イタリア語(Italiano)とは、イタリア共和国などの公用語である。
イタリア語 | |
総話者数 | 6400万人 |
話者数の順位 | 24 |
言語系統 | インド・ヨーロッパ語族 イタリック語派 ロマンス語群 |
通用地域 | 南ヨーロッパ |
イタリア語は、インド・ヨーロッパ語族(印欧語族)のイタリック語派のロマンス諸語に属する言語である。イタリア共和国の公用語であるほか、サンマリノ、ヴァチカン市国、スイスといった周辺国でも公用語の地位を得ている。欧州連合(EU)の公用語の一つでもある。ラテン語に由来する言語の一つであり、特に語彙レベルで類似性が高い。母語とする人の数は約6千万人。
綴りからの発音の想像しやすさはスペイン語と並び、日本人向け。文字通り「歌うように」紡がれ得る上品な言葉であると同時に、人類最大規模の罵声レパートリーを擁する言語であり、例えば陰茎を意味する隠語は100件近くあると言う。本項目でもほんの一部を扱っているが、詳細はウィキペディアなどを参照。
ここでは、イタリア語に関する単語記事などをまとめる。
上記単語を見て判るように基本的にはローマ字読みでよい。母音は a, i, u, e, o に e と o のヴァリエーションを加えた計7つだが、後ろ2つはアクセントの有無に伴う自然な変化なので実質的に日本語の「あいうえお」で構わない(ただし、より口の開閉をはっきりとするのが bene)。ただし i, u は同じ音節内で後ろに別の母音を従える場合は半母音(日本語では開拗音(一般にイ段+ゃ、ぃ、ゅ、ぇ、ょ)と合拗音(一般にウ段+ぁ(ゎ)、ぃ、ぅ、ぇ、ぉ)。しかし前者はしばしばイ段+ヤ行で転写される)、あるいは i では直前の子音の「軟化」(後述)を示す。また、子音を2つ重ねる長子音は日本語の促音(っ)とほぼ同じと考えてよい。また j (i lunga イ・ルンガ、iota ヨータ), k (cappa カッパ), w (vi doppia ヴィ・ドッピャ、doppiovu ドッピョヴ), x (ics イクス), y (ipsilon イプスィロン、i greca イ・グレーカ)は外来語および方言専用文字であるが、ネットスラングでは略字として使われることもある。
アクセントは英語と同じ強勢アクセントで、アクセントのある音節(一続きで発音される音の最小単位。日本語ならカナ一文字(+拗音、促音)がそれに相当する)は「長い音節」になり開音節(母音で終わる音節)では母音が長めに発音される。基本的に最後から2つ目の音節に置かれるので判り易い。が、語によっては最後から3つ目か1つ目に置かれ、後者は重アクセント符合( ̀ )で示されるのに対し、前者は何ら標示は無いので単語毎に憶えるしかない。ともあれ、日本語のように音節構造の中心が開音節であるのも、イタリア語が日本人向きな理由の一つである。
以下には注意すべき発音を挙げる。
c (チー): g の無声音(日本語の清音、半濁音に相当)で、硬い母音(a, u, o)の前ではカ行、軟らかい母音(i, e)の前では軟化してチャ行になる。キ、ケは chi, che (決してチ、チェとは読まない)。チャ、チュ、チョは cia, ciu, cio (1つの音節内ならば決してチア、チウ、チオなどとは読まない)。キャ行は chia, - , chiu, chie, chio 、クァ行は cua, cui, - , cue, cuo 。また q の長子音は通例 cq で表され(例 : acqua アックァ「水」)、s の後につくと s の後退化を表す(後述 sc の項を参照)。
g (ヂー) : c の有声音(日本語の濁音に相当)で、つまり硬い母音(a, u, o)の前ではガ行、軟らかい母音(i, e)の前では軟化してヂャ行(舌を口腔の天井(硬口蓋)にあててから出す音。イタリア語では基本的にジとヂの対立が無いので、本項目では厳密な発音に触れない所ではジャ行でも表記する)になる。ギ、ゲは ghi, ghe 。ヂャ、ヂュ、ヂョは gia, giu, gio (1つの音節内ならば決してヂア、ヂウ、ヂオなどとは読まない)。ギャ行は ghia, - , ghiu, ghie, ghio 、グァ行は gua, gui, - , gue, guo 。また l, n の前につくと、それら子音の奥舌化を表す(下 gl, gn の項を参照)。
gl : 基本的には字の通りの発音だが、単語によっては i が付くと奥舌化(舌先ではなく、舌の中ほどより後ろを口腔の天井にあてて発音)した l を表す。さらに、母音が先行する場合は自動的に長子音(ッリァ、ッリィ、…)になる。 glia, gli, gliu, glie, glio は日本語ではしばしばリャ行で転写されるが、半母音の付いた l のリャ行 lia, - , liu, lie, lio とは異なる音なので注意。
gn : 奥舌化した n を表す。gl と同様、こちらも母音が先行する場合は自動的に長子音(ンニァ、ンニィ、…)になる。 gna, gni, gnu, gne, gno は日本語ではしばしばニャ行で転写されるが、半母音の付いた n のニャ行 nia, - , niu, nie, nio とは異なる音なので注意。
h (アッカ): 最近の外来語や間投詞を除き、発音されない。また軟らかい母音によって軟化される子音に付いて、その子音が元の硬い音であることを示す(前述 c, g の項を参照)。
i (イー): 普通の母音イ(口の両端を引く)としての他に、先に述べた通り、軟らかい母音によって軟化される子音に付いてその子音が軟化していることを(前述 c, g の項を参照)、他の子音に付く場合には開拗音を示す。また、子音に付かない ia, - , iu, ie, io はヤ行を表す。
l (エッレ), n (エンネ): 舌先を上歯茎の裏にしっかりとあてて、はっきりと発音する。
q (クー): 常に qu- の形で現れ、クァ行 qua, qui, - que, quo を表す。
r (エッレ): いわゆる巻き舌のルだが、軽く一回巻くか弾く程度。語頭および長子音 rr は少し多めに巻くが、歌以外ではあまりキツくなり過ぎないよう注意。
s (エッセ) : 基本的にはスだが、母音に挟まれた場合と有声音の直前ではズになる(例 : Svizzera ズヴィッツェラ「スイス」)。また si はシではなくスィ(有声化すればズィ)。
sc : 硬い母音か h の前ではス+カ行 sca, schi, scu, sche, sco。軟らかい母音の前では口腔の天井に接近する舌の位置が若干後ろにズレた s で、これは英語の sh と同じ音であり、日本語のシャ行 scia, sci, sciu, sce, scio でだいたいあってる。母音が先行すると自動的に長子音(ッシャ、ッシ、…)になる。
u (ウー) : 普通の母音ウ(唇を丸く窄めて突き出す)としての他に、先に述べた通り、子音に付いてそ子音に付いて合拗音を示す。また、子音に付かない ua, ui , -, ue, uo はワ行を表す。
z (ヅェータ) : 語頭ではヅァ行でそれ以外ではツァ行が基本だが、単語によってはヅァ行で発音されたり(例 : mezzo メッヅォ「半分(の);中間の」)、どちらでもいい場合があり、これは単語毎に憶えるしかない。日本ではヅァ行はよくザ行で転写されるが、別音である。
卑語のことをイタリア語でparolaccia(パロラッチャ)と呼ぶ。見知らぬ人や目上の人や立派なご両親の前などでは使ってはいけないのは当然だが、イタリア人がそんなことを意に介するわけもなく、 "Chi se ne frega?" (「気にしてる? 誰が?」)と五分に一度はかならず口にするのが実情。
例えば、ミラノなどを筆頭に北部大都市住民はイタリア南部の住民のことを「田吾作(terrone、テッローネ)」と呼び、一方ナポリやシチリアなどの南部人は北部人を「蕎麦がき(ポレンタ)喰い(polentone、ポレントーネ)」と名付けている。卑語はみんなの憧れのイタリアの、重要な側面である。我々はここで、特にイタリアの悪口について取りあげたい。
大別して状況に対する悪口と、人間に対する悪口が存在する。日本語では状況に対する悪口というものはそれほど存在しないように見えるが、イタリア語において代表的なものがいわゆるポルカシリーズである。『Fate/hollow ataraxia』のカレンが口走ったことにより、一部で有名となった。なお発言強度は下に行くほど強くなる。ミゼーリャ以下の使用に際しては社交的判断を加えること。
porca eva ポルカエーヴァ (雌豚女め)
porca miseria ポルカミゼーリャ (哀れな雌豚め)
porca vacca ポルカバッカ (雌豚雌牛め)
porca troia ポルカトローヤ (トロイの雌豚め)※戦争を引き起こした美女ヘレネーのこと
porca puttana ポルカプッターナ (売春婦の雌豚め)
porca mignotta ポルカミンニョッタ (売女の雌豚め)
他にも
cavolo カーヴォロ(キャベツ野郎)
cazzo カッツォ(ちんこ野郎)
merda メルダ (うんこ野郎)
che palle ケパッレ (なんというタマだ!)
sta minchia スターミンキャ (モッコリしやがって!)
mannaggia マンナッジャ (くそ忌々しい!)
mannaggia a bubbà マンナッジャアブッバー(くそ忌々しいブッバーめ!)※ナポリ方言。ブッバーは不意の厄介事に巻き込まれるキャラクターとして罵り言葉によく登場する
以上は発言者にとって現在の、あるいは予想される未来の状況が好ましくないと感じられた時に間投詞的に使用される言葉で、通常特定の相手を指して使われるわけではないことに注意。具体的にはパスタを茹ですぎた時、列車を乗り逃がした際などに使用される。
悪口と言って我々が思い浮かべるのがこちら。当然ながら使い所を誤ると喧嘩になるので、冗談はほどほどにすること。イタリア人はしばしば兵役を経験しているため殴られると痛そうである。喧嘩の最強奥義は中距離走だと聞く。
pazzo パッツォ(バカ、アホ) 比較的愛嬌のある悪口。あいつはイカレてる。
matto マット(キチガイ) 状況によるものの、本気であいつはおかしい的ニュアンス。
stronzo ストロンツォ(クソ) 真面目な話題に登場すれば純粋な悪口。あいつは嫌いだ的ニュアンス。
coglione コッリォーネ(タマキン) あいつはつまらん奴でアホで抜け作、とかそんなイメージ。
rincoglionito リンコッリォニート(痴呆症の<親父のタマキンにまで戻ったような) ボケボケでどうにもならん、とかそんな感じ。
pirla ピルラ(ちんぽ。方言より) マヌケとかアホとかそんな感じ。
vaffanculo ヴァッファンクーロ(とっとと失せろこのホモ野郎<Vai a fare in culo 「ケツまくってアレでもしてこいや」の省略) 冗談にも怒号にも使われる、罵詈雑言の最上級。法律で使用が禁止(!)されていたが、 "Chi se ne frega?" とか何とか言って誰も止めようとしないんで、07年立法により合法化された(マジ)。
futtitinni フッティティンニ(もうすっ込んでろこのピストン野郎<シチリア語 futti ti nni 「(状況が良くならないのに無理矢理)ファックしてんじゃねえよ」) 南部の連中がよく使う。
上でも少々述べたが、これらの悪口はみな軽口として盛んに登場する。面と向かって友人に言われても逆上して殴りかからないこと。特に南部の連中は初対面で「Come cazzo stai?(やいチンコ野郎元気かい)」と聞いてくるため真面目になるだけ無駄。こっちも「Sto cazzo bene.(もうチンコびんびんです)」とかなんとか言い返しておけば良いと思われる。
実際にはこれらのコンビネーションで様々な状況に対応する。例えばpezzo di merdaであれば「うんこの切れはし」であるから傾向的にはうんこより価値の無いことを意味する。あるいはfigura di merdaは「うんこの姿」であるから「あいつはクソ野郎だ」あるいは「この状況はクソだぜ」的な意味になる。究極的には「ポルカなんとか」をどんどん発明してしまえば良いわけで、難しいことは何もない。
rompicoglione ロンピコリオーネ(きんたま潰し) 鬱陶しい奴、鬱陶しい状況
rompipalle ロンピパッレ(同上) 同上
spaccapalle スパッカパッレ (同上) 同上
testa di cazzo/cavolo テスタディカッツォ/カーヴォロ(ちんこ頭/キャベツ頭) まぬけ
super mega minchia cazzo di merda...... スーペルメーガミンキャカッツォディメルダ(超メガもっこりうんこちんちん) (イミフ)
とにかく山ほどあることは理解できるのではないかと思う。卑語を嗜む(必ずしも使用する必要はない)ことでイタリア文化はぐっと身近になるはずである。ただし、使い所は弁えないとただのPAZZOでMALEDUCATO(無教養)だと見なされることをくれぐれも忘れないこと。イタリア人は日本人に輪をかけて裏表の激しい民族である。
掲示板
68 ななしのよっしん
2021/08/16(月) 20:28:34 ID: sLZQIWDvOP
イタリア語で名前を付ければどんなものでもかっこよくなる説
例)scoreggia di fiamma スコレッジア・ディ・フィアンマ (炎のオナラ)
69 ななしのよっしん
2022/03/16(水) 10:26:52 ID: 6DTk+5ssoo
>>64
中田英寿が出る前は誰もいなかったし、中田の後に移籍した日本人選手も全然活躍しなかったからな
次のワールドカップまでは、「ロシアでのワールドカップはどうだった?w」でやり返せるが(イタリア代表は予選敗退)
70 ななしのよっしん
2024/05/30(木) 20:48:20 ID: ULTcBeawy0
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最終更新:2025/03/16(日) 15:00
最終更新:2025/03/16(日) 15:00
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