造血幹細胞(英: hematopoietic stem cell - HSC)とは、血球を造り出す細胞のことである。
概要
血液は「血漿(けっしょう)」という液体部分と、その中に含まれる数多の「血球(けっきゅう)」という細胞で構成されている。血球には赤血球、白血球、血小板という3種類の細胞があって、それらを造り出している生みの親が造血幹細胞である[1]。
人類の造血幹細胞は基本的には骨髄に存在しており、すなわち主な造血の場は骨髄である。ただし母体での発生後ごく早期、あるいは特殊な薬剤を投与されている状況など、特殊条件においては例外もある。
また人類以外に目を向ければ、腎臓や脾臓に造血幹細胞が存在しておりそこで造血がなされる生物種も数多い。
医療においては、造血幹細胞の移植が必要となる場合がある。かつては造血幹細胞移植と言えば即ち「骨髄移植」であったが、「さい帯血移植」や「末梢血幹細胞移植」といったその他の手法も登場している。それら移植用の造血幹細胞の供給元としては骨髄バンクやさい帯血バンクが重要な役割を果たしている。
しかし日本では少子高齢化などに伴ってそれらバンクへのドナー(提供者)の減少が問題となっており、造血幹細胞を生体外で増やすための技術の開発も試みられている。令和元年(2019年)5月30日には、東京大学医科学研究所・スタンフォード大学・理化学研究所の共同研究チームが「液状のりの成分で造血幹細胞を増幅」することに成功したと報道され、「液状のり」の部分に意外性があったために多くの人の関心を引いた[2]。
関連動画
関連商品
関連項目
脚注
- 0
- 0pt
- ページ番号: 5564612
- リビジョン番号: 2699787
- 編集内容についての説明/コメント: