ガンドレスとは、パワードスーツに身を包んで活躍するバウンサーチーム「エンジェル・アームズ」の活躍を描いたメディアミックス作品である。
特に1999年に公開された、アニメ映画・・・を標榜する何かでよく知られる。
下記のアニメ映画が有名であるためか、その他の媒体の作品の影は薄い。
だが、電撃文庫から出た小説版(著:天沢彰(ORCA)、イラスト:青木哲朗)はアニメ映画に先立つ1998年に1巻が出版されており、「原作小説」という位置づけにある。
ただし小説1巻の出版時点で「1999年春公開の劇場アニメの原作小説」として広告されているため「小説のヒットを受けてアニメ映画が企画された」というわけではなく、企画は同時進行であったと思われる。
また「原作小説」と言ってもアニメ映画版はこの小説版のストーリーをなぞっているわけではない。小説版1-3巻の他に映画版をノベライズした『ガンドレス・ザ・ムービー』という別の小説があることからもそれがわかる。
1999年には「エンジェル・アームズ」のメンバー「ユン・ケイ」のキャラクターフィギュアも発売されている。
2000年にはスターフィッシュから、プレイステーション用ゲームソフトがリリースされている。
1999年3月20日。ガンドレスの公開日当日に映画館を訪れた人々は、こんな張り紙を目にした。
「本日はご来場ありがとうございます。
今回上映いたします映画「ガンドレス」は、鋭意製作を進めてまいりましたが、
誠に残念ながら不完全な形で公開せざるを得なくなりました。深くお詫び申し上げます。
ご覧頂く方は複数箇所に不完全な部分があることをご納得の上、ご入場下さい。
(ご入場いただいてからの料金の返却はいたしかねます)
本日ご覧頂いた方には、後日完全版ビデオを送らせていただくことで、お詫びと代えさせていただきます。」
そして始まった映画は、もはやアニメというのもおこがましい何かだった。
動きは中絵を飛ばしたかのように不自然でカクカク、キャラクターは線画だけのものや単色塗りでゴミや指紋やセルの端まで映り込み、効果音と映像が同期していないという、完全に未完成としか言いようがない出来であり、当時の新聞で話題になるほどであった。
元々この映画は日活、東映、パナソニックデジタルコンテンツ、イヨンズコーポレーション、インナーブレイン、スターフィッシュによる製作委員会方式であり、総予算は4億円であった。アニメーション部分はサンクチュアリが下請けとして請け負い、そこから孫請けとしてスタジオジュニオに2億円弱で丸投げされ、さらにそこから三次受けで海外のアニメスタジオにセル画が発注された。
しかし製作管理が完全に破綻し、公開数日前に届けられた仕上げ済み(のはず)のセル画は、完全に未完成といった代物であった。
製作委員会がこのことを把握したのは公開わずか2日前であり、混乱を避けるため劇場公開を強行したという。このため試写会や舞台挨拶は中止、前売り券は返金する事態となり、あまりのひどさに逆に怖いもの見たさで劇場に足を運ぶ者、ビデオカメラで撮影を試みる者までいたという。
真っ先に作画の悪さが話題に上る本作だが、監督・音響演出を務めた谷田部氏が後に述懐するところによれば、脚本の段階から既に問題を抱えていたようで、「コンテを描く段階でまともな(脚)本ではなかった」「3時間くらいの分量があった(完成版の上映時間は90分)」「(監督なのに)最初は脚本に触らせてもらえなかった」といった状況だったようである。結局脚本まわりの状況が改善することはなかったようで、やむをえず回想シーンやラストシーンは監督自らが執筆した模様。
さらに、製作状況の悪化から現場を去るスタッフも現れ、音響演出を兼任せざるをえなくなったという。
また、アニメ映画の主人公的なキャラクターは「アリサ・タカクラ」なのだが、上記の「原作小説」の1巻の表紙で最も目立っているのは別のキャラクター「ユン・ケイ」である。さらに、上記のようにフィギュアが発売されたのも「アリサ・タカクラ」ではなく「ユン・ケイ」である。
こうした奇妙なねじれについて設定協力(メカニックデザイン等)を担当した士郎正宗氏は「『ニキータ』に影響を受けたプロデューサーによって、アリサを主人公とする内容に変更された」旨を自著にて振り返っている。
その後同年8月には、劇場公開版が映像特典として収録された完成版のビデオが希望者に配布されたが、その製作にはさらに1億円の費用がかかったという。そしてスタジオジュニオは損害賠償請求を起こされ、(以前から厳しい経営状況にあったことも重なり)ついには2004年に活動停止してしまった。
また、谷田部監督も「ガンドレスで仕事をなくした」とまで語るほど仕事が減り、一時は深夜アニメやアダルトアニメに携わっていた。
しかし前述の通り、かなり早い段階から製作は混乱を極めており、スタジオジュニオや谷田部監督に責を負わせるのはあまりに酷だったと言えよう。
掲示板
10 ななしのよっしん
2020/08/18(火) 02:10:30 ID: Vks29QFpQv
>>3
未完成版は音ズレは直ってるらしい
だから劇場公開版みたいにすればよかったのに
>>7
お好み焼き食べてるシーンとかヤバかったな
しかも琉球人とかって設定いるのか?って感じだし
11 ななしのよっしん
2023/06/26(月) 08:39:50 ID: UdJNlnYdk0
>>9
>1989年制作って内容だし
劇場版パトレイバー(1989年公開)ってやっぱ凄かったんだな。
12 ななしのよっしん
2024/04/04(木) 22:54:37 ID: Z2pEVPCdW8
アニメ制作会社のサンクチュアリってネットに情報がまるで残ってない
他には『バイストン・ウェル物語 ガーゼィの翼』OVAを制作したらしいことしかわからない
2億搾取して丸投げ、さらに損害賠償請求と恥知らずにもほどがある連中は
その後もアニメ制作にかかわっているのだろうか
提供: jajijaji
提供: houkun
提供: 奈良県民(横浜)
提供: 核砂糖入り紅茶
提供: abs
急上昇ワード改
最終更新:2025/03/28(金) 11:00
最終更新:2025/03/28(金) 10:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。