DCTとは
デュアルクラッチトランスミッション(DCT)とは、自動車・オートバイ用のオートマチックトランスミッションの方式のひとつである。トラックでの採用も増えつつある。
概要
DCTは機構的には一般的なマニュアルトランスミッションに通じる部分があるが、最大の特徴は文字通り2個のクラッチを持つことである。
トランスミッション内に奇数段用クラッチと偶数段用クラッチを用意しておき、変速時にはあらかじめ次の段のクラッチが待機しており、指令が入るとすぐ切り替わるというシステムである。
メリット/デメリット
メリット
- 一般的なトルクコンバーター式ATよりも駆動力のロスが大幅に少ない。MT車同様、低速域から高速域までオールラウンドに伝達効率が良い。そのため、燃費が良い。(MT→95%、DCT→93~94%、
トルコンAT低速域→80%、トルコンAT高速域→90%、CVT低速域→85%、CVT高速域→75%) - オートマチック限定免許でも運転可能。
- 変速作業がすぐ終わり駆動力が途切れる時間が減るためターボラグの軽減に役立つ。
- 多段化が容易。
- CVTのような無段階でスーッと伸びるタイプではなく、これまでのマニュアルトランスミッションのように小気味よい歯切れのある加速感に慣れている人から気持ち悪がられることがない。
- ユーザーが任意で変速操作が行えるためスポーツ走行にも対応できる。
- 大出力に耐えられる。ブガッティ・ヴェイロンのような1000馬力クラスでもへっちゃら。
デメリット
- 高価。
- メンテナンスを怠ると変速ショックが大きくなる。
- クラッチジャダー(異常振動・異音)が発生しやすい。特に渋滞時。
- クリープ現象が小さく、低速域での細かなコントロール(車庫入れや隘路での切り返し等)がしづらい。黎明期のDCTはクリープ現象がほぼ皆無でDもしくはRに入れてブレーキを離しても平坦路でもクルマが動かないレベルだった。現在ではソフトウェア改良等でトルコンAT車並みのクリープ現象を起こせるようになっている。
呼ばれ方
メーカーによって呼ばれ方が違う。
- DSG→フォルクスワーゲン、ブガッティ
- M DCT→BMW
- PDK→ポルシェ
- Sトロニック→アウディ
- パワーシフト→ボルボ
- ツインクラッチSST→三菱
- デュオニック→三菱ふそう
- ISIM(アイシム)→いすゞ
主な採用車種
- フォルクスワーゲン シロッコ・パサート・ゴルフ・ポロなど
- アウディ TT・Aシリーズなど
- ブガッティ ヴェイロン
- BMW 1シリーズ・3シリーズ・Z4など
- ポルシェ 911・ボクスター・パナメーラなど
- メルセデスベンツ SLS AMGなど
- フェラーリ 458イタリア・カリフォルニアなど
- アルファロメオ ミトなど
- マクラーレン MP4-12C
- プジョー 4007(三菱・アウトランダー欧州仕様のOEM車なので)
- ボルボ Sシリーズ・Vシリーズなど
- 三菱 ランサーエボリューション・ギャランフォルティスなど
- 三菱ふそう キャンターなど
- 日産 GT-R
- ホンダ VFR1200F・インテグラ・NCシリーズ・フィット(2013年GP5型:ハイブリッド車のみ)など
- JR北海道 キハ160形気動車(ハイブリッド試験車)
- いすゞ エルフ
関連動画
関連項目
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