ファイルシステムとは、OSの最も基本的な機能の一つで、HDDやSSD、メモリーカード、光ディスクなどの記憶装置のデータを管理するためのフォーマットである。
概要
補助記憶装置に格納されたデータを管理するための仕組みである。フロッピーディスクやHDDなどのディスク(最近であればSSDやメモリーカードなどのフラッシュメモリストレージ)へのデータの書き込み・保存・読み出し・検索・アクセス制御などを担う。
OSの最も基本的な機能の一つで、DOSは「ディスク管理のためのシステム」を意味した。
主なファイルシステム
FAT(File Allocation Table)
MS-DOSのファイルシステムである。原型が1970年代に設計されたため、ファイル名が8文字+拡張子3文字までしか扱えない(VFAT非対応の場合)、大容量ドライブでは非効率、ファイルの不整合によりデータが壊れやすいなど著しく時代遅れの代物で、既に陳腐化して久しいが、今でも多くのOSが対応している。元々はフロッピーディスク前提で32MBまでしか使えなかったが、最終的にFAT32として拡張され、2TB以上のストレージに対応した。Windows 95以降はVFATとして最大255文字までファイル名が使えるようにされた。それでも4GB以上のファイルの保存はできないため、動画の保存などには向かない。
NTFS(NT File System)
Windows NT系のファイルシステムである。ギガバイトクラスのハードディスクを前提に設計され、最初から255文字の長いファイル名に対応している。また、代替データ ストリーム(マルチ データ ストリーム)としてメタデータをサポートしている。- Windows NT 4.0以前のNTFS1.xと、Windows 2000以降のNTFS 3.xとは互換性がない。後の拡張でアクセス権の設定、ジャーナリング、暗号化、スナップショットなどをサポートした。デジタルカメラや家電製品などWindows以外のプラットフォームは対応していないため、メモリーカードのファイルシステムとしてはあまり使われない。
exFAT
メモリーカードやUSBメモリでよく使われるファイルシステム。FAT32の後継としてマイクロソフトが開発した。名前はFATの拡張のようだが互換性はない。NTFSのようなメタデータやファイル暗号化機能といった機能を欠いているが、FATと違いファイルサイズ、ボリュームサイズの制限がほぼない(最大256TB)。多くのデジタルカメラや家電製品が対応している。
ISO 9660
CD-ROMの標準ファイルシステムである。OSに依存しないファイルシステムとして標準化されたが、ファイル名が31文字までしか使えない、フォルダが8階層までなど機能が貧弱であったため、各ベンダーによる独自拡張も乱立した。CD-Rの書き込み時にセッションを閉じる必要があるのはこのシステムの制限による。
UDF(Universal Disk Format)
DVDの標準ファイルシステムである。書き込み完了時にセッションを閉じたりする必要のないパケットライト方式に対応した。DVD-VideoはUDF 1.02、Blu-RayはUDF2.5が採用されている。
関連項目
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