アクアリウムとは水生生物を飼育する容器、または水族館のことをいう。
広くは、水族館のような大型施設から、小規模な個人的設備にまでまたがる概念であったが、
今日では、熱帯魚・温帯魚・日本産淡水魚や、水草などを水槽内で飼育・栽培する行為自体や、
そのために構築された水槽を含む設備全体を指して使われることが多い。
また、アクアリウムを楽しむ人々全般を指して「アクアリスト」と呼ぶことが多い。
まずは水槽。これがないとどうにもならない。
で、水槽を置くには家に置き場所が必要になる。どこに置くのかを入念に見当しておこう。スペースだけでなくコンセントが近くにあるか、水の便はどうか、これらも勘案しておく必要がある。
日本では昔から尺貫法が用いられていたことから、水槽のサイズも15cm刻み、もしくは30cm刻みで規格が統一されている。単に「60cm水槽」といえば幅が60cmのものを指す。幅が90cmなら「90cm水槽」、120cmなら「120cm水槽」だ。それぞれ高さと奥行きも決まっているので、サイズを知りたいときは幅だけみていれば問題ないのである。
通称 | 幅(cm) | 奥行き(cm) | 高さ(cm) | 水量(ℓ) |
60cmレギュラー | 60 | 30 | 36 | 65 |
60cmワイド | 60 | 45 | 45 | 121 |
90cmレギュラー | 90 | 45 | 45 | 182 |
120レギュラー | 120 | 45 | 45 | 243 |
180レギュラー | 180 | 60 | 60 | 648 |
初心者には60cmレギュラーでも「でかい」という印象を抱くだろう。そのうち小さくなってくる
たとえば↑は60cmレギュラーと呼ばれる一般的なサイズの水槽だが、幅60cm×奥行き30cm×高さ36mのこの水槽でも、水を入れて砂を敷いてフィルターを付ければ80kgくらいにはなる。いちど設置すればおいそれと動かせないので熟慮を要する。
床も大事な問題だ。傾いている床は論外だし、畳も沈んでしまうのでNGである。フローリング、コンクリートの床を設置場所に選ぼう。
ちなみに、建築基準法において定められている住居の長期積載荷重の最低基準は、1平方mあたり180kgとなっている。60cmレギュラー程度なら問題ないが、巨大な水槽だとこの数値を超えてしまう可能性がある。べつに建築基準に問題があるわけではなく、水槽というやつがあまりに局所的に荷重がかかりすぎるからである。最初から大きな水槽を導入する初心者は居ないと思うが、そういうときは設計業者に相談したり、必要なら床の補強をしてもらおう。
なお、木造建築の場合、1階や地下以外に60レギュラー以上の水槽を置くのはおすすめできない。
水槽を床に直接置くのならべつにいいが、できることなら立ったときの胸の高さに水槽があるくらいだと鑑賞しやすいし、水換えもやりやすい。
各社から専用の水槽台も販売されている。重量に対する耐久性はもちろん、水槽のサイズにぴったりに寸法が測られているので機能性も高い。
写真のように上下2段にわかれているタイプは、水槽を2本置くこともできるし、上段に水槽を置いて下段に餌やメンテナンス用品をしまっておく、という使い方もできる。個人的には地震が怖いので下段に水槽をもってきたいところだが、そこは各自の判断に任せることとする。
上段に置くとどうしても重心が高くなるので、水槽を壁面に固定するなどして、水槽が倒れることのないよう万全の地震対策を講じられたい。
むろん、置きたい水槽が幅30cmとか小さいサイズのものであれば、こういった心配はいらない。
観賞魚はだいたい熱帯魚である。冬期の日本では熱帯魚は凍え死んでしまう。そこでヒーターが必要になる。
熱帯魚用のヒーターは、セラミック管に電熱線を封じ込めたもので、これが水中で熱せられることで水を温めるという仕組みになっている。空気中では表面が余裕で300℃を超えるので絶対に通電中に空気中へ晒さないこと。火傷にも注意。
で、このヒーター、通電しっぱなしだと水が熱湯になってしまう。適正な温度になったらオフになってもらわないと困る。
そこで必要なのがサーモスタットだ。
まずサーモをコンセントにつなぎ、サーモの温度センサーと、サーモに接続したヒーターを水中に入れる。サーモには温度設定のダイヤルがある。ダイヤルを26℃に合わせれば、水温が26℃以上に達したときに自動的にヒーターへの通電をストップする。こうして水温を維持するわけである。
温度センサーがヒーターの近くにあると、全体の水温が上がりきらないまま通電オフになってしまう。ヒーターと温度センサーはなるべく水槽内の両端に設置するようにしよう。このため温度センサーのコードはかなり長めに作られている。
↑はヒーターとサーモスタットが一体化したオートヒーター。水槽に設置してコンセントを差せば勝手に26℃まで温めてくれる。便利である。ただし、飼育者側で設定温度を変更することはできない。繁殖の前段階で低温が必要とか、病気の治療で高温にしたいとかいう場合には適さないので、お好きなほうを選ばれたい。
オートヒーターをサーモスタットにつなぐと誤作動を起こす。通常のヒーターはサーモとセットで、オートヒーターは単独で使用するようにしよう。パッケージにでかでかと「自動で設定」とか「サーモいらず」とか書かれてあるし、わからなかったら店員に訊くとよい。
オートか否かにかかわらず、水槽のサイズ(水量)によってヒーターのワット数も異なる。以下に目安を記しておく。
45cmレギュラー | 100~150W |
60cmレギュラー | 150~200W |
60ワイド・75cmレギュラー | 200~300W |
90cmレギュラー | 300~400W |
120cmレギュラー | 500~600W |
大は小を兼ねるというが、観賞魚のヒーターにはかならずしも当てはまらない。ヒーターは通電が止まってもしばらくは余熱を発し続ける。水量に対してヒーターのワット数が大きすぎると、余熱だけで水温が上昇しすぎる可能性があるのだ。適正なワット数を選ぶようにしたい。
いまどきのヒーターには空焚き防止機能が標準装備されている。通電中に空気中に出て高熱になりすぎると自動的にオフになる、あるいは電熱線を切断するというもので、ヒーターが火災の原因となることを防ぐわけである。阪神淡路大震災のおりに発生した「移動可能な電熱器による電気火災」の原因の17%が熱帯魚用のヒーターが空焚きしたことによるという統計がある。外部リンク・総務省消防庁
阪神大震災以前にも空焚き防止機能つきヒーターは販売されていたが、飼育者側の意識も改革され、いまでは空焚き防止機能のないヒーターを探すほうがむずかしいほど普及している。
そんなわけで不注意から空焚きしてしまっても火災に発展する危険性は減少しているが、たいていのヒーターは空焚き防止機能が働くともう使用不能になってしまうので、安全面の観点からも、くれぐれも空焚きしないようにご注意いただきたい。
ちなみに、大きな水槽の場合、たとえば600Wのヒーターが必要なら、600Wのヒーター1本を使うより、300Wのものを2本導入するほうがよい。1本しかないとそれが故障したらおしまいだが(しかもそれが留守中だったらもうお手上げである)、2本が同時に壊れることは考えにくいので、万が一のときにも水温の低下を防ぐことができる。
いうまでもないだろうが、ヒーターには水温を下げる機能はない。水温が設定温度以下になったときに温めるというものであって、外気温が高かろうが低かろうが設定した温度を維持してくれるというわけではないので、念のため。
だいたいの商品には、ヒーターはワンシーズンで交換してくださいと書かれてある。
電気製品にとってオン・オフの繰り返しほど負担のかかることはない。ヒーターはあっためてはオフになり、水温が下がったらまたオンになって、あったまったらオフになって……というルーチンで水温を維持しているので、実はとんでもなく過酷な環境でお仕事をしているのである。
ここで「俺んちには5回目の冬を迎えたヒーターがある」などと吹聴するのは簡単だが、一般論としては、メーカーの注意書きにしたがってくださいとしか書けない。ワンシーズンを越えて使う場合は予備を用意しておくこと。ヒーターというやつは真夜中とかショップの定休日にかぎって壊れるからだ。腐るものではないので予備があるにこしたことはない。
サーモの寿命はむずかしい。何年かはもつようだが、念のため、こちらも予備を用意しておいたほうがいいかもしれない。
サーモは電子機器なので、予備は湿気と高温を避けた暗所で保管しておこう。
水温を測る道具である。ガラス管に赤色アルコールを封入した昔ながらのものと、デジタル式のものがある。
好きなほうで構わない。
強いて言うなら、デジタル式は計測が早いので、水換え時に新しい水の温度を測るときに便利である。ただし、電池式なので、ボタン電池の予備を確保しておこう。
サーモで水温わかるじゃんなどと横着してはいけない
魚は餌を食べる。食べればうんちを出す。おしっこも垂れ流しである。餌も食べ残しが散らばる。水はどんどん汚れていく。
水の汚れには大きくわけて2種類ある。物理的な汚れと、化学的な汚れだ。
目に見えるゴミが物理的な汚れで、目に見えないゴミが化学的な汚れと思ってくれていい。
まず、ウールマットで物理的なゴミを濾し取る。これを物理ろ過という。
つぎに、バクテリアの力を借りて、有害物質を無害な物質に変えてもらう。これを生物ろ過という。
↑こういった粒やリング状のろ材は表面積が大きくなるように作られていて、ろ過バクテリアが大量に住み着く家となる。ここに汚れた水が通ると、汚れはバクテリアの餌であるから、分解され、無害化されていく、というわけだ。ろ過バクテリア自体はそこらへんの水や空気にもいるので、フィルターをセットして水を回しておけば勝手に定着してくれる。
もうすこし詳しく解説しよう。まず魚のうんちが分解されたり、おしっことして排泄されたアンモニアが水槽中に漂う。アンモニアは魚のエラに触れただけで即死させるほどの猛毒だ。このアンモニアをニトロソモナスというバクテリアが食べて、亜硝酸に変化させる。亜硝酸もアンモニアに負けず劣らずの毒物だが、これをニトロバクターというバクテリアがさらに分解し、硝酸塩という物質に硝化(しょうか)させる。
硝酸塩は自然界ではさらに窒素還元されて窒素となり、空気中へと解放されるのだが、水槽ではそのままたまり続ける。あまりに濃度が高まりすぎると有害だが、ほぼ無害なので、生物ろ過が機能していれば安心して魚を飼育できるというわけだ。
フィルターは物理ろ材や生物ろ材を詰めたろ過槽に水槽水を通し、水をきれいにして水槽へ戻す。いろんな商品があるが、この基本はおなじである。
フィルターとしては最もポピュラー。水槽の上に置き、ポンプでろ過槽へ水をくみ上げてろ過する。ろ過槽の容積が大きく、酸素も巻き込めて、しかもメンテナンスも容易におこなえる。
欠点としては、水槽へ戻す排水が「じゃぼぼぼぼ」とか「ちょろろろろ」とかけっこう音がすることだろうか。慣れれば生活音と化すので気にならなくなるが、気になる人は気になるかもしれない。水位が低いと排水音も大きくなるので蒸発したら足し水するように心がければ騒音(というほどのものでもないが)低減につながる。
また、ろ過槽が水槽上部の半分を占めるので、照明器具を上部全体に置けない。水草をメインとした水槽では水槽の上部は照明器具で独占し、水槽全体に光が行き届くようにしたいが、上部式だと影になる部分ができてしまう。なお、水草水槽で上部式フィルターを用いると、水草のために添加した二酸化炭素が逃げてしまうので、その意味でも適していない。
上部が解放されているので、照明器具で埋めることができる。また、水槽水はホース→ろ過槽→ホース→水槽と循環し、いっさい空気と触れないため、添加した二酸化炭素も逃がさずにすむ。水草水槽には必須のフィルターといえよう。
また、上部式は水槽の上に置く関係上、サイズも限定されてしまうが、外部式はいくらでも大型のものを、いくつでも設置することができる。紫外線殺菌灯を接続することだって可能だ。飼育者側でカスタマイズを楽しめるぶん、知識と経験を必要とする、やや中級者以上向けのアイテムである。
古来より伝えられているフィルター。
水槽の底面にパネルを置き、その上に砂を敷き、ポンプを稼動させる。水は砂を通過するあいだにろ過されるというわけだ。
水槽の底がそのままフィルターになるのでろ過能力は高い。上部も解放されている。
ただし、メンテナンスのさいは、魚をすべて取り出して、砂もべつの容器にあけ、水槽ごと掃除することになる。けっこうめんどくさい。金魚やシクリッドなど、砂を掘り返すくせのある魚種にも向かない。
揚水ポンプではなくエアポンプで稼動させるタイプもあるが、性質は変わらない。
エアポンプで稼動させるフィルターのこと。エアリフトは和製英語なので日本以外では通じない。
↑投げ込み式フィルター。本体を水槽内に投げ込むから投げ込み式(ほんとに投げないように!)。関西では「ほりこみ(放り込み)式」とも呼ばれるらしいが、愛媛在住の編集者は聞いたことがない。
ろ過能力は低い。小さな水槽で小さな魚を少数飼うなら大丈夫だが、60cm以上の水槽ではメインは張れないだろう。サブとして考えておいたほうが無難である。
↑スポンジフィルター。スポンジ状のろ材がむき出しになっている。このスポンジで物理ろ過と生物ろ過の両方をおこなう。
ろ過能力はまあまあ。強い流れを好まない魚種を少数飼育するときにはメインとなることも。
初心者はとりあえず上部式を選択しておけば間違いないと思われる。30cm水槽とかなら投げ込み式やスポンジでもいい。飼う魚種にもよるので迷ったらお店の人に訊いてみよう。
水道水には塩素が入っている。人体にはもちろん影響はないが、魚類には致命的である。塩素は酸素よりもヘモグロビンとの結合力が強いので、塩素の含まれた水中では魚類は窒息してしまうのだ。
いずれも液体なので、何リットルの水に何cc入れて混ぜるだけ、と非常に使い勝手がいい。化学反応で一瞬にして塩素を無害化するので待たされることもない。
水道水をバケツに汲んでひと晩放置しておくことでも塩素を抜くことができる。時間はかかるが、ウーパールーパーなどのように室温で飼育していて水量も少ない場合は、塩素抜きと温度合わせが勝手におこなわれるのでおすすめしたい手法である。
水槽に水道水を入れてからカルキ抜きを投入するのではなく、カルキ抜きした水を水槽に入れるようにしたい。そのほうが効率的に塩素を除去できるからである。
市販のポリバケツでじゅうぶん。10リットルのものが使いやすい。抗菌仕様でないものがベター。
飼育水中のアンモニアや亜硝酸はろ過バクテリアによって比較的無害な硝酸塩に変えられるが、これも生体に悪影響がまったくないわけではない。しかも硝酸塩はコケの大好物。放っておけば水槽はコケまみれになる。飼育下ではその硝酸塩は無限にたまり続ける。どうするか。
たまったものは捨てるのが一番手っ取り早い。そこで必要になるのが水換えである。水ごと硝酸塩を捨てて新しい水と入れ替えようというわけだ。
ではどの程度のスパンで、どれくらいの水を交換すればいいのだろう?
これだけは一概に論じることはできない。どんなサイズの水槽で、なにをどれだけ飼っているか、フィルターとろ材はどれを使い、餌はどの程度与えているのか、変数が多いのである。
とりあえず、1週間に1/3~1/2交換しておけばだいたい大丈夫である。そのうち自分の水槽に合った水換えペースが掴めるだろう。
↑砂のなかのゴミと一緒に水を吸い出してくれるホース。なにかと便利である。
↑ガラス面に付着したコケを剥ぎ取る道具。べつに不要なカードとかでも構わない。
目的の水量まで減らしたら、バケツに水道水を汲み、カルキ抜きを混ぜ、水槽へ注ぐ。
このとき、とくに冬場は瞬間湯沸かし器でお湯と水をバケツ内でカクテルし、なるべく水槽内の水温に変化が起こらないように留意したい。変温動物である魚にとって水温はそのまま体温になる。人間も体温がたった1℃上下しただけで不調をきたす。水温計を使ってでも、水槽内の水温と、バケツで注ぐ水の水温に開きがないか確かめること。
冬場、湯沸かし器で温めたぬるま湯をバケツに汲むと、微細な気泡が舞っていることがある。これは塩素の気泡である。
答えは簡単。水が冷たいからである。
水道水は、各家庭の蛇口に届けられた時点で規定量以上の塩素が含有されていなければならない、と水道法で定められている。
気体は溶媒の温度が低いほどよく溶け込む。水温が低いほうが塩素はよく溶け込むわけだ。逆に夏場のように水温が高くなると塩素の溶け込む量も少なくなる。
季節は日々シームレスに変化するので、時々刻々、塩素の投入量を適時変えていくのは非効率である。寒い時期は塩素がよく溶けるから投入量が少なくても蛇口まで規定濃度を保ったままでいられるが、突如として気温が上がったりすると、塩素の規定量を下回ってしまうかもしれない。よって少々暖かくなっても構わないよう、冬でもやや多めに塩素が投入されている。冬に洗い物をすると妙に手がチクチクするのは、お湯で温められて毛穴が開いているうえに、水道水に含まれる塩素が多く、肌がモロに刺激を受けているからである。
で、夏に比べて多量の塩素を含んだ冬の水道水は、蛇口で解放されると、飽和して溶けきれなかったぶんが気体となって一気に放出されることになる。これが、微細な気泡の正体である。気泡状態の塩素は水に溶け込んでいないため、どんなカルキ抜き剤でも除去できない。気泡が消えてからカルキ抜きを混ぜるようにしよう。
観賞魚は鑑賞できなければ意味がない。ライトは魚を美しく演出するうえで重要な意味を持つ。
水槽はたいてい、ガラス蓋と蛍光灯がセットになっていることが多い。蛍光灯は蛍光管2本が装備できるものがいいだろう。1灯だと少々暗いのである。
蛍光灯の照明器具には蛍光管がついてくるものがほとんど。なにかこだわりがないかぎりはそのままでよい。
・演色性
真昼の太陽光を基準として、どれだけ物の色が自然に見えるかを現す。より自然な色調であるほど「演色性が高い」という言い方をする。
・色温度
単位はK(ケルビン)。だいたい5000K以上だと青白く感じられ、逆に3000以下だと赤みを帯びてくる。
もっとも一般的な色。演色性が高く、色温度も5000~3000の間で暖かみを感じる。水槽内の石や流木も輪郭が柔らかく見える。
色温度が高い蛍光灯。やや青白い、さわやかな光。水槽のなかの輪郭が明瞭になる。ちょっと冷たい感じがあるかも。
単体では魚の体色を引き立てるのはむずかしいので、ほかの色の蛍光灯とカクテルするといい。
マゼンタカラーの光。スーパーや精肉店でお肉を陳列しているケースの蛍光灯がこれである。金魚や赤系アジアアロワナの赤みを際立たせるにはもってこい。昼白色の蛍光管と併せればたいていの魚種はきれいに見える。
2灯式の照明器具はほぼ昼白色と赤系の組み合わせの蛍光管がセットになっている。それだけポピュラーで鉄板であるということなのであろう。
ブルーの光。演色性をかなぐり捨てた色。この蛍光管だけだと水槽はブルーハワイのごとく真っ青となる。昼白色や昼光色の蛍光管とカクテルすることになるだろう。海水魚やアフリカンシクリッドに最適。
朝点けて、夜に消す。魚を見るときだけ照明を点けるというアクアリストもいるが、慣れないうちは1日のリズムを魚につけさせるよう、昼のあいだは点灯させたままにしよう。
底に敷く砂である。あったほうが自然に見えるし、魚の色も引き立つし、底面式でなくともろ過バクテリアは底砂にも棲息するので水質の安定にもつながる。厚く敷きすぎるとゴミが溜まって水質悪化の原因となるので、薄めがいい。60cmレギュラーなら3kgほどあれば足りる。
おおいそずな、と発音する。黒を基調とした砂利。大粒、中粒、小粒と各サイズが販売されている。中粒が無難。コリドラスを飼いたいなら小粒がいい。
貝殻が混ざっている場合はややアルカリに傾けるが、大磯砂そのものは水質に影響を与えないため、使い込んだものはおよそどんな魚にも底砂として使うことができる。
恒久的にごくわずかながらミネラルを溶出することから、水草水槽にも使おうと思えば使える。ただし、水草水槽の場合は、使い込んで貝殻がなくなったものか、酸で溶かして処理したものがいいだろう。
昔は神奈川県大磯町で採取されていた。大磯砂の名はここからきている。現在は採取が禁止となっているため、フィリピンなどからの輸入品が大磯砂として流通している。
たずな、と読む。田んぼの土から粘土質を洗い流して残った砂。粒径が1mmほどと細かく、角張ってもいないので、コリドラスやドジョウなど、低層で生活する魚に適している。
色合いも自然。比重が大きく、舞い上がらないので、掃除も楽である。水質にも影響を与えない。
まったくなんの栄養も含んでいないため、水草水槽で使うにはややコツがいる。
サンゴの骨である。洗っても洗っても白濁がなくならないので苦労する。
アルカリのかたまりで、水質を弱アルカリ性の硬水にする。弱酸性を好むアマゾン産の魚には向かない。しかも真っ白なので体色が飛ぶ。
海水魚やアフリカンシクリッドに抜群に似合う。水質面でもぴったりである。
水をよく汚し水質が酸性に傾きがちな大型魚の水槽では、pH維持のためにフィルターに混ぜ込むことがある。
土を焼成して粒に固めたもの。まんま土である。
水草水槽のために開発された底床。水質を多くの水草が好む弱酸性の軟水に自動で調整し、柔らかな粒は根張りを優しく手助けし、必要な栄養分を供給し、土中に微生物の力もあわせたミクロフローラを形成してくれる。ソイル系の登場によって水草水槽のハードルは一気に下がった。これを敷いて、水草を植えて、二酸化炭素を添加して、照明を点ければ、初心者でもおおかたの水草はスクスク育つようになったのである。
よって、水草水槽以外にはまったく向かない。粒が柔らかいので潰れやすく、コリドラスやドジョウ、ポリプテルスのように砂を掘り返す魚がいるといつまで経っても濁りがとれなくなる。
水草が植えられていないと、溶出する栄養分でコケが大繁殖してしまう(栄養を供給しないソイルもあるにはある)。
弱酸性の軟水を作るという点を利用し、適当に水草を植えた水槽でアピストを飼うという手もある。
初心者は大磯砂でいいと思われる。まずこれで基本を掴んで、コリドラスをコレクションしたくなったら田砂を、水草水槽に興味を持ったらソイルを買えばよい。
いわゆるブクブクである。エアポンプにつないだエアチューブの先端にエアストーンを取り付けて使う。一式がセットになった商品も多い。
↑エアストーン。エアポンプとエアチューブで送られた空気はこのエアストーンから気泡となって出てくる。
エアポンプでブクブクさせることをエアレーションという。自然界にエアポンプはない。水面から自然に溶け込んだり水草が生産する酸素で間に合うからだ。しかし水槽という環境は自然界の水中に比べて魚の密度が高いので、勝手に空気から溶け込む酸素だけでは足りない。強制的に溶け込ませてやる必要がある。それでエアポンプを使うのである。
誤解されやすいのは、エアポンプで空気(酸素)を水槽内に送り込んでいるのではない、という点だ。エアレーションで噴き出した気泡は水面に到達すると割れる。このとき水面が揺れる。波打つということは空気との接触面積が大きくなるということだ。ーより~のほうが表面積が大きいだろう。空気との接触する面積が大きいほど、溶け込む量は多くなる。エアレーションの真髄はむしろ水面を揺らすことにあるといってよい。
というわけで、フィルターの排水などで水面が絶えず揺れていたら、実質的にエアポンプを用いているのとおなじ効果がある。上部式はろ過槽でさえ水が空気と触れているので酸素を水中に取り込む効能は高い。
とはいえ、万一、フィルターが止まりでもしたら酸欠になりかねない。それにろ過バクテリアは酸素を大量に消費するので、溶存酸素が多くて困ることはない。とりあえずエアレーション一式は揃えておくことをおすすめする。
黒一色のものを貼れば全体が引き締まる。青一色のフィルムだとなんかレトロ感が出る。
もちろんなにも貼らなくてもいい。なければないで、部屋との一体感が出る。
バックスクリーンを用いる場合は、背面の外側に貼る。セロテープでも構わない。
3分めまで水を入れたところで、あらかじめ洗っておいた砂を敷く。最近の砂は水洗い不要となっているものが多いが、1回くらいはすすいでおいたほうがいい。砂を敷いたら、ヒーターと温度センサーをキスゴムでガラス壁にくっつける(まだ電源コードをコンセントに差さないこと!)。巻き上げないよう優しく水を注いでいく。
水位が9分めまで来たら、フィルターを説明書どおりにセットする。ろ過槽もろ材も軽く水洗い。ろ過槽に来た飼育水が、物理ろ材→生物ろ材の順に通るようにしよう。
セットできたら、ポンプの電源を入れてみる。問題なく稼動しているかどうか、水がどこかから漏れていないか、ちゃんと水槽へ排水されているか、「カラカラカラ」という変な音がしていないか、入念に確認しよう。異音がしたらたいていポンプがちゃんと水を吸えていない証拠。正しくセットし直そう。
ヒーターがサーモスタットに接続されていることを確認したら、サーモのコードを電源に差す。通電中はサーモのランプが点灯するはず。水温計とあわせて、ちゃんと正しく機能しているか確かめよう。
で、ここまで終えたら、濁った水の水槽が目の前にあると思う。1週間くらいフィルターを回しているとだんだんと透明になってくる。水だけの水槽を眺めるのも乙なものである。
しかし、飼育水が透明になっても、アンモニアなどの化学物質もまた透明なので、魚が飼える水ができあがっているかどうかはわからない。というわけで、切り込み隊長を雇う。
アカヒレやゼブラダニオなど、安価な小魚を投入するのだ。かれらが問題なく生存できるようならその水槽はオールクリアである。こんなふうに水質検査係に用いる魚をパイロット・フィッシュという。パイロット・フィッシュはそのまま飼い続けてもいいし、本命の魚の餌にしてもいい。
前後してしまったが、魚をショップから買ってきて、そのまま水槽にドボンとぶちこんでしまってはいけない。ショップの水とあなたの水槽の水は水質がまったく異なるからだ。持って帰るあいだに袋のなかの水は冷えてしまっているだろうから、水温も違う。最悪の場合は死に至る。
そんなわけで、購入した魚は、まず、袋のまま水槽に浮かべる。こうして水温を水槽の水と近づけるのだ。30分もあればじゅうぶんだろう。
で、つぎに、バケツに袋の水と魚を開ける。余っているエアチューブの端を水槽の水につけ、逆端を口で吸う。するとサイフォンの原理で水槽の水がエアチューブを通って流れてくる。これを、新しい魚のいるバケツに注いでやるのである。エアチューブは細いからちょろちょろとしか水が流れない。少しずつショップの水と我が家の水がブレンドされ、だんだんと水質に慣れていってもらうという仕組みである。
バケツがいっぱいになったら、もう大丈夫だろう。網を使って魚を水槽へ入れてやる。
掲示板
66 ななしのよっしん
2024/09/25(水) 16:22:46 ID: IUgT4s1Nw1
アクア業界、15年くらい前から時が止まってるの本当になんとかならんのか。
10年以上前アクアちょっとやってて最近戻ってきたけど、特に45cm以上向けのフィルターとか水槽とか、当時新型だったやつが未だに最新機種扱いって…
あんまり進化要素ない白物家電ですら色々変わってるのに。
市場規模縮小してるなら業界再編とか起きてほしいが、アクア業界に同業他社を買収する体力もなければ、他業種や外資が買いたいと思う魅力がないんでしょうね。
67 ななしのよっしん
2024/09/29(日) 14:10:48 ID: 1IoN0XBVkI
68 ななしのよっしん
2024/09/30(月) 00:24:31 ID: f2crM7bq/7
車や家電みたいに新しい機能を欲しがる人も多そうなんだけどねぇ
出ないから買えないんだけど結局作る気も無いんじゃないか
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最終更新:2025/04/22(火) 20:00
最終更新:2025/04/22(火) 20:00
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