オーディン再制圧 単語

1件

オーディンサイセイアツ

2.9千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE
銀河英雄伝説の事件
リップシュタット戦役
オーディン再制圧
基本情報
時期 帝国488年 9月
地点 銀河帝国 ヴァルハラ惑星オーディン
概要 ローエンラム元帥揮下の部隊帝国宰相リヒテンラーを拘禁し、玉璽を奪取して政権を握したクーデター事件
詳細情報
原因 リップシュタット戦役の終結
リヒテン公の政治的暗躍
拘禁者 帝国宰相クラウス・フォン・リヒテンラーデ公爵
リヒテンーデ爵家一族
実行者 オスカー・フォン・ロイエンタール大将
ウォルフガング・ミッターマイヤー大将
カール・グスタフ・ケンプ中将
フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト中将
アウグスト・ザムエル・ワーレン中将
ナイトハルト・ミュラー中将
ウルリッヒ・ケスラー中将
結果 ローエンラム帝国宰相就任
帝国ローングラム独裁体制の成立
リップシュタット戦役
オーディン制圧 -
アルテナ会戦 - レンテンベルク要塞攻防戦
キフォイザー星域の会戦 - シャンタウ星域の戦い
ガイエスブルク要塞の戦い - ヴェスターラントの虐殺 - 
ローングラム侯暗殺未遂事件 - オーディン再制圧
前の事件 次の戦闘
ローエンラム侯暗殺未遂事件 イゼルローン回廊帝国寄り宙点における戦闘

オーディン再制圧とは、「銀河英雄伝説」の事件のひとつである。

概要

帝国488年9月、すでに終結したリップシュタット戦役の帰結として、ゴールデンバウム朝銀河帝国オーディンにおいて発生した宮廷クーデター事件。

ガイエスブルク要塞での戦勝記念式典における帝国軍最高官・侯爵ラインハルト・フォン・ローエングラム元帥の暗殺未遂事件を受け、ローエンラム元帥の部下が急遽独断でオーディンに帰還して政治中枢を強襲。摂政帝国宰相クラウス・フォン・リヒテンラーデ公爵を拘禁し、玉璽を確保して政権を握した。

部下の行為を追認したローエンラム元帥は、幼エルウィン・ヨーゼフ2世より帝国宰相に任じられて政軍双方の最高権力を握し、帝国ローエンラム独裁体制確立リップシュタット戦役勝利とあわせて帝国の全面的改革を推し進め、翌々年の登極とローエングラム朝銀河帝国開闢への筋を作り上げることとなる。

なお、この事件には明示的な名称がないため、便宜上のものとして「オーディン再制圧」の名称を使用している[1]

経緯

事件発生までの経緯については「リップシュタット戦役」も参照。

リップシュタット戦役が終結した直後の帝国488年9月9日貴族連合の本拠ガイエスブルク要塞にて戦勝記念式典が挙行されたが、その一環として行われた捕虜引見の場で、貴族連合の盟オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク公爵の部下であったアンスバッハ准将ローエンラム元帥の暗殺を試みる事件が生じた。結果、ローエンラムジークフリード・キルヒアイス上級大将死亡ローエンラム元帥自身も身体的には傷ながら精神に大きな衝撃を受け、最高揮系統が麻痺する事態となった。

この事態に、事件についての箝口が敷かれ、ガイエスブルク要塞オスカー・フォン・ロイエンタールウォルフガング・ミッターマイヤー大将をはじめとするローエンラム軍諸将の共同管理下におかれた。しかし、事件から3日が経過して事態収拾も限界に近づいたことで、諸将は善後策の協議に入る。

その席上、協議に参加していなかった宇宙艦隊総参謀長パウル・フォン・オーベルシュタイン中将が突如現れ、ローエンラム元帥を立ち直らせる有効策を示すとともに、帝国宰相リヒテンラーを事件の首謀者として諸将の実力によって排除するよう要した。これは暗殺未遂という危機的状況を逆用し、次なる敵手となりうるリヒテンラーを暗殺未遂の黒幕にしたてて先制的に除く、という陰謀であった。

実際のところ、摂政帝国宰相として政の全権を有するリヒテンラーが、戦役終結後の権力を独占すべくローエンラム元帥の排除を準備していたのは事実であった。すでにガイエスブルク要塞の戦いの最後の戦闘以前から都の貴族たちへの工作が進められ、その情報ローエンラム元帥のもとまで届いていた。諸将も情勢が急を要することは理解しており、「この際やむなし」とオーベルシュタイン中将の要を容れ、宮廷内の敵の一掃と全権力の奪取を決断するに至ったのである。

事件の経過

エルネスト・メックリンガーコルネリアス・ルッツ中将留守を任せガイエスブルク要塞を出立したローエンラム軍諸将は、途上で精鋭20000隻からなる選り抜きの高速巡航艦隊のうち17000隻にまで及ぶ脱落艦艇を出しながらも、本来20日を要するガイエスブルオーディン間をわずか14日で踏破した。

オーディンまで到達した3000隻の艦艇のうち、ナイトハルト・ミュラー中将800隻をもってオーディン衛星を制圧。残る部隊は半数が宇宙港へ、半数は宇宙港の管制力破綻のためにへと同時多発的に降下し、当時半の時間帯にあった都中枢・新憂宮一帯への強襲を果たす。リップシュタット戦役勃発時のオーディン制圧につづいて、同年二度都制圧となった。

この強襲の標は二つ、帝国宰相リヒテンラーの拘禁権の徴たる璽の奪取であった。前者にはロイエンタール大将があたり、リヒテンラーの居館を襲撃すると「ローエンラム侯暗殺未遂の犯」として逮捕する。後者を担ったのはミッターマイヤー大将で、宰相府ビルに突入すると、担当官僚抗議を圧して璽室を強制的に捜索し、璽を確保した。

かくして、政の全権力はリヒテンラーから奪われ、ローエンラム軍のもとに帰した。

結果と影響

精神的なショックにより実質的に力を失っていたローエンラム元帥は、諸将がガイエスブルク要塞を出立した当日、オーベルシュタイン中将の働きによって自己を取り戻し、事情を知らされることとなった。やがて都の制圧が了すると、彼はロイエンタール大将からの通信連絡を受けてガイエスブルク要塞を出立し、オーディンへと帰還する。

拘禁されたリヒテンラーとその一族については、自身には自裁が勧められ、女子供は辺へと流刑、10歳以上の男子死刑となった。また副宰相であったゲルラッハも自ら地位を返上し謹慎している。

帝国488年10月ローエンラム元帥公爵へと陞爵し帝国宰相に就任。軍にあっては帝国軍最高官を引き続き兼ね、幼エルウィン・ヨーゼフ2世を傀儡として銀河帝国における政軍の大権を握する。こうして確立されたローエンラム独裁体制によって、以後、帝国の統治機構と社会制度に大規模な変革が進められていくこととなる。

関連動画

関連商品


原作では野望篇第九章「さらば、遠き日」でオーディン再制圧を描く。

関連項目

脚注

  1. *名称の選択は「オーディンは、内戦の最初と最後に、ラインハルト麾下の提督たちによって、土足で制圧されたのである」(『野望篇』第九章-II)に基づく。
この記事を編集する

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

急上昇ワード改

最終更新:2025/01/07(火) 07:00

ほめられた記事

最終更新:2025/01/07(火) 07:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。