「ジョニーが凱旋するとき」(「ジョニーが帰るとき」「ジョニーの凱旋」など邦題表記は揺れる。原題: When Johnny Comes Marching Home (Again))とは、南北戦争時代(1861~’65年)のアメリカの俗謡(流行歌)である。
ジョニーは特定の人物ではなく一般的な男性または女性を指す言葉だが。この曲の場合、狭い意味では南北両軍の帰還兵、広い意味では家族・親類・知人・etc...をも指している。
もともとはアイルランド民謡として歌われていた作詞・作曲者不明の曲「あのジョニーはもういない」(Johnny I/We Hardly Knew Ye/Ya, 直訳すれば「ジョニー、貴方が貴方だなんてなかなか判らなかった」)で、アイルランド中東部のキルデア州アサイ(Athy)への道すがら、戦争によって半死半生の変わり果てた姿になったジョニーに、それでも生還してくれたことへの素直な喜びを告げる恋人の歌である。またこの手の民謡の多分に洩れず、失われた部位をとくとくと列挙するさまは言葉遊びの要素を多分に含んでいて、ある種のユーモラスさすら漂っており決して悲しみ一辺倒の歌というわけではない(しかし現代ではジョニーの痛ましい姿と恋人の驚きが強調され、反戦歌として解釈されて歌われることが多い。 cf. スカボローフェア)。この民謡に勇壮な歌詞をつけ直して生まれ変わったのが・・・
・・・というのが通説であるが、「いない」のオリジナルは「凱旋」とは曲が異なり、逆に「いない」(出版は’67年)の詞が「凱旋」(同’63年9月)の曲で歌われることがあった、というのが事実のようだ。「凱旋」の曲の直接のオリジナルとして最有力なのは作詞・作曲者不明の北軍兵の戯れ歌「ジョニーよ鉢を満たせ」(Johnny Fill Up The Bowl, 同’63年6月)で、これは南北戦争の西部戦線で勝利を重ねる北軍兵の宴席で、「いない」のジョニーのように傷痍した南軍兵(この時期のジョニーは南軍兵を指すスラングでもある)の抱える物乞い鉢に食べ物を恵んでやる、といった内容の詞である。この曲に指揮者・義勇兵のパトリック・S・ギルモア(Patric Sarsfield Gilmore)が歌詞をつけ直したのが「凱旋」であるとされている(ギルモア自身は20年後に「ミュージカル・ヘラルド」紙にて「反乱(南北戦争)の初期に、誰かがハミングしていたのをたまたま聴き、曲想を得て譜面に起こし」たと語っており、「鉢」の曲自体は以前から歌われていたようで、その元歌の候補も存在する)。
詞の方は北軍兵の栄光ある帰還を願うものとも、南軍兵(ジョニー)の名誉の撤退を促すものとも見ることができる。ともあれこの歌は様々なメディアに引用されて多くの人口に膾炙し、果ては戦争末期の南軍諸州の兵士たちにも広く口遊まれていたのは事実である(後にイギリスでも流行った)。全人口の実に15人に1人が亡くなるというアメリカ史上最大の犠牲を生んだこの内戦の中、『風と共に去りぬ』や『若草物語』等に描かれるように家族や知人に戦没者がいるのが当たり前という世の中で、敵味方の境界を越えて歌い継がれていくものがこの歌にはあったのだろう。現在では他にも幾つかの替え歌が存在しており、パロディを含めて様々なパターンの曲を聴くことができる。
南北戦争から約80年後の1943年には、アメリカの作曲家モートン・グルードが、本曲を主題にした変奏曲『アメリカン・サリュート』を作曲した。当時アメリカは、太平洋戦争で日本と戦っている最中であり、アメリカ軍兵士の士気を鼓舞する目的に作られたが、今では日本でもよく演奏されている。元々は管弦楽曲だが、現在は吹奏楽に編曲されたバージョンが演奏されることが多い。
映像作品でもこの曲はしばしば使われており、洋画では『博士の異常な愛情』『ダイ・ハード3』『風と共に去りぬ』『西部開拓史』『第十七捕虜収容所』、日本では『塀の中の懲りない面々』やアニメ『BLACK LAGOON』『ガールズ&パンツァー』などの挿入曲としても知られている。
また、スポーツでもサッカーを中心に応援歌としてよく利用されており、リバプールFCなどの欧州名門クラブほか、Jリーグの複数クラブでこの曲をアレンジした応援歌が使われている。
掲示板
35 ななしのよっしん
2020/07/15(水) 08:18:16 ID: SJb6Jnu3nu
>>33
一応sm9758081の方がオリジナルらしい
それにしても時系列がややこしすぎる
ジョンアンダーソン,私の愛しい人、John Anderson, My Jo、 1789(メロディー自体は1630年辺り以前から存在)(原曲?)
3羽のカラス、The Three Ravens、1611以前 (原曲?)
↓
ジョニーよ鉢を満たせ、Johnny Fill Up The Bowl、1863年6月(原曲)
↓
ジョニーが凱旋するとき、When Johnny Comes Marching Home、1863年9月
↓
ジョニー、貴方が貴方だなんてなかなか判らなかった、Johnny I Hardly Knew Ye、1867(当初は別のメロディー)
36 ななしのよっしん
2023/03/19(日) 14:14:20 ID: G4kNFZg8RT
日本でも軍歌「歩兵の本領」が戦後、労働歌「メーデー歌」(聞け万国の労働者)として歌われたり
もともと戦意を鼓舞する歌がのちに反戦だったり反体制的な歌に変わったりって世界的によくある話なのかね
37 ななしのよっしん
2023/05/30(火) 19:17:50 ID: onN7SBw/rV
日本のしかも戦争どころか人生すらエアプ丸出しのコメントがとても気持ち悪い
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最終更新:2025/04/17(木) 17:00
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