ダイオウイカとは (ダイオウイカとは) [単語記事]

ダイオウイカ(大王烏賊、学名:Archit eu this dux)とはイカの一種である。

曖昧さ回避

だいおうイカ - ドラゴンクエストシリーズに登場するモンスター。
ダイオウイカ - ゲーム『Splatoon』に登場するスペシャルウェポンのブキ。 → Splatoonのブキ一覧

概要

ツツイカ目ヤリイカ亜目ダイオウイカ科に属する世界最大級のイカにして世界最大級の無脊椎動物。これまでの最大記録はノルウェーで採取された胴長5.6m、全長19.8mの個体^[1]。ただし、日本沿岸で採取されたものは胴長1.8m、全長6.5mほどと比較的小型で、世界に複数種が存在することが伺える。→以前はそのような説もあったが、2013年に遺伝的にきわめて同一種である可能性が高いことが判明した^[2]。

また、直径30cmほどの巨大な目を持ち、これはダイオウホウズキイカとともに生物の中でも最大であるといわれる。墨袋もしっかりと持っている模様^[3]。よく知られた生物ではあるものの、生態や分布・分類などについてはまだわかっていないことが多い。発見例も少なく、生きているダイオウイカは小笠原で国立科学博物館の窪寺恒己博士らによって2004年に海中での写真^[4]、2006年に釣り上げた個体の映像がそれぞれ初めて撮影された。

ダイオウイカの「子供」の発見例はさらに珍しく、採集されダイオウイカと同定できた例は世界でも数えるほど。2013年 4月6日に鹿児島県肝付町沖で発見された個体が若体個体では世界初とされる^[5]。
寿命は2～5年程しかなく、急激に成長すると言われているがよく分かっていない。ダイオウイカの卵は1mm程しかないという。

ダイオウイカの天敵はマッコウクジラであるというのは有名な話である。しばしばマッコウクジラと戦うダイオウイカのイラストなどが描かれたりするが、実際はほとんどがマッコウクジラに一方的に食べられてしまうようである。
海辺に打ち揚がったりする個体よりマッコウクジラの胃の中で見つかった個体のほうが大きいということからもマッコウクジラは優秀なダイオウイカハンターなのだろう。頑張れ大王。

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2012年 7月、窪寺恒己博士らによる国際共同チームがNHK、ディスカバリー・チャンネルの協力を得て、小笠原で明瞭なダイオウイカの撮影に成功した。この映像は翌2013年 1月13日のNHKスペシャル『世界初撮影！深海の超巨大イカ』^[6]にて放送された。
その巨体から深海ではじっと動かないのでは？と思われがちなダイオウイカだが、意外とアグレッシヴな様子を見せてくれた。結構活発な捕食者なのかもしれない。

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2019年 6月、同じチームがメキシコ湾で2度目の海中の生きたダイオウイカの撮影に成功した^[7]^[8]。ダイオウイカがクラゲを模した光る疑似餌に襲い掛かる大迫力の映像がしっかりと捉えられている。

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2021年 1月26日には、島根県出雲市の漁港に生きた状態で漂着しているのが見つかった^[9]。ダイオウイカの漂着自体は日本でもそこそこある(年による)が、生きている個体が漂着し撮影されるのはかなり珍しいことである。この個体は体長4m10 cm、重さ170kg程だったが触腕が欠落していた。日本海側ではダイオウイカは本来あまり生息しておらず、対馬海流に乗って日本海にやって来たとみられている。衰弱が激しかったため、現在は島根県立しまね海洋館アクアスで冷凍標本として保管されている。