浅見 光彦とは、内田康夫が著する推理小説の登場人物、またはそれを主人公とする小説シリーズである。
職業は探偵……ではなく、フリーのルポライター。
主に旅関連の雑誌記事を書き、たまに政治家の提灯持ちをする程度。
被害者や遺族にとっては不謹慎なことこの上ないが、探偵は趣味でやっていること。
家族構成は母、兄、兄嫁、姪、甥。
妹が留学中。
父ともう1人妹がいたが、他界している。
兄の家に居候という身分で、家の中での地位は低い(けっして不仲だというわけではなく、家族関係は良好)。
家は代々、高級官僚を多く輩出してきた名家。現に父は元大蔵省の局長で、兄は警察庁の刑事局長(階級は警視監)。
そんな中で浅見は実質的な定職にも就いていないため、肩身の狭さに拍車をかけている。
姪と甥からはしばしば「おじさんは結婚しないの?」「イソーローって何?」といった、悪意の無い手厳しいツッコミを受ける。まるでお前ら。
また、住み込みの家政婦がおり、彼女からは(彼女のほうが年下にもかかわらず)「坊ちゃま」と呼ばれている。昭和の時代から存在するシリーズであるというのに、それなんてエロゲ?を地で行く設定である。
ちなみにこれは、浅見が幼少のころから勤めていた先代の家政婦から受け継いだ呼称である。
作中のヒロインが浅見家に訪問したときや電話をかけたときに、若い女性が出てきたことで慌て驚き、その女性が33歳の男を「光彦坊ちゃま」呼ばわりすることで再度驚くのは、シリーズ恒例行事の一つである。
主に雑誌記事の取材で訪れた先で発生した事件に、好奇心から首を突っ込む。近年は探偵としての名が上がってきたため依頼を持ちかけられることもあるが、本人は「探偵は趣味」ということでそれをあまりよく思っていない(自分の体験談を推理作家の内田康夫が勝手に本にしてしまうため)。
探偵としての能力は非常に高く、優秀な兄も「自分にはない能力」と一目置くほど。
母からは「警察高官である兄に迷惑がかかる」として、探偵活動を好ましく思われていない。
警察官でもなければ本業の探偵というわけでもなく、ルポライターの癖に事件を記事にしようという意思もないのに、事件現場や関係者の周りをうろついていて、本職の刑事たちが快く思うはずもない。そのため、しばしば事件の参考人として連行されたりするのだが、浅見が刑事局長の弟だと知れると途端に手のひらを返して歓迎ムードになる。このやりとりはもはやシリーズの名物となっている。特にドラマだと、それまでシリアスに物語を進めていたとしても、この部分だけはコメディタッチの演出・演技になる。
当の浅見は、兄に迷惑がかかるとして身元が知れることを嫌がっている。だったら探偵活動なんかやめろよ。
真相に辿り着いた後、関係者を集めて推理を公開したり、犯人を警察に突き出したりということは滅多にしない。
犯人にのみ真相を知ったことを伝えた上で自首を勧め、その後の行動は犯人自身に任せることが多い。そのため、犯人が自殺してしまったり、口封じのため浅見を殺害しようとすることも少なくない。
浅見自身、このやり方は「逃げ」であるとの自覚はある模様。(あまりにそうなる可能性が高いと感じた場合は、あらかじめ警察に連絡を取るなどの予防線を張っている。)
保全投資協会という詐欺組織に関しては友人を殺したので復讐心むき出しであり、上記のように勧めるのではなく自らの手で警察に突き出すほどである。その組織が隠し持っていた財産も奪い、組織の人間に対しては「命以外の全てを(人間としての尊厳や誇りを)奪い去る」贖罪を求めている。もちろんそんなことをして組織の残党やその親族に恨まれないわけが無く、常に命を狙われている状態である。実際には関係は無かったのだが「浅見光彦殺人事件」というタイトルの小説内でも影をちらつかせている。件の小説の犯人は実はそれより前に出た小説に出ている
前述の通りフリーではあるが、『旅と歴史』という業界の中では中堅どころの雑誌と契約を結んでおり、そこによく記事を寄せている。
浅見が普段使用する名刺はフリーのルポライターとしての肩書きのないものだが、どうしても社会的な地位が必要になる場合は『旅と歴史』の雑誌名が書かれた名刺を使用する。
ルポライターとしてそれほど人気・有名というわけではないが、書く記事の評判はそこそこ良い。
旅先や捜査の中で出会う人物の中には、浅見の書いた記事を褒める人もいる。
事件の記事は書かないが、事件の情報を得るために警察の記者会見に入り込むことがある。
腕章なども持っていないので入るのに一苦労だったり、『探偵』としての質問を投げかけてしまうために煙たがられたりすることもしょっちゅうである。
内田康夫の著書の大半がこのシリーズであり、登場作品は100作を超える。シリーズの初作品は著者の3作品目に当たる『後鳥羽伝説殺人事件』(1982年)。
タイトルが「[地名]殺人事件」「○○伝説殺人事件」となっているものがやや多く、日本国内の旅や舞台となる地域の歴史がテーマになった作品が多い。また、作中で時事ネタを取り扱うことも多い。
著者自身が「軽井沢のセンセ」として、作中に登場する。浅見の事件のレポートを元に小説を書いているという設定である。
作中で浅見が「僕が関わった事件を元に小説を書いて、メシの種にしている困った人がいる」と、ある意味メタなボヤキをするのももはや恒例。
幾度となく2時間ドラマ化や映画化もされており、2009年10月からは連続ドラマ化。
更には漫画やNintendoDSのゲームといった分野にもメディア展開している。
なお浅見は独身で長身(179cm)・ハンサムという設定である。
その要因も加わってか女性ファンも多く、「浅見光彦倶楽部」という公式ファンクラブが存在する。
そんなわけで浅見光彦役を演じるのは、大抵がイケメン俳優。
DS版より公式認定された声優までもが気付けばイケメンを起用していたというこの結果。
30代になってもプーの探偵さんって飄々としてて素敵なイメージあるしね!(※ただしイケメンに限る)
シリーズは30年以上にわたって書き続けられたが、内田康夫は2015年に脳梗塞で倒れ執筆が困難になり、2017年、途中まで新聞連載されていた第115作『孤道』を未完のまま刊行し、完結編を公募する企画が行われた。
2018年3月、内田康夫が死去。2019年、公募企画で最優秀賞を受賞した和久井清水による『孤道 完結編 金色の眠り』が刊行された。また、内田康夫財団公認で、柄刀一が浅見光彦と自身の名探偵・天地龍之介が共演するシリーズを2018年から刊行しており、「軽井沢のセンセ」亡き後も、浅見光彦の活躍は別の作者によって書き継がれていくのかもしれない。
「名探偵コナン」の登場人物、少年探偵団の「円谷光彦」とその姉「円谷朝美」は、それぞれ浅見光彦から名前を取っている。また、同作に「内田麻美」という人物も登場し、こちらは「浅見光彦」と著者の「内田康夫」を合わせたものと見られる。
掲示板
22 ななしのよっしん
2022/03/01(火) 16:42:45 ID: h0bIb8b5ur
手のひらくるくるも色々バリエーションあるの面白いな
直球ドゲザの申し訳ございませんでしたぁー!からいゃぁ浅見“先生“もお人が悪いですりよってくるのからw
23 ななしのよっしん
2023/02/01(水) 17:57:03 ID: CW/uCBwa4E
ルポライターと名乗ると相手(主に警察)にまともな職業じゃないみたいな態度される場面がよくあるけど
当時はルポライターってそういうイメージだったの
24 ななしのよっしん
2023/05/11(木) 14:44:08 ID: MSOfomzoTJ
作者が後書きで、「短編小説で〇〇先生みたいに切れ味の鋭さで面白いのを書くのは僕には無理、シリーズでキャラクターの持ち味を活かしたい」
とか(うろ覚え)書いてたのをふと思い出した。
仔細さよりキャッチーなコピーを尊ばれるレビューや、逆にキャラクタービジネスとして長く稼いでるものを見ると
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最終更新:2024/05/24(金) 04:00
最終更新:2024/05/24(金) 04:00
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