を生かした体術を用いて攻撃する前衛キャラ。
- マリア・トレイター (CV:根谷美智子)
- 地球人。本作のもう1人のヒロイン。
反銀河連邦組織「クォーク」の現リーダー。
戦闘スタイルは遠距離からは銃、近距離では足技を主体として攻撃する後衛キャラである。ディレクターズカット版では補助用の紋章術も一部習得する。 - ネル・ゼルファー (CV:浅川悠)
- エリクール人。選択キャラクターだが、特に意識せず進めた場合は大体彼女が加入することになる。
シーハーツ王国の女王直属の陰密「クリムゾン・ブレイド」の1人であり、封魔師団「闇」の隊長。
戦闘スタイルは隠密ということもあり、忍者のような攻撃を行う前衛キャラ。でも遠くからブーメランこと「黒鷹旋」をぶん投げてる事が多い。ディレクターズカット版では攻撃用と回復用の紋章術も一部習得する。 - ロジャー・S・ハスクリー (CV:まるたまり)
- エリクール人メノディクス族。選択キャラクター。
サーフェリオ共和国に住むメノディクス族の少年。ちなみに出会うことなくEDを迎えることも可能で、その場合は特殊EDを見ることができる。
戦闘スタイルはガンダムシリーズのパロディーであると思われるような攻撃を行う前衛キャラ。 - アルベル・ノックス (CV:千葉一伸)
- エリクール人。選択キャラクター。
アーリグリフ王国の重騎士団「漆黒」の隊長。通称「歪のアルベル」。
戦闘スタイルは歴代主人公が使用してきた技を用いて攻撃する前衛キャラ。収めている剣術はエダール剣技というSO1のラティやSO2のクロードが使う剣術である。
台詞が特徴的であり、「阿呆」「クソ虫」などの単語が印象に残っているプレイヤーも多いことだろう。キャラクター人気投票ではフェイトたちを差し置いて1位を獲得した。 - スフレ・ロセッティ (CV:倉田雅世)
- ベルベイズ人。選択キャラクター。
サーカス団・ロセッティ一座に所属する踊り子。
戦闘スタイルはダンスを主体として攻撃や補助を行う前衛キャラ。強力なカウンター攻撃も備えている。フェイト、ソフィア以外で唯一初期Lvが1のキャラクターのため、一部やりこみ要素には必須の存在。 - ミラージュ・コースト (CV:篠原恵美)
- クラウストロ人。ディレクターズカット版追加キャラクター。
通常版ではサブキャラクターであったが、ディレクターズカット版で昇格。ストーリー最終盤で加入する。反銀河連邦組織「クォーク」の一員。ちなみにマリアに足技を教えたのは彼女であり、キャラクター設定上の戦闘力はクリフ以上とされている(手合わせの通算成績は彼女の圧勝)。
戦闘スタイルはマリアの足技とクリフの技を用いて攻撃する前衛キャラ。 - アドレー・ラーズバード (CV:石塚運昇)
- エリクール人。ディレクターズカット版追加キャラクター。
ディレクターズカット版で初登場。現在の「クリムゾン・ブレイド」の1人にして封魔師団「光」の隊長でもあるクレア・ラーズバードの父親であり、先代の「クリムゾン・ブレイド」。なぜ参加するのが娘ではなく父親の方なのかと嘆く人も。 実際通常版では一切姿を見せず、ディレクターズカット版でも仲間になるまでほとんど出てこないため、無理やりねじ込んだ感が否めない。用語集での彼の説明はギャグにしか見えない。
戦闘スタイルは体術と紋章術を併用して攻撃する術師キャラ。装備品である刀は飾り。SO2のトラウマ技「スピキュール」も習得する(しかし大幅に弱体化している)。
サブキャラクター
- クレア・ラーズバード (CV:吉住梢)
- エリクール人。ネルと同じく「クリムゾン・ブレイド」の1人であり、封魔師団「光」の隊長。
前述のとおり、DC版では父親アドレーに追加仲間枠を奪われ、多くのファンが涙したが、SOAにてついにプレイヤーキャラクターとして実装がなされた。 - ウェルチ・ビンヤード (CV:半場友恵)
- エリクール人(?)。職人ギルドの案内係。
以後シリーズ常連キャラクターとなり、リメイク版SO1やSO2では仲間キャラクターとして追加された。
関連動画
PV・CM
プレイ動画
その他
関連項目
外部リンク
- スターオーシャン Till the End of Time
- スターオーシャン Till the End of Time ディレクターズカット
- エニックス、PS2「スターオーシャン3」キャラクタが動作不能になる現象への対応を発表
脚注
親記事
子記事
兄弟記事
- スターオーシャン4
- スターオーシャン セカンドストーリー
- スターオーシャン1
- スターオーシャン5 Integrity and Faithlessness
- スターオーシャン:アナムネシス
- スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE
- 8
- 0pt