あやめ(特急)とは (アヤメとは) [単語記事]

あやめ(特急)とは、東京方面と鹿島神宮とを結んでいた国鉄・JR東日本の特急列車の名称である。

概要

元々成田線には、両国と銚子を成田線経由で結ぶ急行「水郷」が運行されていた。1970年に鹿島線が開通した際、この水郷に鹿島神宮行きの編成が誕生することになり盛況を博した。

1975年 3月10日(山陽新幹線が博多まで開通した日でもある)のダイヤ改正でこの鹿島神宮行き「水郷」のうち4往復を東京発着に変更の上、特急に格上げしたものが「あやめ」である(急行のまま残った編成は「鹿島」へと改称され、水郷は元の銚子行きのみに戻った)。同時にエル特急としての指定も受けた。

その後あやめは1982年に前述の鹿島を吸収して5往復となり、新宿発着の列車も登場するなどピークを迎えるが、バスとの競争で次第に劣勢となり1985年 3月14日には末端区間(佐原-鹿島神宮間)の普通列車への格下げとグリーン車の廃止を実施。さらに1987年の高速道路の潮来ICまでの延伸と高速バス「かしま号」の攻勢を受けて93年・94年と2往復ずつ廃止された結果、1往復にまで減ってしまいエル特急としての指定も解除される。

その後は通勤・通学用のホームライナー的存在として存続し、「水郷」が格上げされた特急「すいごう」などを吸収して一度は上り2本・下り4本まで増発したり、使用車両も新型車両に更新(後述)したものの、最終的には2015年 3月13日を最後に40年の歴史に幕を下ろした。

あやめの見ごろである6月の土休日には、臨時列車として東京方面と鹿島神宮とを結ぶ「あやめ祭り」が運転される。(定期列車運行末期は単純に「あやめ」の臨時便であった。)こちらは定期列車の廃止後も引き続き新宿発の1往復が設定されている。(かつては大船発なども存在した。)

この列車は全区間が特急列車として運転される(鹿島線内ではあやめ園最寄りの潮来駅に停車する)。

現在の使用車両は後述のとおりE257系だが、かつてはジョイフルトレインが使用されていたこともあった。

沿線である千葉県北東部から茨城県南東部が群生地となる植物「あやめ」から。183系時代のヘッドマーク・E257系時代のトレインマークにも同植物があしらわれていた。

1975年 3月10日の特急「あやめ」の運行開始時から2005年 12月10日のE257系の投入まで、30年間運行されていた。
当初は「わかしお」「さざなみ」「しおさい」同様にグリーン車を含む9両編成だったが、利用率低迷に伴い1985年 3月14日のダイヤ改正で「すいごう」同様に普通車のみの6両編成へと短縮された。

2005年 12月10日に183系の置き換えとして登場。
基本は5両編成であるが、しおさいとの併結という形で佐倉まで10両編成で運行する列車もあった。あやめ祭りでも引き続き使用されている。

前述のとおり、下り列車は夜に、上り列車は朝に運行され、ホームライナー的性質が濃かった。

凡例●：停車、○：停車（普通列車各駅停車扱い）、"：未経由、-：通過

駅名	東京駅	錦糸町駅	千葉駅	四街道駅	佐倉駅	成田駅	滑河駅	佐原駅	香取駅	十二橋駅	潮来駅	延方駅	鹿島神宮駅	水郷駅	小見川駅	笹川駅	下総橘駅	下総豊里駅	椎柴駅	松岸駅	銚子駅
1号(下り)　20:45発	●	●	●	-	●	●	●	●	○	○	○	○	○
3号(下り)　21:35発	●	●	●	●	●	●	●	●	○	"	"	"	"	○	○	○	○	○	○	○	○
2号(上り)　6:54発	●	●	●	-	●	●	●	●	○	"	"	"	"	○	○	○	○	○	○	○	○
4号(上り)　8:31発	●	●	●	-	●	●	●	●	○	○	○	○	○