ホモバトラコトキシン(Homobatrachotoxin)とは、ピトフーイなどが保有するアルカロイドである。
ホモバトラコトキシンは、ニューギニア原産の鳥ピトフーイ(ズグロモリモズ、カワリモリモズなど)や、南北アメリカ大陸に分布するヤドクガエルがもつ、ステロイドアルカロイドの神経毒である。
毒性は非常に強く、LD50(半数致死量:投与した動物のうち50%が死亡する量)は皮下注射で3μg/kg。
ピトフーイは、初めて発見された有毒の鳥類である(現在はズアオチメドリ、チャイロモズツグミなども毒をもつことが明らかになっている)。ピトフーイ自身が毒を合成しているわけではなく、餌である虫から食餌によってこの毒を羽や皮に蓄積し、捕食者から身を守っている。
中国の『韓非子』『本草網目』などには、毒をもつ鳥「鴆(チン)」についての記述があり、伝説上のものと考えられていたが、ピトフーイの発見によって過去に実在した鳥である可能性が出てきた。
なお、モウドクフキヤガエルなどがもつステロイドアルカロイドのバトラコトキシンは、ホモバトラコトキシンの類縁体である。接頭辞ホモ(homo-)は骨格原子の挿入を意味する。また、バトラコ(batracho-)は蛙を意味するβάτραχος(batrachos)、トキシン(-toxin)は毒を意味するτοξίνη(toxine)が由来。
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7 ななしのよっしん
2014/08/29(金) 12:22:52 ID: OEbjNKB/Sk
HOMO=同じ、バトラコ=蛙、トキシン=毒
ステロイド骨格を有し、七員環まで持つなかなかオサレな毒物
8 ななしのよっしん
2015/12/16(水) 07:29:57 ID: OEbjNKB/Sk
>>7にちょっと間違いを書いてた。訂正する。
接頭辞ホモには「同一の」という意味があるが、この場合は「骨格原子が挿入された」を意味するようだ。
バトラコトキシンにメトキシ基が増えた構造だからホモバトラコトキシンということらしい。
9 ななしのよっしん
2016/02/05(金) 16:33:57 ID: OEbjNKB/Sk
うわぁ……また間違いを書いてた。メトキシ基じゃなくてメチレン基だ。
大変失礼いたしました。
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最終更新:2024/06/02(日) 05:00
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