チップとデールの大作戦とは (チップトデールノダイサクセンとは) [単語記事]

チップとデールの大作戦（原題：Chip 'n Dale Resc ue Rangers）とは、ディズニーが製作したテレビアニメシリーズ。ディズニーの人気キャラクターチップ＆デールを主人公とした独自の世界観を築いた冒険物語である。

概要

本場アメリカでは1989年 3月～1990年 11月まで放送された。日本にも早い段階に輸入されており、テレビ東京ではかなり独特の吹き替えキャストで放送されている。
現在はディズニーチャンネルなどの番組で昨今定着したキャストを始めとした布陣で度々放送されている。

チップとデールがレスキューレンジャーという組織を設立し、数々の難事件を解決していく明朗快活な作品。
チップとデールがあくまで主人公であるので、短編アニメーションでよく共演したミッキーマウス、ドナルドダック、プルートなどは一切登場しない。この点はドナルドダックをゲストで登場させたダックテイルズとは異なる点であろう。

短編アニメーションでは、一時期鼻の色が同じであるなどの理由で見分けが付きにくいこともあったリスの兄弟だが、今作ではコスチュームを着用・毛の色を少し変えるなどして、短編の頃よりも外見的個性がパッと分かりやすくなっているのも特徴。

レスキューレンジャーの仲間達はいずれも本作のオリジナルであるが、ヒロイン役のガジェットは現在でも彼女の設定をモチーフとしたアトラクションがディズニーランドにあるなど本作の人気が伺えるエピソードがある。

日本語版の主題歌はハスキーボイスな女性歌手が歌うバージョンと男性が歌うバージョンがある。前者は初代輸入版、後者は今有名な方である。
ダックテイルズで良い感触を得たためか、アニメーション制作にはトムス・エンタテインメントもいくらか携わっている。

ファミコンではカプコンより本作をモチーフにしたアクションゲームが2作発売されている。タイトルは『チップとデールの大作戦』『チップとデールの大作戦2』
この2タイトルは後にカップリングソフト『The Disney Afternoon Collect ion』にて他のディズニー発TV シリーズを原作としたゲームタイトルと共に現行機向けに移植されたのだが、版権の問題なのか、残念ながら日本では未発売となっている。なお、どこかの国ではキャラを某配管工に差し替えた上でメガドライブに移植した物が発売されている様子。

2014年 2月、まさかの長編実写映画化が決定。2022年にDesney+にて『チップとデールの大作戦レスキューレンジャーズ』のタイトルで配信された。
同作は実写とアニメを混ぜつつも、現在の様々なディズニー社が版権を保有するキャラクター達が多数登場する。いわゆる「現代版ロジャーラビット」という様な内容の作品となっている。

登場キャラクター

声優は先駆けて放送されたテレビ東京版、ソフト版（いわゆる新声優版）、原語、長編(吹替)、長編(原語)の順で記す。

チップ
声：堀内賢雄、滝沢ロコ、トレス・マクニール、石川界人、ジョン・ムレイニー
レスキューレンジャーのリーダー的存在。フェルトハットにジャケットとインディ・ジョーンズを思わせる渋いコスチュームを着込んでおり、短編版より表情も大人びている。一番のツッコミ役でもあり、ドジなデールをしばしば気にかけたり、呆れたりしている。賢いので頭脳面でも頼りにされている。長編ではTV版の声は演技の時の声だと言う事が明らかになった。
デール
声：山寺宏一、稲葉実、コーリー・バートン、野島裕史、アンディ・サムバーグ
レスキューレンジャーのムードメーカー。アロハシャツという緊張感のないファッションからも分かるように、本作でもとぼけたマイペースな性格は変わらない。その性格から自ら事件を呼びこむことがあるなどメンバー随一のトラブルメーカーである。テレビ東京版では一人称が「俺」で、山寺宏一がムーランのような声とノリで演じる。長編ではチップと同様TV版の声は演技の時の声である事の他に、メンバーで唯一CG手術を受けてリアルな外見になっている。
ガジェット
声：冨永みーな、松井菜桜子(長編も同様)、トレス・マクニール
 レスキューレンジャーの紅一点である天才メカニック。モンタリーの姪。作業着を着た美人ねずみで、チップやデールもその美貌にメロメロ。天才ぶりは人知を超えており、ゴミの山から潜水艦を作ってしまうほどの、脅威の技術力を誇る。レスキューレンジャーの飛空艇も彼女作。長編ではジッパーと結婚して大勢の子供達に恵まれていて、ジッパーを「ハニー」と呼んでいる。彼女の頭脳は現実世界でも役立っていて、TV版の撮影用の小道具だった飛空艇も実際に飛べるように改造して操縦も出来るくらい(彼女曰く自分の場合は物語の中のキャラクターも実際の自分も全く同じだったみたい)。
モンタリー
声：藤本譲、峰恵研、ピーター・カレン→ジム・カミングス、楠見尚己、エリック・バナ
レスキューレンジャー最年長であるオジサンねずみ。年の功からくる懐の広さでメンバーを支える他、怪力が自慢。しかし良識派であるが故の情けない一面も度々見せる。チーズを見ると目の色が変わり、その匂いに引かれて我を忘れてしまうという駄目なところがあるが、いつもジッパーに止められる。長編ではチーズ好きが災いしてアニメキャラクター行方不明事件の被害者に。地声の時のチップとデールは彼を「モンティ」と呼んでいる。
ジッパー
声：コーリー・バートン（日米新旧共通・新声優版第52話の特別な展開では岡村明美が声を当てた。長編での地声は不明）
レスキューレンジャーの中で最も小柄な、シャツを着たハエ。羽音（コーリー・バートンが声で羽音を作っている）やボディランゲージで意思を伝える。ハエなだけに身体は小さいが妙な怪力を見せることがある。しかし普段は主に諜報活動のような場面で活躍する。チーズで暴走したモンタリーを止める役を担う。長編ではガジェットと結婚して大勢の子供達に恵まれた時、子育ては最高にやりがいのある仕事だと言っている。ガジェットの事を「ダーリン」と呼んでいる。デールと再会した時にはTV版の声で喋っていたが、途中で地声で喋りなおした。
ファットキャット
声：島香裕、加藤正之→中庸助、ジム・カミングス、玉野井直樹
 犯罪組織のボスネコ。レスキュー・レンジャーの敵。スーツとネクタイを身に付け、ハマキを吸っている。部下を数匹連れている。
モール
声：亀山助清、安西正弘、コーリー・バートン
 モグラ。部下の中では一番頼りがいがなく、間抜けでのんびり屋。また、金よりキャンディを好むお茶目なところも。スキー帽に赤いシャスを着ている。
メップス
声：たてかべ和也→沢りつお、千葉繁、ピーター・カレン
 ネコ。耳は欠けており、尻尾に包帯を巻いている。冴えない外見から、性格もややひねくれている。その容姿は「ピノキオ」に登場するギデオンそのもの。
ワート
声：沢木郁也、西川幾雄、ジム・カミングス
 トカゲ。ロシアのチンピラをイメージした衣装をしている。陰険な性格で、何よりも宝石が大好き。
スノート
声：小野健一、真殿光昭、コーリー・バートン
 ネズミ。部下の中でも一番頭の回転が速く、ずる賢い。また足も速く、かなり俊敏。部下の中では出番が少ないが、たまにワートやメップスの代わりに登場したり、四匹全員登場することもある。
ニムナル教授
声：辻村真人、上田敏也、ジム・カミングス
憎めない見た目ながら、その内面はマッドサイエンティストという科学者。猫を次々と誘拐し、彼らの毛を摩擦することによって生まれる静電気で電気を集めたりと残酷な性格。
スウィート・ピート
声：落合弘治、ウィル・アーネット
長編に登場する敵で、アニメキャラクター行方不明事件の黒幕。かつて『ピーター・パン』、『ピーター・パン2 ネバーランドの秘密』、『ジェイクとネバーランドのかいぞくたち』で永遠の少年として過ごしていた男だったが、成長を理由に俳優業を解雇されてしまった事で、ギャング団のリーダーとして、偽造版映画制作のビジネスに手を出すようになってしまった。モンタリーやフランダー等、大勢の罪の無いアニメキャラクター達を騙して借金を背負わせて誘拐し、偽造版映画撮影の為の奴隷として偽造版キャラに改造していた。