サラリーマンとは、専門職以外の、民間企業に務めるホワイトカラー労働者である。リーマンと略される場合もあるが、概して自嘲や揶揄を含んだ言い方である。
日本語のサラリーマンは英語の male office worker 等に相当する和製英語であるが、語源としては英語の salaried man (月給払いの男性就労者(労働者だけでなく専門職や管理職も含む))に由来するという説がある。
ともあれ現在では、日本訛りの英語(Engrish)として salaryman が英語に逆輸入されていたり他の言語に再輸出されていたりするので、意味は通じることがある(意味は「(社内でそれなりのポストにありつつ日々の長時間労働に勤しむ、日本の)ホワイトカラー労働者」)。 [1]
高度経済成長期を経て就労者の在り方として一般化してくるにつれ、このサラリーマンという言葉の響きが軽くなってきたこともあり、バブル期には新たにビジネスマンという呼称も生まれたが、英語の businessman は「会社・企業の運営に携わる男性(経営者・重役など)」という全く対極の意味になってしまうので注意が必要である。
サラリーマンの意味は、一般的には冒頭に書いた通りだが、はっきりしていないことも多い。以下のような特徴を持っていることが多い。
仕事内容にこれといってパッとしたイメージが浮かびにくく、「没個性的」とされることもある。一方で、サラリーマンの仕事や生活により日本の経済が回っているのも事実である。
なお、先に述べたようにサラリーマンの定義ははっきりしておらず、「自営業者・家族労働者じゃない人全員」をサラリーマン扱いすることもある。総務省統計局の家計調査では「勤労者世帯(サラリーマン世帯)」という項目がある。
この言葉が誕生したのは大正時代ごろとされ、それまでは「俸給生活者」や「月給取り」などと呼ばれていた。特に地位の低い人は「腰弁」と呼ばれていた。
大正時代には東京などの都市が発展し、下層の大卒職員が増えた。これに加え、第一次世界大戦後の不況から生活が苦しくなり、大卒職員の中に工員よりも待遇が悪い人まで出るようになった。この改善を求め1919年に「サラリーマンユニオン」などの労働組合が結成されたことで、サラリーマンという集団意識が形成されていった。
戦後になると大卒者がさらに増加し、サラリーマンたちは終身雇用制のもとで昇進するため仕事に熱心に取り組み、日本の高度経済成長を支えるようになった。一方、こうして世間に広く一般化したサラリーマンには「給料のために上司や顧客にヘイコラする」といったおよそ平板で主体性の無い事勿れ主義的な人間のイメージが持たれるようになり、この言葉を自虐的に使う人も出てきた(クレージー・キャッツ「サラリーマンどんと節」など)。これを受け、バブル期になると仕事を積極的に行うようなイメージのある「ビジネスマン」という語に置き換えられるようにもなり、彼らのポジティブな勤務スタイルとして「24時間戦えますか」というキャッチコピーも登場した。
しかしバブル崩壊以降は終身雇用制が崩壊してサラリーマンのリストラが増加するなど、負の側面にも注目されるようになり「過労死」「社畜」といった事象が社会問題としてクローズアップされることとなった。かつては「会社員」と言われて基本的にイメージされるのは専ら先述したようなサラリーマンの姿であったが、非正規労働者が労働人口の過半数を占める現在において普遍的な会社員像を想像するのは非常に困難であるし、過労死にしても社畜にしてももはやサラリーマンだけの問題ではなくなってきている辺り、現代社会の昏迷を色濃く反映していると言えるのかもしれない。
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最終更新:2025/03/13(木) 20:00
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