サテライトシステム(Satellite System)とは、アニメ「機動新世紀ガンダムX」に登場した兵器およびそれを運用するシステムである。
「サテライト」の名の通り、衛星である月に建設された発電施設からのエネルギー供給をして兵器を稼動させるシステムである。
発電施設にて生産されたエネルギーをスーパーマイクロウェーブとして照射し、兵器側はリフレクターと呼ばれるマイクロウェーブ受信装置を用いてそれをエネルギーに再変換する。そうして得た大容量のエネルギーを用いて、通常の兵器を遥かに凌駕する規模の兵器を稼動させるのである。
月面施設から直接モビルスーツへとエネルギーを無線で供給するため、原則として月が出ている(現在地と月の間に障害物が無い)時でないと使えない。また、月面基地は月面の地球からみえる側に建設されているため、月の裏側へ行ってもやはり使えない(作中では月の裏側へ行くような事はなかったが)。
システムが作られてから第7次宇宙戦争の終盤までは衛星軌道上の随所に反射衛星がいくつも設置されていたため、反射衛星経由で地球の裏側であってもマイクロウェーブを受信する事が出来たが、第7次宇宙戦争終盤の混乱で反射衛星は全て破壊されてしまったため、現在では上記の通り月から直接受信出来る時(いわゆる「月が出ている時」)でしか使用できなくなっている。
第8次宇宙戦争で月面基地が消滅したものの、7年後に慢性的なエネルギー不足を解消する術として第7次宇宙戦争で中波したマイクロウェーブ中継衛星をサルベージ、月面基地のシステムと互換性のある発電衛星「BATEN」が登場する。互換性故に当然サテライトシステムにも対応している。
作中でサテライトシステムを用いた兵器を搭載していたモビルスーツは以下の5機種。
本編から先の世界を描いた外伝にも搭載した機種が登場している。
ガンダムビルドファイターズでも搭載しているモビルスーツ(ガンプラ)が登場する。
Gコンと呼ばれる、機体の起動キーにもなっている着脱可能な特殊な操縦桿のスイッチを操作するとサテライトシステムが起動し、背面のリフレクターが展開すると共にキャノンが前方へと移動し、発射モードになる。
同時に月面基地へサテライトシステム起動の信号を送り、月面基地から照準用レーザーが射出される。このレーザーをコクピットのシールド部分で受信する事によりアクセスが完了し、エネルギー本体であるマイクロウェーブが照射される。
この照準用レーザーを受ける事に成功しないとマイクロウェーブの照射が行われず、またレーザー接続が成立した後でもガンダムXがその場を移動してしまうとマイクロウェーブの受信に失敗する。作中ではこの点を逆手に取り、湖の真上の位置でレーザーを受信した後に移動し、高エネルギーのマイクロウェーブを水面に当てて水蒸気爆発を誘導すると言う事も行われた。
サテライトキャノンは一撃でコロニーを容易に破壊し、実際に大戦中はジャミル・ニートがサテライトキャノンを用いてコロニーを多数破壊している。
Gファルコンと合体することで「GファルコンガンダムX」となってその形態でもサテライトキャノンを使える。
設定上、エネルギーパックを併合することでマイクロウェーブの受信無しで撃つことが可能となっている。
受信有りでも撃つことができるので、劇中ではガンダムダブルエックスしかできなかった連射が可能になる。
なお、ガンダムXのサテライトシステムを起動するには、初回の起動時のみ、その機体のフラッシュシステムを使って月面基地にアクセスし認証を行う必要がある。つまり、一度ニュータイプ能力を持った人物がフラッシュシステムの認証を行っておけば、オールドタイプのパイロットでもサテライトキャノンが使用可能になる。もちろん、GビットはNTでなければ使えないが。
ガンダムXは確認されている限りでは3機存在し、ダブルエックスの元となる2号機(ジャミル・ニートが搭乗したもの。後述)は大戦中にジャミルが自分で認証を行っていたものと思われるが、後にガロード・ラン機になる1号機は未使用で眠っていたため認証がされていなかった。
未使用の機体に搭乗してサテライトシステムを起動したガロードは、コクピットに乗り合わせていたティファ・アディールにフラッシュシステムの起動を代行してもらい、この問題をクリアした。
外伝にてローレライの海からサルベージされた黒いガンダムXも使用、発電衛星「BATEN」から得られるマイクロウェーブの出力がダウンしているものの、それでも驚異的な力を誇っている。
ガンダムXのフラッシュシステムを介して遠隔操作される無人MS(ビットモビルスーツ)。
頭部センサーがバイザー状になり、各部の形状もガンダムXより簡略化されている。
大戦ではジャミル・ニートがガンダムXと12機のGXビットを使用した13門のサテライトキャノンの一斉砲撃で地球に落下しようとするコロニーを多数破壊したが、地球への落下は止められず、人口が一気に減少する原因を作った。
劇中ではルチル・リリアントの補助を受けたジャミルが海底にあったGXビットをNT能力で起動したが、サテライトキャノンは使用されず、ライフルによる射撃のみだった。
その後はフラッシュシステムの解析・利用などをされないためにGXビットは全機破壊された。
ガンダムXの後継機であるダブルエックスにはツインサテライトキャノンが搭載されている。
異なる点と言えばリフレクターが従来の4枚から6枚に増加し、放熱プレートも開閉式になり効率が改良され、キャノンも2門に増えて兵器の規模がほぼ倍化されている。
30万キロ以上の射程、コロニーレーザークラスの範囲・破壊力等、戦略級兵器なだけありもはやMS単体の兵器としては規格外の代物となっている。ちなみに出力も調整可能だが原作ではそのへんの描写が特に無いので実際にどの程度の出力で撃っていたのかは不明。
廃熱効率が向上したため少なくとも3連射できるようになった。
Gコンを使用する点は変わっていないが、この機体はそもそも大戦中にジャミル・ニートが使用していた2号機を基に作られているため、フラッシュシステムによる認証は最初から完了した状態である。ダブルエックスはワンオフ機であり、未認証状態の機体は事実上存在しない。
劇中では使わなかったがGファルコンと合体した「Gファルコンガンダムダブルエックス」でも使用できる。
GXと同じくエネルギーパックを併用することでサテライトキャノンをマイクロウェーブの受信無しでも受信有りでも撃つことが可能となっている。この形態なら4連射以上も可能になるかもしれない。
モビルアーマー形態の際に、背中のアーマー部分の一部が開き中からランチャーを展開する。
ガンダムエックスとは異なる、「サテライトランチャー」と言う名称が付けられている。
なお、ランチャー自体を搭載しているのはアシュタロンであるが、アシュタロンはリフレクターを装備していない。
リフレクターは兄弟機であるガンダムヴァサーゴ・チェストブレイクに搭載されており、それと接続している状態でのみ使用可能な合体兵器である。なお、引き金はヴァサーゴのパイロットが引く。
サテライトランチャーが使用されたのは最終話のみで、ガンダムエックスにあったサテライトシステムにまつわる各種仕様がランチャーにも存在するのかは不明。作中で登場した仕様は以下の通り。
D.O.M.E.警備用のビットモビルスーツにもサテライトキャノンの一種である大型キャノン(ビームバズーカとも)が装備されている。
ただし、これは「リフレクターを搭載している」「通常の兵器では考えられないほどの高威力を誇る」と言う点からの推論であり、作中ではマイクロウェーブを照射したシーンが存在しない割に、通常のビームライフル等と同様の連射を行っている等不明な点もある(ときた洸一による漫画版ではちゃんとマイクロウェーブの受信を行った上で発射していた)。
ガンダムXのサテライトキャノンに比べると小規模であり、リフレクターも2枚だけである。
その分威力が下がっているが通常の兵器では傷を付ける程度しか出来ない程の装甲を誇るMS・クラウダを一撃で粉砕する程度の威力は持っている。
ビットモビルスーツは月面基地が建設された頃から設置されているため、そのシステムもダブルエックスやアシュタロンのもののような改良は加えられていないが、この機体の操縦者が月面基地のサテライトシステムの管理者でもあるD.O.M.E.自身であるという点から、照準用レーザーやフラッシュシステムによる認証システムは無いものと思われる。
ガンダムXの機能を再現する「オプション-X」において携行型サテライトキャノンを装備する。
サテライトシステム及びリフレクターは全てサテライトキャノンに集約されており、ディクセン自体には特別な処置がされてはいない。
ディクセン・ホーネット及びオプション-Xの稼働データを基に改良されたディクセン。
オプション-Xにおいて問題であったサテライトキャノンの仕様は変更され、ガンダムXと同じ本体側にサテライトシステムとリフレクターを搭載している。
ガンダムビルドファイターズに登場するガンダムエックスをベースに改造したガンプラ「ガンダムX魔王」の装備で、通常のサテライトキャノンよりも更に高い威力を誇る。その火力はIフィールド持ちのアプサラスⅢやガウ(のプラモ)をバリアをぶち破った上に一撃で落とすなど、まさに魔王。
デザインにも細かな変更があり、砲身は肩で担ぐガンダムエックスと違い腰に構え、リフレクター通常時の形状もL字からV字になっている。
また、マオがスーパーマイクロウェーブと言っているのでマイクロウエーブもパワーアップしていると勘違いする人がいるがXの原作でも正式名称はスーパーマイクロウェーブなのでマイクロウェーブ自体は同じものである。
そして本機の最大の特徴は、単機でサテライトキャノンをマイクロウェーブ受信なしで撃てることである。
製作者のヤサカ・マオが学んでいる「ガンプラ心形流」の応用により、ソーラーシステムを追加搭載する事で太陽が出ていればどこでもチャージできる上に、ほぼ無制限に連射が可能で、マイクロウェーブの受信と併用する事で更に出力を引き上げる事も可能。またビームソードを接続する事で、サテライトキャノンのエネルギーをそのままビームソードとして出力する「魔王剣」と言う必殺武装も持つ。
マイクロウェーブでチャージしたエネルギーを他の武装に回す事が出来るのはガンダムXから存在している設定だが、これほどわかりやすく発揮したのはガンダムX魔王が初めてである。
諸ガンダムゲームにおいて、サテライトキャノンを盾で受け止めているシーンが見受けられるが(例えばGジェネウォーズのOPなど。主人公してるのは良いが…)、はっきり言って無茶であると言わざるを得ない。
おそらくチャージを短くしてMSを破壊するのに十分な最低限の出力にしているのだろうとは思うが…
正直な話、本気のサテライトキャノンを受け止められるのはフルパワーの∀ガンダム・ターンXといった規格外級MSか実際にコロニーレーザーを受け止めたユニコーンガンダム&バンシィ(+強力なニュータイプ2人)くらいなものであろう。
一応ガンダムビルドファイターズではザンスパインカラーのV2ガンダムが光の翼でハイパーサテライトキャノンの直撃に耐えているが、直後のビルの倒壊に巻き込まれて敗北している。
無印ガンガンではガンダムX(サテライトモードのみ)が登場する。パイロットはガロード&ティファの2人乗りなのだが…無印ガンガンの世紀末バランスの悪い面を体現したMSともいえ、通常時の武装はコスト2000並、サテライトキャノンも低コストだと新品から蒸発するとてつもない威力だが色々と使い辛く、ガンダムXファンは涙を見ることとなった。
ガンネクではガンダムXにディバイダーとの換装システムが導入され、20秒のチャージで一発逆転を狙えるサテライトキャノンが使えるサテライトモードとハモニカ砲等を備え前線で暴れることが出来るディバイダーモードを使い分ける機体となった。パイロットは続投で2人が相乗り。マシュマー・セロがZZ枠ハンマ・ハンマで登場しているからGXはニートさんにしろよと言う声もあるが(注:マシュマーさんとニートは中の人が同じ)。
また、サテライトゲーは新規解禁のガンダムDXに受け継がれる。10秒/1発のチャージでで最大3発分ストックできるDXは、BR等の通常時の手数に欠けるものの最大4連発のツインサテライト(アシストのGファルコンは呼び出すとスーパーアーマー付加のツインサテライトキャノンが撃てる)で相手にプレッシャーを与えることが出来る。
余談だが敗北時のボイスに驚愕し、賢者になる野郎共がたくさんいるという。
戦略レベルで戦況を左右しうる兵器で原作では発射をためらう場合も多かったサテライトキャノンであるが、それをドカドカ撃っているのは突っ込んではいけない。
Xが参戦したのはα外伝、R、Zシリーズ(Z、第二次破界、再世)の5作品。
サテライトキャノンはどの作品においても高威力超射程でマップ兵器版もあるGXとDXの武器として登場する。
・・・が、難点も少なくなく、
と言った具合である。威力と射程を考えれば間違いなく最強の武装なのだが・・・
ちなみに、RではGXとDXが同時にサテライトキャノンを撃つダブルサテライトキャノンという凶悪な合体攻撃もあったり、Gビットと連携したGビットサテライトキャノンなる鬼畜な必殺技が存在する。
ジャミルを乗せたGXでトラウマを再現できる。(ゲス顔
しかし最新作の第三次スーパーロボット大戦Z 天獄篇にてサテライトキャノンに革命が起きる。
なんと、最初から1発分のエネルギーをチャージ済みの状態で出撃でき、チャージ時間は1分(1ターン)と劇的に短縮。
更に、大戦時よろしく中継衛星を利用することで月が出ていないマップでも2分(2ターン)でチャージができる。
更に更に、シナリオが進むと月の有無にかかわらず常に1分でチャージが可能になり、(ENがあれば)1ターンに1発ずつツインサテライトキャノン発射することも可能になる。
通常武器版は前作では全体攻撃だったのが何故か単体攻撃になってるものの、それを差し引いても使い勝手がかなり向上し、もちろんマップ兵器版は相変わらずの性能。
しかも本作ではマルチアクション(敵を倒すと行動回数+1)や戦術待機(未行動でターンを終了すると次ターンに覚醒と加速がかかる)などのお陰で非常に位置取りがしやすいのでまさに鬼に金棒。
掲示板
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最終更新:2025/04/01(火) 06:00
最終更新:2025/04/01(火) 06:00
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