Hotline Miami(ホットライン・マイアミ)は、2012年発売の2D見下ろし型アクションゲームである。制作はDennaton Games。
PC版がSteam、GOG.comにて配信[1]。日本語対応。
インディーゲームとしては異例のヒットとなり、多くのフォロワーを生み出した。
また2015年6月25日、PS4・PSVitaで日本語対応版「Hotline Miami Collected Edition」が発売された。
続編である「Hotline Miami2:Wrong Number」とのバンドルとなっており、従来より読みやすい日本語フォントを使用している。(後にアップデートにより、PC版でも新フォントおよび邦訳が適用された)
本作の肝とも呼べる暴力表現において規制は入っていない。
概要
レトロなドット絵&音楽、過激な暴力描写とスピーディーなアクション、謎と狂気に満ちたストーリー、そして何より「簡単に殺し、簡単に死ぬ」死に覚えゲーとして評価が高い。
ストーリーはチャプターごとに区切られており、敵が配置された複数のステージで構成されている。プレイヤーは様々な動物のマスク(マスクにより様々な副次効果が得られる)を被り、敵を殺害してゆく。殺害方法およびコンボでポイントが加算され、ハイスコアを記録すると新しいマスク・武器がアンロックされる。
その一方、プレイヤーは敵の攻撃を食らえばあっさり死んでしまう。ボタン一つで即リトライが出来ることを利用し、どのように進んでいけばいいのかを覚えながらステージを攻略していく事となる。
ストーリー
1989年4月3日、フロリダ州マイアミで物語は始まる。
プレイヤーは、本名その他が一切不明な青年「Jacket」として夢を見る。夢の中では三人のマスクを被った人物が謎めいた言葉をJacketに投げかけるのであった。
夢から覚めると自宅のアパートの留守番電話に伝言が入っており、それに従って荷物を開くと、そこには夢で見たニワトリのマスクが入っていた。Jacketは伝言が命じた通りにロシアンマフィアを襲い、そして殺害する。
その後もJacketは電話の声に従い、ロシアンマフィアを殺し続ける。「仕事」の帰りに立ち寄る店では「Beard」が待っており、商品をすべて無償で提供すると共に、Jacketを称賛し続ける。
ある時映画監督の自宅を強襲した後、監禁・虐待されていた娼婦「Hooker」を自宅に連れ帰る事となる。殺伐とした日々において、彼女は束の間の癒しとなっていくのであった。
そして、運命の分岐点となる1989年5月23日。電話に導かれるままロシアンマフィアを殺害したJacketに追加の依頼が入る。
訪れた先に待っていたのは、フルフェイスヘルメットを被った「Biker」という男。二人の壮絶な決闘の後、物語は狂気に浸食されていく事となる……
登場人物
- Jacket(ジャケット)
主人公。本名、経歴などは不明。(続編でほんの少し素性が解る)
留守番電話に吹き込まれた伝言に導かれ、ロシアンマフィアを殺害し続ける。最初の「仕事」では浮浪者を手にかけ、嫌悪感のあまり嘔吐していたが、徐々に「手慣れたものの如く」殺人を繰り返すようになる。
(ネタバレ:クリックすると内容が表示されます)
実は1989年5月23日の時点で、彼はBikerに殺される運命だった。しかし逆にBikerを殺害した彼の世界には、徐々に死体が溢れ出して行く。惨殺した筈の男が喋り、訪れた店ではBikerやBeardの死体が転がり、代わりに禿頭の男「Richter」(リヒター)が不愛想に彼を追い返す。Hookerも姿を消してしまい、次第に世界は狂っていく。
やがてJacketの犯行は警察の捜査が及ぶようになる。追われながらもなおロシアンマフィアを殺し続けるJacketが帰宅すると、殺害されたHookerの死体とネズミマスクをつけたRichterに遭遇する。その場で射殺されたJacketは悪夢の中でニワトリマスクの男・Richardに話しかけられた後、昏睡状態で眠り続ける己の姿を前にして発狂、自らの頭を引き裂いてしまう。
病院で目覚めたJacketは、連続殺人の重要参考人として警察に拘留されていた。自由にならない体を動かして病院から脱出したJacketは警察署を襲撃、Hooker殺害容疑で拘留されていたRichterを追い詰め、調査書を入手。ロシアンマフィアのボスのアジトを突き止めると、最後の戦いに赴く…… - Biker(バイカー)
Jacketの前に現れた謎の男。武器は肉切り包丁と投げナイフ。
Jacketと同じく、電話に導かれて殺人を繰り返していた。オンボロアパート住まいのJacketとは対照的に、サイケデリックな内装の豪華なアパートで何人かと共同生活をしているようだ。
- Hooker(フッカー)
映画監督の自宅に監禁されていた娼婦。相当酷い事をされていたらしく、救出された時は自力で歩けなかった。パッケージイラストでは手足に無数の注射痕が見受けられる。
Jacketに助けられて同棲を始めるが、最初は荒れ放題だった汚い部屋を掃除し、花を飾る、ベッドを整える(日を経るにつれて徐々にベッドが近づいていく)など、実際の会話こそないものの癒しとなっていく。 - Beard(ビアード)
ヒゲ。Jacketが立ち寄る先々の店(バー、ビデオショップ、ピザ屋など)の店員として姿を見せ、親しげに話しかけてくる。Jacketに対して無償で商品を提供し、励ましてくる謎の存在。(続編でほんの少し素性が解る) - マスクの人物
ニワトリマスクのRichard(リチャード)、フクロウマスクのRasmus(ラスマス)、馬マスクのDon Juan(ドンファン)。
Jacketの夢に再三現れ、謎めいた言葉をかけてくる。Don JuanはJacketを気遣い、RasmusはJacketを罵倒し、そしてRichardはJacketにこう質問する。
「Do you like hurting other people?」(他人を傷つけるのは好きか?)
小ネタ
日本のフリーゲーム製作サイト「ひもじ村」による「はかいマン」および映画「ドライヴ」(2011年)の影響を受けている。スペシャルサンクスとしてそれぞれの名前が掲載されている。
音楽
音楽は複数のアーティストが参加。
全体的に80年代風となっており、中毒性の高さから人気を得ている。Steamでの購入が可能。
コラボレーション
「マスクを被って犯罪を行う」という類似点もあり、「PAYDAY2」とのコラボレーションが実現。
続編「Hotline Miami2:Wrong Number」のデジタルスペシャルエディションを購入する事で、Jacketがキャラクターとして使用可能。これとは別に、マスク・武器・新ジョブがDLC「PAYDAY 2: Hotline Miami」として配信されている。
Jacket本人は一切言葉を喋らず、合成音声をテープレコーダーで再生してコミュニケーションを取るという、ちょっと変わった設定。無機質なボイスで淡々と繰り返される脅迫や指示は不気味極まりなく、トレイラーでは犠牲者となる特殊隊員が絶望するような演出を見せた。クローカーざまあ。
「Do You know what time it is?」(今何時か解るか?→これから何をされる時間か解るよな?)
なお、1989年から何でPAYDAY2の時代(2013年)に来てるのかという設定については「いつも乗ってるデロリアンでタイムスリップしてきた」説がある。細かい事はいいんだよ!マイアミにおけるロシアンマフィアを一掃した事が語られており、PAYDAY2の世界でも有名人である模様。
関連動画
関連商品
- Steam:Hotline Miami
- Hotline Miami on GOG.com
- Amazon: ホットライン マイアミ Collected Edition - PS4
- Amazon: ホットライン マイアミ Collected Edition - PSVita
関連項目
脚注
- *かつては Magino Driveでも配信されていたが、2022年にMagino Driveのサービス自体が終了した。現在、サービス跡地のURLにアクセスして表示されるのは別の事業者のサイトである。
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