羽子板と耳にすると、まず羽根突きを思い浮かべるだろう。
羽根突きは当初、室町時代の貴族の遊技として楽しまれており、時が経つにつれ庶民の間にも流行するようになっていった。
羽根の飛ぶ姿がトンボに似ていることから、蚊が病気を媒介すると認識していた昔の人々は羽根をトンボに見立て、トンボが子どもの病気の原因となる蚊を食べてくれるようにと、厄除けのまじないとして正月に羽根突きを行っていた。
羽根突きに用いる羽根の付いた黒くて堅い玉は「無患子(むくろじ)」という大木の種で、「無患子=子供が患わない」という意味から、無病息災の意味も込められている。
江戸時代に入ると、生まれた子供が邪気をはね(羽根)のけ、福徳豊かに成人するようにという願いを優雅で華麗な装飾を施した羽子板に託し、女児の誕生に羽子板を贈る習慣が盛んになった。
羽子板は正月の羽根突きの遊び道具、贈り物、飾り物という用途に加えて、女児の初正月を祝い、邪気をはね除け美しく無事成長することを願うための大切な飾りとなっている。
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最終更新:2024/06/03(月) 11:00
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